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厚木市鳶尾に住む自閉症の中嶋ますみさん(31)が、5月1日から同市飯山のアツギミュージアムで、初めての「刺繍展」を開いている。 ますみさんは、小学校低学年のころ自閉症と分かり、言葉が少なく他動的で、一日中、親が付きっきりの生活が続いた。地元の小・中学校の特殊学級を卒業後、伊勢原養護学校の高等部に入学、この頃から作業や運動などの時間を長くする訓練として刺繍を始めた。養護学校卒業後は厚木市七沢の七沢総合リハビリテーションで1年間ほど刺繍の指導をうけ、21歳から同市小野の社会福祉法人すぎな会に通所、「すぎなの郷の作業所」で本格的な刺繍を勉強、一人で作業ができるまでに上達した。現在、月曜日から金曜日の毎日、午前と午後の2回、1時間半ほどデー活動部の佐藤礼子先生のもとで刺繍の製作に取り組んでいる。 |
刺繍は幾何学的な模様を本から選んで、鮮やかに縫い込んでいく根気のいる作業だ。この10年間でクロスステッチや刺し子などの作品が40点ほどたまった。昨年5月、同ミュージアムで行われた自閉症者の絵画展を見た母親の鈴江さんが、「機会があればやらせてみたい」と思っていたところ、佐藤先生のすすめやアツギミュージアムの協力もあって、今回の「刺繍展」が実現した。 展示されているのは花柄の模様を額装にした壁飾りやテーブルセンター、テーブルクロスなどのクロスステッチ10点と、幾何学模様をほどこした刺し子10点。暖簾やバッグ、クッションなどは、生地の色合いに連続した模様の鮮やかさがマッチして、ますみさんのセンスが生かされた素晴らしい作品ばかりだ。 「作業だからできるみたいで、趣味だとできないようです」と鈴江さん。佐藤先生とのスキンシップもよく、とてもいい人間関係を維持している。刺繍をやることが好きで、嬉しいと自然に言葉も増え、人々とのかかわりも多くなった。無邪気さやふざけも出てきて明るくなったという。 母親の鈴江さんは「自閉症の子は好きなことにはすごい能力を発揮します。自分の子どもからたくさんの感動をもらう毎日で、その一端を多くの方に見ていただければ嬉しい」と話している。5月30日まで。tel:241・4018番。 |
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5月9日、厚木市七沢の実証圃場で、同地区の気候風土に適した農作物の選定に向けた実証栽培がスタートした。定植(作付け)は、(仮称)七沢ふるさと食文化村構想検討委員会(井一信義会長)と同委員会農産物栽培部会が行ったもので、七沢地区内の圃場700平方メートルにムカゴ、コンニャク、山ウド、エンサイ、アシタバなどの農作物が作付けされた。 同地区の農業は、近年、農業者が高齢化するほか、イノシシやシカなどによる鳥獣被害が増加し、農地の遊休化が進んでいる。今回の定植は、現在栽培されていない作物で、七沢地区の気候風土に適した新しい農作物を発掘・育成するための調査で、将来は都市住民の農作業体験、地元で採れた農作物を活用した料理や調理法の研究を行い、農業振興を図りつつ観光との融合を図ろうとするもの。 |
農作物選定評価基準は、1鳥獣被害の点からの有利性、2労働性(手間、資材)、3経済性の3つの評価基準で、11種類の農作物を選定した。今後、3年間で段階的に11種類の農作物を実証栽培する。 例えばアシタバは、栽培にはあまり労力がかからない上、花や果実が大きくないため鳥獣被害が少ない。若い葉をてんぷらやおしたしに料理、根は薬用酒に使用するほか乾燥して茶に利用できるなど健康食品として人気が高く、新鮮なもの、加工品ともに観光販売できるメリットがある。今年は生育させ、来年4月以降の収穫をめざしている。 同検討委員会が選定した11種類の農作物は次の通り。ムカゴ(ヤマノイモ科)コンニャク(サトイモ科)山ウド(ウコギ科)山フキ(キク科)ミョウガ(ショウガ科)エンサイ(ヒルガオ科)ハーブ(セリ科)葉ワサビ(アブラナ科)アシタバ(セリ科)クレソン(アブラナ科)セリ(セリ科)。 |
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厚木市・愛川町、清川村の古い写真と現代を対比させた『厚木・愛甲の今昔写真帖』が、このほど郷土出版社より刊行された。昭和20年代から40年代に記録された写真を中心に、未発表ものを優先して現在の場所と対比させたもので、懐かしい往時の姿に現代を重ね合わせることによって、その変貌ぶりがうかがえる。一枚一枚の写真には見てわかる情報ではなく、現地を実際に歩いて取材した情報や、歴史的文献を丹念に調べ上げた解説をつけた。 表紙のカバー写真を飾ったのは大正10年頃に撮影された「厚木神社祭礼」でにぎわう旭町付近の風景写真。大勢の見物客に混じって祭りの年番となった旭町の山車、羽織を着た世話人のほか、「松奴」と書かれた扇子を持つ芸妓などの姿が写っている。また、巻頭4ページは、あつぎ鮎まつり花火大会、本厚木駅前広場、荻野山中藩陣屋跡、中津渓谷の石小屋、三増の獅子舞、ダムに沈んだ宮ヶ瀬の今昔をモノクロ写真とカラー写真を使って対比させた。 本論は「変貌する風景」「移り変わる街並み」「人びとをつなぐ橋」「暮らしのなかで」「思い出の建物」「懐かしの学び舎」に6つに分類したほか、宮ヶ瀬ダムに消えた風景、関東大震災の脅威、発電所、昔あった飛行場、瞳輝く子どもたちを特集として収録、総計320点の写真を収めた。 |
