第638号(2004.06.01)

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ホームページに外国語サイト(6ヶ国語) 厚木市
 厚木市は6月1日から市のさまざまな情報を、外国籍市民の方に6か国語で提供するホームページ「外国語生活情報サイト」を開設する。市内に在住する外国人を対象に、火災、救急などの緊急時の対処方法、公共施設の利用方法、ごみの出し方など毎日の暮らしに役立つ生活情報をお知らせするほか、世界中の方々に厚木市の姿を知ってもらうため、市の概要や観光情報なども掲載する。
 掲載される言語は日本語のほか、スペイン語、ポルトガル語、英語、中国語、韓国語、ベトナム語の6か国語で、同市の外国人登録者4,904人(4月1日現在)のうち、約83%の4,054人をカバーできるという。
 サイトは、外国籍市民が市内で生活していく上で必要な生活情報、たとえばごみの出し方や収集日のカレンダー、火災・救急時の通報の仕方、地震・災害時の避難場所、休日・夜間診療所、英語対応の医療機関や乳幼児の健康相談など生活に必要な情報をきめ細かく提供、日本語に換算して約4万2千字の情報を提供している。県内の市町村で外国語ホームページに6か国語で提供するのは厚木市だけ。
 また、サイトは基本となる日本語と外国語が同じレイアウトで閲覧できるため、日本人が日本語のページを参考にして必要な外国語の情報を印刷し、近所に住む外国籍の人に提供することもできる。このほか各国語のあいさつ集を掲載しているので、地域でのコミュニケーションにも役立つものと市では期待している。
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 厚木市ではADSLの普及など通信回線の急速なブロードバンド化が住んでいることから、動画を中心に厚木市を紹介するホームページ「インターネット放送局」及び「ライブカメラ」を6月1日から公開する。提供されるのは厚木伊勢原ケーブルテレビで放送されている市の広報番組「ハートシティあつぎ」で、これまでケーブルテレビでしか見れなかった番組がホームページで閲覧できるほか、放送時間に関係なく見たいときにいつでもみることができる。すでに放送された平成15年4月から16年5月までの番組を保存しており、6月1日以降、自由に見ることができる。
 一方、ライブカメラは市内各地で撮影した景観や交通情報、防災、イベントなどの映像情報をインターネットで生中継し、厚木市の現在の様子をより多くの方に提供するもので、公開中の厚木アクストメインタワー屋上のカメラに加え、新たに市役所第2庁舎、小鮎公民館・地区市民センター及び東町スポーツセンターの3カ所に設置し、計5台のカメラからの映像を公開する。

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自閉症の藤江さんが初の絵画展       

絵画展の準備で最後の仕上げをする藤江さん
横浜市旭区希望ヶ丘に住む自閉症の藤江陽介さん(38)が、6月2日から厚木市飯山のアツギミュージアムで、初めての絵画展を開く。
 藤江さんは13歳の時、厚木市に移転、中学校や養護学校の高等部で学び、卒業後は同市松枝の生きがいセンターに通うなど、少年期から青年期のほとんどを厚木市で過ごした。
 絵は厚木市に引っ越してきた当時、洋画家の杉山勇さんが指導する絵画教室に、父親と一緒に参加したことから始めるようになった。杉山さんから水彩と油絵の手ほどきを受け、旅行先の風景を写真に撮ってきては、それを見ながら気の向くままに描いていた。
 その後、中学を卒業して伊勢原養護学校高等部に入学すると、絵の世界から遠ざかり、10年ほどのブランクができた。平成5年父親が亡くなって横浜に引っ越してから間もなく、母親から「絵を生涯の趣味にしてはどうか」と勧められ、再び絵筆を持つようになった。厚木時代のように先生について学ぶというのではなく、あくまでも自分流に、きままに描くというやり方だ。
 藤江さんは、横浜市の地域作業所に通うかたわら週末になると絵筆をとり、ヨーロッパやカナダ、オーストラリアなどを旅行した時に撮ってきた写真を見ながら、1枚を2〜3カ月かけてじっくりと仕上げていった。気分が乗らないときはキャンバスに向かっているだけで、筆が遅々として進まない時もある。また、途中で描くのをやめ2週間も3週間も放っておくこともある。
 そんなやり方をしながらも作品がたまると、2年ほど前から年賀状にその作品を印刷して送ることを始めた。これがアツギミュージアムを経営する吉川悦子さんの目に止まり、作品展をやってみないかという誘いを受けた。
 藤江さんは、これまで描きためていた作品に、近作を数点を加え、初めての油絵展を開くことにした。作品はフランクフルトの市電、カナディアンロッキー、ドイツロマンチック街道、シドニーのセントメリーズ教会、犬吠埼、渡良瀬川中橋、黒部峡谷、平安神宮、松島の遊覧船などの風景画で、6号から8号を主に19点を用意した。厚木時代、杉山先生に教えを受けた時に描いた「箱根登山鉄道」や「東京駅」などの作品も出品するという。
 母親の陽子さんは、「自閉症の基本的障害は無気力といわれます。絵はその無気力を克服することにもなりますし、自分を育てていただいた厚木の皆さんにご恩返しをして、見ていただけることで本人の自信につながれば」と話している。作品展には杉山勇先生も会場に訪れ、師弟の友好を深めるという。27日まで。

