第627号(2003.12.15)

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説明会で反対意見続出 西山市道廃止付け替え問題 住民が市に取り下げ要請
 厚木市議会で、西山の市道廃止付け替え議案が継続審査になっている問題=本紙12月1日号で既報=で、市は12月10日、荻野地区で地元自治会長や住民を集めた説明会を開いたが、参加した住民は市側の説明に納得せず、議案の取り下げを求める意見が相次いだ。
 説明会は9月議会で、地元への説明が不十分だと指摘されたことから開いたもので、市側から道路管理課、生活環境課の職員が出席したほか、市議会からも都市経済常任委員1人を含む4人の議員が参加した。
 市は業者の採石増設事業計画や環境アセスの進行など、これまでの経過報告を行った後、市道I\705号線ほか6路線の廃止・4路線の付け替え認定について説明を行い、「(業者による)採石のため道路を残すのは困難で、機能回復するため付け替えを行う」「代替ルートで機能回復がはかれれば道路管理上は問題がない」と理解を求めたが、12月議会に議案の否決を求める陳情を出している花上義晴さんは、「市道は行政財産で経済的価値がある。企業の都合で簡単に処分できるものではない。市は利用価値がないかのように言っているが、市民が空気や緑、癒しを共有できる大変な宝だ。この市道の景観はふるさと荻野の景観で、発句石など文化財的な価値もある。こうした価値を無視した市のやり方は市民利益につながらない。公共事業であればやむを得ない面もあるが、これは民間の事業。軸足を業者ではなく、市民利益に置いてやってもらいたい」と注文をつけた。このほか「厚木清川線を1日往復で千台以上のダンプが通行するため交通安全上の問題が発生する」「議会や住民に資料を出さず情報を開示しない市のやり方は問題で、説明責任を果たしたとはいえない」などこの日発言した全員が市道の廃止・付け替えに反対した。
 また「荻野地区自治会連合会長にはご理解をいただいている」という9月に開かれた都市経済常任委員会での課長答弁について、毛利和夫連合会長は「同意したことも判を押したこともなく、賛成も反対もしていない」と釈明した。
 宮台功道路部次長は、「この問題は広域で長い歴史的経過のある話。今日いただいた意見は市長にも報告相談し、今後の対応を検討したい」と答えたが、12月15日には都市経済常任委員会で、市が提出した議案と反対陳情の審議が行われるため、住民たちは「行政は議案を取り下げ、あらためて住民説明会を開いてほしい」と市側に要請した。
 花上さんらは「西山を守る会」を結成して、広範な市民運動を展開しながら、市のやり方にストップをかけていきたいとしている。この問題では「里山愛好会」(篠原康子代表)も市長と議長に対して、「市道を廃止せず自然と共生する場として活用してほしい」とする要望書を提出している。

豪州から交換留学生 湘北短大で日本の心や美を学ぶ
 11月29日から17日間、オーストラリア・ニューサウス・ウェールズ州にある国立ニューカッスル大学と国立オーストラリアン・カソリック大学から25人の学生が来日、厚木市温水にある学校法人ソニー学園湘北短期大学(山田敏之学長)で、日本語をベースにしたプログラムに参加した。
 期間中、留学生たちは県立厚木商業高校の生徒や飯山小学校児童との交流に参加したほか、大山登山や伝統芸能「相模里神楽」の見学、「十二単と着物文化体験」などを通して、日本についての理解を深めた。
 12月5日、市立飯山小学校(神崎忠義校長・334人)を訪問した留学生は、午前中、保健室や図書室などを見学、その後グループ別に分かれて全学年の授業を参観、昼には高学年の児童と一緒に給食を食べ、ランチタイムのひとときを楽しんだ。この日の給食は「おでん」「ちゃめし」「かれいのから揚げ」など日本的なメニューで、留学生は箸を上手に使いながら、日本語で「おいしい」を連発、笑顔で給食を食べていた。
 午後は教室で清掃体験をした後、体育館で高学年の児童たちと交流会を持ち、6年生の児童が民謡「鳴子よさこい」を披露すると、留学生たちは真剣なまなざしで見やり大きな拍手を送っていた。その後、児童たちから手ほどきを受け、地元飯山の民謡を踊り、交流を深めた=写真。
 6年生の青木春奈さんは「言葉が通じなくても気持ちが伝えられとても嬉しかった」、また、八重樫翠さんは「かごめかごめを一緒にやってとても楽しかった。もっと学校にいてほしかった」と名残惜しそうに話していた。
 湘北短大とオーストラリアの大学との交流は、92年の姉妹校締結以来、大学間で交換留学生プログラムが行われており、今回で10回目。年々参加者が増え、異文化体験をしようとするオーストラリアの姉妹大学でも人気を呼んでいる。