監修には厚木市史編集委員の飯田孝さんがあたった。B4判大型サイズの上製本で、1,500部のみの限定販売。定価は1部11,550円(税込)だが、5月末日まで9,975円(税込)の刊行記念特価で発売する。厚木市内の書店で取扱中。 |
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普段とは異なったパソコンの魅力を知ってもらおうと、5月5日、厚木市岡田の市情報プラザで「子どもの日情報プラザフェスタ」が開かれた。市が掲げるITのまちづくり推進行事の一環で、親子連れや小学生の友人同士が参加して、パソコンを駆使したオリジナルシール作りを楽しんだ=写真。 同フェスタでは、デジタルカメラで撮影した写真に思い思いのフレームをつけてオリジナルシールを作製する「親子でミニ講座」や、パソコンで万華鏡の鏡銅部分のデザインを選び、手作業で本体を組み立てる「万華鏡をつくろう」のほか、バラバラに表示された鯉のぼりなどの画像パズルを完成させ、時間を競う「パズルに挑戦」、スキャナーでパソコン内に取り込んだ手相を診断する「手相占い」など4種類のアトラクションが用意された。 |
親子が真剣な顔を寄せ合って製作に没頭したり、中には悪戦苦闘して親を悩ます子もいてゴールデンウィークの親子のコミュニケーションづくりに一役買っていた。 |
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5月8日、厚木市旭町の勤労福祉センター大会議室で「第1回インターナショナルティーサロン」が開催され、厚木市の外国籍市民10カ国50人が参加し、交流を図った=写真。 情報弱者である外国籍市民への情報提供や、外国籍市民と市民が同じ市民として「共に生きる」環境をつくるため、外国籍市民が気軽に話せる場として、同市外国籍市民懇話会の有志が実施した。 参加者はゲームを交えながら自己紹介をした後、それぞれが持ち寄ったお菓子を食べ、コーヒー、紅茶を飲みながらお国のことや日本での生活のことなどおしゃべりを楽しんだ。また、それぞれの出身国の歌が披露されると、自然と会場に手拍子が起こるなど、和やかな雰囲気になった。 |
中国人男性は「たくさんの人と話ができてとても良かった。また参加したい」と笑顔で話していた。主催者代表のチョウドゥリ・エルシャド・アリさんは「参加者の皆さんの意見も取り入れながら、もっと楽しい集まりにしていきたい」と話していた。現在、市内には約5,000人の外国籍市民が暮らしている。 |
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厚木市森の里の若宮公園で、4月23日から5月5日まで、鯉のぼりの大群が空中遊泳した。森の里地区自治会連絡協議会と森の里まつり世話人会の主催で行う、「森の里鯉のぼりまつり」の一環として行われたもの。 掲揚された鯉のぼりは約150匹で、体長は2,5,7メートルの3種類。公園内の「遊びの池」をはさんだ約150メートルを一直線に結んでロープを張り巡らせ、鯉のぼりを均等に結びつけた。期間中の9時から17時まで掲揚され、 家族連れで賑わうゴールデンウィークを盛り上げた=写真。 |
同まつりは17回目を数え、今年は5月3日に同公園内の芝生広場で森の里和み太鼓の会や森の里中学校吹奏楽部、森の里小学校鼓笛隊が演奏を披露して開会、ボールを使ったタグラグビーやせんみだこ、和だこ揚げなどの凧揚げ大会も行われ、親子連れで賑わった。 |
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昨年12月に発生したスマトラ沖地震・津波の被災者に対して、厚木市温水にある湘北短期大学(山田敏之学長)の学生が、1月から4月まで募金活動を行い、5月6日、集まった救援募金を、同短大で英語講師をつとめるスニル・シリワルダナさんに手渡した=写真。スリランカ出身のスニルさんは、厚木市を中心に年明けから被災者を救援する活動を行っている。 同短期大学では、学友会国際交流委員会の学生が中心となって、昼休みに校内放送で全学生に募金を呼びかけたほか、毎朝交代で正門前に立ち募金活動を行った。学生達はスニルさんに英会話を好きな時間に習うことができるイングリッシュラウンジで教えてもらっており、日頃の恩返しの気持ちを込めて活動を立ち上げたという。募金総額は4月末までに7万3千454円にのぼり、これに学友会本部からの26,456円を加え、合計10万円と文房具類をスニルさんに手渡した。 |
