第637号(2004.05.15)

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 日本わらべうた協会 「わらべうたの家」を開設
 厚木を拠点に地域に伝わるわらべうたやわらべうた文化を広める活動をしている、「NPO法人日本わらべうた協会」(田村洋子理事長・50人)の活動の拠点となる「わらべうたの家」が、このほど同市寿町2丁目に出来上がった。以前小料理屋だった建物を借り受けて改装したもので、木の肌合いと漆喰の壁で内装した15坪ほどの広さだが、壁1面にかけた版画家・鈴木伸太朗さんの作品「わらべの押しくらまんじゅう」が、楽しい雰囲気を醸し出している。
 協会が出来たのは平成14年7月。だが活動は16年前にさかのぼる。代表の田村洋子さんが、子育てにわらべうたを生かそうと、当時3歳だった次男を連れ、町田市でわらべうた教室を主宰する大熊進子さんと出会ったのがはじまりだ。
 田村さんは「わらべうたは母国語と精神の離乳食」という大熊さんの教育論や人間観に強く惹かれ、厚木に「わらべうた同好会」をつくった。田村さんの呼びかけに1人二人と参加者が増え、同好会に集まってくる人たちも今では40人を超えるようになった。月3回の月曜日、午後4時から6時まで大熊さんを講師にあつぎパートナーセンターで開く「わらべうた親子活動」には、毎回30人以上の子どもたちが押し寄せる。
 毎年冬、公募の市民を対象に行っている「わらべうた講座」は今年で7回を数え、参加者から「母子手帳をもらう前や子育て前に聞きたかった」という感想が寄せられるようになった。年1回厚木市の中町公園で開かれる「とうりゃんせバザー」では、ハンガリースープが好評だ。今年も5月23日11時から14時まで開かれる。
 また、地域の社会福祉協議会や幼稚園、保育園、学校から講座や講演を頼まれることも多く、NPO法人になってからは、教師や保育士を対象とした研修を依頼されるようにもなった。8月に河口湖で開かれる3日間のサマーセミナーには、わらべうたに関心のある人や保育、教育、音楽関係者が全国から参加して、意見交換を行うという。
 田村さんは「16年前はわらべうたって何ですか?でしたが、今はわらべうたは子どもを救う!に意識が変わってきました。わらべうたはかつて子どもだった人からこれから大人になる人への心のかけはしです。このわらべ歌の家を拠点に、今後もわらべうた遊びの伝承や音楽を通した活動、各地のわらべうた活動の支援をしていきたい」と話している。

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PTA、、自治会、市職員が通学路を緊急パトロール

 厚木市は4月8日から23日にかけて、市内の小中学生が不審者に追いかけられたり、痴漢行為に遭ったりするなどのケースが連続して4件も発生したことから、児童・生徒の安全確保対策として、5月末までの間、市内36の小中学校で、教職員やPTA、市職員を動員した緊急パトロールを行っている=写真。
 同市によると、4月8日中学3年生の男子生徒が、バイクに乗った男に刃物のようなもので切り付けられて右手人差し指を5針縫うけがを負ったほか、23日には下校途中の中学1年生の女子生徒が見知らぬ男に抱きつかれるという犯罪が4件発生した。
 今回のパトロールは市民と行政、学校が一体となって、児童・生徒の安全を確保しようというもので、各小中学校では4月26日から当分の間、下校時に教職員やPTAが出動してパトロールを実施するほか、市の防犯モニター400人にも協力を要請した。市内の一部の小学校では自治会や老人会のメンバーが児童の下校時に合わせて通学路のパトロールを行っている。
 市でも、4月30日から5月末まで全小中学校36校を13ブロックに分け、市の主幹級以上を対象に、1ブロック4人づつ1日52人の職員に出動を要請、午後2時から6時まで学校周辺のパトロールを行っている。 

