第562号(2001.03.01)

 一般会計は724億円 厚木市新年度予算案
  
ITなど3つのまちづくりを推進
積極型予算  法人市民税72億円(3.5%増)見込む
 厚木市の山口市長は2月14日、平成13年度の当初予算案を発表した。一般会計は724億円。対前年度比2.7%増で3年ぶりにプラスに転じた。
 介護保険事業などの7特別会計は前年度比4.4%増の380億7,432万円。一般会計と特別会計を合わせた総額は1,104億7,432万8,000円(前年度比3.3%増)で、市制施行後初めて1,100億円を突破した。
 歳入では市税が対前年度比0.8%増の466億9,992万8,000円で、歳入全体の64.5%を占める。内訳は個人市民税が高い失業率を反映して6億6,900万円減の123億6,700万円。法人市民税は企業の業績回復により8億5,500万円増えて72億500万円。固定資産税は1億5,200万円増えて223億1,700万円。都市計画税も5,400万円増の28億2,900万円となった。
 次いで国庫支出金6.1%増の37億8,696万6,000円、地方消費税交付金4.1%増の25億5,000万円、県支出金4.4%減の19億2,464万9,000円。市債は7.8%増えて26億480万円、財政調整基金などの繰入金は43.7%増え32億2,132万6,000円となった。
 歳出では土木費がトップで183億4,283万6,000円(構成比で25.3%)、次いで民政費125億9,063万1,000円(同17.4%)総務費91億7,241万7,000円(同12.7%)教育費87億8,297万9,000円(同12.1%)公債費74億3,014万8,000千円(同10.3%)、衛生費58億3,621万1,000円(同8.1%)消防費28億4,900万3,000円(同3.9%)の順となっている。

3つのまちづくり
 山口市長は「交通渋滞の解消の推進」「防災対策の推進」「高齢者など福祉施策の充実」の3大政策を、引き続き重点施策として掲げ、プラス二として環境、教育の整備を推進するほか、21世紀の特色あるまちづくりとして、「ITのまちづくり」「ハイウェイのまちづくり」「ハーモニカのまちづくり」の3つの事業に取り組むことを明らかにした。
 ITのまちづくりは、本格的なITの普及に伴い、市民がだれでもインターネットや電子メールが使えるよう講習を行うもので、情報通信技術講習推進事業、ベンチャー企業育成支援事業など25事業合わせて9億174万1,000円を計上した。
 ハイウェイのまちづくりは、平成19年度をめどに整備される高規格道路の4つのインターチェンジと有機的な連携をめざすための基盤整備を行うもので、鉄道網の東京駅に匹敵する役割を持たせるのがねらい。都市計画道路網調査事業など14事業6億9,414万5,000円を計上した。
 また、ハーモニカのまちづくりは、来年夏に厚木市文化会館で開かれる「第4回アジア太平洋ハーモニカ大会」の開催に向け、学校や地域でハーモニカ講座などを開くもので、今年度ハーモニカ大会マスコット作成委託、シニアカレッジハーモニカ教室など19事業合わせて8,824万1,000円を計上した。

トライアングル政策
 同市長は政策の基本的手法として、1つの事業で3つ以上の効果を生む「トライアングル政策」に取り組み、事務事業の見直しを進めることも明らかにした。トライアングル政策とは、費用対効果、コスト意識、縦割り行政の除去を目的としたもので、「愛の一声ごみ収集事業」では、家庭ごみの収集の充実をはかるとともに、集積所にごみを出せない高齢者を対象に個別収集を実施し生活を支援する。また、高齢者に一声かけることにより安否の確認につながるの効果がある。
新年度は63事業をトライアングル政策と位置づけ、29億2,696万8,000円を計上した。それによる事業費の削減額は6,793万9,000円。主な事業は生涯学習支援センター整備事業、生涯学習出前講座、子どもアート展事業、雨水循環保水・浸透システム調査事業など。