スニルさんは、「日本人はとても親切で、これまでに私の母国救援の呼びかけに多くの方が応えてくださいました。スリランカの寺院へ直接送ることで、政府よりも迅速に救援募金や救援物資を渡すことができます。文房具は子どもたちに利用してもらう予定です」と感謝の言葉を述べていた。 |
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生活記や人生記、旅行記、自分記など庶民の文章運動に取り組んでいる「神奈川ふだん記」の機関誌第60号(記念号)がこのほど刊行された。 巻頭言は文友の犬養清さんがまとめた「地域密着の文化運動で多彩な10年」と、編集顧問の水上寛裕さんの随筆「四宮さん美枝子さんの声がする―嬉し、思いは深し60号記念」。60号のテーマは「母のこと・父のこと・孫のこと」「心に残る人」「私の旅」の3題。「母のこと・父のこと・孫のこと」では、孫からもらった元気、義母のようなかわいいおばあちゃんになりたい、母の言葉からもらったエキス、父と飲んだ2合の酒、母の涙,など全国各地から41人の文友が父母や孫の思い出を綴った。「心に残る人」では、好きになった人、海に奪われたK君、医師・吉村先生、妙齢の電車の女、おばあちゃんと母、生きる・学ぶ力を与えてくれた人など、15人が心に残る人を投稿している。また、「私の旅」では、おしのび旅行、温泉旅行、海外旅行、中国戦没者慰霊の旅、ミニハイキングなど16編が収録された。 |
シリーズ特集は、「21世紀に残す愛川町の昔と今」と小・中・高校生特集「夢の広場」。「愛川町の昔と今」では、年を重ねた勝楽寺、自転車に乗った大川周明、洋画家大貫松三先生とその家族、八菅神社の採燈護摩、歌舞伎役者中村歌女之丞のこと、宮ヶ瀬ダム建設前夜、中津原の半世紀などをテーマにした14作品が収録されている。「夢の広場」では、小学3年生の高橋美彩季さんが「えくぼ」、同2年生の横田祐季君が「花のおはなし」、5年生の高橋琴恵さんが「あたらしいいとこ」、中学2年生の中村萌さんが「会えた君に伝えたい\ピーチャン」を投稿した。 世界的なバイオリニストで声楽家・佐藤陽子さんの特別寄稿、「旅の終わりから始まった私の旅路30年」は連載3回目。文友交流の場となっている「あの花この花」「みんなの心のうた」 にもたくさんの投稿があり、今号は過去最高の324ページで、これまでにない充実した内容となった。 次号のテーマは「心に残る本」「涙と笑い」とシリーズ「愛川町の昔と今」、詩・短歌・俳句など。投稿の問い合わせは代表の足立原三紀子さんへ。TEL:285・2973番。 |
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厚木市内で押し花を楽しんでいる「ふしぎな花倶楽部花工房」のメンバーが、5月24日から30日まで厚木市民ギャラリーで「市制50周年記念押し花展」を開く。 同倶楽部は、平成2年から同市飯山在住の田中啓子さんがカルチャーセンターなどで指導、家庭の主婦などに押し花の楽しさを広めてきたもので、現在は弟子たちがインストラクターの資格を取り、南毛利公民館など市内8公民館や愛川町中津のレディースプラザなどで指導している。 現在会員は100人。主婦が中心だが、10人ほどの男性や子どもも、押し花や押し果物、押し野菜などを楽しんでいる。押し花は乾燥マットで押して早いものでは1日、蘭などは押しにくく乾燥するのに1週間ほど時間がかかる。 |
額づくりはガラスとアルミの間に押し花を並べ、乾燥剤を入れて空気を抜き密封する。草花のほか写真を組み合わせたり、海草と融合させるなど意外性を楽しむ人もおり、完成した作品は花絵額やコサージュ、ギフト、カードなど好みに応じてさまざまだ。押し花展では花絵額80点、ブライダル作品、ハガキ、はし袋、携帯ストラップなどの小物類も展示されるほか、厚木市と友好都市を締結している横手市からも、押し花愛好者が10点ほどの作品を寄せる。また、田中さんが同市小野の社会福祉法人すぎな会でボランティア指導をしていることから、障害者の押し花作品も出品される。
期間中は、体験コーナーも用意されている。 田中さんは「押し花は身近なところで楽しめます。心が癒せるリラクゼーション効果もあり、大勢の方に見ていただきたい」と話している。 |
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