第663号(2005.07.01)

一般廃棄物の中間処理施設棚沢を候補地に  厚木・愛川・清川

候補地に選定された神奈川工科大学運動場(厚木市棚沢)
 厚木市の山口巌雄市長は6月23日記者会見し、厚木市と愛川町、清川村の3市町村で構成する「厚木愛甲環境施設組合」(管理者・山口市長)の中間処理施設(ごみ焼却施設と粗大ごみ処理施設)の建設候補地に、同市棚沢字市島の神奈川工科大学運動場を選定したと発表した。
 同運動場の面積は約9・2ヘクタール。市街化調整区域内の雑種地・山林で、雑木林を造成してグランドに整備したもの。現在は使用されていないという。
 ごみ処理の施設配置については、平成15年11月に3市町村で締結した「一般廃棄物の共同処理に関する合意書」に基づき、中間処理施設は厚木市、最終処分場は清川村、次期最終処分場は愛川町となっており、設置場所については該当する市町村がその候補地を選定することになっていた。
     
 市は庁内に設置した厚木市中間処理施設等検討委員会で、3市町村の位置関係から厚木市の中心市街地より北部にあること、3ヘクタール以上の用地が確保できること、幹線道路などの交通アクセスがよいことなどを条件に、市域の北部を中心に複数候補地の選定を進めてきたが、このほどさらに厚木バイパス線など幹線道路の接続により交通アクセスがよい、他の候補地と比べて地権者が少なく用地交渉の容易性が期待できる、周辺に民家が少ないなどの理由により棚沢を最適地として絞り込んだ。
 建設される中間処理施設は、1日当たりの処理量が、一般ごみ325トン、粗大ごみが35トンで、1日当たり平均200台の収集車が出入りする。
 同市では今後のスケジュールとして、環境施設組合に候補地として正式に報告、担当助役をヘッドとする中間処理施設建設推進組織を立ち上げ、土地の取得交渉と合わせて自治会などへの地元対応をはかっていくという。

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 昨年に続いてオオタカの営巣地確認  西山を守る会

巣の中のヒナ(6月4日)石井進太郎さん撮影

巣立ちを迎えたヒナ(6月14日)石井進太郎さん撮影
 西山を守る会(花上義晴代表)では、昨年から荻野の里山に生息するオオタカの観察を行っているが、今年も、荻野川近くの里山でオオタカの営巣地を発見、巣立ちを確認した。
 発見したのは守る会オオタカ部の小原俊彦さんで、今年の4月15日、荻野の里山でコナラの木に巣をかけたオオタカが抱卵している姿を発見、その成長を見守ってきた。小原さんによると営巣地は昨年5月に確認された場所に近く、昨年はカラスの巣だったが、オオタカがそれを改造して自分の巣にしたものと思われる。小原さんはその後、卵から返った2羽のヒナを確認したが、6月に入ってからの観察では1羽だけになっていたという。同会ではヒナが巣立つまで公開を控えていたが、ここにきて巣立を終えたと判断、撮影した写真やビデオを公開することにした。
 写真は守る会会員の石井進太郎さんが、6月6日と14日に撮影したもので、巣の中のヒナが大きく成長して巣立ちを迎えたオオタカの姿が確認できる。原版はカラー。7月1日から会のホームページでも公開するという。
 また、同会では6月12日の西山登山の際、華厳山から大沢に下山する途中、事務局長の荻田豊さんがクマタカと思われる羽を取得、14日に七沢の県自然環境保全センター野生生物課に持ち込んで鑑定してもらった結果、クマタカの羽(左翼次列風切り羽)であることが判明した。荻田さんは「西山近辺にはオオタカばかりでなく、クマタカも営巣している可能性がある。今後も引き続いて観察していきたい」と話している。

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飯田孝さんに善行銀章表彰
  厚木市水引に住む郷土史家・飯田孝さん=写真=が、6月2日、社団法人日本善行会の「善行銀章表彰」を受賞、東京国際フォーラムで開かれた贈呈式に出席した。17日、市役所を訪れ、山口市長に受賞の報告を行った。
 長年、文化財の保護・保存に貢献、文化財愛護の普及・啓発につとめてきたことが認められたもの。
 飯田さんは昭和37年から県央史談会、47年には市文化財協会の会員として、郷土の歴史、民俗などの調査をはじめ、文化財の愛護につとめ、文化の発展や啓発に貢献してきた。41年には市文化財保護調査員、58年市史編集委員、平成7年から厚木市文化財保護審議会委員に就任、現在、同審議会委員のほか市史編集委員会委員長をつとめる。
 また、著作も多く、市民かわら版にもこれまでに、「厚木の文学碑」「ふるさとの昔話」「相模人国記」「厚木の花街」などの歴史・民俗などを連載、一部は単行本にもなっている。現在「厚木の大名」を執筆中。

