第679号(2006.03.15)

     条件付賛成で受入を決定  厚木市斎場施設建設計画  下古沢上分自治会          

 厚木市が同市下古沢に斎場建設を計画している問題で、下古沢上分自治会(杉山勝会長・73会員)は2月26日、臨時総会を開き、平成16年8月11日に行った「斎場施設建設について受け入れることが出来ない」とした住民の意思決定を、賛成多数(出席55人中、賛成34人・反対17人、白票4人)で白紙撤回、あらためて斎場建設の受け入れの是非について審議、住民投票を行った結果、出席者56人中、周辺環境整備や地域振興策などの実施という条件付賛成53人、反対13人、白票2人の賛成多数で「条件付受け入れ」を採択した。
 同自治会はこの結果を3月7日付で山口市長に文書で報告、今後は、斎場施設建設及び周辺環境整備計画、地域振興策の具体化に向けた協議のため、自治会内に「専門委員会」を設置して対応していくという。
 同地区では2月10日、反対派住民で組織する「下古沢上分未来を考える会」が議会に「建設候補地選定の白紙撤回を求める」陳情を提出していたが、3月8日に開かれた市民福祉常任委員会で審査の結果、賛成なしの不採択とした。
 厚木市から同自治会に斎場建設への協力要請があったのは平成14年6月。充分な情報の開示もなく降って湧いたような話に住民は不安を覚え、同16年8月、自治会始まって以来の住民投票を行った結果、「斎場建設の受け入れは出来ない」という結論を下した。その後も学習会や市側の説明会、事例見学会、臨時総会などを開いて対応を協議してきたが、再三にわたる市側の協力要請に自治会世論が賛成と反対に2分される格好となり、反対派の「未来を考える会」が2月議会に 白紙撤回を求める陳情を提出したため、条件付き受け入れを表明する「斎場問題を考える上分有志」16人が、「反対からは何も生まれてこない」と他の自治会員に受け入れ賛同を呼びかけていた。
 2月26日に開かれた臨時総会では、平成16年の受け入れ反対決議を白紙撤回、再度投票の結果、8割に及ぶ住民が条件付受け入れに賛成の意思表示を行った。
 受け入れに賛成した住民は「斎場は単なる不快施設ではない。私たちが人生に終止符を打ち歴史のかなたに身を移す時に必要で大切な尊厳のある施設」「地域住民が手を取り合って逝く人への思いやりと愛情あふれ心温まる里を実現することも選択肢」「斎場を核として、周辺を取り巻く自然環境、住民が暮らす住環境を一体として整備していくことが地域の将来につながる」と話している。

情報プラザなど見学   JICA沖縄国際センターで研修中の7ヵ国政府職員

 2月27日、独立行政法人国際協力機構(JICA)の沖縄国際センターで国際研修に参加している7ヵ国の政府技官が、電子自治体の取り組み事例を視察するため厚木市を訪れた。
 視察に訪れたのは、「電子政府推進のためのプロジェクトマネージャーコース」に参加している研修員で、アルゼンチン、コートジボアール、ペルー、フィリピンなど7カ国11人。 研修員は各国の行政機関において、電子政府・電子自治体の政策立案やプロジェクトの進行管理をする立場の職員。
 一行は厚木アクストメインタワー5階会議室で、市の担当者から自治体の情報化の状況について説明を受けた後、同タワー2階にある情報プラザを見学した。
  視察の中では、地方自治体の情報化の現状とマネージメント手法について、現在までの厚木市の情報化の取り組みのほか、電子化した各種サービスの紹介や今後の情報化計画についての説明を受けた。
 研修員は「国の政策に基づいて進めているのか」「開発コストを削減するための手法は」「どのような効果につながったのか」など、電子化を進める上での問題点や課題について熱心な質問を浴びせていた。
 情報プラザの視察では、パソコンの台数やインターネットの設備について説明を受けたほか、パソコン教室に参加する市民の様子を興味深そうに観察していた。一行は12月15日に来日、4月1日に帰国する。

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古式にのって食礼作法の儀 中央調理師会が新年包丁始め式

 1200年の伝統を持つ四條真流の食礼作法の儀「新年包丁始め式」が2月25日、厚木市飯山の元湯旅館で行われ、古式にのった見事な包丁さばきが披露された=写真。
 神奈川中央調理師会(斎藤憲次会長)が、新年四條祭の行事として毎年行っているもので、全国の料理関係者約200人が出席した。
 包丁式は平安時代に光孝天皇の命を受けた四條山陰中納言藤原の政朝公が、まな板、包丁さばきの作法を定めたもので、料理人が直接食材に素手をふれることなく一刀一礼の作法に沿って料理を行う。食材に感謝の意を表すとともに、天下泰平、五穀豊穣を祈願する行事として知られている。
 今年の刀主は四條真流五代目家元で、箱根強羅山田家調理長の菅野憲弘さん。後見人を四條真流最高顧問の三川憲松さんがつとめた。荘厳な雅楽が流れる中、白浄衣に烏帽子を身につけた菅野さんは、右手に包丁、左手にまな箸を持って、約2キログラムの鯉の調理にのぞんだ。
 さばきの型は「鰭立(ひれたち)の鯉」。菅野さんが自らの六根清浄を念じ、古式にそって15分ほどで調理を終えると、その見事な包丁さばきに出席者から盛んな拍手が送られていた。