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大塚はるかさんが国税庁長官賞受賞

 「第37回中学生の税についての作文」コンクール(全国納税貯蓄組合連合会主催)入選作品が発表され、厚木市立睦合東中学校3年の大塚はるかさん(15)=写真=の作文が、国税庁長官賞に輝いた。
 今回は全国的に生徒数、学校数ともに減少しているにもかかわらず、過去最高の6,248校41万5千199編の応募があった。
 「支えあう社会の源」と題した大塚さんの作文は、介護サービスを受けている埼玉県に住む祖母の身近な話題を取り上げ、社会を支える税の大切さやその使われ方について考え、今後ますます進展する少子高齢化社会で「私もいつかは社会の中心を支える納税者の一員でありたいと願う」と結んでいる。
 
 大塚さんは、中学校では美術部に属し、明るい性格でクラスでも役員などを積極的に引き受ける活発な生徒。
 受賞の知らせに「うれしいというよりはただびっくりしました」と喜びを語っていた。

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青年海外協力隊の大山寛樹さんが厚木市長に出発報告 

 厚木市宮の里の大山寛樹さん(26)が、平成15年度第2次青年海外協力隊員としてタンザニアに赴任するため、11月27日、厚木市長を訪問、出発の報告を行った=写真。
 大山さんはタンザニア連合共和国教育文化省のンダンダ中等学校に理数科教師として2年間派遣されるもので、12月8日、日本を出発した。
 タンザニアではAレベル(日本の高校3年〜大学教養課程相当)の理数科目のうち、数学、物理の教師が不足しており、協力が求められている。特に同国南部は教育分野が遅れており、学校数、教員数ともに不足している。ンダンダ中等学校は、生徒数600人、教員数29人の男女共学校で、南部では数少ないAレベルで、長い歴史を持つ。
 この日大山さんは、JICA横浜所長の小森毅さん、JICA国際協力推進員の阿久津瑠美子さんと市長室を訪れ、「海外で学校の先生をやってみたかった。隊員として初めての派遣となるが、またぜひ来て欲しいと言われるよう頑張りたい」と抱負を語った。
 厚木出身のJICA派遣者は、大山さんで42人目となる。

  

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現役大学生が授業をサポート 睦合中で神奈川工科大生がボランティア
 厚木市立睦合中学校(下島光久校長・生徒数499人)で、現役大学生による授業サポートボランティア制度がスタートした。
 同校が以前から交流のあった近所の神奈川工科大学に依頼したところ、3年生の名取高広さん(22)と2年生の小倉裕司さん(20)、松嶋瞳さん(20)の3人が名乗りを上げ、実現した。
 同校では以前から特に学力にばらつきが出やすい2年生の数学と英語の授業に少人数クラスを導入しており、今回の学生ボランティアの採用も、さらに授業を充実させ、生徒一人ひとりの学習意欲の向上を図るのがねらい、先月から試行的に行われている。
 数学を受け持つ高村大教諭は、「年齢が近いだけに生徒たちも打ち解け、落ち着いた雰囲気の中で目が行き届いた授業ができている」と効果を話す。
 同校の卒業生でもある小倉さんは「中学の数学や英語は、基礎から一つひとつ積み上げていかないと突然分からなくなってしまう。学力的につまづきやすいこの時期に、私たちがうまくサポートできれば嬉しい」、また大学で教職課程を選択する名取さんは「現場で生徒たちとふれあうことで、視野も広がり自分自身の勉強にもなっている」と話している。
 生徒たちの評判も「悩んでいた時に声をかけてもらい一緒に考えてくれた」「分かるまでていねいに教えてくれた」と上々だ。
 小野沢英雄教頭は「今は大学の授業の合間をぬって3人の学生ボランティアに協力していただいているが、生徒たちにも好評なことから、できれば今後さらに拡大、充実していければ」と話している。

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手作りオブジェプレゼント もみじ保育所で「親子ふれあいの日」
 12月6日、厚木市松枝の市立もみじ保育所で、「親子ふれあいの日」が開かれ、保護者約70人が参加した。
 子どもを保育所にあずけ日頃多忙な保護者たちが、子どもたちとふれあうひとときを過ごそうと、保護者会(大野貢市会長)が企画したもの。
 当日は母親と子どもたちが、教室でツリーづくりを楽しむ間、父親15人が園庭で、動物のオブジェづくりに取り組んだ。
 父親たちは、木のぬくもりを感じてもらおうと、厚木森林組合から購入したアカマツを材料に、高さ80センチ、長さ80センチほどの馬と鹿のオブジェを製作、2時間半ほどかけて完成させた。
 リースづくりを終え、園庭に出てきた子どもたちは、父親が作ったオブジェに大感激。「かわいい」「お父さんお疲れさま」などと歓声を上げながら、オブジェにさわったり、またがったりして遊んでいた=写真。
 大野会長は「子どもたちへの一足早いクリスマスプレゼントになりました。いつまでも親しんでもらい、保育所でのいい思い出にしてくれれば」と話していた。

