第565号(2001.04.15)

介助希望者と個別に面談する嶋田さん

障害者の生活サポートしませんか
全身性障害者のための
自薦登録ヘルパー制度
四股障害の嶋田さんが歯科医として自立
食事や入浴、着替え
掃除、洗濯などの介助者を募集

 厚木市旭町に住む歯科医師の嶋田純さん(35)は車椅子で生活をする重度の障害者だ。この3月、福岡県立九州歯科大学を卒業、4月から同市内の歯科医院にカウンセラーとしての採用が決まった。
 だが、上下肢に重度の障害があり、握力がないため物を持ったり摘んだりできない。このため身体の移動や食事、入浴、着替え、トイレなどは介助が必要だ。また、掃除や洗濯、調理、整理整頓、買物などの日常生活についても介助を必要とする。補助具を使って自力でできる面もあり、電話や自動ドア、電動車椅子、パソコンなどの操作は自分でこなす。
 嶋田さんは立川市出身。大学四年の時、柔道の試合で頸髄を損傷、四股体幹マヒとなり、以来車椅子の生活を送っている。入院からリハビリ、復学、研修医としての生活、大学院を含め卒業するまでの九年間、母親のトミ子さん(63)が、つきっきりで介助、嶋田さんの生活を支えてきた。
 十六日から勤務が始まるため、このほど職場から車椅子で十分ほどのところに引っ越してきた。現在はまだ母親の介助を受けているが、間もなく一人暮らしが始まる。
 これに備えて嶋田さんは今年の2月、同市恩名にある「あつぎ障害者自立生活センター」(玉井明代表)に相談を持ちかけ、自立生活プログラムの作成や介助者の派遣を受けることにした。センターは昨年10月、厚木市の委託を受けてスタート、障害者の生活を支援するため、自立生活プログラムの作成や、在宅・施設で生活している人への情報提供、ピアカウンセリング、ホームヘルパーなどの派遣事業を行っている。
 嶋田さんが受ける介助は、全身性障害者のための自薦登録ヘルパー制度だ。上下肢ともに重度の障害をもち、24時間介助を必要とする人が対象。従来のヘルパーサービス事業に加え、障害者自身が選任した人を市に登録し、公的サービスと同様のサービスが受けられる。利用時間は1日5時間。
 平成六年、県が定めた「全身性障害者等地域生活支援システム」の補助を受けて、市町村が実施するもので、厚木市では昨年11月からスタートした。
2月中旬、市民かわら版などのミニコミ誌を通じて嶋田さんのヘルパー募集を行ったところ、21歳のフリーターから、現役の女子大生、知的障害者施設の元職員、介護ヘルパーの資格を持つ68歳の女性など12人の申し込みがあった。中にはまったくの未経験者も2、3人いる。
 4月10、14の両日、嶋田さんの自宅に12人が集まって、話し合いがもたれた。懇談ではセンター職員が嶋田さんの日常生活や介護の状況などを説明した後、嶋田さんと個別的な面談を行ない、得意な分野、サポートできる時間などを話し合った。その結果、11人がヘルパー登録を行ない、嶋田さんをサポートすることにした。
 だが、11人の介助者ではまだまだヘルパーの手が足りない。このため、引き続いて介助者の募集を行う。希望者はセンターに会員登録し、嶋田さんと面談の上採用を決定する。未経験者には障害者介助講習なども行う。登録は18歳以上。時給1,270円。保険料100円は市の負担。
 センターの玉井代表は、「30人くらいでチームを組んでサポートするのが理想。介助者が少ないと欠員が出た場合、嶋田さんのサポートに支障が出て来る。出来るだけ多くの方の協力を望みたい」と登録を呼びかけている。問い合わせは揩Q97・3908番へ。

災害時の医療救護活動

厚木市と医師会が協定を締結

協力の要請方法など定める

 厚木市は4月3日、社団法人厚木市医師会(高橋正年会長)と「災害時における医療救護活動に関する協定」を締結した。
 市は地震などの大規模災害が発生し、医療救護活動が必要となった場合に備え、医師会との協力体制を確立しようと、協定を締結した。
市の地域防災計画では、すでに医療救護活動についての定めがあるが、この協定により協力の要請方法、業務内容、医薬品の供給体制、医療費、費用弁償、医事紛争の処理などについても具体的に定めた。
 救護所では、被災傷病者の傷病程度の診断、応急処理及び医療、受け入れ機関への転送の要否及び転送順位の決定、死亡確認および検案などを実施する。また、救護所における応急的な被災傷病者の医療費は無料としている。地域防災計画では、救護所の設置場所に厚木中、第二小など13カ所を指定している。
 同市の災害時の協力に関する協定締結は、これで52番目。災害時における医療救護活動に関する医師会との協定締結は、川崎、伊勢原、相模原、海老名、横浜、座間の各市に次いで県下で7番目となる。