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  佐藤陽子さんとの茶会の集いに感動の嵐   日本ペンクラブ会員 水上寛裕
 ひとりの愛川町の女性が歓びの文化の嵐を呼んだ。なぜなぜ、なぜなの。その不思議な組み合わせの集いに感動の波また波。文章運動の神奈川ふだん記と茶会とバイオリンで、5月16日「初夏の茶会と佐藤陽子のアヴェマリア」の集いが、厚木ロイヤルパークホテルで開かれた。
 その代表者は同ふだん記と足立原茶道会(裏千家)の代表で、愛川町中津三六二八在住の足立原三紀子(茶名宗智)さん。2年前より小さな文化運動として、これらの会をベースにより広く地域社会に向けて活動。今回は、同ふだん記誕生30年を期して同運動の一環として行われた。
 この日の参加者は400名(小学生から90歳まで、老若男女)を超える盛況ぶり。同ホテルのあちこちにあでやかな着物姿や着飾った洋服姿の女性が行き交い、都心の一流ホテルのような、その花の咲いた心の晴れる光景が印象的であった。
 茶会は立礼席で昼から午後3時まで、日頃の修練によるとはいえ、流れるように、それはさわやかな進行で見事であった。紅い傘の下には八角蓮の花が。そして音符の菓子ははや音楽会への幕開けとなり、客の心はほのぼのとして和やか。三紀子さんの「みなさんにほっとしていただくのがお茶の心です」がにじみ出た、本来の格式から一歩踏み出した現代感覚が伝わる。
 さあ、午後3時半から世界的バイオリニスト佐藤陽子さんの登場である。3歳で習い始め、8歳でレオニード・コーガンに天才を認められ、1958年モスクワ留学。以来世界的コンクールで認められ、絶賛を浴び続け、のち1979年『エーゲ海に捧ぐ』の芥川賞作家であり画家であり、陶芸家である池田満寿夫と一緒に暮らし、その愛が注目された。
 一匹狼的に世界を駆けめぐったバイオリニスト佐藤陽子の弦の音は、深遠に冴える。ピアノは夢藤哲彦氏。陽子さんの「お茶もバイオリンも人の心をいやす。心にゆとりを、私たちは忘れてはいけない」という言葉があって、演奏がはじまった=写真。会場は静かな興奮に包まれた。
 ベートーベンのロマンスでは「生命に対する慈しみと感謝…」。モーツアルトのロンドは「楽しい会話をしている。ふれあいの楽しさ…」。G線上のアリアでは「人間のハートに近い線を…」。各演奏ごとの的確な解説は、静かでさとすようであった。ラ・カンパネラ、カンタービレ、ウィーン奇想曲、G線上のアリア、チゴイネルワイゼン、アヴェマリア、美しきローズマリンなど、限りない熱演は1時間半が2時間に。この間休みなし。流れる汗が光る。そのパワーは圧倒的で、「思わず泣けた」「心揺さぶられた」「ハードな演奏に震える感動」「極上の美にひたった」などの感想がいっぱい。
 花束贈呈は、小学1年生の横田祐季くんと小学4年生の高橋琴恵さん。二人とも同ふだん記に文章を寄せていて、しかも同茶道会一門の大切な存在。幼い手で「お茶をどうぞ」「お下げします」が堂に入って、それがまた可愛い茶人であった。
 この日夕食会で陽子さんは、「音楽は世を救う」、また「3歳の頃から必死に練習した。それに耐えられたのは、あれは神への祈りだったから。音楽は神への祈りだと思う」「生きてること、いとしいこと…」「誰にとっても今日は今日しかない」などと。  同席した女優の宮下順子さんは、「陽子さんのバイオリンは魂の叫び」といった。
 前愛川町長の相馬晴義氏は「この集いは地方文化の誇り高き文化を発信している。こういうことがいま必要なんだな」と感激。
 同ふだん記で保護司の小島みどりさんは、「今も私の胸は感激で高鳴っております。陽子さんに明日への大いなる活力をいただき…」と。この盛大を企画した三紀子さんと、熱き真摯に燃ゆる佐藤陽子さんのパワーが強烈な感動を呼び、余韻は消えず。

