第630号(2004.03.01)

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セーフティベスト作成 厚木市が市民に貸与して犯罪を抑止 

厚木市が作成した防犯用セイフティベスト
 厚木市は、「犯罪を見逃さない、許さない!市民の目ネットワーク」を地域に広めるため、このほどセーフティベストを作成した。市民や自治会、商店会、学校関係者などの自主的防犯組織やボランティアに貸与して、身近な事件や事故の抑止力を高めるのがねらい。地域のお祭りやイベントのほか、犬の散歩、ジョギングなど日常生活のあらゆる機会にベストを着用してもらう。
 セーフティベストはポリエステル製で、黄色地をベースに赤い線で縁取りがしてあり、胸と背中に厚木市のマークと「セーフティーネットワーク」の文字が刷り込まれている。
 市ではこれを2,400枚作成し、市民に無料で貸与する。対象は1市内在住の20歳以上の市民で、2防犯運動に自主的に参加することのできる人、3防犯モニターとしての役割を担うことができる人。
 適正管理をはかるため、通し番号による個別管理とするほか、着用者の安全を確保するため、市民活動保険にも加入する。貸与期間は2年間だが、引き続き防犯運動への参加意思があると認められた場合は継続して貸与が受けられる。希望者は個人の場合は往復ハガキ、団体の場合は市民安全課にある申請書に必要事項を記入して申し込む。作成枚数以上の応募があった場合は抽選になる。
 また、同市ではこのセーフティベストを作成する費用を企業や団体などに負担してもらう「セーフティベスト作成協賛者」も合わせて募集する。費用は50枚の場合12万5,000円、100枚の場合25万円。協力者はベストの胸と背中に企業・団体のロゴ・マークなどを入れ込むことができる。企業の宣伝と合わせて防犯意識を高めてもらおうというもので、出来上がったベストは市に寄贈して市民に貸与される。問い合わせは市民安全課へ。TEL225・2148番。
 自治体から委嘱を受けた防犯指導員が、パトロールなどで着用するユニフォームはあるが、防犯ベストを作成して市民に貸与するのは全国的にも珍しい。

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市制50周年記念事業 概要まとまる 市民と協働で50事業実施
 厚木市は来年2月1日、市制施行50周年を迎えるが、このほど記念事業の概要を発表した。
 キャッチフレーズは「輝け響け 未来へあつぎ50」。市民や団体などから募集した事業提案をもとに、市民の代表で組織する「市制50周年記念事業検討委員会」(黄金井一太会長・委員15人)「市民推進委員会」(小野塚徳博委員長・委員50人)「実行委員会」(会長山口市長・委員50人)のほか、市役所内部の「庁内検討委員会」などの検討を経て決定したもので、記念式典のほか、「市民と行政の協働により開催するイベント」と「50周年を契機とした施設整備や計画策定」など、市制50周年にちなんで50の事業を用意した。
 記念式典は平成17年2月5日、市文化会館で開催、友好都市(ニューブリテン市・揚州市・横手市)や防災姉妹都市(狭山市)の市長を招待して、市の発展に貢献された市民や団体を表彰するほか、記念ビデオの放映、アトラクションなどを行う。
 市民と行政の協働により開催するイベントでは、同年2月1日の夕方「未来への光」をテーマに市民の心が一つになることをイメージした「オープニングイベント」を開催、本厚木駅前から会場となる中央公園までの街路樹や公園内の樹木にイルミネーションを施し、集まった市民が電灯やロウソクなどの光を手に市制施行当時に思いを馳せる。   
 会場はかがり火やミニかまくらで彩り、モニュメントへの点火、仕掛け花火、アトラクションなどを行うほか、三川合流点で大玉50発の祝賀花火を打ち上げる。
 50周年を契機とした施設整備や計画策定では、2月5日、本厚木駅北口前広場に「ITのまちモニュメント時計」を製作して設置するほか、2月に「電子市役所宣言」を行う。
 50の記念事業は、平成17年2月1日から18年1月31日までの1年間におよぶため、会計年度は平成16年度と17年度の2年間になる。16年度はオープニングイベントに関連するものが主で、17年度は、県人会などの協力による「全国大物産祭」の開催や「1万人野外コンサート」「オリジナル演劇公演」などが予定されている。
 平成16年度の総事業費は15事業で約8400万円。〔平成16年度〕オープニングイベント、花や緑で彩る厚木のまち、市民ステージ、記念展示、わたしが選ぶ厚木の風景、記念式典、友好都市・姉妹都市サミット、記念絵はがき発行、地区旗作成、記念講演、NHK公開番組「のど自慢」、はつらつママさんバレーボール、電子市役所宣言、ITのまちモニュメント時計落成、フィルムコミッション設立、あつぎグラフティ・記念ビデオ作成、記念大会・祝賀行事などへの支援、NHK交響楽団記念演奏会、新たな友好都市締結の調査、バス運行情報システム導入、みどりと清流のふるさと創造基金構想策定、河川30運動、子育て広場整備事業、アウトドアライフ基本構想事業開始。
〔平成17年度〕デジタル地域学習教材「めざせ!あつぎ博士」、記念ウォーキング、記念シンポジウム、市民ガーデニングコンテスト、全国大物産祭、記念パレード、1万人野外コンサート、夏期巡回ラジオ体操、みちの歩みとハイウェーのまち事業、あつぎ市民音楽祭、全国和太鼓フェスティバル、全日本ソフトテニス選手権大会、オリジナル演劇公演、動物フェスティバル、運動公園健康づくりフェスティバル、街頭コンサート、記念朝市、生涯学習フェスティバル、あつぎ映画祭、あつぎクロスカントリ大会、タイムカプセル、友好・姉妹都市物産郷土芸能フェスティバル、公開番組、フィアナルイベント、50周年記念事業概要書作成、厚木市立病院整備方針策定。

