第635号(2004.04.15)

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西山を守る会がオオタカ調査  荻野川上空で幼鳥と成鳥を確認
荻野川上空を飛ぶオオタカ 櫻井武さん撮影(2月10日)  厚木市中荻野の高取山の採石計画に反対している「西山を守る会」(花上義晴代表)では、1月から毎月1回西山登山を実施して現地調査を行うほか、採石業者の事業説明会、登山道の標識付け、バザーなどの活動を通して環境保護を訴えているが、2月10日メンバーの櫻井武さんが、荻野小学校のバードウォッチングで子どもたちと荻野川の上空を飛ぶオオタカを発見、撮影に成功した。
 櫻井さんら守る会の会員が日本野鳥の会に連絡して確認したところ、絶滅の恐れのある野生動物オオタカであることが分かり、高取山のふもと付近にオオタカの営巣地がある可能性があり、本格的な調査を始めた。
 櫻井さんが2月10日に撮影したのはオオタカの幼鳥で、その後も数回にわたり木に留まっているオオタカの成鳥を確認、写真に収めた。このことから最初に発見した場所の近くに別のオオタカ、あるいは親子のオオタカが営巣地をつくって生息している可能性があることがわかった。
 3月25日、相模興業採石場増設事業の環境影響予測評価書が県知事に提出され、30日から荻野公民館などで縦覧が始まっているが、評価書に載っているのは平成11年、12年の調査で、採石計画地から高取山山頂付近の稜線上空と計画地外の上荻野付近でオオタカが確認されたが、上空通過または一時滞在の確認で、求愛行動や営巣地、餌運びなどの繁殖行動は確認されなかったと記述されている。
 守る会の荻田豊さんは「今回、業者から県知事に出された環境影響予測評価書は、たぶんに業者に都合のいいように書かれた内容だ。調査自体も3年、4年前のもので、最新のものではない。現在これだけオオタカが確認できるのは、単なる上空通過や一時滞在というレベルの話ではないだろう。メンバーの櫻井さんが最初に撮影したのは幼鳥で、その後木に止まっている成鳥を数回確認していることから判断すると、親子であることも考えられる。付近に営巣地がある可能性が高いので、会として県に再調査を申し入れたい」と話している。 
高取山山頂で登山道の標識を取り付ける守る会の人たち
 厚木市では平成5年、荻野運動公園拡張予定地でオオタカの営巣地が確認され、国体施設計画が変更になった経緯がある。市ではその後もオオタカの観察調査を2団体に委託して行っているが、営巣地は確認されていない。
 守る会では、オオタカの観察会を立ち上げ、今後も詳しい調査を継続していくという。また、5月2日から3日間連続して西山登山を実施する。オオタカ観察会や西山登山の参加希望者は荻田さんへ。TEL:241・8990番。

