第670号(2005.11.01)

厚木市が赤バイ導入

厚木市が県下の自治体に先駆けて導入した赤バイ
 厚木市消防本部では、119番通報で救急車が急行する際、地理的条件や交通渋滞などの事情で到着が遅れるケースがあるため、このほど機動力を発揮できる「救急二輪車」を導入、救急車より早く現場に到着して心肺停止傷病患者の救命率の向上を図る「赤バイ」を、11月1日からスタートさせる。
 赤バイはエンジン排気量223CCの国産オートバイをベース車に、自動体外式除細動器(AED)、救急資機材一式、自動送受信機能付きの携帯無線機などを搭載している。119番通報で心肺停止患者が出た場合、救急車と同時に出動し、交通渋滞などで救急車が現場に迅速に到着できない時や救急車が河原などに乗り入れ出来ない状況をカバー、現場にいち早く急行して心肺停止患者の救命活動にあたる。整備導入費は2台で658万円。11月1日から厚木消防署と北消防署に配置、二輪の免許と救命士の資格をもった職員が交代で乗務する。
 県下の自治体では、山林火災などの防災に対応するため、湯河原町が赤バイを導入しているが、救命救急活動での運用は厚木市が初めてとなる。

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わらべうたと子ども歳時記テーマに講演と版画展

洋画家の鈴木伸太朗さん

音楽家の大熊進子さん
 音楽家の大熊進子さんが市民かわら版に連載している随筆「わらべうた」の挿絵を担当している洋画家・鈴木伸太朗さん(84)の、「子ども歳時記版画展」が、11月18日から23日まで、厚木市飯山のぎゃらりー結(ゆい)で開かれる。
 鈴木さんがこれまで描いてきた昭和の子ども歳時記や祭りなどの版画を展示するほか、20日には、大熊さんの「わらべうた講演会」も開かれる。
 鈴木さんは、東京練馬区在住。戦前、鈴木千久馬教室、太平洋洋画会に学び、60年から88年まで西武、京王、西銀座百貨店などで60回以上の個展を開催、75年には油彩「日本の祭り」を完成させた。その後、アメリカ、メキシコでも個展を開催、79年には木版画「東京百景」、83年より読売栃木に「子ども歳時記」絵と詩を連載、大きな注目を浴びた。この間、詩集「まばたき」のほか詩画集「わすれな草」を発表、80歳を過ぎても健在で、毎年交通会館で個展を開いている。大熊さんとはわらべ歌と子ども歳時記でコンビを組む間柄だ。
 今回の版画展と講演は、「わらべうたと日本の子ども歳時記を描いた鈴木さんの版画の素晴らしさを大勢の人に知ってもらおう」と、NPO法人日本わらべうた協会が企画したもので、市民かわら版が後援する。鈴木さんは「おしくらまんじゅう」「花いちもんめ」など一色刷りの版画や「きつねの嫁入り」「宮詣り」「風神雷神」「日本の祭り」など多色刷りの版画など合わせて約30点を展示する。
 20日午後2時からは大熊さんが「わらべうたは精神の離乳食」と題して講演、市民かわら版連載のエピソードなどを交えながら、わらべうたの大切さを話す。講演会の参加費は飲み物・ケーキセット付きで2000円。先着20名様。申し込みはTEL:223・6317番。または携帯TEL:090・4123・0010番(田村)へ。