平成13年度の主な新規事業
 市史資料整備事業費182万円、情報通信技術(IT)講習推進事業費6,363万円、21世紀まちづくり市民提案事業費58万円、ノンステップバス導入促進事業補助金461万円、市立病院開設準備事業費244万円、住民基本台帳ネットワークシステム事業費7,300万円、地域福祉計画策定モデル事業費300万円、知的障害者施設建設事業補助金(紅梅学園)2,925万円、小田急線愛甲石田駅エレベーター設置事業費補助金1,666円、ファミリーサポートセンター事業費717万円、藤塚児童館用地取得事業費8,752万円、骨粗しょう症検診事業費百万円、落書き等防止対策事業費270万円、21世紀あつぎの共鳴(虫)復活事業費100万円、雨水循環保水・浸透システム基礎調査事業費300万円、事業系ごみ対策事業費50万円、勤労福祉センター用地取得事業費2億9,200万円、空き店舗対策事業補助金200万円、まち元気アップ事業費176万円、テクニカルフェア開催事業費700万円、(仮称)小野宮の脇線道路改良事業費700万円、船子中長谷線道路改良事業費1,350万円、本郷柄沢線道路改良事業費450万円、中津川左岸堤防道路整備事業費5,200万円、人づくり演劇教室経費492万円、飯山小学校給食施設整備事業費3億2,000万円、依知小学校給食施設整備事業費3億3,300万円、厚木中学校体育館建設事業費3,558万円、依知公民館用地取得事業費2億3,500万円、厚木市・大学図書館相互利用事業費163万円、生涯学習施設整備事業費2億500万円。

市と現物の貸出期間に食い違い 
厚木市貸出のチャイルドシート
「使用中止と返却」を周知すべきだ 主婦の斎藤さんが指摘
市……身長75cm・体重10kg メーカー…身長66cm・体重9 kg

 厚木市は平成12年4月から乳児を交通事故の被害から守るため、チャイルドシートの無料貸出を行っているが、同市三田の主婦斎藤明美さんが、本紙ホームページに次のような疑問を寄せてきた。
市のチャルドシートの貸出期間は、@乳児の満一歳の誕生日A乳児の身長が75センチメートルを超えた日B乳児の体重が10キログラムを超えた日までとなっており、母子健康手帳と運転免許証を持参すると、借りることができる。
ところが、実際に貸し出されているチャイルドシートの説明書には、「体重9キログラム、身長66センチまで」となっており、市側の貸出期間の条件とは明らかに異なる。
 斉藤さんは昨年9月15日から今年の6月15日までの期間で、チャイルドシートを借りたが、子どもの身長が伸びて返却の時期が近づいたので説明書を見直したところ、食い違いに気がついた。
 メーカの説明書には大見出しで「安全上のご注意」として警告マークを付記、「この乳幼児用カーシートは、体重9kg、身長66cm以下のお子さま用です(標準値およそ1歳頃まで)」と記入してある。従って66センチを超える乳幼児を乗せてはいけないことは明らかだ。斉藤さん自身も、子どもの身長が66センチを超えているのに、市の貸出期間の条件を信じて使っていたため、気がつかなかったという。
 市の説明書の注意事項には、「 危険防止のため、乳児の身長が75センチを超えたとき、体重が10キログラムを超えたときは、使用できないので返却してください」とあるため、メーカー表示の9キロ、66センチを超えても知らずに使用している人がほとんど。
 注意書きには取り扱い説明書に従わず、利用者が何らかの損害、傷害を負った場合には、市および業者は責任を負いませんということわりまである。
 斉藤さんは「単純なケアレスミスではすまない。市の表示通り使っていると、体重が九キロ以内でもシートからはみ出すケースが出てくる。この場合、事故が起きて責任を問われるのは、市であることは明らか。市は事前に説明書を確認すべきだったし、これを承知で貸出を行っていたとしたなら問題だ。業者も当然責任を負うべき」と主張、「現状の貸出制度を続けることは危険なので、市は身長66センチを超えているのに、75センチまで大丈夫と誤認して使用している人がいたら、安全のため直ちに使用を中止し、返却するよう連絡すべき」と話している。
 また、斎藤さんは「市が貸し出すチャルドシートは新聞によると、4万円台のはずだったが、実際に貸し出されているのは1万円台のもの。価格を落とすことによってシートのサイズが変わってしまっている」と指摘している。
交通安全課の山岡伸一課長は、「初めての制度であり、ベビーシートは全部使えるのは同じという認識があった。このため確認を怠った面があるのは否めない。現在、業者やメーカーとも相談しており市の表示通りのものを貸し出すか、表示をベビーシートの安全基準内とうたうか検討している。いずれにしても不備な点は改めたい」と話している。

