第645号(2004.09.15)

ダンス・ラブ★グランプリ 日本中が驚いた県立厚木高校生たちの物語

 今年の3月、全米チアダンスコンテストでグランプリを獲得した神奈川県立厚木高校ダンスドリル部「IMPISH」(「小悪魔」という意味)。そのニュースは新聞やテレビなどのマスコミを通じて広く全国に紹介された。この日本中が驚いた23人の小悪魔の青春と涙の日々を描いた青春ドキュメンタリー『ダンス・ラブ☆グランプリ』=写真=が9月1日、主婦の友社から刊行された。
 著者の長谷川晶一さん(34)は、早稲田大学卒業後、出版社勤務を経てフリーのライターになった。長谷川さんは大会を通して彼女たち全員に密着取材、部の顧問やチアダンス協会なども綿密に取材して、IMPISHと呼ばれる23人の小悪魔たちが、入部からチアダンスの本場で全米制覇を成し遂げるまでの努力と友情のドキュメントを見事にまとめあげた。
 「スポーツ推薦があるわけでもない県立高校」「ほぼ全員がダンス初心者」「たった2年間の部活で栄冠を獲得した」「最初は国内大会も予選も通過できなかった小悪魔たち」など、ないないづくしの彼女たちだったが、どうして全米一まで登りつめることができたのか?
 県立厚木高校という伝統ある進学校のチアダンス未経験の高校生。その素質もレベルも異なる23の個性が織りなすハーモニー。補欠選手を作らず、全員参加主義のこのチームが全米を制覇するその裏側にはいったい何があったのか?、人が短期間でここまで変われるものかなのか? 
 長谷川さんは、学校の勉強をめぐる親と子の葛藤、チームワーク作りの難しさ、いくらやってもダンスが上達しない悩みなどについても丹念に取材を積み上げ、彼女たちが経験した努力や苦闘、挫折を通じてその原動力となった信頼と友情で一つひとつ障害をクリアし、チームとしてのパワーを備えていくその強さの秘密を見事に解き明かしている。 
 長谷川さんは取材中、彼女たちの印象的な涙を何度も見たと告白している。そして23人が話す内容、書かれた文章、そのいずれもが瑞々しく「生きている言葉」だった。チア・スピリッツというものが、「人を元気づけ、楽しませるもの」だとしたら、彼女たちの姿を通して、自分もいつの間に元気と勇気をもらい続けていた。それは「心から生まれてくる笑顔の持つパワーだった」と述べている。
 四六判192ページ。一部1232円(税別)、市内の書店で販売中。

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  湘北短大が保育事業に進出  社会福祉法人設立して保育園開設

来年4月開園する「あゆのこ保育園」
 厚木市温水の学校法人・湘北短期大学(山田敏之学長)は、創立30周年を契機に保育所の開設準備を進めてきたが、このほど正式に社会福祉法人の設立認可を受けた。今後開園に向け園舎の建設や保育士などの募集を開始する。
 事業主体となるのは社会福祉法人湘北福祉会(山田敏之理事長)。同市恩名の1千平方メートルの敷地に、鉄筋コンクリート2階建て、延べ面積963平方メートルの「あゆのこ保育園」=写真は完成予想図=を建設、来年4月の開園を目指す。通常保育、延長保育、障害児保育のほか、一時保育や乳幼児健康支援一時預かり、特定保育などにも取り組む。スタッフは保育士、栄養士・調理師、嘱託医、看護師、事務員、用務員を含めて32名。
 平成18年度の定員は通常保育が0歳児から5歳児まで120名、延長保育は7時から20時まで、産休明け保育3名、障害児保育6名を受け入れる。また、特別保育事業として保護者の疾病などで乳幼児を預かる一時保育10名、乳幼児の病後の回復期に一般児童とは隔離した保育室で保育を行う乳幼児健康支援一時預かり4名、パートタイムなど短時間就労者の3歳未満児を対象にした特定保育20名を受け入れるほか、育児不安やストレスに悩む保護者を対象に育児相談や育児講座なども開く。
 あゆのこ保育園の開設は同市の待機児童解消につながるほか、同短大に保育士および幼稚園教諭の養成課程があるため、保育学科と保育所の連携による先進的な児童福祉・保育サービスの提供ができるものと期待されている。同市の保育所は公立6園、私立11園で、同園の開設で18園となる。