  

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5年生の児童27名が炭焼き体験  玉川小学校
 厚木市立玉川小学校(吉野房子校長・221人)の5年生の児童27人が、5月12日、地元の「七沢里山づくりの会}(越智一久事務局長)の指導を受けながら、「炭焼き」の体験学習をした。
 地域の里山について理解を深めることを目的に、総合学習の一環として取り入れたもので、児童たちはマスクと軍手を身につけ、土釜の中に入り込んで焼き上げた炭を運び出したり、炭を適度な大きさに割って箱詰めにするなど、煤まみれになりながら作業に取り組んだ=写真。
 越智事務局長は「子どもたちが炭焼き体験することで、自然保護や環境保全の認識を持ち、自然に目を向けてくれれば嬉しい」と話していた。
 炭焼きを体験した柳田亮君は「釜の中に入り出来上がった炭を運び出す作業が面白い。炭作りはとても楽しい」と話し、煤で真っ黒になった顔から笑みが絶えなかった。

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恒例の夕焼け市が今年もスタート
 厚木市の「夕焼け市」が今年も5月12日から荻野運動公園で始まった。夕焼け市は、市内の生産者が消費者に直接、新鮮で安全な生産物や食料品を少しでも安く提供しようと始めたもので、今年で6回目。
 初日のこの日は、飯山白龍太鼓の演奏や、先着500人の買い物客に、せんべい、豆腐など厚木産の加工食品がプレゼントされ、3千人を超える買い物客で賑わった=写真。
 1店3メートルに区画された30の店先には、開店時間に合わせて収穫した新鮮な野菜や果物、漬け物、手作りまんじゅう、豆腐など生産者の自慢の品が所狭しと並べられた。
  白龍太鼓の演奏を合図にいっせいに売り買いが始まり、会場は大きな買い物袋をいくつも抱えた人たちであふれかえった。買い物客は「今年も始まるのを楽しみにしていた」「初めて来たが、どれも新鮮で良い品物ばかりですね」と満足そうに話していた。夕焼け市は10月までの半年間、荻野運動公園を会場に、毎週水曜日の午後5時から6時30分まで開かれる。

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魚影も育ちも申し分なし 鮎解禁前に相模川で試し釣り

 鮎解禁前の5月19日、相模川漁業協同組合連合会(菊地光男会長)の組合員が、旭町付近と相模大橋の2カ所で、今年の鮎の生育状況を調べる試し釣りを行った=写真。
 この日は曇り空で水温は16度。組合員5人が川に入り、1本の糸に付けられた5つほどの釣り針で魚をひっかける「ころがし」という漁法で、各地点30分ほどの試し釣りを行い、17センチ前後の鮎合計130匹を釣り上げた。
 今年の鮎漁について菊地会長は「相模川は年々、河川環境が良くなって水質もよく、上質の鮎が多い。試し釣りではやや小ぶりの鮎もいたが、これまでの遡上状況では、昨年の700万匹を上回る1千9百万匹の魚影が確認できた。今年も豊漁が期待できる」と話している。
 同漁連では、これまで相模川をはじめ、中津川、小鮎川に25回、約235万匹の鮎を放流した。

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昔ながらのおもちゃづくり 少年少女フェスティバル
 5月16日、厚木市ヤングコミュニティセンターで、昔ながらのおもちゃを作る少年少女フェスティバルが開かれ、大勢の子どもたちで賑わった=写真。
 これは手作りのおもちゃを通して交流を深め、物作りの楽しさを味わってもらおうと、厚木市教育委員会と市青少年指導員連絡協議会(玉井久子会長・110人)などの協力で開いたもので、今回で7回目。
 当日は約850人が、竹や身近にあるものを材料に、昔ながらのおもちゃを完成させた。用意した遊びコーナーは、竹鉄砲、風車、竹ぽっくり、竹笛、万華鏡など14種類。指導員が付き添いながら作り方などを伝授した。 
 参加した子どもたちは「初めて竹を切ったので面白かった」「おもちゃを自分で作ることが出来て楽しい」と話し、一緒に来た親たちも「子どもが結構上手に作っているのを見てビックリしました。でも自分の方が熱中してしまったかも」と話していた。

