第584号(2002.03.01)

 地域経済対策に重点厚木市の新年度予算案雇用創出や教育福祉にも配分一般会計は739億円市税は2%減  厚木市の山口巌雄市長は2月14日、平成14年度の当初予算案を発表、26日から始まった2月定例会に上程した。
 一般会計は739億円。対前年度比2・1%増で2年連続のプラスとなった。また、介護保険事業など7特別会計は、前年比1.7%増の387億2,196万円。一般会計と特別会計を合わせた総額は1千126億2,196万円(対前年度比1.9%増)で、昨年に続いて1千100万円を確保した。
 歳入は長引く不況の影響で個人・法人市民税・固定資産税などが軒並み減収となり、市税は対前年度費2%減の457億6,695万円。内訳は個人市民税がリストラなどにより個人所得の減収が見込まれるため、前年比で0・9%の減、法人市民税も企業収益の落ち込みから9.4%減で、個人市民税、法人市民税合わせると7億8,700万円の減収となる。また、固定資産税(土地)も地価の下落による評価額の見直しから3.6%の減収になった。
 このため、市税収入を補い歳出に見合う財源として財政調整基金37億1,000万円を取り崩して一般会計に繰り入れた。また、市債発行額も30億3,250万円で対前年度費16・4%の増。
 歳出では土木費がトップで177億3,369万円(構成比で24%)、次いで民生費132億1,244万円(同17.9%)、教育費99億6,697万円(同13.5%)、総務費92億1,395万円(同12.5%)となっている。
 性質別では人件費が0.6%増の162億7,047万円(構成費で22%)、普通建設事業費148億2,244万円(20.1%)、物件費113億6,701万円(同15.4%)。借金返済のための公債費は、市債発行額を大幅に上回る74億3082万円を計上、残高は平成14年度末で620億円(市民1人当たり28万1,000円)となる。
 山口市長は「本年度は特例市スタートの年でもあり、歳出の効率化を進める一方で、景気の低迷や高失業率などを背景として、景気対策に充分配慮し、やさしさとぬくもりのある施策をもって構成する地域経済対策予算」と位置づけた。
 
主な新規事業
 ▽産学共同研究事業補助金500万円▽インキュベート施設整備支援事業補助金950万円▽雇用創出事業(不法投棄防止緊急対策など)7,622万円▽道路整備5カ年計画策定事業費2,750万円▽ICカード標準システム実証実験事業143万円▽厚木市民活動推進補助金(市民ボランティアに対する補助)200万円▽サイクルアンドバスライド藤塚公園前自転車駐輪場整備事業466万円▽小田急本厚木駅エレベーター設置事業補助金3,333万円▽愛甲石田駅北口広場エレベーター設置事業7,800万円▽庁舎免震改修事業4,580万円▽待機児童解消対策経費2億1,300万円▽公共施設資源集積所設置事業275万円▽アウトドアライフ基本構想策定事業700万円▽まなびを開く学校づくり推進事業交付金6,000万円▽荻野・妻田小給食施設整備事業7億2,700万円▽アジア太平洋ハーモニカ大会開催事業1,729万円▽市民農園設置事業180万円。  

宮地座長から山口市長に手渡される最終報告書

 IT基本戦略まとまる戦略会議が市長に最終報告書提出 厚木市では情報通信技術(IT)を活用した「ITのまちづくり」を推進するため、市内企業、大学関係者や有識者による「厚木市IT戦略会議」(座長・ソニー厚木テクノロジーセンター代表、宮地尚司・15人)を、平成13年6月20日に設置し、「ITのまちづくり」に関する政策について総合的な検討を進めてきたが、
2月20日、同会議が検討結果をまとめた最終報告書「厚木市IT基本戦略」を、宮地座長の手から山口巖雄市長に手渡された=写真。
 宮地座長からは「みんなでつくるITのまち実現に向け、市民サービスの向上や地域振興に結びつくIT関連事業をまとめたので、積極的に推進され、全国のモデル都市となるよう願います」という言葉が添えられた。
 同会議はITのまちづくりの基本戦略について1利用者である市民や地域企業などのニーズを反映したサービスの提供、2市内の優れたIT関連企業、研究機関・大学と行政との連携3市民の利用頻度が高く即効性と費用対効果のある事業の重視、4行政だけではない「まちぐるみ」「地域ぐるみ」の自立的発展、5すべての市民が無理なく情報機器を利用できる環境の実現\の5つの視点を重視するよう提言、具体的な施策については、市民生活電子化部会と産業振興部会の2つの部会を設置し、「市民利用のトップランナー」「安心・安全のトップランナー」「創造・発見・元気なまちづくり」「ITのまちにふさわしい電子自治体」の4つを基本戦略として位置づけている。
 報告書では緊急度、市民への与える効果の大きさなどを勘案して、緊急、短期・長期に分類した施策の提言も行っており、市では平成14年度の事業として、小中学校のホームページ作成などを実施する学校教育IT化推進事業、各学校にサポート要員を派遣するコンピュータ活用教育サポート要員学校派遣事業、インキュベート施設整備事業、ICカード標準システムの実証実験への参加、地域振興と産業活性化を推進する地域ポータルサイト構築調査研究事業補助金、産学共同研究事業補助金などの新規事業に取り組む。
組む。具体的な施策として、「市民利用のトップランナー」「安心・安全のトップランナー」「創造・発見・元気なまちづくり」「ITのまちにふさわしい電子自治体」の4つの基本戦略を中心に検討を進め、