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『愛川町の昔と今』刊行 10月9日に出版を祝う集い

愛川町の昔と今
 庶民の文章運動と小さな文化運動に取り組んでいる「神奈川ふだん記」が、このほど単行本『愛川町の昔と今』を刊行、10月9日出版を祝う集いが、愛川町文化会館3階大会議室で開かれる。
 『愛川町の昔と今』は同ふだん記が文友や町民に、町の歴史や魅力を探し、発見して書き残そうと呼びかけたもので、平成13年10月に発行された機関誌第53号から、特集として毎回掲載してきたものに、新たに書き下ろし原稿を加えて一冊の本にした。町内在住の文友46名が執筆している。
 『昔と今』は、神奈川ふだん記発祥の地八菅(はすげ)を皮切りに、中津、角田・三増、田代、半原、愛川町の周辺の6つに分類、それぞれの投稿者が昔の祭り、神社仏閣、文化財、水害や地震災害、小学校の頃の思い出、勤労奉仕、昔の暮らしと娯楽、食べ物のこと、産業と技術、中津川や滝などについて思い思いに綴っている。B5版200ページで、第2号も予定している。
 出版を祝う集いでは、上智大学文学部の植田康夫教授が、「愛川町の昔と今\発刊の価値と意義」について講評するほか、琉球大学の小島瓔禮名誉教授が「愛川町の歴史文献発見と探索」と題して講演を行う。
 この後、参加者による交流会が行われ、同町の民俗文化財三増獅子舞や朗読、うたなどが披露される。また、炭素材加工品や盆景、竹細工、絵、手作り甲冑、歌舞伎人形なども展示されるほか、裏千家足立原茶道会一門による茶会も行われる。足立原三紀子代表は「単行本には愛川町の心にしみる魅力がいっぱいつまっています。出版を祝う集いは小さな文化運動の一環として企画しました。いとしき愛川町を語る楽しさがいっぱいです。お気軽にご参加下さい」と話している。参加費は3000円(本代・軽食代含む)。問い合わせはTEL:285・2973番。

  

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ロボットなど展示 サイエンスカーニバル

 8月28、29の両日青少年の科学技術に対する理解と関心を高めるとともに、将来の科学技術の担い手となる人材の育成を図ることを目的に、厚木市岡田の厚木アクストメインタワーで「あつぎサイエンスカーニバル」が開かれた。
 同カーニバルは、厚木市内に立地している先端技術企業10社(ソニー、日産自動車、富士通、アンリツ、日本電信電話、京商、日立ユニシアオートモティブ、栗田工業、厚木伊勢原ケーブルネットワーク、厚木テレコムパーク)と理科系の大学4校(神奈川工科大学、湘北短期大学、東京工芸大学、東京農業大学)が市と実施主体になって行われたもの。
 会場では市内企業が開発したロボットなどの最新技術や製品の展示、大学関係のパネル展示、親子工作教室、クイズ形式の実験ステージショーなどが行われた。
 来場した小学生たちは「実験クイズで煙の輪や光がきれいで感動した」「左右反対に見えるメガネが不思議だった」と話していた。

