第573号(2001.09.15)

自費出版2題

『旅のしおり』植田昭一著 http://www.kawara-ban.com/shuppan6.html
『栴檀』   倉田定弘著 http://www.kawara-ban.com/shuppan7.html

厚木で介助犬育成活動を始める千葉さん

厚木で介助犬育成活動
四股障害の千葉さん

生活支援のヘルパーを募集
食事や入浴・トイレ介助

 厚木市で介助犬の育成活動を行なうため、9月17日に江戸川区から越してくる全身性障害者の千葉れい子さん(42)が、日常生活を支援してくれる介助者を募集している。
 千葉さんは59年青森県生まれ。生後9か月で肢体マヒになり、現在、電動車椅子を使用している。
 87年八王子市で自立生活を始めた後、2年後に渡米して、アメリカ合衆国の介助犬育成団体を視察。翌年再渡米して1年間、ペンシルベニア州にある介助犬育成団体訓練所でトレーナーの研修を受けて資格を取得、91年日本初の介助犬ブルースと一緒に帰国した。
 千葉さんはその後、98年に江戸川区に介助犬育成団体TAC(トータルケア・アシスタント・ドッグセンター)を設立、代表に就任して、介助犬の育成普及に取り組んでいる。
 介助犬とは身体の不自由な人の手足となって日常生活を手助けするため、特別なトレーニングを積んだ犬のこと。米国ではすでに20年以上の歴史がある。
 日本では92年に育成活動が始まった。現在、TACのほか民間の育成団体が全国に18か所あり、これまでに20頭の介助犬を送り出している。育成費は1頭30万円から50万円。人件費、諸経費を含めると200万円以上を要し、トレーニングにも相当な時間がかかるが行政からの援助はない。   
 TACがこれまでに送り出した介助犬は2頭、現在3頭をトレーニング中だ。千葉さん自身も自ら育成した介助犬「シーナ号」と共に生活を営んでいる。
 千葉さんはこのほど結婚して、9月17日に夫の住む厚木市へ越してくることになった。引っ越しとともに江戸川区にあるTACの事務所と訓練センターも閉鎖・移転して、トレーナーと一緒に厚木で本格的な介助犬育成活動を始めることにした。
 千葉さんの厚木での生活は、自宅のある妻田と自宅から10分ほどのところにある介助犬育成センターと事務所を往復する毎日となる。これまでも四股マヒのため、トイレや入浴などをヘルパーの介助に依存してきた。厚木に移転してもこの生活は変わらない。
 千葉さんは引っ越しに先駆けて、同市恩名にあるNPO法人「あつぎ障害者生活支援センター」に相談、全身性障害者のための自薦登録ヘルパー制度を活用することにした。8月下旬、ヘルパー希望者と面談を行なったが、現在までのところ数人のヘルパーしか確保できていない。
 介助は自宅でのトイレと入浴介助、職場でのトイレ介助が中心。このほか食事の準備や洗濯、後片付け、書類の整理、郵便物の開封などの介助もある。
 支援センターでは、引き続きヘルパーの登録を行なっており、20人ぐらいでチームを編成して千葉さんをサポートする考えだ。登録は18歳以上。時給1,270円。保険料100円は市の負担。希望者は支援センターまで連絡すること。TEL:297・3908番。

