第678号(2006.03.01)

20年の講座に終止符 4516首を読破 厚木萬葉の会

万葉集を読む会の最後の講義
 昭和62年5月から月1回、万葉集の勉強会を開いている主婦の生涯学習グループ「厚木萬葉の会」(岩本節子代表・30人)の最終講座が2月24日、厚木市のヤングコミュニティセンターで開かれ、20年にわたる講座の歴史を閉じた。同会はNHKが主催した市民大学講座「万葉人のうたごころ」のスクーリング講座として厚木市が始めたセミナーに参加した受講生が、6カ月の講座終了後さらに勉強を深めようと発足した。
 講師は早川幾忠氏の門下生で「高嶺」同人の歌人・澤柳友子さん(70)。澤柳さんは目白大学在学中から万葉集を研究、お茶の水女子大学で付属図書館専門員を経て、大学院でも万葉集の研究を続け、万葉を読む会など各地の講座で講師を務めている。厚木万葉の会でも20年間にわたって無償で講義を行ってきた。
 当初49人でスタートした会員は徐々に減り、最後まで残ったのは30人。30代で始めた人は50代、60代で始めた人は80代になった。そのほとんどは初回の講座から参加している人たちだ。女学校時代に万葉集のさわりを勉強した人、戦争で勉強を中断された経験を持つ人もいる。子育てが終了して再び万葉集に出会った会員たちは、新たな思いで講座に向き合った。
 講座は4516首ある歌を最後まで読み通すほか、万葉の歌碑を訪ねる野外学習会や研修旅行、文学散歩なども行い、活動の記録として文集『あふりね』なども出版した。澤柳さんの講義は、万葉集を声を出して読みながら歌の解説をしていくもので、歴史や時代背景、漢字の由来、人々の生き方や音楽、書物の話などを織り交ぜていく話が好評だった。
 代表をつとめる岩本節子さんは「先生は今日までよく私たちを引っ張ってくださった。万葉集は難しい歌ですが、読み通していくうちに水がしみ込むように徐々に歌の面白さがわかってきました。この20年がなかったら私たちは人生を謳歌できませんでした。万葉集を学んだからこそ現在があるのだと思います」と20年間を振り返る。。
 最後の講義も、いつもと同じように声を出して読むことから始まった。
 澤柳さんは、「勉強を始めた当初は、まさか本当に読み通せるとは思ってもいませんでした。この感激は読み通した人にしか分からない共通した思いで、皆さんの情熱にはただただ尊敬するばかりです。万葉集は決して難しい歌集ではありません。現代の私たちも同じ心を共有できること、そして声に出して読むべき歌集であることは、読了後の現在にあってもやはり揺らぐことのない真実でした。20年間皆様と同じ気持ちで学び続けることができてとても嬉しい」と講座を締めくくった。澤柳さんは2月4日、地域の文化・芸術指導の功績が認められ、「厚木市一般表象」を受けた。
 同会では解散にあたり20年の集大成として、文集「あふりね3号」を出版した。全会員が万葉集に読まれた故郷への思い、古文との出会い、母の思い出と万葉、万葉の会で迎えた成人式、万葉集との出会いと思い出、万葉集と花、自作の短歌、旅の思い出など思い思いの気持ちを活字にまとめた。
 岩本さんは「1300年の歳月を経て、なお私たちに感動を与える万葉の心、解散した後もその心を大事にしていきたい」と話している。