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女性20人に聞き書き  相模女性のたくましさ伝える
 厚木、愛甲郡で活躍する女性に聞き書きした『あつぎの女性20人』が、このほどさがみ女性史研究会「さねさし」(内山良子代表・10人)から刊行された。明治、大正、昭和初期に生まれた地元出身の女性20人を選び、その生き方と足跡を1人ひとり聞いて歩いたもので、印刷製本を除いて聞き取りからテープ起こし、原稿の下書き、校正などのすべてが会員たちによる手づくりだ。
 同研究会は、女性史研究家の江刺昭子さんを講師に平成10年12月に開かれた、厚木市パートナープラン推進セミナー「地域をささえた女性たち」講座に参加した女性が、講座終了後江刺さんの「女性史を学びませんか」の呼びかけで発足した。メンバーは10人。会の名称「さねさし」は、『古事記』に出てくる歌「さねさし相武の小野に燃ゆる火の火中に立ちて問ひし君はも」から名づけた。
 会員たちはまず資料の収集や聞き取りから始めた。明治、大正、昭和初期生まれで、もと愛甲郡で現在の厚木市、愛川町、清川村在住の女性20人を、職業、生活環境などが偏らないように選んだ。 
 「君が代」を英語で歌う前場コウさんや、明治の自由民権運動の心意気を汲む大下トシさん、羽織の肩上げを下ろした日から教壇に立った中野タエさん、女優及川道子の付き人として生きた後藤フミさん、神奈川県の保健所の女性所長第1号になった中倉千鶴子さん、老舗の和菓子屋を継いできた山本多満さん、土建屋の社長を26年間もつとめあげた大野テイさん、政治家の妻に生きた甘利千代子さん、思いを小説にしてきた小島すみさん、母と助産婦2代の金子喜美子さん、旅館の女将古根村喜代子さん、厚木の花街をささえた篠田道子さんなど、その世界に生き、家事、子育て、仕事と1人で何役もこなしてきたさがみの女性たちの秘めた強さを伝えている。
 巻末には20人の話者の年譜と郷土の動き、世界や国内の動きを対比させた年表も収録した。
 代表の内山良子さんは「20人の話者はその青春を、結婚を、子育てを、戦争に翻弄された歴史の生き証人です。それぞれがおかれた環境のもとでしたたかに、たくましく生き抜いてこられたエネルギーをぜひ読みとってほしい」と話している。
 B6判239ページで1部1,000円。問い合わせは代表の内山さん(〒243―0035厚木市愛甲976\2)へ。TEL247・6043番。 

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 防犯パトロール隊活動開始 厚木市 安全なまちへ県警OBを委嘱
 犯罪の抑止と安心安全な市民生活を確保するため、厚木市は県警察官OB5人(男4人・女1人)を、市民安全指導員(非常勤特別職)に委嘱、4月1日から専用車を使った防犯パトロール隊をスタートさせた=写真。
 パトロール隊は週4日2班編成で、毎日防災無線を搭載した市民安全パトロール車に乗車して、市内の巡回パトロールを行う。空き巣や車上ねらい、ひったくりなど身近な犯罪が多発する中、犯罪の抑止力を高め、犯罪を未然に防ぐことが目的で、今春スタートしたセーフティベスト着用運動や防犯SOS情報車などの地域、企業、ボランティアによる防犯活動とも連携を図り、犯罪の発生しにくい環境づくりを推進する。
  パトロールは保育所や児童館、公民館などの公共施設をはじめ、地域の防犯連絡所(自治会長宅)や防犯部長、防犯モニターなどの関係者宅にも立ち寄り、情報収集や提供につとめる。また、市民を対象とした防犯安全教室の開催や今年度市内25カ所で立ち上げる防犯モデル地区への指導助言、活動支援なども合わせて行う。

  

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大野君と内田さんが一日警察官
 4月3日、春の全国交通安全運動を前に、厚木市交通安全対策協議会と厚木署の主催で、交通安全パレードが行われた。今年のスローガンは「安全は心と時間のゆとりから」「新入学(園)児を交通事故から守ろう」。パレードは本厚木駅北口の中心市街地を周回する約1.5キロの距離で行われ、道行くドライバーや通行人に交通安全を呼びかけた。
 この日、1日子ども警察官になった新1年生は、北小学校の大野翔太(しょうた)君と妻田小学校の内田実来(みく)さん=写真。委嘱にあたり「交通ルールを守り、事故にあわないよう気をつけます」と元気よく宣誓し、集まった人たちから大きな拍手を浴びていた。
 パレードにはオープンカーに乗った2人のほか、県警音楽隊、カラーガード隊、交通安全協会、安全運転管理者会、交通安全指導員、交通安全母の会、自治会などの協力団体約150人が参加した。
 また、パレードに先立ち、出発地の厚木中央公園では、日産自動車テクニカルセンターから交通安全指導車、県トラック協会相模支部から横断旗1,600本が市へ寄付され、贈呈のセレモニーが行われた。