高規格道路建設協力会が発足

地元企業の受発注機会の拡大など

国や関係機関への要望活動を展開

 厚木市内に計画されている高規格幹線道路の建設促進を、地元産業界として一致した協力体制をとろうと、9月3日、「厚木市高規格幹線道路等建設協力会」が発足、同市栄町の商工会議所新会館で設立総会が開かれた。
 現在、同市内ではさがみ縦貫道路(圏央道・国道468号)、厚木秦野道路(一般国道246バイパス)、第2東海自動車道路(第2東名自動車道)の3つの高規格幹線道路の整備計画が進められており、さがみ縦貫道路については一部建設工事も進んでいる。
 これらの高規格幹線道路の整備は、厚木市が目指す「ハイウェーのまち・あつぎ」など、21世紀のまちづくりの重要なプロジェクトとして、市民生活の向上や周辺環境の整備、地域社会や産業経済などの活性化に大きな影響を与えるとともに、今後の都市発展の大きな要因になるものと考えられている。
 協力会は、高規格幹線道路の建設事業が計画的に遂行されるよう、地元産業界が一致した協力体制をとるため、厚木商工会議所が中心となって設立したもので、会長には黄金井一太会頭が就任、会議所内に事務局を置いた。
 協力会は高規格幹線道路の建設促進に向けて、次の事項を積極的に行なう。
 (1)工事関係、建設資材などの調達および運送などの地元企業における受発注機会の拡大、並びに国など関係機関への要望活動。
 (2)高規格幹線道路など建設にともなう、情報の収集および提供、協力支援。
 (3)その他高規格幹線道路などの建設促進に必要な事項。
 協力会は、趣旨に賛同する商工会議所の会員および市内企業で構成・運営され、会の基本事項及び重要事項を審議・執行する理事会のほか、必要により専門部会の設置も考えられている。
 同協力会では会員企業や一般企業の入会を呼びかけている。問い合わせはTEL:221・2151番。

玉川グリーンホーム

デイサービスの
飯原ミチさん100歳に

 厚木市小野の特別養護老人ホーム「玉川グリーンホーム」のデイサービスに通う、同市愛名の飯原ミチさんが8月13日、100歳の誕生日を迎え、10日同ホームで100歳を祝う会が開かれた=写真中央。
ミチさんは明治34年8月13日、市内の及川で生まれ、尋常高等小学校を卒業後、和裁を習い、機織をしながら家事を手伝った。25歳で愛名の飯原家に嫁ぎ、6人の子どもにめぐまれた。60歳まで農業を手伝い、地元婦人会の副会長をつとめるなど、地域活動にも積極的に参加した。
 デイサービスの利用を始めたのは平成6年11月からで、週2回玉川グリーンホームに通所して入浴や風船バレーなどを楽しんでいる。
 長寿の秘訣は「好き嫌いなく食べ、腹八分目を守ること」で、毎朝庭を散歩するのが日課だという。また、自宅の湧き水でお茶を飲み、曾孫たちと会話をするのが楽しみ。ミチさんは「みなさんのお陰で長生きできてありがたい」と話していた。

子どもを危険から守ろう

車にステッカー作戦

子どもSOSカー

 子どもを社会の危険から守ろう――このほど厚木市下川入の福祉サービス事業会社・株式会社丸新(鳥屋尾新次社長)が、「子どもSOS」と書いたステッカーを作成、自社の入浴サービスカーや介護サービスカー20台に貼ったほか、市内のライオンズクラブにも寄贈して活用してもらうことにした。
 同社では、「昨今、子ども達が犠牲になる事件が多発しており、地域で子ども達を守ろうと作成した。このステッカーを貼っている車は子どもを危険から守ってくれるので、気軽に声をかけて欲しい」と話している。
 厚木市では数年前から地域の自治会や商店街の店鋪にステッカーを貼って子ども達を危険から守る「かけこみの家」運動が行われているが、車にステッカーを貼って、子どもたちの安全を呼びかけるのは初めて。