厚木の市民訪問団


横手市の雪まつりに参加

 厚木市の横手市民訪問団(石川謙吉団長・16人) が2月15日から3日間の日程で横手市を訪れ、同市の雪まつりに参加、友好交流の輪を広げた。
 厚木市と横手市は1985年5月24日に友好都市を締結、今年で15周年を迎えた。先月20日には厚木市で横手市のかまくらづくりと物産展が行われるなど十五周年を記念した交流事業が続いており、今回の訪問団も一般公募した市民を「友好訪問団」として派遣した。
 訪問団は横手市に到着後、雪まつり会場を訪れてさっそく厚木のかまくらを2基作成、夜6時から始まった「かまくらまつり」では、訪問団の一行が、「はいってたんせ」「おがんでたんせ」「甘酒あがってたんせ」と横手市民に飛びかけ、交流を深めた。
 合わせて開かれた観光物産展には、厚木のいちごも出店され、あっという間に売り切れるという人気ぶりだった。
 訪問団は翌日には五十嵐忠悦市長を表敬訪問、今後の友好交流について意見を交換した。その後北国の勇壮な「ぼんでんコンクール」の表彰式に応援参加するなどして友好を深めた。
 雪国秋田代表する横手の「かまくら」は400年以上の歴史を持ち、詩情豊かな民俗行事として知られている。

2月22日飯山のが咲いた 
ドームで早咲き実験

ビニールで覆ったドーム桜

 桜の名所で知られる飯山のソメイヨシノを1カ月も早く咲かせよう―と飯山観光協会(西海幹男会長)が、2月上旬からビニールドームを使った桜の早咲き実験を行っており、2月22日、ドーム内の桜が咲き始め、沖縄を除く本土で一番早い桜の開花となった=写真。
 2月6日から3日間かけて、飯山観音手前の桜の広場に自生している六メートルのソメイヨシノの若木2本に、ビニールをすっぽりかぶせて温室状態にした。夜になって気温が20度以下に下がると、暖房を焚いて温室内を暖めるほか、屋根には温度と湿度調節を行う開封口を設けた。観光協会の役員11人が交代で当番に当たり、1日4回、暖房を付けたり開封口を開けて散水するなどの世話を続けている。
 昭和63年にも実験を行ったところ、日本一早い桜の開花に成功、マスコミの話題を集めた。昨年2月、庫裡橋の完成とミレニアム2000年を記念して、再びドーム桜に挑戦、見事1カ月早い桜の開花に成功した。
 今年は昨年より室内の温度を3℃から5℃上げたほか、1月に大雪が降って土に湿り気ができたため、つぼみがグングン成長、昨年より1週間早い開花となった。22日朝、西海会長がドームを訪れ、木の上部に咲いている桜の花を確認した。観光協会では「3月始めのひな祭りごろにはドームで一足早い桜見物が楽しめそう」と話している。

アローマ・デ・クラシカ

春のギターコンサート

 厚木市飯山に住む木村洋子さんら3人のギタリストで編成するアローマ・デ・クラシカの「春のギターコンサート」が、3月24日14時から、同市中町の労金ビル一階ハーブティ・カフェ「ティーゼーヌ」で開かれる。
 木村さんは横浜市の出身で、ギター歴35年のベテラン。12年前東京から厚木に引っ越してきた。東京ギター協会に所属して都内と県内を中心にサロンコンサートを行うかたわら、厚木、大和、座間で教室を開き小学生からお年寄りにクラシックギターを指導している。昨年5月には文化会館で、地元では初めてのリサイタルを開いた。
 グループを結成したのは四年前。同じ東京ギター協会所属の小笠原宣夫さん、渡辺和幸さんの3人トリオで年2回定期演奏会を開いている。グループ名のアローマ・デ・クラシカは、スペイン語で「古典の香り」という意味。これまで大和、座間で六回コンサートを開いてきた、厚木での開催は今回が初めて。
 演奏会ではモーツアルトのウィーン風ソナチネ、ロッシーニの序曲エリザバッタ、宮城道雄の春の海のほか、日本の歌やタンゴなどの名曲を三重奏、ソロでお届けする。 木村さんは「優しいギータの調べと心地よいハーブの香りで、リラックスタイムを過ごしませんか」と呼びかけている。
 入場料はハーブティーとクッキーがついて2000円。定員60人(定員次第締め切り)揩Q21・3923番(ティゼーヌ)または揩Q42・7021番(木村さん)へ。