障害者に歌をプレゼントする妻田小の児童

 障害者に歌をプレゼント妻田小の児童
 2月15日、厚木市立妻田小学校(前田金也校長・児童数741人)6年の児童37人が、市の総合福祉センター1階で行われている障害者デイサービスを訪問し、利用者9人に歌のプレゼントを行った。 
 同小6年3組では、「輝け未来、歌声とともに」をテーマに、歌声を通して地域や老人福祉施設などの人々とふれあい、交流をはかる授業に取り組んでいる。今回は「レッツゴー☆ハーモニー」と題する4回目の交流で、障害者とともに歌の楽しさを味わい、障害者には希望を、自分たちも思い出に残るひとときを過ごしたいと取り組んだ。
 この日、児童たちはあいさつや自己紹介をした後、「ふるさと」「すてきな友達」「おぼろ月夜」など8曲を披露、障害者も手拍子を合わせたり、なじみの曲を一緒に歌ったりして楽しんだ。歌の後、児童たちは手作りの首飾りを障害者にプレゼント、障害者たちも、普段デイサービスで歌っている歌をお返しに聴かせたりした。また、お茶の時間を利用して歓談したりして楽しいひとときを過ごした。
 実行委員長の歌門陽子さんは「障害者の皆さんに聴いて欲しくて、一生懸命練習しました。今日は皆さんから勇気を与えてもらった気がします」と話していた。

 宮ヶ瀬フェスタペットボトル製作と宮ヶ瀬鍋楽しむ 2月17日、清川村宮ヶ瀬水の郷にある宮ヶ瀬湖畔園地のけやき広場をメイン会場に「みやがせフェスタ2002冬の陣」が開かれた。
 宮ヶ瀬ダム周辺振興財団の主催で行われたもので、当日は広大な芝生に囲まれたけやき広場で、廃棄ペットボトルを活用したペットボトルロケットを製作した後、ピクニック広場で宮ヶ瀬冬の郷土料理「みやがせ鍋」(しし鍋)を食べた。
 午後からは思い思いのデザインの自作ロケットを飛ばす、公認ペットボトルロケット大会「第1回みやがせカップ」が開かれ、飛行時間や飛距離、目標ラインを目指して一番近いところに落下させるゲームに114人が参加した。
 また、ステージアトラクションでは、五木ひろしのそっくりさんショーが開かれ、参加者の笑いを誘っていた。

ペットボトルロケット大会

宮ヶ瀬鍋に舌鼓を打つ参加者

舞台で踊る老人クラブのお年寄り

 歌や体操・楽器演奏に500人が参加老人クラブ連合会
 2月15日、厚木市文化会館で市老人クラブ連合会が主催する第25回高齢者演芸大会が開かれた=写真。高齢者の生きがいと健康づくりを積極的に推進し、自立と社会参加を促進するのが目的で、市内から約500人が参加した。 大会では優良老人クラブなどの表彰後、高齢者が相互に支援する友愛活動を推進する大会宣言が採択された後、小鮎地区のクラブによる民謡「花笠音頭」で演芸大会が始まった。
 この日は32グループによる民謡、体操、楽器演奏などが分刻みのスケジュールで行われ、年齢を感じさせない歌や踊りに、多くの観客から拍手が送られていた。参加者は「毎年楽しみにしています。元気でいる限り参加し続けたい。他の地区の人とも交流ができて良かった」と話していた。

 中央調理師会が新年包丁始め式1,200年前の食礼作法の儀を披露
 1,200年の伝統を持つ、食礼作法の議「新年包丁始め式」が2月27日厚木市飯山の元湯旅館で開かれ、古式にのった見事な包丁さばきが披露された=写真。神奈川中央調理師会(斎藤賢次会長)が、仕事始めの行事として毎年行っているもので、料理関係者約250人が出席した。 
 包丁式は平安時代に、光孝天皇の命を受けた四條山陰中納言が、まな板、包丁さばきの作法を定めたもので、料理人が食材に感謝の意を表すとともに、天下泰平、五穀豊穣を祈願する行事。