台風後の河川敷をきれいに

相川小5年のの秋本・宮本さん

相模川ほほえみ広場

 台風11号による増水で、厚木岡田の「相模川ほほえみ広場」が約1メートル冠水、流されてきたごみが広場に溜まったが、同市岡田の秋本いくみさん(10)と宮本満里奈さん(10)の2人が、8月23日と24日の午後、広場にたまっていた空き缶やペットボトルなどのごみを拾い集め、約1万平方メートルの広場をきれいにした。
 二人は相川小学校5年生で大の仲好し。放課後や休みの日などは、ほほえみ広場を散歩したり鳥や植物を観察するなど相模川に親しんできた。
「台風後、河原に出てみたら、ごみがいっぱいで汚かった」この日2人は、約3時間かけて空き缶やペットボトル、ハッポースチロールなどのごみを拾った。
 ボランティアでほほえみ広場の草刈りや水辺の楽校を主宰している同市岡田リバーサイドの西井伯夫さんは「大人でもやらないことを子どもが率先してやっているなんて感激」と誉めていた。

子どもたちはわらべ歌を通して育っていく

『と〜りゃんせと〜りゃんせ』

大熊進子さんが体験的教育論を出版 

 厚木でわらべ歌を指導している町田コダーイ合唱団指揮者の大熊進子さんが、このほど、「わらべ歌」を通して子どもたちが育っていくという教育実践集『と〜りゃんせと〜りゃんせ」を出版した。

 大熊さんは大学卒業後14年間、中学校と小学校で音楽を教えた。30年ほど前から小学校低学年までは、教科の枠を外して生き方を育てるべきだと思い、75年に学校を辞めてからも幼児クラス、合唱団指導を通して、幼少一貫教育の大切さを提唱してきた。
 そしてたどり着いたのが健康な心を育てるために、母国語の離乳食である「わらべうた」を通して、子どもたちを育てていくという考えだった。
 出版された『と〜りゃんせ』は、その大熊さんの30年にわたる体験的教育論をまとめたもので、わらべ歌とはなにか、外から見た日本、いじめと不登校、幼少一貫教育、ハンガリーの音楽家コダーイ、笑い、感性はどう育つかなどについて記している。1,800円(税別)有隣堂厚木店、ブックス内田屋ビビレ店で販売中。大熊さんの書籍を抽選で読者10名様にプレゼントします。9月25日まで編集部宛てハガキで申し込んで下さい。

電話応対の技術競う

角田さんが最優秀

第1回電話応対コンクール

 9月3日、電話の応対技術を競う「第1回電話応対コンクール」が、厚木市中町のホテルで開かれ、アンリツ株式会社の角田道代さんが最優秀に選ばれた。
 県央地区電信電話ユーザー協会(片倉良蔵会長)が、会員事業所の社員の電話応対技術と企業人としての資質の向上を目的として開いたもので、協会加盟782の事業所の中から9事業所21人が参加、日ごろから心がけている「親切かつ正確」な応対技術を競い合った。入賞者は9月27日に横浜の神奈川労働プラザで開かれる神奈川大会に出場する。
 入賞者は次の通り。▽最優秀賞=角田道代(アンリツ厚木事業所)▽優秀賞=安藤由紀(アンリツ厚木事業所)後藤鉄男(日産自動車座間事業所)▽優良賞=菅原和美(ソニーファシリティマネジメント)花田久美(アンリツ厚木事業所)。写真は左から菅原、後藤、角田、安藤、花田さん。

和田傳さんの未発表作など掲載

パルナス7号

 厚木市を拠点に活動を続けている文芸同人誌「パルナス」第7号が、このほど刊行された。第6号から19年ぶりの復刊だ。
 7号には同人のほか「パルナス」にかかわった厚木市出身の農民文学者和田傳氏と、元中学校教師だった露木國寛氏の未発表作を掲載している。
 和田氏の「わかるような、わからぬような詩」は、氏がパルナスのために1982年に書き下ろしたもので、7号が様々な事情で発行が遅れてしまっている間に逝去され、編集部で預かったままになっていたものだ。
 和田氏の短文は、若い人の詩はどうもわからぬと自問自答しながらも、若い時にフランスの詩を原文で読み始めた時の回想をたどりながら、「読者が勝手に読んで感心するのは間違いで、作者はわかるように書いているのだから、それをその通りわかっての感銘でなければ、その作品を読んだことにならないのだと知るようになった」と記述してり、ナルホドと思わせる作品だ。
 また、昨年他界した露木氏の「桜舞\模倣と創造」「本歌を娶る」は、1982年前後の作品。1部800円(税別)。ブックス内田屋厚木ビブレ店で販売中。