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車イスでの苦労など体験話を聞く 福祉フォーラム2004

車イスでの苦労など体験話を聞く
 9月2日、市立玉川中学校と厚木市文化会館を会場に「福祉フォーラム2004」が開催された。
 これは、障害者に音楽を楽しんでもらう場をつくるとともに、障害者と市内の小・中学生・高校生などとの交流の場をつくり、障害者について理解を深めてもらおうと、厚木歯科医師会が中心となり、障害者関連団体や教育機関とともに実施したもの。午前(第1部)と午後(第2部)の2部構成で行われた。
 第1部が行われた玉川中学校では、9時30分から「福祉と教育のつどい」が行われ、同中学校や市立毛利台小学校などから児童・生徒約450人が参加した。
 全体会では、参加者が体育館に集まり、県立伊志田高等学校や玉川中学校、毛利台小学校の生徒、児童から、福祉委員会の活動などが発表された。また、分科会では、8グループに分かれ、障害者や保護者からそれぞれの体験談を熱心に聴いた=写真=。車いすを使っている人の体験談を聴いた市立玉川中学校の男子生徒は、「自分たちには気付かないちょっとしたことでも、障害者にとっては大変だということを知りました」と障害者に対しての認識を深めていた。

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ザ・夕涼み  風鈴の絵付けなど体験
 8月27・28日、厚木公園(ハト公園)を会場に「ザ・夕涼み」が行われた。
 このイベントは、本厚木駅周辺の5つの商店街で構成する「まち元気アップ委員会( 石井和夫委員長)」が実施主体となって開催しているもので、今年で2回目。「まち元気アップ委員会」は、中心市街地活性化に向けた商業を振興するための活動を展開するため、一昨年4月に設立された。同委員会では、小学生にフラッグへ絵を書いてもらい商店街の街路灯に掲げるという「元気アップ!キッズアート」などのイベントも実施している。
 
 会場となった厚木公園では、ステージでのジャズやハーモニカの演奏、夕涼みバザールや模擬店、金魚すくい、風鈴の絵付け体験=写真=、厚木産草花のプレゼントや厚木の虫鑑賞会など、盛りだくさんの催し物が行われ、終日、夕涼みを楽しむ人たちで賑わった。

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   大地震を想定し防災総合訓練  初期消火や救出救護訓練に市民2万人が参加
 9月5日、厚木市の総合防災訓練が行われ、市民約2万人が参加した。
 午前8時30分、防災行政無線のサイレンを合図に、厚木署、県企業庁水道局厚木営業所、市医師会などの関係機関も参加、216の自主防災隊(自治会)が、ぼうさいの丘公園など市内133カ所で発災時の初期消火訓練、救出救護訓練などを繰り広げた=写真。
 奇しくも防災の日に発生した浅間山の噴火などで防災意識の高まりを反映し、真剣に訓練に取り組む参加者の姿が目立った。
 厚木中央公園を主会場に行われた市職員の防災総合訓練は、職員1348人が参加、阪神淡路大震災を教訓とする東海地震の発生を想定し、初動期対応型訓練と職員マニュアルを実地検証する実践的な訓練が行われた。
 職員は訓練の一環として徒歩や自転車などで登庁、各職場での参集訓練、各対策班に分かれての行動マニュアルの検証に続き、ジャッキや発電機などの防災資機材の取扱い訓練や三角巾の使い方、担架搬送の仕方などの応急救護訓練など20項目の訓練を行った。
 今年は例年にない実践的な訓練にするため、被害情報をもとに図上で分析、検討して命令を決定し、発信する災害対策本部設置運営訓練、医療救護所の開設に加え、医療関係者と運営方法などを確認する医療救護所開設訓練、二次災害の危険から市民を守るため避難所の危険度判定訓練など10項目が新規訓練として盛り込まれた。山口市長は「被害を最小限にくい止めることが市民に対する私たちの使命です」と職員に防災の自覚を促していた。

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親子で資源化センターなど見学
 8月27日、「夏休み親子施設見学会」が行われ、小学生とその家族が市内の公共施設を見学した。見学会は、公共施設を見学し、市政の方向性や公共施設の役割などに理解を深め、関心を持ってもらおうと市が実施したもの。
 朝9時、参加者を乗せたバスが市役所本庁舎を出発。最初に、市内で分別回収された缶やペットボトルなどの資源物が集まる同市上古沢の「資源化センター」を訪れ=写真=、施設の概要やリサイクルの仕組みについて説明を聞いた。次に温水の「ぼうさいの丘公園」で、災害時備蓄倉庫や非常用トイレなど、災害時のための設備を見学した。
子どもたちは、ベンチの下の隠れたトイレなど、普段は気付かない防災公園としての設備に驚いていた。昼食後は、郷土に残された貴重な文化遺産として、市が公開しながら保存している上荻野の「古民家岸邸」を訪れた。