支援事業の継続求め市長に嘆願書
文化会館ジュニアコーラス育成会
8,600人の署名添え

 厚木市は新年度から「文化会館ジュニアコーラス」の支援事業を打ち切るが、2月14日、同ジュニアコーラス育成会(中江陽一郎代表)の代表が厚木市役所を訪れ、市長宛てに市の事業として継続するよう要望した嘆願書を提出した。育成会では2月11日から署名活動を展開、21日には、8,605人の署名簿も合わせて提出した。
ジュニアコーラスは平成11年4月、あつぎハートプランの「うたごえの聴こえる街づくり事業」に位置づけられ、5年計画事業としてスタートした。合唱活動を通して感性豊かで、思いやりのある心を持った子どもを育成するほか、21世紀の同市における芸術文化活動のリーダーを養成するのが目的。
 メンバーは小学4年から高校3年までを対象に一般公募、オーディションの上選考している。現在44名のメンバーがいるほか、小学校3年までの低学年を対象にした入門クラスには22人が所属する。
 指導者は声楽家の清沢伊知子さん。昨年8月、東京都内で開かれたジュニアコーラス全国大会では、優秀賞の「青空賞」を受賞するなど、発足2年未満にもかかわらず高い評価を受けたという。市も初年度60万円、平成11年度100万円、12年度162万円の予算を計上、バックアップしてきた。
 市が支援事業を打ち切り、自主運営を促すことにしたのは、「税金を使って特定のグループだけを支援するのは不公平」という、他のグループからの批判に答えたもの。
 育成会では市民部と話し合いを持つほか、2月11日から署名活動を展開、14日、山口市長宛てに存続を求める嘆願書を提出した。嘆願書では、市の施策が打ち切られることは、これから伸びようとする若い芽が摘み取られることを意味する。5年の事業をわずか2年で打ち切ることは納得できない。継続させることがそれを誕生させた市側の責務だと訴えている。
 育成会の鶴代知子さんは「不公平感があるのならジュニアコーラスの事業を打ち切るのではなく、全ての合唱団が活動しやすいような環境づくりを行うのが市の役目」と市側の切り捨て策を批判している。
事業の責任者をつとめてきた文化会館の井上允館長も「やっと基礎が出来た段階。保護者はマネージメントの経験もなく、いきなり自立を促すのは酷」と市の上層部とは異なった考え方を示している。
 これに対して市内の音楽関係者は、「子どもたちの情操教育が目的なら、教育現場での課外活動としても対応できる。それ以外の方法で市がやる場合、民間との兼ね合いをどうするかが大きな課題だ。市内には子どもたちの合唱団が10団体ほどあり、かりにも民間をつぶすようなことがあってはならない。その意味では教育とはいえ芸術文化活動を市が丸抱えするのは決して好ましいことではない」と話す。
 育成会では山口市長に対して、3月15日までに嘆願書への回答を求めている。市側には、文化会館事業協会に移管して1年間暫定的に対応してもらおうという考え方も出ており、今後の対応が注目される。

野草園3月1日オープン 

10日.11日は雪割草展示会

冬季閉園していた厚木市中荻野の荻野運動公園内の野草園が3月1日オープンする。
 園内では福寿草、節分草など春の野草を見学することができるほか、四月になると、カタクリ、イカリソウ、やまぶきそう、タチツボスミレなど春のの草花がいっせいに開花する。
 3月10日と11日には、野草園管理棟で、春の野草の代表格である雪割草(三角草)の展示会を開催する。時間は午前9時30分から午後3時30分まで。入園は無料。
 野草園の広さは約3ヘクタール。運動公園の西に位置した起伏に富んだ地形が特徴で、散策路(木製デッキ800メートル)を歩きながら、市内や周辺地域に見られる250種80,000株の野草のほか、1,000本の樹木を見ることができる。
 開園時間は午前9時から午後4時30分まで。受付は4時まで。入園無料。休園日は月曜日と祝日の翌日。交通は本厚木駅より神奈中バス一番線乗り場より、鳶尾団地行き・まつかげ台行・上荻野車庫行き・半原行き「稲荷木下車」徒歩10分。または宮の里行き「荻野運動公園」下車。問い合わせは揩Q25・2900番。

     請負業者の破産で第2小新築工事が一時中断
 厚木市は同市中依知202番地の建設会社・株式会社関根工務店(関根孝夫社長)の破産申し立てにともない、二つの公共工事の続行が不可能となり、工期内の完成が不可能となったことから、1月21日に開かれた市議会全員協議会で報告した。
 工事は国庫補助対象事業となっている厚木第二小学校北棟校舎・給食調理場新築工事と、市単独事業である同市中依知内の平成12年度公共下水道依知第2枝線工事35工区。
 第二小北棟校舎と給食調理場の新築工事は、鉄筋コンクリート造りで一部鉄骨の3階建て。延べ面積は3,856.62平方メートル。一般教室12教室と特殊学級3教室、和室、音楽室、ランチルーム、給食調理場などが建設される予定で、工期は平成11年12月28日から13年2月28日まで。関根工務店と関野特別共同企業体が受注していた。請負額は5億1,324万円。
 同社の破産申立により工事の続行が一時中断、工期内完成が難しくなった。
 また、公共下水道依知第2枝線35工区は、平成12年9月7日から13年1月15日までの工期で、管の布設や汚水枡、マンホールなどを建設する工事。請負金額は2,835 万円となっている