インターネット検索はまだ周知不足

利用者意識などの実態調査まとめる 図書館を利用する市民の会

 図書館を利用する市民の会(玉巻百合子代表)では、このほ ど「厚木市立図書館に対する利用者の意識および利用実態調査報告書」をまとめた。
 調査は昨年3月5・6の両日、中学生以上の来館者を対象に行なったもので、中央図書館の利用状況やイメージ、満足度、要望などを聞いた。回収率は65・8%だった。
 報告書によると、利用者層は日曜と平日である月曜とでは変化が見られ、日曜では勤労者(36・5%)が、月曜日は主婦(21・6%)と無職(16・3%)が多かった。
 また、家から中央図書館までの距離が3キロ未満の比較的近くの利用者が多く、日曜日ではそれが市内居住者の65・3%、月曜日では58・5%を占めた。なお、月曜日は市外からの利用者が3割強あり、近隣の公立図書館が休館日であることが伺える。
 最もよく利用する図書館は「厚木中央図書館」と答えた利用者は、市内居住者で9割を越え、市外居住者でも7割台にのぼった。
 中央図書館のイメージについては、「本・資料の無料貸出」「入りやすい」「落ち着く」「情報提供」が上位4位を占め、社会人ではこれに「有益な行政サービズ」「市民みんなの共有財産」という社会的評価の高いイメージが続くが、学生では、社会評価イメージは低めで、代わって「静かに勉強するところ」という利用目的に沿ったイメージが上位に入っている。
 利用者の満足度では、図書館員の応対、利用したい図書・資料の所蔵やそのさがしやすさの各項目に対して、8割から9割が満足と答えている。
 また、本を探す検索用の利用者端末やインターネットによる蔵書検索の使いやすさについても、使った経験のある利用者の7〜8割が肯定的評価をしている。 しかし、これらを使ったことのないという利用者が、利用者端末では全体の約4分の1、インターネットでは、このサービスを知らなかったという利用者を含めると8割近くになり、サービスが十分に活用されていないことも分かった。
 開館日が増えたことについてはおおむね好評だが、特に新たに開館日となった月曜日の利用者や一般に利用頻度の高い利用者が高く評価する傾向が見られた。
 また、将来的な要望としては、「本・資料の充実」が群を抜いて高く、次いで「開館時間の延長」「ビデオの貸出」「閲覧席の増加」に2割台の要望があった。報告書は中央図書館で閲覧・貸出し出来るほか、ダイジェスト版をカウンターに置き、自由に入手できるようになっている。

斉藤さんが収集したマイコレクション

伊勢原の斉藤さん 趣味で集めた履き物グッズを展示 厚木ミュージアムで

 趣味で集めた履物グッズを展示した「マイコレクション展」が、9月1日から厚木市飯山のアツギミュージアムで開かれている。
 伊勢原市下平間に住む斎藤美和子さんが、長年趣味で集めてきたミニチュアの草履や下駄、ガラスや木製の靴、履物をかたどった小物など約800点を展示したもので、「私の夢を大きくふくらませてくれた皆様にお礼の意味をこめて展示させていただいた」と話している。
 斉藤さんが履物をテーマにしたコレクションを始めたのは昭和39年。京都で瀬戸物でできた小さなぽっくり型の調味料入れを買い求めたのがきっかけで、以来各地を旅行した時には、必ずといっていいほど履物グッズを手に入れてきた。家族や友人からいただいたものもあり、靴型の酒瓶や消しゴム、アクセサリー、ポスターなども含まれている。展示は29日まで。TEL:241・4018番。

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