第583号(2002.02.15)

調印式を終えた左から山田町長・山口市長・山口村長(厚木市役所で)
 公共施設を相互利用3市町村(厚木・愛川・清川)が協定書を締結61施設・4月から同一条件で利用が可能
 厚木市と愛川町、清川村の3市町村の公共施設について、住民以外の利用者に課していた利用料金の割増しや利用受付開始時期の違いなどを廃止して、同一条件で利用できることを定めた「公共施設の相互利用に関する協定」の締結調印式が、2月7日厚木市役所で行なわれた。
対象となる施設はスポーツ施設47、文化・教養施設11、宿泊施設3の合わせて61施設で、4月1日から3自治体内では住民が同じ条件で利用が可能となる。
 相互利用は三市町村で組織する「厚木・愛甲まちづくり研究会」が、平成11年度より共通課題として検討してきたもので、3市町村の職員で構成するワーキンググループが、利用状況や格差の是正など12回の議論を重ね、昨年2月、61施設に絞り込んだ検討報告書を提出、幹事会で相互利用をはかることで合意した。
これまで利用の範囲を市町村内の利用者に限定していた施設について、3市町村間の利用を可能としたほか、使用料に割増料金を設定している施設については、割増分を撤廃、市町村内利用者との受付開始時期(予約)が異なる施設についても、受付開始時期を同一にする。
三自治体では、相互利用のメリットとして、利用者の範囲が広がることで効率的な運営が期待できる。利用施設が増え、利用者の選択肢が広がる。市町村を超えた交流が生まれ、圏域内の一体感の醸成が見込まれるほか、施設のPR効果にもつながるとしている。
 
ガイドマップも作成
 3市町村では4月1日からの利用開始に先立って、施設の位置や内容を紹介したガイドブックを作成した。マップは3市町村の行政区域をベースに施設をスポーツ施設や文化・教養施設などの3つに分類し、カラー写真をなどをつかって概要を紹介している。また、交通アクセスや駐車場などの情報も掲載した。マップは2万部作成、3月上旬から3市町村の役所、役場、対象となる公共施設などで無料配布する。
 
61施設は次の通り
 
スポーツ施設 厚木市営厚木野球場、玉川野球場、及川球技場、荻野運動公園競技場、旭町スポーツ広場、三田スポーツ広場、酒井スポーツ広場、中三田スポーツ広場、中津川スポーツ広場、戸沢橋スポーツ広場、厚木青少年広場、長沼公園グラウンド、上ノ原公園グラウンド、鳶尾中央公園グラウンド、田代運動公園野球場、同ソフトボール場、同ゲートボール場、中津工業団地第1号公園野球場、同第2号公園ソフトボール場、三増公園陸上競技場、志田運動場ソフトボール場、坂本運動場ソフトボール場、愛川町小沢ソフトボール場、清川村運動公園野球場、厚木市営厚木テニスコート、南毛利テニスコート、猿ケ島スポーツセンターテニスコート、若宮公園テニスコート、荻野運動公園テニスコート、田代運動公園テニスコート、中津工業団地第1号公園テニスコート、三増公園テニス場、清川村運動公園テニスコート、厚木荻野運動公園体育館、東町スポーツセンター、猿ケ島スポーツセンター、中津工業団地第1号公園体育館、愛川町立体育館、坂本体育館、厚木市荻野運動公園プール、ふれあいプラザ、市営水泳プール、田代運動公園水泳プール、中津工業団地第1号公園水泳プール、愛川町坂本プール、三増プール、田代運動公園アイススケート場。
 
文化・教養施設 厚木市情報プラザ、勤労福祉センター、女性センター、ヤングコミュニティセンター、厚木市立視聴覚ライブラリー、愛川町農村環境改善センター、清川村交流促進センター、ふれあいセンター、宮ケ瀬水の郷交流館、厚木市子ども科学館、愛川町古民家山十邸。
 
宿泊施設 厚木市七沢弁天の森キャンプ場、市立七沢自然教室、宮ケ瀬金沢キャンプ場「森と生き物観察教室」。

 おくまんさん周辺の遺跡御屋敷添遺跡など3カ所の出土品を展示2月17日まで愛甲公民館で
 厚木市内で発掘調査によって出土した資料を中心に展示を行なう「あつぎの遺跡展\おくまんさん周辺の遺跡\愛甲・船子・長谷よみがえる歴史」が、2月9日より愛甲公民館で始まった。遺跡展は市教育委員会が平成7年より年1回の割合で開催しているもので、今回で7回目。
 今回展示しているのは市の南西部に位置する愛甲・船子・長谷地区の宅地化にともなう発掘調査で出土したもので、その中の御屋敷添(おやしきぞえ)遺跡、愛甲宮前遺跡、長谷曽野(はせその)遺跡の3遺跡を紹介している。