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正月用しめ縄飾り シルバー人材センターで受付

山口市長に出発の報告を行う松本さん
 厚木市松枝の社団法人厚木市シルバー人材センター(藤井信義理事長)で、会員たちの手作りによる「正月用しめ縄飾り」の受付が11月1日から始まる。
 同センターでは昭和61年の高齢者事業団の時からしめ縄飾りの製作に取り組んでいる。原料となる稲わらは同市下川入の農家と委託契約を結んで喜寿モチを栽培、穂が実る前に青刈りして乾燥させたものを使う。   
 今年は9月13日から製作を始めた=写真。ベテランの武田昇司さん、古内昭五郎さん、鈴木實さんの3人に、今年から新たに松本瑞枝さん、近藤とよさんらが加わった。長さ70センチの玄関飾りのほか、120センチのごぼうじめ、一文飾り、輪飾り、自動車飾りなど12月中旬ごろまでに、7種類3570本を製作する。
 最近は若者を中心に玄関リース飾りが人気で、今年は直径25センチと18センチのリースを100本作る。神社や企業からは3メートル大のごぼうじめの特別注文もあるという。
 値段は市価の約半値。玄関飾り(縦70センチ・横30センチ)で2,800円、ごぼうじめ1,500円、輪飾りや一文飾りは100円で、玄関リースは大が2,500円、小1,800円となっている。
 お客さんの8割は固定客で、市販されているものより大きくてできが良いと評判だ。例年通り12月26、27の両日午前9時から午後4時までセンターで引き渡しを行うが、今年も2,500円以上お買い求めの方は、依知、睦合、荻野、小鮎、玉川、相川、森の里の地区に限って、会員が配達を行うという。
 同センターでは「昨年は11月中には予約で完売。その後はお断りするほどでした。お早めに申し込みを」と話している。1224・9585番。

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交通事故や不審者から身を守る安全教室開催
 厚木市立依知南小学校(井上正博校長・児童数518人)で、10月23日、全児童を対象に「ふれあい安全教室」が開かれた。地域ぐるみで安心安全な学校づくりをしていこうと、学校、地域、警察が一体となって取り組んだ。
 当日は、児童・教職員とともに保護者や地域役員800人が参加、県警カラーガード隊・音楽隊の演奏を楽しんだあと、警察犬の実技演習=写真=や白バイデモンストレーションなどを見学した。
 警察官と暮らし安全指導員による防犯対策の講習会では、動物「ケロちゃん」の着ぐるみを主人公に、警察官が「外出するときは行き先、帰り時間を家の人に伝えておく」「「知らない人にはついていかない」「外では一人で遊ばない」「無理やり連れていかれそうになったら大きな声を出す」など、身近に起こりうる事故や犯罪の防止策などを指導した。
 警察官が「大きな声を出せるかどうか、みんなで助けてと叫んでみよう」と話すと、子どもたちは声をそろえて、「助けて」と叫んでいた。教室終了後は、保護者とともに通学路の危険箇所を確認し、ゴミ拾いなどの清掃を行いながら下校した。

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依知南地区でシンボルマークかたどった花壇完成
 厚木市関口の畑に、市のまちづくりシンボルマークをかたどった花壇が完成、見頃を迎えている。    
 花壇は座架依橋南側の山田政美さん所有の畑240平方メートルを使って、9月17日、厚木市制50周年記念事業依知南地区委員会と依知南地区コミュニティーづくり推進事業実行委員会が植栽したもの。10月中旬、赤のサルビアとブルーサルビア、緑のチンゲンサイの3色が咲きそろった=写真。
 シンボルマークは同市が市制50周年にちなんで、平成12年3月公募デザインの中から選定したもの。厚木鮎まつりの花火と市民の心をイメージしたハートをモチーフに、赤、青、緑の3色で表現されており、花壇もこれをかたどって製作した。11月始めごろまで見れるという。
 

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厚木の秋を満喫!ウォーキング大会
 10月23日、「厚木市制50周年記念ウォーキング大会」が行われ、秋晴れの下、市民約千人が参加した。市内のウォーキングコース「健康の道」を広く市民に知ってもらおうと開いたもので、厚木中学校をスタート・ゴール地点に、ぼうさいの丘から毛利台団地を経由して恩曽川沿いを下る10キロのファミリーコースと、玉川堤防沿いを上り、森の里地区を経由する健脚コースの17キロコースで行われた。
 参加者の最高齢は85歳、幼児を背負って参加した家族連れもいて、水辺の風景や収穫が進む田園風景などを楽しみながら、厚木の秋を満喫した=写真。
 ファミリーコースに親子4人で参加した家族は「お天気にも恵まれたので、ゴール目指してみんなで最後まで元気に歩きました」と話していた。ゴール地点では、歩き通した全員に完歩賞として厚木地場産の新米が贈られた。また、市制50周年にちなんで50番目に申し込んだ参加者に記念品が贈られた。