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 「極地冒険家の荻田さんが道徳授業
 2月12日、厚木市立戸室小学校(古島兼幸校長)で、極地冒険家の荻田泰永さんを招き、「夢への挑戦・北極圏のすばらしさに魅せられて」をテーマに道徳授業が行われた。
 荻田さんは愛川町在住の冒険家で、平成12年にカナダ北極圏700キロを踏破するなど北極徒歩冒険家として知られている。同校では荻田さんの北極圏での冒険体験を通してさまざまな困難を乗り越え、自分で粘り強くやり遂げようとする気持ちを子どもたちに育んでもらおうと、3、4年生の道徳の授業を活用して講演を企画した。
 この日は4年生101人が、北極圏の自然や冒険の様子、そこに棲む野生動物の生態など荻田さんが撮影した写真やビデオを見ながら約45分間に渡って授業を受けた。
 子どもたちは、画像が写し出されるたびに、「北極では何を食べるのか」「オーロラはどんなふうに見えるのか」「北極でけがをしたらどうするのか」など質問が次々と出され、荻田さんはその一つひとつにていねいに答えていた。 
 荻田さんは、「北極の話を通して子どもたちに、地球上には本当にいろいろな世界があることを知ってもらいたい」と話していた。

  

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学生と考えるまちづくり 建築的提案、市職員らと意見交換
  2月19日、厚木市役所会議室で市内の大学生と商業関係者、市職員が参加して、まちづくりについての提案と意見交換が行われた。
 提案を行ったのは、東京工芸大学工学部建築学科の真鍋信太郎教授の下で学ぶ3年生33人。昨年度に引き続き建築設計製図の課題として、本厚木駅周辺のまづくりをテーマに取り上げ、歩行者用回遊路「タウンモール」について提案をまとめた。
 タウンモールは、厚木市が平成12年3月に策定した「厚木市中心市街地活性化基本計画」に取り入れられた回遊性確保のための交通ネットワーク整備の1つで、中心市街地を環状するようにタウンモールが設定されている。
 学生たちは、昨年11月から9グループに分かれて、現地を調査し課題や問題の抽出を行ってきた。この日発表を行ったのは3グループで、「回遊路にストーリー性を持たせる緑化の整備」や「通り抜けのできる建物、歩行者から内部が見える通りに開かれた施設の整備」「安らぎ、癒し、交流、発表などのコンセプトから、隣接する4つの公園の活性化」など、独創的な提案が発表された。
 発表後、商業関係者やまちづくりに関係する道路、公園、建築関係などの市職員とともに、意見交換を行った。参加した職員からは「新しい視点から提案を新鮮に受け止めた。これからも多くの人の参加によりまちづくりを進めていきたい」などの意見が聞かれた。

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青年海外協力隊の高木さん帰国報告 タンザニアで2年間援助活動
 国際協力機構青年海外協力隊員として、タンザニア連合共和国で、村落開発普及員として活動していた厚木市妻田在住の高木史幸さん(29)が、2年間の派遣を終えてこのほど帰国、2月10日、山口市長を訪れ帰国報告を行った。
 高木さんは、青山学院大学経営学部を卒業後、民間会社に就職したが、その経験を別の形で生かすため平成13年6月に退職、国際協力機構青年海外協力隊を受験、隊員に選ばれて同年12月にタンザニア連合共和国に派遣された。
 タンザニアでは地方自治省バガモヨ県社会開発局に所属、住民生活向上のために様々な提案やコーディネートを行った。同国の住民は低所得で未就学児童や飲料水の確保、衛生などさまざまな問題を抱えている。所属先の開発局最大の業務は生活改善だが、予算が限られていて外国の援助組織による支援が求められていた。
 高木さんは村落開発普及員として、地方の住民と話し合い、ニーズの吸い上げなどをしながら、現金収入を上げ、生活を向上させるためのさまざまな提案、コーディネートや指導を2年間にわたり行ってきた。
 高木さんは「楽しいだけではなかったが、よい経験になりました」と帰国の感想を述べていた=写真。 