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県央やまなみ地域統一道標を設置
 厚木、伊勢原、秦野、愛川、清川、県央地区行政センターで構成する広域行政連絡会(会長・山口巌雄厚木市長)は、このほど広域観光圏としてのイメージアップと一帯感の醸成を目的とした統一道標=写真=を作成、地域内30カ所に設置した。
 平成15年7月に開催された「第9回県央やまなみサミット」において提案されたもので、道標は県内産の木材を使用し、地域イメージに合わせてデザイン化した。主柱は直径15センチ、地上高134センチで、上方に幅18センチと長さ120センチの方向板を取り付け、左右に行き先の地名と距離が書かれてある=写真。製作費用300万円は県市町村振興協会からの助成金をあてた。

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全米チアダンス選手権グランプリ受賞を報告  厚木高校ダンスドリル部

 4月2日、県立厚木高校ダンスドリル部の部員23人が、山口市長を訪れ、3月に行われた、全米チアダンス選手権グランプリ受賞の報告を行った=写真。
 同部は3月13日と14日に米国フロリダ州のオーランドで開かれたNDA全米チアダンス選手権に、高校生では初めての日本代表として出場、10点満点のうち9.30の高得点を上げ、グランプリを獲得する快挙を成し遂げた。
 部長の田尻光さんは「出場の報告に来た時はすごいプレッシャーを感じていましたが、グランプリを獲得して市長さんをはじめたくさんの人たちから祝福されて本当に嬉しい。高校生活の素晴らしい思い出になりました」と話していた。
 同部は3月27、28の両日、千葉県幕張メッセで開かれた04 8th Annual USA-Nationals in Japan の高校生部門でも優勝した。4月18日には同高校体育館で演技披露などを行う報告会が予定されている。

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5コースを紹介  水と緑のウォーキングガイド作成
 県央地区行政センターでは、このほど県央地区6市1町1村の豊かな水と緑に親しんでもらうガイドブック「水とみどりのウォーキングガイド」を作成した。県央管内の市町村をまたぐ身近な市街地の散策コースから尾根伝いを踏破する登山コースなど5コースを紹介している。
 各コースとも6キロから16キロほどの距離で、平地では徒歩1時間半から山岳地では5時間ほどかかるコースだ。公園や水辺のほか、史跡や名所などの見どころも紹介、トイレ情報や地図なども加えてウォーキングを楽しめるガイドブックになっている。
 厚木近辺では本厚木駅から国道412号線に沿って北上、田園風景を眺めながら、及川球技場、山中陣屋史跡公園、荻野運動公園、鳶尾山を越えて八菅山に至る16キロコースが収録された。A5判14ページのカラー刷りで持ち歩きに便利。行政センターでは1万1千部を作成、各地区の合同庁舎のほか市町村の窓口で配布している。

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ごみ処理広域化へ向け厚木愛甲環境施設組合が発足 組合章も決まる

 厚木、愛川、清川の3市町村は4月1日、一般廃棄物(ごみ)の共同処理開始を目指して、事業主体となる一部事務組合「厚木愛甲環境施設組合」を設立、事務事業がスタートした。
 組合事務所は厚木市役所第2庁舎10階に置かれ、この日、3市町村長が「厚木愛甲環境施設組合」と書かれた木製の看板を掲げた後、開所式を行った=写真。 
 今後は平成24年度を目標に、一般廃棄物の中間処理施設や最終処分場の建設を進めるほか、ごみの減量化と資源化への取り組みを進める。
 組合の管理者には山口市長、副管理者に山田町長、山口村長、厚木市助役が就任、収入役には厚木市収入役があたり、事務局職員は3市町村から派遣された職員で構成する。
 また、これに合わせて公募していた組合章のデザインも決まった。応募総数63点の中から最優秀に輝き、採用となったのは、横須賀市在住のグラフィックデザイナー奥野和夫さんの作品=写真。奥野さんは3市町村の緑豊かな自然環境の象徴である山をモチーフに緑色で表現、3本のラインは3市町村を、中央の矢印は資源循環型社会を意味しており、全体のシルエットを厚木愛甲の頭文字である「A」でまとめた。

 

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