厚木商業ソフト部が2連覇
よろこびを市長に報告

 4月9日、県立厚木商業高等学校ソフトボール部(利根川勇監督・37人)が、山口市長を表敬訪問、第19回全国高等学校ソフトボール選抜大会優勝の報告を行った。
 同ソフトボール部は、選抜大会の初戦で、福井県立大野高校を10対1の大差で破り、その後の4試合全てを完封、決勝までの五戦をわずか1失点で押さえるという成績で昨年に続いて二連覇を達成した。
 利根川監督は「皆さんのおかげで二年連続優勝旗を厚木に持ち帰ることができました。また新たな気持ちで3連覇をめざして頑張ります」とあいさつ、山口市長は「厚木商業のソフトボール部は、厚木の顔として全国に知れ渡っています。今後も精進して頑張って下さい」とお祝いの言葉を述べ、選手一人ひとりに記念品をプレゼントした。

第6回「あつぎ大潮展」

4月24日〜30日
市民ギャラリーで

 あつぎ大潮会(梅沢善和会長・27人)の第六回「あつぎ大潮展」が4月24日から30日まで、同市中町の市民ギャラリーで開かれる=写真は昨年。
 同会は平成7年10月、写実の殿堂といわれる「大潮会」の会員と一般出品者を中心に、厚木支部として発足した。毎年1回、市民ギャラリーで開く「あつぎ大潮展」には、毎回2,000人を越えるギャラリーが押し寄せ、他画壇の注目を集めるとともに、厚木美術界の中心的役割を果たしている。
 今回は昨年12月、上野の美術館で開かれた「大潮展」に出品した作品を中心に、全会員が2点づつ出品する。作品は50号から100号クラスの大作が主で、2年連続して特選を受賞した安立修さんの「爽寂」をはじめ、奨励賞に輝いた日本画の横手豊子さんの「嫁ぐ日」、同じく奨励賞を受賞した藤條昭二さんの「浄智寺」のほか、会員努力賞を受賞した松本弘子さんと吉岡和恵さんの「秋を摘んだ」「あじさいの頃」など、例年にない優秀作品がズラリと並ぶ。
 このほか、会長の梅沢善和さんが「釣瓶」、顧問の杉山勇さんが「惜秋」などを出品、ギャラリーの目を楽しませてくれる。

神奈川ふだん記 
創設メンバーの
四宮さつきさんを特集

 愛川町や厚木市、津久井町に住む主婦などが中心となって文章活動を続けている『神奈川ふだん記』の機関誌第52号が出来上がった。
 今号は昨年12月22日に亡くなった、ふだん記 運動の創設メンバーで、全国グループの窓口を長く務めた四宮さつきさん(八王子)の特集。四宮さんは運動の提唱者だった橋本義夫さんを支え、運動の軸となって全国から寄せられる手紙や文章を整理、橋本さん亡き後も全国グループの窓口として会を引っ張ってきた。昨年9月、100号を機に窓口役を後任に譲ったばかりだった。
 特集では橋本さんの夢を受け継ぎ、ふだん記とともに生きた四宮さんを偲ぶ文章が神奈川のほか全国から数多く寄せられた。愛川町中津の熊坂あき子さんは、「四宮さんの話上手より聞き上手になれという言葉が強い教訓として心に残っており、それを実行しようと日々心掛けている」と追悼の言葉を寄せた。
 このほか52号のテーマ「素敵な人」や「一寸いい話」などにも、多くの文友が原稿を寄せており、今回も200ページを越える内容となった。入会への問い合わせは窓口の足立原さんへ。揩Q85・2973番。

厚木市・愛川町・清川村
厚木愛甲ごみ処理広域化準備室開設

 4月2日、厚木市役所内に「厚木愛甲ごみ処理広域化準備室」が開設された。 
 平成10年3月に神奈川県が策定した「神奈川県ごみ処理広域化計画」にもとづき、厚木愛甲ブロック(厚木市、愛川町、清川村で構成)におけるごみ処理広域化を進めるため、厚木市と愛川町、清川村の3市町村が合同で開設したもの。
 昨年7月、市町村長会議で合意、今年の2月9日、準備室の設置に関する協定書を締結した。
 今後、準備室において3市町村の職員(厚木市2名、愛川町・清川村各1名)が広域化に向けた協同研究を進めるとともに、実施計画などの策定に取り組む。準備室の開設式には山口厚木市長、相馬愛川町長、山口清川村長が出席して看板を掲げた。