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厚木市に後援会が発足  ベルマーレ女子ソフト
 地域密着型のクラブチームとして活動している「湘南ベルマーレ女子ソフトボールチーム」を支えていこうと、6月13日、本拠地の厚木市で後援会が発足した=写真。
 会場となったホテルには、後援会の発起人関係者約70人が出席した。先に行われた発起人会では、山口巌雄厚木市長が名誉会長に、黄金井一太商工会議所会頭が名誉顧問に就任、後援会長には小島組の小島正伸氏が選出された。
 小島後援会長は「一人でも多くの仲間とともに応援体制を固めてチームを支えていこう」とあいさつした。同チームの真壁理事長は「今は制約があって、チームの名前を変えることができないが、近いうちに必ず『厚木』という文字をユニフォームに入れます。これからもご支援をお願いします」と述べた。
 同チームは今年2月に発足、厚木市を拠点とする地域密着型のクラブチームで、同市内の公共グラウンドを利用している。5月下旬に行われた「全日本クラブ女子ソフトボール選手権関東大会」で優勝を果たし、結成3カ月にして全国大会への出場権を獲得した。

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収穫から親子でカレー作り  七沢自然ふれあいセンター
 6月19日、厚木市七沢の七沢自然ふれあいセンターで、第2回親子ふれあい自然体験教室が開催され、市内在住の親子9家族31人が参加した。
 今回の内容は「じゃがいも、タマネギ掘りから始まるカレー作り」。梅雨の時期ということもあって天候が心配されたが。この日は天気に恵まれ、参加した家族は畑で大量のジャガイモとタマネギを収穫した=写真。その後、野外で野菜をふんだんに使ったカレー作りを行った。
 参加者からは「畑で野菜を採ることはなかなか出来ないので楽しかった」「みんなで収穫した野菜の味は格別でした」などの声が聞かれ、大自然の中での野外料理を満喫していた。
 同ふれあいセンターでは、今後も自然を満喫できるプログラムの開催を予定しているという。

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樹齢400年のご神木を伐採 船喜多神社 
 厚木市松枝の船喜多神社のご神木=写真=が枯れて危険となったため、6月17日、地元自治会関係者を集めて伐採のお払いを行い、20日業者の手で切り倒された。
 ご神木は神社入口左側に立っていたたぶの木(クスノキ科の常緑高木)で、高さ約12メートル、幹周り4メートルの大きさ。神社の歴史から判断すると樹齢400年前後と推察される。10年ほど前、ご神木が半分ほど枯れて中が空洞になったため、倒木を防ごうと2本の丸太を組んで支えてきた。昨年まで根本に新芽が出て成長のきざしを見せていたが、今年になってそれも枯れてしまい、危険が増したため、やむなく伐採することにした。
 この日は、元町のほか、松枝、東町の各自治会長ら関係者40人が出席、神主によるお祓いの後、斧入れの儀を行い、出席者全員で玉串を奉納した。 
 元町自治会の香田英明会長は「ご神木には悲しみを越えた思いがあるが、寿命には勝てない。今後は、新たなご神木を植えることを検討したい」と話していた。 

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夏本番に向け花火造り総仕上げ  今夏の3万5千発ほぼ完成
  厚木市棚沢の花火製造会社・ファイアート神奈川(和田吉二社長)が、夏の風物詩である花火大会に向けて、花火造りの総仕上げに入っている。
 同社は市内唯一の花火製造と打ち上げを行う会社。県内を中心に数多くの花火大会を手掛け、毎年行われる全国花火コンクールでは上位入選の常連として全国にその名をとどろかせている。
 現在、三田の工場では従業員が花火を天日干しして乾燥させる「日乾作業」に追われている。花火は種類にもよるが、完成までの工程で約1カ月の期間を要する。前年の冬頃から造り始めるが、今年の夏に30カ所で打ち上げられる花火玉約3万5千発のうちのほとんどは完成した。
 花火玉は直径6センチから30センチの大玉まで9種類。花火大会は立地条件によって扱う花火に制限があるため、その制限の中で見応えのある花火の演出を行うのが花火師の見せどころだ。
「老若男女みんなに喜んでいただけるような花火をつくるため、日々研究しています」と語る次長の和田順さん。今年も「あつぎ鮎まつり」で、和田さんの技術が凝縮された花火が見れそうだ。