     青学跡地利用は間断なく 対策協が申し入れ
 厚木市と厚木商工会議所など五団体で組織する「青山学院大学厚木キャンパス対策協議会」では、2月20日、5者の連名で、学校法人青山学院大学に対して移転後の跡地利用についての要望書を提出した。
 同大学厚木キャンパスは相模原市淵野辺への移転が決まっており、昨年10月、対策協議会では「移転後、間を空けることなく、継続して利用されるよう計画の策定」を要望してきた。同大学では「跡地の利用については、地元市の考え方に配慮したい」という立場をとっており、今回の要望は「厚木キャンパスの全面移転が、地域の交通、経済など住民生活に大きな影響があることから、跡地利用については間を空けることなく、継続して利用されるようお願いする。また、具体的な利用については、都市計画法にもとづく地区計画に規定する施設の誘致について、特段のご配慮をいただきたい」とするもの。
 森の里青山地区は、都市計画法にもとづく地区計画により、大学、高等学校などの学園施設や先端産業の研究施設を立地するとともに、緑に囲まれた静かな環境の形成保全をはかる「学園研究施設」として指定されている。
 同市では、厚木キャンパスが全面移転し、跡地利用がされない場合には環境や交通、経済に大きな影響を及ぼすとして、商工会議所、農協、神奈川中央交通、小田急電鉄など五団体で対策協議会を設置、跡地利用についての申し入れを行ってきた。今後も大学側と情報交換につとめるという。

    香りで読み解く源氏物語 香りの会が講座開催
 香りの研究家として知られる嶋本静子さんの「香りで読み解く源氏物語」の第2期講座が、4月14日から10月13日までの6回、厚木市文化会館で開かれる。
 昨年行われた「続草の香りで読む万葉集講座」に続くもの。昨年は厚木の万葉植物の探索に取り組むほか、植物の写真に万葉の歌を添えた記録を作成するなど好評を博した。
 今回は、香りの視点から源氏物語を読み解くもので、香りによる光源氏と彼を取り巻く世界の新境地を開く。
 講師の嶋本静子さんは、東京女子大学英米文学科と日本文学科を卒業後、香りの研究家として香りや花、ハーブ、ポプリ、アロマテラピーなどに関する企画や執筆、講演などを行うほか、北鎌倉の「香り仕事」では、セミナーなどを開いている。
 講座は4月14日・5月12日・6月9日・7月14日・9月8日・10月13日の13時30分から15時30分。聴講料一万二千円(6回)。葉書に〒住所、氏名、電話番号を明記の上、〒243―0018厚木市中町1―8―2・中倉茉記子さんへ。揩Q25・0584番。

愛川町が「景観10選」を選定
旧跡・社寺・自然・古民家など

三増合戦碑

八菅神社

 愛川町では、このほど町の景観を町民の宝として、そのよさを町内外に広めようと、「愛川町景観10選」を選定した。
 昨年、町民から候補地を公募したところ、89人より169点の推薦があった。町景勝選定委員会が現地を調査、宮ケ瀬ダムと新石小屋橋、三増合戦碑と志田峠、八菅山と八菅神社、山十邸と中津往還など旧跡や神社・仏閣、河川、山地、田園風景、古民家など10か所を選んだ。いずれも町内を代表する景観で、町民に親しまれている。景観10選と選定理由は次の通り。
 @宮ケ瀬ダムと新石小屋橋。新石小屋橋越しに見る宮ケ瀬ダムの景色が壮大である。
 A経ケ岳・仏果山・高取山の山並み。季節ごとに趣を変える風景が大変魅力。
 B塩川滝飛沫。夏でもひんやりとした冷気が漂い、その飛沫に心が洗われる。
 C勝楽寺の山門と杉木立。緑陰に行き交う人々の心を和ませる。
 D三増合戦碑と志田山峠。1569年に甲斐の武田軍と小田原の北条軍が激戦を繰り広げた歴史に残 る合戦場で、現地に碑が建立されている。
 E箕輪耕地遠望。中津川沿いに広がるのどかな田園風景が魅力。
 F八菅山と八菅神社。自然公園として整備され、訪れる人のやすらぎの場所となっている。
 G山十邸と中津往還。明治時代の豪農住居の姿を残す古民家。周辺の沿道も昔の町並みを残して いる。
H工業団地といちょう並木。整然と立ち並ぶ工業団地に彩りを添える並木が印象的である。
I中津川の清流。中津川の清流が人々の心いやしてくれる。