厚木ミュージアム

加川瀛介と夕焼け小焼け原画展を開催

 厚木市飯山の旅館「アツギミュージアム」で、長野県の画家「加川瀛介と夕焼け小焼け原画展」が4月1日から始まった。
これは大和市に住む随筆家・依田信夫さんが『物語夕焼け小焼け』の出版を記念して、依田さんとコンビの加川さんが中村雨紅の詩につけた原画を展示したもので、「絵で見る夕焼け小焼け展」。
 作品は、依田さんの編著である『中村雨紅お伽童話第1集・第2集・第3集』や『中村雨紅青春譜』に使われた表紙絵や口絵、挿し絵を中心に、今回市民かわら版より刊行された『物語夕焼け小焼け』の表紙絵と口絵を飾った「夕焼け」「ほうほう螢」「姉さんはお嫁に」などを含めカラーと白黒作品35点が展示されている。
 このほか、雨紅直筆の夕焼け小焼け詩額や色紙、初版本などを展示したほか、日本画の佐藤雪洞と中村雨紅、飯塚羚児の3巨匠による珍しい「夕焼け小焼けの合作画」も目を引いている。4月29日まで。

荻野運動公園に

いきいき健康広場」がオープン

4月5日、厚木市中荻野の荻野運動公園に、高齢者向けの「いきいき健康広場」がオープンした。
 高齢者の運動空間を整備し、体力づくりやふれあいの場を提供しようと、市が平成12年度に公園西側の多目的広場約2.3ヘクタールの入口部分1,190平方メートルを整備した。
 広場には12種類の運動器具や足裏つぼ押しタイルなどを設置した。福祉先進国カナダで開発された器具を輸入したもので、器具を使った無理のない基本的な運動の組み合わせにより、高齢者の健康維持や老化防止にその効果が期待できる。
 この日、初めて広場を利用したお年寄りは、「一つひとつの運動器具はどれも簡単に出来ますが、順番にすべての運動器具に取り組むと、かなりの運動量になります。ね。とても良い汗がかけました」と気持ち良さそうに話していた。
 運動公園では「高齢者はもちろん、子どもから実年層まで幅広く使っていただきたい」と話している。

知的障害を持つ五人の子どもたちを映画化

「ひなたぼっこ」を自主上映

5月10日・厚木市文化会館

 日本の映画史上、初めて知的障害を持つ子どもたちの暮らしぶりを映像化したドキュメンタリー映画「ひなたぼっこ」の自主上映が、5月10日13時30分から、厚木市文化会館で開かれる。
 映画は五人の知的障害を持つ高校生と高校入学希望者が、障害を持たない子どもたちと普通高校でともに学び、ともに生きていく姿を描いたもので、映画を通じて自分とは異質なものを持つ者との出会い、他者との共生について深く考えさせてくれる。
 監督をつとめた桐野直子さんは、「彼らと初めて出会った日、私は大いに戸惑った。何せ話が通じない。それでも ”ま、いいか “と気を取り直したのは、彼らに好奇心いっぱいの瞳で見つめられたからだ。あれから一年半、彼らが過ごすそれぞれの場所へ出掛け、同じ時を過ごしてきた。それは思いもよらず楽しい時間であった。この体験を一人でも多くの方に知っていただきたい」と語っている。
 映画は2月26・27の両日、NHKテレビ「にんげんゆうゆう」でも紹介され、全国的に大きな反響を呼び起こした。
 厚木では福祉やボランティア関係者で組織する「ひなたぼっこ神奈川上映委員会」(岩佐晴夫代表幹事)が自主上映するもので、市教育委員会が後援する。
 当日は上映前に、障害児の就学事情全国版と障害児の神奈川県高校入学状況などについての話もある。
 代表幹事の岩佐さんは、「上映会を通じて、地域の普通学校で学びたいと切実に願っている、障害者の思いを実現する道が少しでも開かれれば」と鑑賞を呼びかけている。 前売券は大人1,200円(当日1,500百円)、中学生以下600円(当日750円)。問い合わせは電話228・5849番(岩佐さん)へ。

ちょっとお花見で
寝たきり老人ゼロ運動

 4月8日、厚木市旭町の厚木南青少年広場で、地区に住む75歳以上の高齢者を対象に、同地区ねたきり老人ゼロ運動推進委員会(大島秀夫委員長)と同地区ふるさとづくり推進協議会(松尾敏男会長)の主催で、お花見を兼ねた「自然に親しむつどい」が開かた。
 この集いは、多世代協調の活力ある高齢社会を築くため、高齢者の社会参加を促進することで、寝たきり老人の増加を防止するために取り組んでいる「ねたきり老人ゼロ運動」の一環として企画したもの。   
 この日は、厚木南地区の75歳以上の高齢者611人のうち128人が招待され、民生委員や児童委員、婦人会の人たちが作ったトン汁を食べながら満開に咲く桜を見物した。
 また、園芸発表も催され、12歳から三味線を習っているという旭町に住む関トメさん(82)の「梅にも春」の三味線に続いて、カラオケや詩吟なども披露された。
お祝いに訪れた山口市長も「今日は絶好の花見日和。これからも自然に親しんでいつまでも元気に活躍して下さい」とあいさつした。

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