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沼田さん・小池さんが平成15年度秋季善行表彰
 社団法人日本善行会が主催する平成15年度秋季善行表彰に、厚木市妻田東の沼田良一さん(80)と同市三田南の小池春重さん(60)が選ばれ、11月21日明治神宮参集殿で表彰式が行われた。
 菊花園芸士の沼田さんは、市消防本部が実施する秋の火災予防運動に協力、平成元年から菊花(菊人形)による火災予防広報活動を続けている。毎年1年がかりでテレビドラマなどをモチーフにした菊人形を製作し、市民の間で講評だ。
 小池さんは昭和50年4月、交通安全指導員に就任以来、交通安全啓発活動や街頭立哨指導を通して、市民への交通安全思想の普及と歩行者保護などの事故防止につとめている。現在は市交通安全指導員協議会の会長として、会員の育成と資質の向上を図る組織運営を行っている。
 11月26日、2人は山口市長を訪れ、受賞の報告を行った=写真右沼田さん・左小池さん。沼田さんと小池さんは「これからも出来る限り続けたい」と話している。

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交番の日パトロール 老人クラブと警察が合同で 厚木市緑ヶ丘地区
 11月27日、厚木市の緑ヶ丘交番管内で、地元の老人クラブと警察との合同パトロールが行われた。
 このパトロールは、神奈川県警が毎月27日を「交番の日」に定めて、地域住民の防犯に対する意識を高めてもらおうと、昨年12月から毎月実施しているもの。
 管内の老人クラブ「双葉会」(大沢留吉会長・80人)から「多発しているひったくりや空き巣などを防止するため、パトロールしてほしい。老人クラブも何か役に立ちたい」と申し入れがあり、警察官と老人クラブとの合同パトロールが始まった。
 この日は「双葉会」と「老友会」(川合勇会長・66人)から、当番の15人が参加、警察官3人と一緒に、午後3時から4時までの間、緑ヶ丘と王子地区で、防犯チラシや自転車用の防犯ネットを配りながら、地域住民に防犯を呼びかけた=写真。
 参加した老友会の石黒忍さん(65)は「警察官と一緒に地域を守る活動を行うことに喜びを感じています」と話していた。

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飯山観光協会が厚木市みどりの寄金へ寄付
 11月26日、厚木市飯山観光協会の西海幹男会長ら4人の役員が、厚木市を訪れ、山口市長に「みどりの保全に使って欲しい」と、9万2千715円を寄付した=写真。
 今年11月3日に開催された「第27回飯山秋まつり」のチャリティビンゴ大会に寄せられた収益金を、都市緑地の保全と緑化の推進に役立てるため、厚木市緑の寄金に寄付したもので、平成10年から始めて今回で6年目。この6年間で総額71万3千83円となる。
 西海会長が持参した寄付金を渡すと、山口市長は「緑の寄金へ毎年ご寄付をいただき有り難うございます。厚木市の緑を守るため大切に使わせていただきます」とお礼の言葉を述べていた。

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ウィーン世界青少年音楽祭の参加メンバーを募集

 厚木ジュニアコーラス(井上允代表)では、来年7月10日から13日まで、オーストリアのウィーン市で開かれる「第32回ウィーン世界青少年音楽祭」に参加するメンバーを募集している。同音楽祭は毎年オーストリアセンターで開かれるもので、通常テープ審査で選ばれた29歳以下の青少年で編成された管弦楽、吹奏楽、合唱グループが参加を認められる。
 厚木ジュニアコーラスは、今年1月5日ウィーン楽友協会大ホールにおける「新春コーラスコンサート」に出演=写真、25分間のステージで日本のわらべうたやドイツ歌曲など7曲を歌い、その演奏がウィーンの聴衆や音楽祭関係者から高く評価され、同音楽祭への 出場を認められた。
 同コーラスは99年、あつぎハートプラン「うたごえの聴こえるまちづくり」(文化会館育成事業)の一環でスタート、声楽家の清澤伊知子さんの指導で37名の子どもたちが参加している。02年自主運営に移行、オーストリアのほかロシアのコンサートにも参加している。
 募集するメンバーは、小学5年から高校2年生まで、1月中旬にオーディションを行う。現地ではコンクールのほか、教会ミサ演奏なども予定されている。旅行費用は7日間で29万8千円程度。希望者は12月27日まで事務局へ申し込む。TEL:241・7976番(井上)またはTEL:247・3035番(清澤)へ。 

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中央労働金庫が厚木市に車椅子寄贈
 12月2日、中央労働金庫厚木支店推進幹事会の永田伸和代表推進幹事と、中央労働金庫厚木支店の高松和則支店長が厚木市役所を訪れ、山口市長に車椅子を寄贈した。同支店は福祉金融機関として地域社会に貢献しようと、平成12年から、毎年市に車椅子を寄贈している。市では今回寄贈された車椅子を勤労福祉センターに置いて、施設利用者に使用してもらう考えだ。

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