環壕から出土した土器

 御屋敷添遺跡は東名高速道路の拡幅にともない平成3年4月から7年3月までに発掘調査が行なわれた場所。3カ所から縄文時代から近現代までの各時代の遺跡が確認された。主なものは弥生時代後期の環壕、古墳時代末期から奈良時代前半にかけての大型の掘立柱建物群、平成時代の集落跡など。また、この付近は鎌倉時代の御家人愛甲三郎の居館跡と伝えられているが、関連する遺跡は発見されなかった。
 愛甲宮前遺跡は共同住宅の建設に伴い平成4年1月から3月まで発掘調査が行なわれた場所で、古墳時代後期の周溝状遺構、平安時代の竪穴住居跡、竪穴状遺構、時期不明の土杭が確認された。古墳時代後期では牛または馬の獣歯一頭分が出土し、牛馬の供養の可能性が考えられる。また、平安時代の住居跡からは多数の土師器、須恵器、灰釉陶器が検出されており、大きな集落があったものと考えられている。
 また、長谷曽野遺跡は、マンション建設にともない平成11年7月から8月まで発掘調査が行なわれた場所で、弥生時代から平安時代に至る集落跡であることが確認された。内容は竪穴式住居跡14軒、掘立柱建物跡3棟、土杭8基、土師器、須恵器、鉄製品など。この地は近接地にも遺跡が発見され、本遺跡と同一集落を構成することが考えられている。展示は17日の午後7時まで。入場無料。なお「おくまんさん」とは愛甲熊野神社のことを指す。

子どもたちが議長・書記をつとめた清川子ども議会
 清川村で子ども議会村の将来像に活発な意見
 子どもたちに議会活動を体験してもらおう―と2月5日、清川村煤ケ谷の村庁舎議場で、子ども議会が開かれた=写真。子ども議会には、村立緑小学校と宮ケ瀬小学校6年の児童28人が参加、村側からは山口村長をはじめ、大矢助役、川瀬教育長ら幹部10人が出席した。議会の体験学習を通じて、地域の課題を探す力と村の将来像などを子どもたちに考えてもらおうと開いたもので、今年で3回目。
 子どもたちは自ら議長や書記をつとめ、「お年寄りに優しい村」「環境のよい村」など5つのテーマに沿って、議事を進め、「村の産業振興のために特産品を増やして」「買物が便利にできるよう大きなスーパーをつくってほしい」など28人の子ども議員全員が活発な提案や意見を述べた。

       放火がトップ昨年の火災状況厚木市消防本部が発表
 厚木市消防本部では、このほど昨年1年間の火災と救急の発生状況をまとめた。市内の火災発生件数は141件で前年と比較して42件の増加。その内訳は建物火災64件、その他の火災57件、車両火災19件、林野火災1件だった。焼損棟数は90棟であるが、半焼・全焼は26棟、ぼや・部分焼は64棟で、初期消化活動が功を奏しているといえる。
 原因別では放火(疑いを含む)が45件でトップ。ごみ置き場や建物外周部に不必要に置かれた物品への放火が目立った。また建物火災で半焼・全焼に至ったケースでは、天ぷらなど揚物の途中でその場を離れるなど、ちょっとした不注意によるものが多かった。
 救急出動件数は8,254件で、前年に比べると383件増加し、初めて8千件を超えた。種別では急病が4,335件と最も多く、次いで交通事故の1,692件、一般損傷930件。程度別では軽症55%、中等症38%、重症6%であった。
 救急出動件数は10年前の1991年に比べると2,757件増加しており、特に65歳以上の高齢者の搬送人数が16%から27%に増加し、逆に成人(18歳〜65歳) は66%から60%と減少傾向にある。また高齢者の搬送状況を見ると、軽症36%に対し、重い症状が64%と高齢化社会を反映している。

 卒業発表会で園児200名を招待湘北短期大学幼児教育科
 厚木市温水の湘北短期大学(山田敏之学長)で、近隣の保育園児200名を招待して、幼児教育科2年生による卒業発表会が行なわれた。3月に卒業する70名の学生が、ダンスやミュージカル、合唱など2年間の勉強の成果を披露した。
 発表会はディズニーのリズムに乗った軽快なダンスでスタート、続いてハンドベルやグラスを使った演奏、フィンガーペインティングで世界地図を描いていくアートなどに取り組んだ。
 また、ドラや囃子の音に合わせて、勇壮に舞い踊りながら進む「龍」も登場し、中華街の春節を思わせる雰囲気のなか、中国ゴマを使ったパフォーマンスにもチャレンジした。劇や遊び、合唱では、招待された園児たちも大きな声で一緒に歌っていた。