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人命救助の塩脇功司さんを表彰
 5月12日、厚木市消防本部は、相模川右岸で発生した水難事故で救出を行った塩脇功司さん(20・海老名市在住)を表彰した。
 塩脇さん=写真=は、4月21日午後6時25分ごろ、厚木市東町の相模川で手を洗おうとした際、誤って川に転落した66歳の男性を帰宅途中に発見、付近にあった竹を差し出して川から引きあげ、無事救出した。
 この日、塩脇さんに平本菊一消防長から感謝状が贈られた。同消防長は「わが身の危険をかえりみず、懸命な人命救助活動により尊い生命が助けられたことに対し、厚くお礼申し上げます」と感謝の言葉を述べると、塩脇さんは「あゆみ橋を渡ろうとしたら、橋の上に人だかりがあったので、川を見ると人が溺れていた。服が濡れていて重かったが、夢中で助けました。人の命を救ったのは初めてです」と当時の様子を話していた。

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今年も「バラ鑑賞会」に5千人の見物客

 厚木市上依知の内陸工業団地にある日本フルハーフで、5月16日、工場敷地内に植えられているバラを一般公開する「バラ鑑賞会」が開かれ、5千人を超える見物客が訪れた。
 バラの植樹は昭和58年、「職場を和やかな雰囲気にしよう」と従業員の手によって始められた。肥料や害虫駆除などの管理も従業員が行っており、3万5千坪の工場敷地内にブルームーンやブラックティー、安曇野など280種800本のバラが植えられている。毎年5月になると外周を埋め尽くすバラの花が、道行く人々の目を楽しませる。 
 バラ鑑賞会は今年で17回目。この日は工場敷地を9時から14時まで一般開放、バラの苗木やワイン、携帯ストラップなどが当たる抽選会も行われ、大勢の見物客で賑わった=写真。
 この日訪れた市民は「毎年来ているが見事な花ばかりで、色々な種類のバラを見ることができて楽しい」と話していた。

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地域再生にマネージャーを派遣 総務省が厚木市など10自治体に
 厚木市は6月2日、総務省が推進する地域再生支援プラン事業の1つである「地域再生マネージャ制度」の派遣先に選ばれた。これは財団法人地域総合整備財団が窓口となって、観光・産業振興や中心市街地活性化の牽引役となる旅行・流通などの業界で活躍する民間人を自治体に派遣する制度で、今年度は全国10カ所の市町村が派遣先に選ばれた。神奈川県内で選ばれたのは厚木市だけで、国から最長3年間1千万円を限度に、人件費の3分の2の助成を受けることができる。
 同市では小田急線本厚木駅周辺の20ヘクタールが、都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域の指定を受けており、中心市街地活性化のため計画の推進や企業の誘致、テナントとの調整など、まちづくりを推進する人材が必要となっている。今後、派遣団体との間で基本的合意が形成された上で、地域再生マネージャーと正式な委託契約を結ぶ。 

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本場ハーレムのナイトクラブを再現 ハーレム・ナイツ3 横浜ランドマークホール

疥癬症にかかり保護されたタヌキ

 横浜ランドマークタワー内のランドマークホールでは、7月28日〜8月1日までの5日間、本場ニューヨークハーレムで活躍するトップミュージシャンたちによる「ハーレム・ナイツ3」を再現する。
ホール内は、ソウルフードとドリンクが楽しめるニューヨーク・ハーレムの雰囲気に充ちたナイトクラブ形式に演出。ブルース、ソウル、ジャズ、リズム&ブルース、ゴスペルのライブコンサートやタップダンスが堪能できる。パワフルかつ華麗なサックスから「プリンス・オブ・ハーレム」と名高いロニー・ヤングブラッドをはじめ、ダイナマイト・ボーカルのミンツィ・ベリー、繊細な音を奏でるピアニストジェームズ・アレン・スミス、そして奇跡のジャズタップダンサーオマー・エドワーズによる本場さながらの熱いステージが繰り広げられる。
 「アメージング・グレース」など日本人に馴染みのある曲も演奏するという。時間は28日〜30日が19時開演、31日が14時と19時開演、8月1日が14時開演。前売5,000円、当日5,500円(すべてワンドリンク付)TEL:045・222・5050番。

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