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 せんみ凧製作して親子で凧揚げ大会 玉川公民館
 5月2日、玉川公民館で、子どもたちから高齢者まで100人あまりが参加して、親子凧揚げ大会が開催された=写真。
 この催しは地域に古くから伝わる「せんみ凧」や昔ながらの「角凧」を、5月の節句の時期に揚げる風習を伝えていこうと、玉川地区文化振興会(三橋光男会長・26名)が企画、玉川公民館の文化振興事業として平成14年度から始まったもの。
 この日揚げられた凧は、参加者が公民館の凧づくり教室で、骨組みから糸付けまでの工程を2日がかりで作りあげたもの。指導には地元の七沢でせんみ凧作りを継承している青木静子さんをはじめ、地域の凧づくり名人があたった。
 会場の玉川公民館近くの田んぼでは、色鮮やかに着色された「せんみ凧」が大空へ舞い上がり、終日子どもたちの歓声が響き渡った。
 親子連れの参加者は、「公民館に飾ってあったのでせんみ凧は知っていたが、こんなによく揚がるとは思わなかった」「骨組みなどを作るのに苦労したが、思ったよりよく飛んでくれてうれしい」と感想を語っていた。
「せんみ凧」とは、「せみ」の絵が描かれている凧のことで、昭和30年ごろまで県央、県西地区で5月の節句の時期に盛んに揚げられていた。 

  

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市内各地区で春季健康まつり開催 
 体力の向上と住民相互の親睦を図ることを目的とした「春季健康まつり」が、5月9日から厚木市の各地区で始まった。
 これは各地区公民館の主催で、地元の自治会や体育振興会が中心となって開かれたもので、厚木北、依知南、荻野、小鮎、南毛利、相川、緑ヶ丘、南毛利南、森の里などの10地区合わせて2,500人が参加して汗を流した。
 種目はソフトボール=写真=、ソフトバレーボール、ターゲットバードゴルフ、卓球を中心にペタンク、ティーボール、グラウンドゴルフなどの競技も行われた。なお、厚木南、睦合南・北は16日、依知北地区は23日に行われる。
 各会場では白熱した試合が行われ、各地区の優勝チームは、種目によっては6月20日、荻野運動公園で行われる「厚木市民体育祭」の地区代表として出場するチームもある。市民体育祭はソフトボール、卓球、バドミントン、ゲートボール、ソフトバレーボール、ターゲットバードゴルフの6種目の競技が、市内14地区の公民館対抗で行なわれる。

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 「私の戦後」「青春のロマン」などテーマ 神奈川ふだん記58号
 生活記や人生記、旅行記、自分記など庶民の文章運動に取り組んでいる「神奈川ふだん記」の機関誌第58号が出来上がった。
 58号のテーマは「私の戦後」「青春のロマン」「人生の師」の3題。「私の戦後」では。北京から引き揚げた津軽での生活、シベリア回想、白いご飯が食べたかった思い、雪深い北海道の農村で初めて体験した自宅分娩の介助、軍服姿の兄の出征、復員、空襲警報の中を友達の手を引いて必死で逃げた15歳の時の空襲体験など、全国各地から30人の文友がありし日の思い出を綴った。
 また、「青春のロマン」では、心臓病で9歳で亡くなったミサちゃんへの甘く切ない恋心、弥勒菩薩のように穏やかだった夫との35年目の別れ、旧制高等女学校の時、音楽の先生に熱を上げた日々など、13人が青春の思い出を投稿している。
 シリーズ特集は、前号に続いて「21世紀に残す愛川町の昔と今」。味噌田楽、田代の半僧坊、中津のルーツをたずねて、故郷の中津川、塩川滝、三増合戦物語、船大工などをテーマにした11作品が収録されている。
 今回は世界的なバイオリニストで声楽家の佐藤陽子さんが特別寄稿、「旅の終わりから始まった私の旅路30年」と題して連載を開始、バイオリニスト、声楽家としての歩み、池田満寿夫氏との出会いと生活などを綴っている。また、ふだん記文友で日本ペンクラブ会員の水上寛裕さんが、今年3月一ツ橋学園駅前郵便局ホールで行った「ゾクゾク画面人間と無会話人間・メディア社会と心の欠落」と題した生涯学習講演の内容も収録した。
 このほか山梨県の帝京学園短大が、ふだん記本を永久保存とした同大学の図書館を訪ねた文友6人がバス旅行の感想などを記している。文友交流の場となっている「あの花この花」「みんなの心の詩」にもたくさんの投稿があり、今号は過去最高の296ページで、これまでにない充実した内容となった。
 次号のテーマは「趣味と私」「私の好きな歌」とシリーズ「愛川町の昔と今」、詩・短歌・俳句など。投稿の問い合わせは代表の足立原三紀子さんへ。TEL:285・2973番。