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前座から早く一人前に! 立川らく八さんが地元で勉強会

立川らく八さん
 厚木市飯山に住む落語・立川流一門会の立川らく八さん(本名後藤貴雄さん・31)が、3月18日(14時開演)から同市飯山のギャラリー茶房「結(ゆい)」で、月1回、勉強会を開く。自分が生まれ育った厚木で高座の場数を踏み、早く一人前の落語家になりたいと始めるもので、これまで7年間積み上げてきた「古典」を主に、噺家としての話芸を披露する。
 らく八さんは、立川志らく師匠の弟子で、談志師匠の孫弟子にあたる。地元の小鮎小中学校から西高校に進み、駒澤大学経済学部に進学した。在学中、志らく師匠が主宰する「らく塾」で師匠に出会い、惚れ込んだ。99年4月、卒業と同時に志らく師匠の8番目の弟子として入門した。見習いから修行して7年目。現在、10人の仲間とともに前座をつとめる。
 前座は落語家としての芸名はつくが、普段は師匠について楽屋に入り、着物をたたんだりお茶出しなどの雑用をするのが仕事だ。他の弟子とともに交代で高座に上り前座の役をこなす。とはいえ、毎回高座に上がれるわけではない。落語の世界は二つ目以降が一人前だから、まだ半人前。独演会の開催も不可能。
 立川流は家元の方針で、寄席落語はやらずホールの落語が中心。昇進には試験制度があり、家元の談志師匠が出す課題をクリア出来ないと、上には上がれない。らく八さんは年内には二つ目の試験を受けたいと意欲を燃やしているが、前座に上がる回数が少ないため、なかなか場数を踏むことができない。
 昨年8月27日、ギャラリー結が主催した「愛は地球を救う24時間チャリティ」の協賛イベントで、即席の高座に出演したのが縁で、結のオーナーである長澤みはるさんに相談したところ、快い返事をもらったため、経験を積むための勉強会を行うことになった。
 毎回、ギャラリーの角に高座を作って、貸切で勉強会を行う。出し物は古典が主で、これまで勉強した「落語50席」の中から毎回3〜4席を選んで行う。らく八さんは「会社は上司を選べないが、自分は師匠を選んで落語の世界に入った。落語は一人で全部できるのが魅力。下手な前座ですが、大勢の方に聞きに来ていただければ嬉しい」と話している。定員は30名(先着順にて締切)。入場料はお茶とケーキセット込みで1000円。申し込みはtel:247・7877番。

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団塊の世代や若い女性が関心を寄せる株式投資を分かりやすく解説  元証券マンの鈴木康義さん

 デフレ不況が長期化し、市場経済が確実に「勝ち組」「負け組」の格差社会を生みだしている今日、資産運用をいかに考えるかは、人生の将来設計を大きく左右する。インターネットの活用などで、昨年1年間の個人投資家は100万人も増えたといわれる。
 「日本は今後、照葉樹林的文化から狩猟民族的文化へ徐々に移行していく。この狩猟民族的文化は優勝劣敗の競争社会であり、リーダーは年齢に関係なく実力のあるものがなる。この社会では2割の原則が働く。すなわち2割が優れ、6割がどっちつかず、残りの2割が困った存在になる」
 元証券会社勤務の鈴木康義さん(68・厚木市関口)が、このほど団塊の世代や若い女性が関心を寄せる「株式投資」を、長年の経験と身近な思考で解説した『けいざいの心』を自費出版した。
 厚木高校、明治大学卒業後、証券会社に勤務、支店長や理事などを経験、海外10カ国で研修を積んだ鈴木さんは、退職後、自らの知識と経験を生かして経済研究所を立ち上げ、各地を講演して歩いている。今回まとめた『けいざいの心』は、これまでの講演内容を簡略にまとめたもので、資産運用における株式投資の基本や2006年の経済問題、国民の暮らしがどうなるかなどを分かりやすく解説している。 
 鈴木さんは株式投資は「自己責任」が原則として、そのイロハは、1冷静に投資すること2利益は反対売買をして現金化したとき現実となる。買った株が上がっている時点では評価益にしか過ぎない。売った時も同じ3常にチャンスはあるが、辛抱強く大きなチャンスを待つ心が必要4上がったものはいつかは下がる、この摂理を知ることが大事\だと力説、「仕組みやルール、リスクを正しく理解して株式投資を楽しんでください」と解説している。
 1部1,000円。有隣堂厚木店で取り扱い中。

