第659号(2005.05.01)

放送大学神奈川学習センター厚木教室開校
 4月13日、放送大学(井上孝美理事長・千葉市美浜区)神奈川学習センター厚木教室が、同市中町3丁目の神奈川工科大学ITビル6階に開校した。
 学習センターは面接授業や図書の閲覧、単位認定試験などが行われる施設で、県内ではすでに横浜市南区に設置され、約7千人の生徒が在籍している。
 学習センターの機能を補完する小規模施設の設立は県内では初めてで、神奈川工科大学が場所の提供を行い、同校の持つ技術や実績を活用したIT(情報技術)の浸透に努める。
 同市では「いつでも、どこでも、だれでも」生涯学習へ取り組める環境づくりを推進するため、さまざまな学習の場の提供を進めており、神奈川学習センター厚木教室の設置はその一環。開校式に訪れた山口巖雄厚木市長は、「学び、働く人口が多い厚木市の都市としての拠点を築いてきた市制50周年の節目に、市民ともども効果的にこの学習センターを利用できるように取り組んでいきたい」と述べた。
 今回開設された施設は、放送大学に所属する学生のための授業内容の再視聴スペースと、誰でも利用できる体験学習用スペースで、面積は45・8平方メートル。再視聴スペースには市の予算で用意した液晶テレビ、カセットレコーダーなどの機器が常設され、体験学習用のスペースには大画面テレビが設置された。
 市では学習センターの開設により、市民の生涯学習への参加を促進できるほか、放送大学に在籍する県央地域の学生約1000人もより高い利便性を得ることができるものと期待している。

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草に夢を託して 永岡さんが詩画展
 厚木市温水の水彩画家・永岡信行さん(71)が、5月13日から18日まで、同市飯山のぎゃらりー結(ゆい)で、初めての個展を開く。10年前から描きためてきた植物画と詩を合わせて展示するもので、「草に夢をたくして」がテーマ。ヘビイチゴやツユクサ、ヒルガオ、ヒメジョオン、イヌタデなど、どこにでも見られる道ばたの雑草が生き生きと描かれており、ギャラリーの心を和ませてくれそうだ。
 永岡さんは仕事をリタイアした後、ひょんなことから雑草を描き始めることになった。「他の作家と同じように花や風景を専門的に描いても仕方がない、誰もやっていないことをやろう」と、対象を草に絞り込むことにした。
 外に出て描いているうちに、雑草が妙にいとおしくなり、やがて草にも生命があることに気がついた。「これはただごとじゃないぞ」\60年以上も生きていてこんな気持ちになったのは初めてのことだという。そして雑草が自分の体の中に棲みついていたことに気づいたのはさらに数年後のことである。
 永岡さんは「観察」という言葉が好きではない。雑草も人間も同じ生き物だから、草と対話しながら描いているのだという。この10年間、そうした思いをたくさんの詩にもまとめた。
 詩には「地球上では草の方が人間よりはるかに先輩であり、むしろ人間の方が後輩として生き物の仲間入りをさせてもらった。人間はそのことに気づかずに日常生活を過ごしている。 人間も草も同じ生き物の仲間であるという感性をもつことこそ、脱出口を見失ってしまった現代人のかすかな希望につながるのではないか」と いう思いが込められている。
 個展では4号から8号までの植物画50点と詩を組み合わせて展示するほか、カード形式の手作り詩集を用意する。永岡さんは「植物に接する時の優しさと幼児のような心のときめきを感じてもらえたら」と話している。ぎゃらりー結は1247・7877番。 

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緑のまつりで22万本ツツジの植栽も
 4月23、24の両日、厚木市上古沢の上古沢緑地で「第32回厚木市緑のまつり」が行われた。花と緑あふれる住み良いまちづくりをめざして市と農協、商工会議所が主催したもので、会場中央にはマリーゴールド、ガザニア、ゼラニア、日々草など15種類1,000鉢以上の花が咲き誇る中央花壇が設置された=写真。
 開会式典では山口市長が「厚木市を緑豊かなまちに再構築し、素晴らしい環境を守っていきましょう。またここに皆さんの手で市民の数と同じ22万本のツツジを植え、市民が憩う『ツツジの丘』として育て、市民の絆を深めていきましょう」とあいさつした。この後、来場者による「ツツジの植栽イベント」が行われ、ツツジ植栽の山口光正実行委員長は「この場所が市民に愛される憩いの場になれば」と話していた。

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都市再生・地域再生推進本部設置
 厚木市は、国の都市再生および地域再生の指定を受けたことに伴い、関連するまちづくりに必要な調整を行うための機関として4月15日、山口市長を本部長とする「都市再生・地域再生推進本部」を設置した。
 中心市街地(200ヘクタール)の活性化と地域経済の再生(七沢・飯山地区)をめざし、各種構想や計画などにおける提言、施策などの実施に先立ち、横断的な協力体制と連携の強化をはかり、効果的な事業の実施に向けた調整などにつとめる。
 副本部長は都高泉・木村正彦の両助役がつとめ、本部員は市政企画部長ら10名の部長で構成する。