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第59回あつぎ鮎まつりのポスター出来上がる
 8月5日から7日まで開催される「第59回あつぎ鮎まつり」を広くPRするポスター完成した。名産鮎が跳ねる姿を中央に配し、浴衣を着た家族連れが花火を見物する風景をイラストで描いたもの。今年のキャッチコピーは「鮎躍る、心も躍る、厚木の夏!」。
 実行委員会では2000部を作成、市内の公共施設や小田急線の各駅に掲示する。
 あつぎ鮎まつりは、8月5日に行われる厚木中央公園での前夜祭、玉置成実コンサートを皮切りに、6日の厚木DANBEパレード、大花火大会、7日の1万人鮎のつかみどり大会など数多くの催しが予定されている県央最大の夏のイベント。

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森っ子ひろば 「川はともだち」を実施
 6月18日、厚木市森の里地区内の榎田川で、森の里地区地域子ども教室推進事業(森っ子ひろば)が行われ、、子どもたちが「川はともだち」をテーマに、生き物の観察やスケッチなどを行った。
 地域で子どもを健全に育成するため、安全で安心な子どもの居場所づくりを行う文部科学省の事業で、地域子ども教室推進運営委員会(岩澤正則委員長・森の里公民館長)の主催で、小学1年生から5年生までの子ども29人が参加した=写真。
 この日、子どもたちは郷土資料館の槐真史学芸員の指導で、自分たちの住む地区の小川にどんな生き物がいるかを観察、採取した生き物を絵に描いたほか、周囲の風景を写生したり、デジカメで写真撮影などを行った。
 最初は水に入らなかった子どもたちも、沢ガニやトンボのヤゴ、アブラハヤなど色々な生物が取れることが分かると、全員が夢中になって川に入るようになった。
 この日はアメリカザリガニ、サワガニ、コガムシ、オニヤンマのヤゴ、シマアメンボ、カワニナなどを採取、シマヘビも目撃された。大きな、モクズガニが採れると、保護者や運営スタッフからも驚きの声が上がった。

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 75歳以上のお年寄り 第2小で給食食べ児童と交流
  厚木市の厚木南地区地域福祉推進委員会(井上昇委員長)は、6月15日、同地区に在住する高齢者を市立厚木第二小学校(澤田邦彦校長・児童数826人)に招き、子どもたちとの給食や交流を楽しんだ=写真。
 これは同委員会が、高齢者の社会参加や若い世代との交流の場の機会を増やそうと、75歳以上の高齢者を対象に計画したもの。
 当日参加した高齢者49人は、2年、4年、6年の各学年4クラス12学級に分かれ、給食を食べながら、子どもたちとの交流を楽しんでいた。最高齢で参加した梅津シモさん(89)は、「元気な子どもたちといっしょに食事をすると、若返った気持ちになります。とても楽しいです」と笑顔で話していた。
 同地区地域福祉推進委員会は、平成17年4月に設立、高齢者が健康で生きがいを持って暮らせるように、高齢者の社会参加活動を促進したり、若い世代の方と交流する機会を増やす運動を推進している。

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昔ながらの上棟式 住民参加して曳綱・散銭散餅の儀 依知神社神楽殿