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お年寄りを昼食会にご招待  今年で25回目・元湯旅館
 厚木市飯山温泉の元湯旅館(石川範義社長)で5月11日午前11時、地元のお年寄りが昼食会に招待され、心づくしの料理をごちそうになった=写真。
 石川社長が「地域で商売をさせていただいているお礼に」と昭和55年から行っているもので、今年で25回目。この日は小鮎地区老人クラブ連合会(臼井美二会長・11クラブ)に所属する75歳以上のお年寄り218名が招待された。この25年間で延べ5000人を超えるお年寄りが招待されたことになり、臼井会長から石川社長に感謝の花束が贈呈された。
 
 石川社長が「最近は皆さん長生きされる方が増えており、会場もいっぱいになってきました。今後は2カ所に分けて行うことも考えています。このところ天候が不安定です。どうか体に気を付けて毎日を楽しく過ごしてください」とあいさつ、この日の最高齢者の小島タモさん(95)ほか、米寿を迎えたお年寄りなど合わせて18人にベゴニアの花をプレゼントした。
 料理は旬の野菜や魚などを煮物、揚げ物、焼き物にして、五目ちらし寿司と一緒に会席弁当風に盛りつけたもの。
 臼井会長は「石川社長には春と秋のゲートボール大会、昼食会など年間を通じて大変お世話になっており感謝しています」と話していた。この日、お年寄りたちは料理を食べながら、午後2時ごろまで芸妓衆による踊りやかっぽれ、地元出身の椿はる奈歌謡ショー、大川新舞踊劇団などのアトラクションを楽しんだ。 

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文芸あつぎ24号刊行
 厚木市内の文芸愛好家が執筆している「文芸あつぎ」の第24号=写真=が発売となった。
 今号は報道カメラマンとして戦中・戦後を生き、故郷での写真業、文化活動、父との破局、再上京後の苦難の後亡くなった兄の思い出を綴った朝倉芳朗さんの連載「いいふりこき物語」が登場したほか、草柳三代志さんのガンに冒された妻と信頼関係を取り戻すことができた小説「のこえ山越えて」は連載6回目。30年ぶりに偶然逢った幼なじみとの淡い恋心を綴った小島勝さんの長編「やまどり」は今回で完結した。
 小野幸子さんの「私の母が歩んだ道」は連載3回目。小島すみさんは、童話「かめの引っ越し」と詩「老木を伐る」を投稿した。原勉さんの「霧者の蒼月」は、台湾の悲劇霧者事件を扱ったドキュメント、岩井純さんは南米ブラジル紀行、鈴木對山さんは「私と靖国神社」を投稿した。B6判128ページ600円。厚木一番街内田屋書房本店で取り扱い中。

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平成17年度より中心市街地の合流式下水道を改善
 厚木市は平成17年度より同市中町、元町、寿町、幸町、旭町、松枝など本厚木駅周辺の市街地約205ヘクタールで採用されている「合流式下水道」の改善整備を行う。
 合流式下水道は汚水と雨水を同じ管で排除する方式で、浸水防除と水洗化の普及促進が同時に図られることと施工費が安価なため、昭和30年代ごろまでに大都市を中心に採用された。
 ところが、この合流式は雨天時に雨水と汚水が混合した下水の一部が未処理で公共用水域に放流されるため、放流先での水質悪化や水域における水の利用者に対する公衆衛生上の影響が懸念され、早急な改善が求められている。
 この問題で政府は、平成15年9月に「下水道法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定、「合流式下水道の改善及び水処理の高度化」について、施設の構造や水質の基準を定め、分流式下水道並の汚濁負荷量の削減、全ての吐口において未処理放流水の放流回数を半減させるほか、きょう雑物の流出を極力防止するなどの措置を10年以内に実施するよう、今年4月より全国の自治体に通達した。
 厚木市では、早急な効果が期待できる「ろ過スクリーン及び貯留管設置」で対応することにした。ろ過スクリーンは、同市旭町にある雨水吐き室からきょう雑物の流出削減を図るため、平成17年度に1億1千万円をかけて施工する。また、貯留管は汚濁負荷量を削減し公衆衛生上の安全確保を図るもので、越流回数も現況の34回から半減以下の14回になる。施工費は約13億円で、平成18年度から20年度までに設置する。

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