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市長が監視カメラ装置など視察
 昨年10月、監視カメラのモデル校に指定された厚木市立緑ヶ丘小学校を、4月11日、山口巌雄市長と長谷川美雪教育長が訪問、監視カメラの運用状況や新たに運用が始まる給食の単独調理場、授業などを視察した。
 同市は従来から設置している機械警備システムや非常通報装置に加え、近年の校内犯罪の多発から児童を守るため、不審者の侵入対策として「監視カメラ」を全校へ設置するため、昨年同校をモデル校に指定した。
 視察した装置は通用門両脇に設置した赤外線センサーと、通用門付近に設置した監視カメラで校内を監視、来校者が通用門を通過するとセンサーが感知して、職員室に取り付けたチャイム付きフラッシャーに知らせ、モニターテレビで確認、録画できるシステム=写真。
 同市長は「ハード面だけでなく、ソフト面でも子どもたちがのびのびと学べる環境づくりに力を注いでいきたい」と話していた。視察後は6年生の授業の教壇に立ち、児童から「市長になったきっかけは」「厚木市をどんな市にしたいですか」などの質問を受け、一つひとつの質問に答えながら、「みんな友だちを大切にして、思いやりのある立派な大人になってください」と声をかけていた。

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厚木の歴史探訪シリーズ3「古墳」を刊行
 厚木市文化財協会が発行している歴史探訪シリーズ3「古墳」がこのほど刊行された。
 古墳は3世紀から7世紀にかけて造られた地域の支配者の埋葬施設で、円墳、方墳、前方後円墳などの形がある。厚木市内では土を盛り上げた高塚古墳が多く、これまでに350基あまりが確認されているほか、崖に横穴を掘って造った横穴墓が100基以上あることが分かっている。中でも青銅鏡など豪華な副葬品が出土した下依知の吾妻坂山古墳や、全長72メートルの規模を持つ船子の地頭山古墳、家や武人をかたどった埴輪が出土した飯山の登山古墳は、市内の代表的な古墳として知られている。
  今回刊行された「古墳」には、これら市内で発掘調査された古墳と横穴墓の中から40カ所を選び、写真、案内図をつけて分かりやすく解説している。B6判50ページで800部を印刷。1部500円。内田屋書房本店、有隣堂厚木店で販売している。

 

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新入社員の防災体験研修会
 4月22日、厚木市三田の北消防署睦合分署で、新入社員の防災体験研修会が開かれ、 18事業所から118名の新入社員が参加した=写真。
 市消防本部が消防法により防火管理者を置くことが義務づけられている市内の事業者を対象に毎年実施しているもので、 入社を機にこれまで関心が薄かった防火管理や災害に対する心構え、対処法などを身につけてもらうのがねらい。毎年100名前後の参加があるという。
 研修会では予防課の職員から、近年発生している大地震の話やいつでも起こりうる関東地区の震災への危惧、また、昨年度の火災が増加傾向にあった説明が行われた。消化訓練では初めて消火器や消火ホースを握り、真剣に火を消す練習を繰り返していた。
 また、起震車による震度体験や電話での通報訓練、屋内消火栓の取扱い方、煙の恐ろしさを体験する訓練なども行なわれた。新入社員たちは初めての体験ばかりで、やや興奮気味にすべての訓練を終了した。
 消防署の担当職員は「今回の貴重な体験から、身に付いた生かせるものを持ち帰ってほしい」と話していた。

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「鮎のぼり」がビルの谷間を泳ぐ
  厚木商工会議所では4月25日から、県道上粕屋厚木線に面した商工会議所通用口前に「鮎のぼり」を掲揚している=写真。
 同商議所が「鯉のぼり」にあやかり、厚木市の商業が天高く舞い上がることを祈るとともに、鮎による町おこしをねらったもの。
 「鮎のぼり」は、吹き流しに7メートルと2メートルの鮎を合わせて4匹で、同市中町の人形のまみやが提供した。5月の風に乗って勢いよくビルの谷間を泳いでいる。 
 厚木商工会議所では、厚木の古くからの物産に新たな付加価値を加え、地元商業の活性化を図っており、「鮎のぼり」もそうしたその一環。まちづくり推進室の深瀬悦孝室長は「誰もが思い浮かぶアイディアだが、形にすることで、良い意味での連鎖反応を起こしたい」と鮎のぼりが実現した。5月5日まで掲揚される。