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網走から道産子のジャガイモ届く
 10月21日、ジャガイモの本場である北海道から厚木市に、男爵イモ200キロが届けられた。今年2月に厚木市と友好都市を締結した網走市から「厚木の子どもたちに食べてほしい」とプレゼントされたもので、20キロ詰めの段ボール10箱分=写真。
 ジャガイモは早速、南部  学校給食センターに届けられた。検品した栄養士は「大きくてすごくいいジャガイモですね」と喜んでいた。
 給食センターでは24、25両日の給食献立に取り入れ、市内10小学校合わせて6千人の子どもたちがジャガイモ料理を味わった。  
 厚木市では北海道の大自然の中で、キャンプや農作業体験を通して地元の小学生と友好を深めようと、市内の小学生85人が7月26日から4日間、網走市を訪問、東京農大オホーツクキャンパス農場(網走寒冷地農場)で、ジャガイモやニンジン掘りを体験した。
農場では厚木からの訪問時期に合わせて通常より早めにまいたとあって、収穫には少し早いもののすでに食べられる大きさに成育していた。このあと、両市の子どもたちは、キャンプ場で自ら収穫した野菜でカレーライスを作って食べ、交流を深めた。
 東京農大オホーツクキャンパスでは、21ヘクタールの農場を持っており、そのうち50アールがジャガイモ畑だ。今がジャガイモの収穫時期で、同農大が友好都市である厚木の子どもたちにも食べてほしいとプレゼントした。

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市民総ぐるみの防犯決起大会 犯罪者が嫌がるのは音と光と目
 10月15日、厚木市文化会館で厚木市と市防犯協会の主催で、「市民総ぐるみ防犯決起大会」が開かれ、自治会長や防犯部長など、地域の防犯活動に取り組んでいる市民約千人が参加した。
 防犯研修会では、神奈川防犯連絡会の杉森和夫副会長が「これで犯罪は防げる」と題して約1時間の講演を行った。講演の中で杉森氏は、「市民の立場からは犯罪機会をなくす工夫が大切。事件の起こる前に犯罪者と出遭わない工夫が必要だ」「窃盗犯は入りやすく、見つかりがたい家を狙う。犯人に狙われない環境をつくる」「割れた窓ガラスをそのままにしておくと、やがて街全体が荒れてしまう。窓ガラス一枚でも割れたら直ぐに直すという割窓理論が大切で」「犯罪者が嫌がるのは音、光、人の目の3要素だ。これを取り入れ、空き巣に遭わない環境を整える」「防犯には、市民の防犯意識の向上がもっとも大切」などと講演した=写真。
 この後、犯罪のない安全で住み良い社会の実現に向けて、より一層市民総ぐるみの防犯活動を推進する」という大会宣言を決議した。

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友好都市の物産も出品 商工観光まつり・技能祭開かれる
 10月21日から23日まで、厚木中央公園で「第26回あつぎ商工観光まつり」と「第24回あつぎ技能祭」が開かれ、大勢の市民で賑わった。厚木の商工業と観光、優れた技術を紹介するため毎年開かれているもので、友好都市や近隣の市町村も参加した=写真。
 商工観光まつりでは、醤油、ダシの素、みそのセットを500円で販売するお買い得セールなどの商業バザールや、工業、観光を紹介するための展示、歌謡ショーやマジックショーなどの催しが行われた。また、技能祭では銅製の表札作りを体験する教室やオリジナルカレンダーの実演、展示や即売コーナーなども設けられた。

 会場内は衣料品や食品などの特売品を買い求める人々や、ゲームやクイズを楽しむ子どもたち、実演コーナーでの見事な職人技を見物する人たちで賑わっていた。竹細工の「はしごづくり教室」に参加した小学校3年生の男子は「手作業が難しいけど、出来上がった作品は楽しい」と話していた。