 6月25日、厚木市上依知の依知神社(小林知弥総代長・氏子数350人)で神楽殿の上棟式が行われ、氏子や地域住民約250人が見守る中、昔ながらの神式による棟上げの儀を行った。同神社の神楽殿は明治18年に建立されたが120年を経て老朽化したため、解体して新築することにしたもので、昨年11月に神社庁から建築許可が下り、旧殿解体の後、3月の地鎮祭を経てこの日上棟式を迎えた。
 高さ9.55メートル、木造2階建ての神楽殿は、檜30センチ四方の通し柱12本のほか、13メートルの梁3本を使用した堅牢な建物。建築延べ面積は304.74平方メートル。屋根は銅版葺きで、1階に神楽殿と社務所、2階に8帖間3室を配置した。
 上棟式では、神主による神事の後、昔ながらの棟上げの儀が行われ、工匠人と棟梁による四方祓いの儀に続き、工匠人が棟木に曳綱を結び、それを一般参加者で引き上げる曳綱の儀=写真下=や槌打ちの儀などが行われた。
 また、棟梁や工匠人、建設委員長、氏子による散銭散餅の儀=写真上=が行われ、用意された餅600個、5円玉1,600枚、菓子250個がまかれると、集まった参加者は競って縁起物の餅を拾っていた。
 竣工は10月末の予定で、建設委員長の小林知弥総代長は「神社の神事のほか、柔道や剣道、空手など青少年のスポーツ活動、趣味、お稽古事など地域住民の社会教育活動の場としても広く開放するほか、地震など災害時の緊急避難場所としても活用していきたい」と話している。

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7月からAED設置  心肺停止患者の救命率アップに 厚木市

 厚木市は心臓の不整脈などが原因で発生する心肺停止傷病者の救命率を向上させるため、7月上旬より市役所本庁舎など9施設と睦合分署消防車など3車両に、自動体外式除細動器(AED)=写真=を設置する。
 AEDは全自動で、電源を入れることにより、必要な操作が音声で指示されるため、誰でも操作が可能だ。欧米では空港や公共施設などに、常設備品として設置が義務づけられている。
 日本でも昨年7月、AEDの使用が市民にも可能になったことから、導入を検討していたもので、市では今年度予算に834万円を計上、市役所本庁舎、第2庁舎、文化会館、中央図書館、荻野運動公園、総合福祉センター、東町スポーツセンター、ふれあいプラザ、猿ヶ島スポーツセンターの9施設と、睦合、小鮎、玉川の3分署の消防車にAEDを設置する。
 また、設置に合わせて設置場所の職員を対象にした「AEDの使用法」や「心肺蘇生法に関する知識の確認」などの講習も行う。


 8月より動く民間交番導入「パトちゃん号」犯罪の発生しにくい環境づくりへ

 厚木市は8月1日から市民の防犯活動の拠点となる『市民安全パトロール車」(愛称パトちゃん号)を配置し、市街地や重点地域などの犯罪の発生状況に応じて、駐在による防犯活動を実施、動く民間交番として、安心・安全な社会の推進に取り組む。
 パトロール車はキャラバン・クリッパーをベースにしたもので、青色回転灯、放送設備、机、椅子、防災行政無線などを装備。地域に駐在することで、住民の不安感を解消し、安心感を与えるほか、自主防犯活動の拠点(動く民間交番)として活用、必要に応じて警察官も同乗できる。マスコットは県警のシンボル『ピーガルくん」。
 市では2台を導入し、警察、防犯パトロール隊、自治会、商店会、ボランティア団体、セーフティベスト着用者とも連携し、犯罪の発生しにくい環境づくりに取り組む。購入費用は青色回転灯、放送設備を含んで561万7千500円。

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 春陽会の小清水金司遺作展 7月1日からアツギミュージアムで開催
 厚木市出身で春陽会会員た洋画家の故・小清水金司さんの遺作展が、7月1日から同市飯山のアツギミュージアムで開かれる。
 小清水さんは大正10年、厚木市大手町生まれ、旧制厚木中学、鎌倉師範を卒業後、教職にたずさわる一方、昭和31年、春陽会展に初出品して入選。同会の遠藤典太に学び、昭和50年会員に推挙された。同展のほか銀座で開かれたグループ森展にもたびたび出品、美しく澄んだ深い空の描写を発見したほか、単純化した色とトーンがマッチした個性的な画風を築き上げた。昭和54年、脳内出血のため入院加療、その後画壇に復帰、56年には座間市長より社会教育活動への功績で表彰されたが、昭和57年、心不全のため62歳で亡くなった。
 遺作展は小清水さんの関係者の協力によるもので、第59回春陽会展に出品された未完の大作「相武台風景」(40号)=写真=のほか、「樹のある風景」「船子」「八幡野」などの風景画15点のほか、師匠であった遠藤典太の作品3点も出品される。関だっ係者は、「小清水さんの絵を大事に飾ってもらえる人にゆずりたい」と話している。

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