和太鼓を演奏する湘北短大用意z学科の卒業生

 続く、一般向けの発表会では、和太鼓演奏も行なわれ、若さと躍動感あふれる舞台に観衆からは拍手とともに歓声があがっていた。どの演目も2年間の勉強の成果をいかんなく発揮したものばかりで、「みんなちがって・みんないい人」のテーマ通り、70名の学生一人ひとりの個性あふれるステージだった。

ウッドチップで育つカブトムシの幼虫

 間伐材のウッドチップを再利用幼虫埋めて「カブトムシの里」づくり県立愛川ふれあいの村
 愛川町半原にある野外教育施設「県立愛川ふれあいの村」(安藤彬所長)で、間伐材のウッドチップを使った「カブトムシの里づくり」を試行的に行なっている。
 間伐材をチップ加工した後、醗酵させたものを敷き詰めることで、カブトムシが卵を産みつけやすい場所を作ろうというもので、茅ヶ崎市にある「やなまか園建設」の協力で実現した。ウッドチッを敷き詰めた総施工面積は約1000平方メートル。
 当初は、県 自然環境保全センターの中川重年専門研究員の指導で、雑草の成育を抑え、路面の水はけをよくしたり、弾力性をもたせるため、散策路などにウッドチップを導入してきた。これを繰り返して試行錯誤するうちに、カブトムシの育成に生かせると取り組むことになったという。 
 同村の職員が、茅ヶ崎市にある造園業者「やまなか建設」で、貯蔵中のチップの山にたくさんのカブトムシの幼虫がいるという話を聞き、見学に出向いて協力を求めた結果、醗酵途中のウッドチップやカブトムシの幼虫の提供を受けることになった。      
 昨年11月、2カ所の林に二次醗酵させたより腐葉土に近いウッドチップを敷き詰め、その上に1次醗酵させたチップをのせて、カブトムシの幼虫50匹をチップの中に埋め込んだ。この卵がチップの中で育ち、幼虫、さなぎへと姿を変え、成虫になるのを持つわけで、早ければ7月中旬から下旬には成虫として姿を現す。来年度以降は自然増殖に任せるという。
 県立愛川ふれあいの村では、クヌギやコナラなど、カブトムシが好む樹木が多く、生活するには恵まれた環境にある。この環境を整えてあげることで「カブトムシの里づくり」を実現しようと取り組んだ。
 同ふれあいの村では、「今年の夏にどのくらいの成虫を見つけることができるか。うまくいけば7月中旬には姿を現すと思う。夏休みにカブトムシの里で成虫を見つけ、自然とふれあう子どもたちの姿が目に浮かび、今から楽しみです」と話している。

 不法投棄パトロール環境指導員ら40人
 2月7日、午後から市内全域で不法投棄合同パトロールが行なわれ、厚木市と市環境保全指導員、県の関係機関などから40人が参加した=写真。
 ごみの不法投棄の現状を把握し、投棄物の処理や防止をしようと毎年行なっているもので、参加者は80カ所9班に分かれ、相模川や中津川流域、東名流通地区などをパトロール、自動車やオートバイ、古タイヤ、家具、家電製品などが不法に捨てられている現場を写真に収め、調査書に詳しく書き込んでいた。
 市の環境指導員は「一度捨てられると、それが目印になってしまい、次々と捨てられるケースが多い。これを防ぐには土地所有者の自衛策や地域の監視体制、定期的なパトロールなどが必要です」と話していた。

 日産テクが厚木市にAD車を寄贈社員の募金と会社の寄付
 1月30日、厚木市岡津古久の日産自動車テクニカルセンターが、厚木市にADバン車を寄贈した。
 昨年9月25日から10月5日の期間、事故防止の意識を高めることを目的に行なわれたハローセーフティキャンペーンで、社員からの募金と会社の寄付金を合わせて購入したもの。贈呈式=写真=は市役所正面玄関前で行なわれ、山口厚木市長が感謝の言葉を述べた。
キャンペーンは、昭和47年から日産自動車とグループ会社で行なわれ、63年から社員の募金が始まり、各事業所内の警察や交通安全協会に事故防止に役立つものを寄付している。