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ホームタウンの厚木市を表敬訪問   湘南ベルマーレ

 2月21日、湘南ベルマーレ(平塚市大神)の上田栄治監督と選手が、ホームタウンとしてチームの応援、協力に感謝の気持ちと今シーズンに向けての決意を伝えようと、厚木市役所を表敬訪問した=写真。
 訪れたのは服部勉総務部長、上田栄治監督、伊藤友彦・永里源気選手の4名。
 上田監督が訪問団を代表して「選手の補強やレベルアップなど、今シーズンに向けて大幅な戦力アップを図ってきました。J1に昇格できるよう頑張りますでの、期待してください」と今シーズンの意気込みを語った。
 山口巖雄市長は、「スポーツをしている人の目はいきいきしていますね。皆さんの活躍を私たちも期待しています。良い成績を出せるよう頑張ってください」とエールを送っていた。
 湘南ベルマーレの昨年の成績はJ2リーグ12チーム中、7位。

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鳶尾山を憩いの山に  桜やコブシを植樹

 2月12日、「鳶尾山に桜を植える会」(菅野信男会長・200人)が、桜の植樹会を行った。
 同会は、平成16年12月、厚木市制50周年を機に、「鳶尾山を市民に親しまれる憩いの場にしよう」と発足した市民グループ。昨年2月に実施した第1回目の植樹会では約40本の桜を植樹した。
 2回目となるこの日は、地元の小中学生など約130人が参加した。午前9時、鳶尾山のハイキングコース入口に集合、式典の後早速、山頂付近で植樹を開始した。参加者たちは、専門家から植樹の仕方などの説明を受けると、高さ2メートルほどの桜の苗木を手に4、5人のグループに分かれ、あらかじめ決められた場所に1本1本ていねいに苗を植えていた=写真。
 約1時間の作業でヤマザクラ、オオシマザクラ、ソメイヨシノ、ヨウコウなどの桜70本のほか、コブシやナナカマド、ヤマボウシなど合わせて130本の苗木が植えられた。菅野会長は「この桜の木々が本格的に咲き誇るまでには、10年かかりますが、末永く見守っていきたい」と話していた。

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本物の舞台芸術を体験  関西二期会と共演 依知南小学校

 厚木市立依知南小学校(井上正博校長・児童数520人)で2月22日、「本物の舞台芸術体験事業」が行われた。
 文化庁が小学生から高校生までの児童・生徒を対象に本物の舞台芸術に身近に触れる機会を提供する事業。児童・生徒たちが舞台芸術を鑑賞し、芸術文化団体の実演指導を受けることで、芸術を愛する心を育て、豊かな情操を身につけようというもの。このほど合唱部門で同校が体験事業を行うこととなった。
 1月27日には、ワークショップを実施し、オペラ団体「関西二期会」の構成員が同校の3年生と5年生に合唱指導を行い、課題曲を決めた。その後練習を重ねて迎えた当日、体育館で保護者たちが見守る中、体験事業がスタートした。
 
 前半は「フニクリフニクラ」や「童謡メドレー」など、聞き覚えのある歌の数々を関西二期会が披露し、児童たちはその迫力のある歌声に圧倒されながら聞き入っていた。後半は、児童たちがワークショップ以来練習してきた課題曲を順に披露。「赤い屋根の家」「With You Smile」を3年生、5年生がそれぞれ力強く歌い、教員や保護者はその澄んだ歌声に聞き入った。
 さらに、全校生徒と関西二期会の合同での課題曲と校歌の合唱を行い、最後は関西二期会の校歌斉唱で締めくくった=写真。
 ワークショップで指導に当たった関西二期会でバリトン担当の大谷圭介さんは、「皆さん非常に上達していた。歌を目で、耳で、手足で感じながら、姿勢よく笑顔で歌ってください」と児童たちにアドバイス。歌い終えた児童たちは「楽しかった」「練習のときよりもうまく声が合ってうれしかった」と満足した様子だった。
 井上校長は「関西二期会との共演は、子どもたちにとって大切な経験だったと思う。CDやテレビなどで普段音楽を聞いていても直接生の声を聞くのとは全く違って、感動を受けた様子が分かった」と話していた。