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互助の精神を ぎゃらりー&茶房「結」
 厚木市飯山の白山交差点近くにあるぎゃらりー&茶房「結(yui)」。白い壁とベンガラ塀の一軒屋で、オーナーの長澤幸子・みはるさん姉妹が、「気軽に発表できるギャラリーを」と新設、3月3日にオープンした。「結」とは、NHKのドキュメンタリー番組から名づけたもので、かつてはこの地域でも見られた「互いに力を貸し合う」という互助の精神を意味している。
 杉材をふんだんに用いた和風モダンの店内は約18坪。ベンガラを使った茶系の壁とマッチして何とも言えない木の香りを漂わせている。中央のテーブルも一枚ものの杉の木を使った合板。
 挽きたてのコーヒーのほか、紅茶はこだわりのダージリン、キームン、アッサムの三大紅茶を用意、手作りケーキやオリジナルのピタパンサンドセットを売り物にしている。これまでに陶芸、デコパージュ、キルト、アルミアクセサリー、鉄さび照明などの展示を行ってきた=写真。
 長澤さんは「結いの精神を幅広く伝えることのできるお店にしたい」と話している。10時〜19時。木曜定休。1247・7877番。

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77年前の縦走記録など展示 5月3〜4日に「西山称賛展」
 西山を守る会(花上義晴会長)では、5月3日10時〜19時、4日10時〜17時まで、厚木市鳶尾の生協鳶尾店屋上駐車場横のコミュニティルームで、西山を褒め讃える「西山称賛展」を開く。
 称賛展では昭和2年に日本山岳会名誉会員が記した西山縦走記録、日本地質学会会員で県立生命の星地球博物館学芸ボランティアの蛯子貞二さんがまとめた西山周辺の地形と断層資料、発句石資料、八菅修験道資料、西山で見つかったカネハラニシキ貝の化石などを展示するほか、登山道で見られるタブやヒオウギ、ツツジ、キンラン、ギンランなどの木々や草花の写真、荻野川と西山の風景写真、宮木薫画伯の「松石寺石仏」「西山春雪」「西山遠望」などの作品も展示する。
 また、オオタカの子育て、TBSテレビどうぶつ奇想天外より「オオタカの記録140日」、名古屋テレビニュース「第2東名と愛知万博のオオタカ」などオオタカの生態を記録したビデオを放映する。
 同会では3月4日、厚木市長を相手に横浜地裁に住民訴訟(東丹沢西山尾根道裁判)を起こしており、第1回公判が5月11日開かれるが、「称賛展」では尾根道裁判についての説明も行う。5月15日には経ヶ岳〜華厳山〜高取山を縦走する西山登山も計画している。問い合わせは事務局の荻田さんへ。tel:241・8990番。

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4500坪の庭園を無料開放 「東国花の寺・百ヶ寺」第82番 伊勢原龍散寺

枯れ山水の庭

龍散寺観音堂
 伊勢原市東富岡986にある曹洞宗のお寺金鳳山・龍散寺(小林英道住職)は、「東国花の寺・百ヶ寺」の第82番に選ばれている相模地方の花の名所。里山と一体となった約4500坪の広大な庭園には、小林英道住職が4年半を費やしてアジサイ、シャクナゲなど数百種類におよぶ山野草を植えた。
 庭園には絶滅危惧種など希少価値の高い品種も数多く植栽されており、四季折々に花の風情が楽しめる。このほど山門左側に「流れ枯山水の庭」もオープン、里山の庭園と合わせてハイキング気分で鑑賞ができる。これからはアジサイやニホンシャクナゲが見頃を迎える。また、山門入口には拝観者を抹茶でおもてなしをする「椿亭」も完成した。5月16日からは一般拝観(有料)を始めるという。
 同寺は小田原北条氏ゆかりの寺で、弘治2年(1556)北条早雲の子、氏綱の弟である神保宮内郷輝廣の開基で、愛甲郡三田村の清源院5世英顔鱗哲大和尚が開山した。天正19年(1591)には徳川家康から朱印状を賜り、以後歴代将軍から朱印状を授かってきた。樹齢800年の楠の木を使った高さ3・5メートルの1本彫りの坐像「聖観音像」は、彫刻家・下山昇氏の作で、日本でも最大級の大きさといわれている。
 5月15日に無病息災を祈る「大祈祷会」を開催するが、同寺ではこれに合わせて13日から3日間「花と観音様」のイベントを開催、里山庭園と流れ枯山水の庭園を一般に無料開放するほか、聖観音像の公開、作者である下山昇氏の作品紹介と実演、北条氏ゆかりの古文書などを展示する。また、寺院関係者の協力で厚木にもゆかりの深い江戸時代の南画家、渡辺崋山や丸山応挙、谷文兆作の掛け軸も展示される。
 大祈祷会は15日14時から行われるが。一般祈祷は13日から受け付ける(15日当日も受付可)。祈祷料は3000円。祈祷者には超生体水が振る舞われる。交通は伊勢原駅から「東海大学病院行きバス」で10分、同病院下車、徒歩20分。車の方は厚木市の小野から日産テクニカルセンター裏の津久古峠を通ってテニスコート過ぎるとすぐ左。TEL:0463953337番。

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