 地区対抗の部で南毛利Aが優勝県央厚木駅伝
 第48回「県央厚木駅伝競争大会」が1月27日午前10時30分、荻野運動公園をスタート・ゴール地点に開催され、冷たい雨が降りしきる中、スタートの合図と同時に、選手たちは一斉に競技場を飛び出して行った。大会は4部門で行なわれ、地区対抗の部(6区間21.6975km)に20チーム、高校・大学・一般の部(6区間37.4475km)には36チームが参加し、日ごろ鍛えた健脚を競った。また、今大会から運動公園のコースを走る小学生の部(4区間4.8km) が開催され、23チームが参加、元気に走り抜いた。大会結果は次の通り。
〔地区対抗の部〕1位南毛利A(1時間10分22秒)2位睦合南A(1時間10分39秒)3位厚木北A(1時間12分47秒)〔高校の部〕1位東海大相模高校B(2時間2秒)2位光明学園相模原A(2時間54秒)3位相洋高校(2時間1分7秒)

〔大学の部〕1位国学院大学(1時間52分50秒)2位駒沢大学(1時間53分11秒)3位国士館大学B(1時間55分4秒9〔一般の部〕1位陸上自衛隊第1施設団(1時間58分40秒)2位川崎市役所A(2時間10分45秒)3位小田急電鉄(2時間16分29秒)(小学生の部〕1位荻野サッカー少年団ブルー(18分7秒)2位長谷スポーツ少年団(18分15秒)3位飯山小ロクヨン(18分25秒)。

 血管撮影装置・ヘリカルCTの最新機種導入七沢リハビリテーション病院脳血管センター
 神奈川県総合リハビリテーション事業団では、七沢リハビリテーション病院脳血管センターのリニューアルにともない、最新の血管撮影装置及びヘリカルCTを導入、1月から本格稼働を始めた。
 血管撮影装置は、血管内に細い管(カテーテル)を差し込んで、その先端から造影剤を押し出してX線で透視する装置。これまでは前後左右の決められた2方向からしか撮影出来なかったが、今回導入した新機種はX線装置を回転させながらどの方向からでも撮影ができるようになった。
 この透視情報をもとに、立体的な血管像を作り出し、内視鏡のように血管内をのぞくことも可能になり、脳梗塞に対する血行再建や脳動脈瘤に対する塞栓術などの先進的で、高度な血管内治療が可能になった。
 ヘリカルCTは、体を輪切りにしたX線の断層情報をもとにコンピュータによる画像をつくる装置で、これまでの機種は1回転に1画像しか撮影できなかったが、最新機種は1回転に4画像の高速・高画質を兼ね備えた撮影が可能となり、患者の負担も大幅に軽減されるようになった。
 また、鮮明な立体画像により複雑な脳血管の立体的位置関係を鮮明に把握することができるため、通常は見落とされるような細い病変の診断の向上につながる。同病院ではこの2つの機器の導入により、最先端の高度な脳卒中治療が提供できるようになった。

 黄金井一太・利根川勇両氏に市民功労表彰 厚木市は第47回目の市制記念日に当たる2月1日、市総合福祉センターで平成13年度の厚木市表彰式を行ない、市民功労表彰2人、一般表彰69人、スポーツ表彰29人を表彰したほか、13人(8団体含む)に感謝状を贈呈した。
 今年は、昨年度に表彰条例の見直しを行ない、新たに市民功労表彰を新設した。初代の市民功労表彰を受けたのは、同市七沢在住の黄金井一太氏(74)と、相模原市東林間の利根川勇氏(54)の2名。黄金井氏は黄金井酒造株式会社の社長として、市の産業経済の発展に尽力、また利根川氏は県立厚木商業高校の教諭として、ソフトボール部を全国優勝に導くなどスポーツ指導者としての功績が認められた。
 また、公共の福祉の増進や文化の向上に尽力した功績により表彰する一般表彰には、鈴木久昭氏(自治会連絡協議会理事として地域の振興と福祉の向上に尽力)ほか69人、スポーツ分野においては 関東高等学校校ゴルフ選手権女子団体の部に連続優勝の快挙を成し遂げた県立厚木北高校ゴルフ部女子、全国高等学校女子ソフトボール選抜大会で優勝した県立厚木商業高校女子ソフトボール部ほか29人が表彰された。このほか、社会福祉基金や国際交流などに多額の寄付を行なった丸新、ソニー厚木テクノロジーセンターほか13人に感謝状が贈られた。

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