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スポーツ通じてふれあいの輪を 
 10月16日、「スポーツを通じて親子のふれあいや小学生同士の親善を深めよう」と市営及川球技場、東京工芸大学、林中学校で「厚木市少年少女球技大会」が開かれた。
 大会は子ども会育成事業の一環として、32年前から行われているもので、市教育委員会が主催し、市子ども会育成連絡協議会が実施団体となって行っている。昨年からティーボール競技も加わり、ソフトボール、ドッジボールの3種目で競技が行われた。
 当日はあいにくの空模様にもかかわらず、市内23小学校区の子ども会代表46チーム(ソフト17・ドッジ21・ティーボール8チーム)約800人が参加、各会場で熱戦が繰り広げられた=写真。会場に訪れた父母や友達からも大きな声援が送られていた。各競技の優勝チームは次の通り。
 ▽ソフトボールA=三田ソフト、B=さくらソフト。▽ドッジボールA=恩名ドッジボール、B=南毛利イーグルス、C=飯山フレッシュ。▽ティーボールA=恩名ソフト、B=さくら藤塚。1

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   平塚市美術館で大貫松三展開催中  愛川町出身の洋画家
 愛川町半原出身の洋画家・大貫松三の生誕百年を記念した「湘南の洋画家・大貫松三展」が、10月1日から平塚市美術館で開かれている。
 大貫松三は家族や花、果物など身近な題材を描く作家として知られ、東京美術学校在学中に帝展に初入選、旧制厚木高等女学校で教壇に立った。卒業後は、旧制平塚高等女学校に図画の教師として赴任、その後、第1回文展で「子供達」が特選に入選、京都市美術館に買い上げられ、翌年の文展でも「O先生と孫」が特選に入選した。戦後は、牛島憲之、山下大五郎、須田寿らと立軌会を創設、15年間在籍した。その後画壇を離れ、アルジェリア、エジプト、インド、ネパールなどを旅行、異文化に接し、東洋的なものにも目を向け、穏やかな作風の小品を多数残した。
 展覧会では松三の初期から晩年までの作品をいくつかのカテゴリーに分類して展示したほか、八丁式撚糸機を展示するなど戦後の苦しい時に松三を支えた半原の撚糸業を営む人々や地域、産業、歴史的背景がわかる資料を並置するなど博物誌的な色彩を持たせた。また、厚木の農民文学作家・和田傳との交流、ベートーベンなど世界の音楽家の肖像画、新発見の資料、松三を巡る人々とのテーブルトークなど、多彩な内容を盛り込んでいる。会期は12月23日まで。毎週月曜日休館。入場料は一般500円、大高生300円。

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宮木 薫展 西山や松石寺石仏画など展示
 厚木市の荻野地区と愛川町で発行している「黄色いチラシ」(荻田豊さん主宰)が創刊300号を迎え、記念のイベント「宮木薫展」が11月1日からアツギミュージアムで開かれる。
 宮木さん=写真(埼玉県戸田市在住)は横浜市生まれで、厚木市と愛川町にゆかりの深い画家。母親が三増の出身で、祖父は幕末の上荻野の絵師・井上五川の弟子である宮木五蝶である。多摩美大を卒業後、国画会会員に推挙され、松竹映画「竹久夢二物語」の作画指導を行うほか、東京深川の正覚寺本堂や群馬県伊香保町水沢寺本坊の天井画を描くなどスケールの大きな作品も手がけている。
 戦時中は、三増の棟岩院に疎開、戦後は愛川町の画家成井功、大根田雄國、厚木の熊坂東以らと相模美術の創設に加わった。
 黄色いチラシには平成10年「三増の昔話」を連載したほか、毎年、干支絵や野仏、立ち雛、鯉のぼりなどの色紙絵を描いて読者に頒布している。
 展覧会には、荻野の西山や松石寺新四国八十八ヶ所石仏群などの作品を中心に、西山遠望、西山春雪、松石寺界隈、良寛てまり、良寛詩、野仏など25点を出展する。会期中の13日正午には、画家を囲む昼食会(有料)も予定されている。
 展覧会は西山を守る会が協賛する。29日まで。問い合わせは荻田さんへ。TEL:241・8990番。

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