   費用弁償改正案取り下げ 政務調査費は引き上げ
 厚木市議には議員報酬、費用弁償、政務調査費の三種類の公費が支給されており、このうちの費用弁償が2月議会で話題となった。費用弁償とは議会出席で仕事を休んだ補償や交通費として支給される手当で、厚木市会の場合、議員が本会議や常任委員会、特別委員会に出席すると、日額2,500円が支給される。
 厚木市会では「もらう根拠がない」という理由で、全会杯一致で廃止に向けた議論が行われてきた。ところが、神奈川ネットワーク運動厚木市議員団が、今議会に条例改正案を提出する動きを見せたことから、保守系の民政クラブと公明党市議団が共同で改正案の対案を用意、それぞれ開会中の2月議会に提案される予定だった。
 ネットの改正案と民政クラブ・公明の改正案は、施行日が異なることや民政クラブ側が青少年問題協議会などの委員を兼職する場合の報酬廃止を盛り込んでいるなどの違いがあるが、費用弁償の廃止については基本的に同じ内容だったため、議会内に協議会を設けて議論を深め全会一致で再提案することが望ましいと調整が行われ、ネットも合意したため2月23日、条例案がともに取り下げられた。協議会では費用弁償のほか、本会議のテレビ放映についても検討していくという。
 一方、厚木市は開会中の2月議会に、議会の政務調査費の交付に関する条例案を提出した。議員の調査研究に必要な経費の一部を会派に対して支給するもので、これまで要綱により1カ月25,000円だったものを条例化して40,000円に引き上げ、これに所属議員の数を乗じた額が支給される

   厚木市議会が森首相の退陣を求める決議案を提出
 厚木市議会は森喜朗首相の辞職を求める決議案を、開会中の2月定例会に提出する。あつぎ市民派議員会議の高田浩議員が起案、国政与党の自民系、公明も同調するもので、3月2日の本会議に議運の委員長名(貞方寛委員長)で上程、全会一致で可決される。
 決議案は、「森内閣発足以来、総理大臣としての資質に国民は強い不信と疑問を持っている。特に、米国ハワイ沖での米原子力潜水艦衝突事故によるえひめ丸沈没という国民の生命にかかわる非常事態の第一報後もゴルフを続けていた対応は、その象徴的事例。複数マスコミの世論調査も10%を切る事態に直面しており、日本の国際的信頼を失わせ、地方政治にとってもマイナスの影響を避けることは出来ない。従って国民生活に支障をきたさないよう速やかに内閣総理大臣の辞職を求める」いうもの。えひめ丸の沈没事故以降、首相の退陣を求める決議案が出されるのは、全国議長会でも初めて。

   市と議会に促進陳情 相模大堰多目的広場整備計画
 厚木市が相模川の相模大堰右岸に、多目的広場の整備を計画している問題で、「岡田地区相模大堰多目的広場整備促進委員会(山口操代表)は、2月13日、計画の早期着工整備を求めて、2,622人の署名を添えた陳情書を山口巖雄市長と太田洋市議会議長宛てに提出した。
 それによると、同広場の整備は「ふれあい」や「うるおい」など、人間性をより豊かにすることを目的としたもので、多世代協調の場、交流の場となるものである。整備にあたっては、県と厚木市は河川景観の保全や自然環境との共生を図るため、当初の計画を大幅に縮小し整備計画区域として定めたものである。昭和59年に要請し、長年の課題であったものが、近々着工する運びになっていたにもかかわらず、昨年12月議会で促進陳情が継続審議になったことは極めて残念。計画の早期着工整備を求めるとなっている。
 同広場については、昨年11月24日、岡田地区の住民で組織する「相模川多自然型川づくりを推進する会」(中林竹廣代表)が、542名の署名を添え、「多自然型川づくりをめざしたビオトープの整備を求める陳情」を議会に提出しているが、これも継続審査となっている。

.