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チャリティー収益金を学校や幼稚園に寄付

 厚木法人会は、昨年6月6日、中津川カントリークラブ実施したチャリティーゴルフ大会の収益金23万8500円を、青少年の健全育成のため、管内市町村の青少年スポーツ団体へ寄付するとともに、サッカーボールを購入して管内(厚木市・愛川町・清川村)の小・中学校へ2個ずつ寄贈した。
 また、12月7日に開催したチャリティーパーティーの収益金38万1647円を、福祉の向上のため、管内の市町村に寄付するとともに、幼児の情操教育に寄与するため厚木市、愛川町、清川村の幼稚園及び保育園に紙芝居を2セットずつ寄贈した=写真は厚木地区私立幼稚園協会へ紙芝居を寄贈。

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2年生が伝統行事のまゆ玉作りを体験 厚木小学校

 2月24日、厚木市立厚木小学校(神崎良一校長)で、2年生の児童123人が、地域に伝わるお正月の伝統行事「まゆ玉作り」を体験した。生活科の授業を使って毎年行っているもので、今年で5回目。
 この日、パソコン教室に集まった子どもたちは、最初に学校評議員の中丸武夫さん(75)から、「まゆ玉作りとどんど焼きの歴史に」ついて講義を受け、まゆ玉の謂われやだんごの作り方、だんごを飾る木、どんど焼きなどについて学んだ。中丸さんが「焼いただんごを食べると、風邪を引かない」と話すと、子どもたちは「へえ、ほんと」と驚いていた。
 講義の後は調理室に移動して、厚木北地区婦人会(青木美智代会長)の会員8人の指導でだんご作りを体験した。子どもたちはボールに入れた粉をこねて丸め、紅白、青の三色のだんご約800個を作った=写真。
 この後、せいろで蒸かすとまゆ玉が出来上がり、子どもたちは口々に「おいしい」を連発していた。
 教室に戻った子どもたちは、中丸さんが用意したミズキの木にだんごを挿したり、短冊に「歌手になりたい」「数学に強くなりたい」などの願いごとを書いて飾りつけ、無病息災を祈った。

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音楽仲間とまちづくりの会が発足  5月27日「ウィーン・ピアノ四重奏団」演奏会    

 国 内外の一流の音楽家の演奏会や音楽交流を通して、音楽の普及と地域文化の向上に寄与しよう\昨年10月、会社役員や主婦、公務員など厚木市内の音楽愛好家が集まって「音楽仲間とまちづくりの会」(米山幸子代表)が発足、その第1回目の公演「ウィーン・ピアノ四重奏団〜陽子・フォゥグ&ウィーンフィルの仲間たち」が5月27日、厚木市文化会館小ホールで開かれる。
 同市鳶尾でギャラリー&茶房を経営する米山幸子さんが仲間に呼びかけ「本物の音楽鑑賞を通じて、まちを活性化していこう」と企画したもの。年数回のコンサートを開催、音楽交流を通して地域文化の輪を広げていくという。
 第1回目のコンサートは、ヨーロッパなどで活躍するピアニストの陽子・フォウグさんとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバー3人による「ウィーンの風・ピアノ四重奏団」。
 陽子さんは1968年、ウィーン大学在学中、ウィーンのピアノコンクールで第1位を獲得、卒業と同時にヨーロッパ各地で演奏活動を開始、85年夫君のヨァゲン・フォウグ氏とウィーンフィルのメンバーとで「ウィーン五重奏団」を結成。
 20000年秋、京都でピアノ三重奏曲の演奏会を開催、大反響をおさめた。ヴァイオリン奏者のペーター・ヴェヒターさん、ヴィオラ奏者のヘルムート・ヴァイスさん、チェロ奏者のヨァゲン・フォゥグさんは3人とも、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の正式メンバー。 ウィーンから来たスペシャリストたちが、オーケストラでは味わえぬ室内楽によって、影と陰とが玄妙に交叉しあうロマン派の音楽を奏でてくれると期待が寄せられている。
 演奏曲はモーツアルトの「ピアノ四重奏曲第一番ト短調K478」、リースの「ピアノ四重奏曲ホ短調作品129」、シューマンの「ピアノ四重奏曲編ホ長調作品47」。前売券は3,000円。高校生以下1,500円。チケットは市文化会館、厚木楽器本厚木店、アトリエカノンなどで発売中。問い合わせは茶房桃栗の米山さんへ。TEL:242・3580番。

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