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ドイツのハーモニカ博物館が厚木にやってくる 10月22日〜24日 厚木市文化会館
 ドイツの珍しいハーモニカやハーモニカの歴史資料などを展示するハーモニカ博物館&ファンタジックコンサートが、10月22日から3日間、厚木市文化会館で開かれる。
 ドイツの「ハーモニカ博物館」は、数々の珍しいハーモニカを収蔵展示し、その歴史の編纂に当たっていることでも知られる。今回の移動博物館では、コレクションの中から 約700本のハーモニカ=写真は一部=を展示するほか、1850年代までさかのぼって、ハーモニカの祖先である中国の笙の展示やドキュメンタリーフィルム、写真による解説、当時の貴重な音源なども公開される。
 期間中、博物館の開催に合わせてプロの演奏家が出演するファンタジックコンサートを開催するほか、博物館に隣接してハーモニカカフェがオープン、人気のプロ奏者や若手プレイヤーが参加するミニコンサートやトークショーなどが行われる。 主催は地元のハーモニカ愛好者が中心となって組織するハーモニカ博物館実行委員会。厚木市文化振興財団が共催する。博物館の入場は無料だが、コンサートは有料。チケットはTEL:224・9999番。問い合わせはTEL:286・3520番へ。
■小ホールイベント
 
ジャストワンナイト・ジャズポピュラーライブ 10月22日18時〜20時30分。田中光栄、H・サンプチュアス、柳川優子、大井川美佳、中山ふじ枝ほか。前売1500円(当日2000円)。
 
アンサンブル大集合・グループ対抗ハーモニカハモリッピックinあつぎ 10月23日14時〜17時30分)30組のアンサンブルがメダルを目指してハーモニカバトルを展開する。前売700円(当日1000円)現在出場者募集中。連絡はTEL:221・5930番(大矢)。
 
クラシック&タンゴ・小室等ライブ 10月24日14時〜17時。バイオリン・フルート・アコーディオン・ピアノ、ハーモニカのデュオ。小室等のフォークとハーモニカの共演。前売2500円(当日3000円)。
■地下展示室イベント 
 
復音ハーモニカ公開レッスン 10月23日13時〜13時50分。講師岩崎重昭。
 
続木力ブルースハープミニライブ 10月23日18時30分。
 
ブルースハープ指南 10月24日12時30分〜13時30分。講師浅見安二郎。
 
トークショー「トミーライリーの思い出」 10月24日11時〜12時。話し手は崎元譲。
 
ハーモニカ・ラストショー 10月24日17時30分。浅見安二郎、柳川優子、BOM×BOA、稲川有徳。

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湘南ベルマーレがコーチ 中学生にサッカーを指導
  湘南ベルマーレのホームタウンとなっている厚木市の荻野運動公園内の多目的広場(中荻野1500)で9月5日、雨が降りしきる中、同チームによる中学生を対象としたサッカー教室が開かれた。 
 これは、同園内の陸上競技場で行われた湘南ベルマーレ対ジュビロ磐田のサテライトリーグ(2軍)戦の前に、湘南ベルマーレスポーツクラブに所属する畔柳(くろやなぎ)コーチ、竹鼻(たけはな)コーチにより行われたもの。
 スクールには同市サッカー協会に所属する中学生50人が参加した。
 約2時間、コーチ陣は正確なパスの出し方や、ドリブルなどの基本的な動きをひとりひとりていねいに指導していた。
 スクールに参加した市立睦合東中学校の生徒(2年生)は「普段練習しないことができた。とてもためになりました」と汗と雨を拭いぬぐいながら練習に取り組んでいた。
 スクール生たちは指導を受けた後、午後から行われた湘南ベルマーレ対ジュビロ磐田戦のボールボーイとして試合の運営を手伝った。皆、きびきびとした動きでスムーズに試合を運んでいた。

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