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講演会に300人  高齢者の虐待防止ネットワークがスタート

 厚木市は社会問題となっている高齢者に対する虐待などを防ぐため、2月10日、日本大学総合科学研究所の田中荘司さんを講師に招いて「高齢者虐待防止講演会」を開いた。
 高齢者の虐待防止ネットワークの構築を進めようと行ったもので、医師会や警察署、社会福祉協議会、在宅介護支援センターなど、高齢者や福祉活動にかかわる団体から300人が参加した=写真。 
 冒頭、山口市長は「高齢者の虐待防止については、現在のところ児童や夫婦間の問題と異なり、法整備もされていないのが現状。皆さんのご指導やご協力で関係機関の連携を強め、虐待の予防、早期発見、対応ができるネットワークづくりを推進して、虐待のないまちづくりにに取り組んでいきたい」とあいさつした。
 講演では、田中荘司さんが「人間としての尊厳」をテーマに、高齢者の虐待に対する国内の取り組みや虐待の定義、現状などを話した。参加した医師会理事の酒井英光さん(50)は「厚木市は虐待の予防に力を注ぐネットワークの必要性を重視し、先行して取り組んでいる。今後、地域ぐるみで高齢者を支え合う活動の展開を期待している」と話していた。 

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厚高ダンスドリル部が市長に出場報告 全米チアダンス選手権大会に向け
 3月13、14の両日、アメリカで行われる全米チアダンス選手権大会に出場する県立厚木高校(八木猛校長)ダンスドリル部の部員23人が、2月19日山口厚木市長を訪れ、大会出場の報告を行った=写真。
 同部は昨年11月に開催された第3回全日本チアダンス選手権大会ポンポン部門(高校)で優勝、さらに全部門の優勝チームから選出されるグランプリを獲得したことから、全米チアダンス選手権大会への出場が決まった。
 この大会には1994年から日本の代表として大学生、社会人チームが出場しているが、高校生チームが出場するのは初めてのこと。市長は「今度は世界の頂点を目指し、これまでの練習の成果を思う存分発揮してきてください」と部員たちにエールを送った。
 田尻光部長は「すごいプレッシャーを感じていますが、とにかく自分たちらしく踊ることに集中して、お客さんに喜んでもらえる踊りをしてきたいです」と抱負を話していた。
 部員一行は3月10日、大会開催地のフロリダ州オーランドへ向けて出発する。

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住民異動届集中時期 日曜日も窓口業務 3月21・28日・4月4日
 厚木市は住民異動届けが集中する3月と4月の日曜日に、市民課や国民年金課、医療政策課などの一部の市役所業務を開設する。
 同市はこれまでも地区市民センターなどで住民票の写しや印鑑登録証明などの休日業務を行っていたが、本庁舎でも行うことによって、市民サービスの向上と窓口業務の平準化を図る。
 開設するのは住民異動届けの集中する3月21日、28日、4月4日の3日間。業務は住民異動届けや外国人登録、印鑑登録、住民票など諸証明の発行、国民年金の転出入届け、老人保健医療受給者証や乳幼児・心身障害者医療証、介護保険被保険者証の発行、小中学校の転入学手続き、児童手当の認定請求などの窓口業務で、市民課、国民年金課、医療政策課など7課に及ぶ。時間は午前8時30分から午後5時まで。
 同市では住民異動届けが集中するこの時期は、届出件数が通常期の倍以上となり、待ち時間も通常は約17分程度だが、同時期は1時間程度になる。このため試行的に日曜開設を行って住民サービスの向上と窓口業務の効率化をはかることにしたという

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公共施設の予約システムを共同利用 厚木・愛川・清川の3市町村
  厚木、愛川、清川の3市町村は、公共施設の相互利用について、9月から共同でインターネットを利用した公共施設予約システムの運用をスタートさせる。対象となる施設はスポーツ施設や一部文化施設などを合わせた35施設(厚木市24・愛川町10、清川1)。
 利用者は登録が必要で、インターネットを使って家庭のパソコンや携帯電話、街頭型端末機からアクセスし、登録した番号やパスワード入力すると、抽選申し込みや結果の確認、空き施設などの有無を24時間365日できる。また、インターネットを利用できない環境の住民のために、厚木市で32台、愛川町で3台、清川村で8台の街頭型端末機を公共施設に増設する。
 3市町村では平成14年4月から公共施設の相互利用を実施しており、平成15年7月より厚木市が開発中の予約システムを共同利用することで調整を進めてきた。厚木市では共同利用することによって利便性の大幅に向上と施設の広域利用が進み、システム開発や運用に要する経費も軽減することが出来るとしている。公共施設予約システムを複数の市町村で共同利用するのは県内では初めて。

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