 この日の刀主は四條真琉師範で、東京目黒と虎ノ門で和食の店「たんと」の総料理長をつとめる五反田憲洋さん(40)。荘厳な雅楽が流れる中、白浄衣に烏帽子を身につけた五反田さんは、右手に包丁、左手にまな箸を持って、タラバガニの調理にのぞんだ。包丁式の食材にタラバガニを使うのは平安時代の古文書に記述があるが、四條真流では初めて。
  五反田さんは、大型の包丁刀と箸を巧みに使いながら、約15分ほどで、3kgのタラバガニをさばき終えた。さばきの型は蟹を天女に見立てた「羽衣の蟹」で、五反田さんの見事な包丁さばきに、関係者から盛んな拍手が送られていた。

 「本間氏と日蓮」について依知北公民館で学級講座 2月16日と23日、依知北公民館で、依知にゆかりのある鎌倉武士と日蓮についての公民館学級講座が開かれた=写真。
 昨年夏、地域の史跡案内板を立て直したのをきったけに、地域住民に依知の歴史をもっと知ってもらいたいと企画したもので、公民館だよりで公募したところ、5組の夫婦を含め26人が参加した。  
 講師は同市水引に住む郷土史家の中丸武夫さんで、中丸さんは、鎌倉時代に依知郷の地頭をつとめた本間重連を中心に依知の武将と、日蓮奇瑞の星下り三寺、日蓮と本間氏との出会いなどについて講演した。
  講師は同市水引に住む郷土史家の中丸武夫さんで、中丸さんは、鎌倉時代に依知郷の地頭をつとめた本間重連を中心に依知の武将と、日蓮奇瑞の星下り三寺、日蓮と本間氏との出会いなどについて講演した。
 受講者は文永8年(1271)9月12日、幕府を批判した日蓮が片瀬の龍口寺で「龍の口法難」に遭い、翌日佐渡流罪のため本間屋敷に護送され、20日あまりを依知郷に滞在した話や星降霊梅の奇瑞(きづい)、甲州流軍学の祖小幡勘兵衛などの話に熱心に耳を傾けていた。
 中丸さんが古文書や写真などを使ってまとめた手作りの資料も好評で、夫婦で参加したという人は「テキストを参考に、日蓮由来のお寺を歩いてみたい」と話していた。3月2日にはまとめとして日蓮ゆかりの鎌倉や龍口法難で知られる片瀬の龍口寺を訪ねる。

 4月から色付き・柄付きトレーも回収  厚木市はゴミ減量対策として「資源の日」に回収している発砲スチロール製の食品トレーを、4月1日からこれまでの白色に加えて、色付き、柄付きについても回収することにした。色付き、柄付き食品トレーは、雑貨や玩具などのプラスチック製品の原材料として再利用が出来るようになったためで、市では年間32.4トン、白色を含めた回収量54トンを見込んでいる。
 分別方法は白色、色つき、柄付きに分けるが、家電製品などの緩衝材、魚箱などの箱状形態のもの、カップ麺などのカップ状形態のもの、プラスチック製の食品トレーなどは出すことができず、燃えるゴミの日に出すことになっている。
 また、出し方は洗って渇かし、食品トレー用の網かごに入れることになっている。市では自治会連絡協議会役員会への説明を始め、各地区自治会長、実施団体代表者へ通知するとともに、広報あつぎや公民館だより、各世帯へのチラシ回覧、パンフレットの個別配布などを行って周知する。

 職員が市税滞納者を直接訪問して特別滞納整理 厚木市は長引く景気低迷にともない市税などの未徴収が増えている問題で、昨年10月27日から12月22日までの2か月間、課長代理職を含む296人の職員を滞納者の自宅に派遣して「特別滞納整理」を行った。
 対象としたのは市税、国民健康保険料、介護保険料、保育料、下水道使用料、し尿処理手数料、市営住宅使用料の中から滞納している2,819件で、金額は9,693万9,682円。
 その結果、1月末までに3.934万2,092円を徴収、訪問による対象外の納期未到来のものを含めると、6,669万5,592円となった。
 主な滞納理由は「事業不振」や「倒産・リストラなどにより失業」、「給料の大幅減」など、景気低迷を理由とした事例が多く、「病気や高齢で職につけない」などもあり、厳しい「経済情勢を反映していることが分かった。

.