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第6回親子ふれあい宿泊体験教室

 2月25、26の両日、厚木市立七沢自然ふれあいセンターで、「第6回親子ふれあい宿泊体験教室」が開かれ、市内在住の5家族18人が参加した=写真。
 宿泊体験を通して親子のふれあいと他の家族との交流を深めるとともに、自主性や協調性を学ぶことを目的に年6回実施されている。
 当日は施設内の野外炊事場で班に分かれて1斗缶オーブンを用いたピザ焼きと焼きリンゴ作りに挑戦した。ピザは生地づくりから行い、各班の家族は手づくりのおいしさを堪能した。2日目は七宝焼きのキーホルダー作り。参加者は思い思いのデザインを描き、出来上がりを想像しながら和気あいあいでその作成過程を楽しんだ。
 参加者からは「子どもたちが直ぐ仲良くなれてよかった」「子どもの作品が傑作だった」などの声が聞かれた。

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老人福祉施設で消防訓練とコンサート

 厚木市消防本部は3月6日、同市上古沢の介護老人福祉施設「さくら」(後藤典彦理事長)で、高齢者を対象にした消防訓練を行った=写真。
 春の火災予防運動の一環として高齢者にも消防訓練などを通して火災予防思想の普及・啓発を図ろうと行われたもので、 施設関係者や入所者・通所者が参加した。
 午後1時30分ごろ同所1階からの出火を想定、施設職員らは入所者を安全に誘導する避難訓練や消火器を使った消化訓練などを実施した。職員はお互いの役割を確認しながら真剣な眼差しで取り組んでいた。また、消防隊によるはしご車での救助訓練のほか、施設への放水訓練も行われた。
 訓練終了後、消防音楽隊によるバンド演奏が行われ、春にちなんだ歌や高齢者にもなじみの深い「青い山脈」などの名曲を次々と演奏した。
会場で演奏を聞いていたお年寄りは「久しぶりに生で演奏を聴けて感激しました」「とても素晴らしい演奏ですね」と大きな拍手を送っていた。

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5周年記念公演の出演者を募集 演劇連盟あつぎテアトロ

 演劇連盟あつぎテアトロ(下河原信也代表)は、8月25日、結成5周年記念公演「ダンスコラボレーション・クロニカル」を厚木市文化会館で行うが、この06夏の新企画に出場する出演者を募集している。
 新企画は総合芸術といわれるミュージカルのダンスと歌を中心に、これまでの過去の上演作品から厳選した珠玉の名曲を振付もあらたにリメイクし、ソング&ダンスのショーとして上演するもの。ステージには03年ムーンライトエクスプレス、05年JUMP=写真=で振付を担当したジャズダンスの増満由布子を迎え、感動の名場面がリメイクも新たに生まれ変わる。
 募集対象は小学生(4年生以上)、中学生、高校生、大学生(一般)以上で、年齢・実力に合わせてダンスナンバーを編成する。4月から毎週土・日曜の練習に参加できるのが条件。ダンスの形態はジャズダンスを基本とするもので、経験の有無は関係なく初心者も歓迎。基礎から指導する。
 参加費は1,000円(初回のみ)運営費月額2,000円(5カ月分必要)のほか、衣装代・合宿費がかかる。事前説明会は3月21日・25日・26日の13時から15時まで厚木シティプラザ6階研修室で行う。問い合わせは代表の下河原さんへ。TEL:229・4223番。

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ソフトバレーに8カ国21チームが参加

 2月26日、第14回国際スポーツ交流会が、厚木市東町スポーツセンターで開かれ、ブラジルや中国、ペルーなど外国籍市民のチームと日本人のチーム合わせて8カ国21チーム130人が参加した。
 スポーツを通じて、言葉や文化の壁を越え、市民に国際化への理解を深めてもらおうと厚木市が毎年開いているもので、厚木ホームステイの会、厚木北・南、依知北・南、睦合北地区の体育振興会、厚木YMCA、厚木日本語クラスの会、湘北短大から約70人のボランティアが協力した。
 会場では和気あいあいとした雰囲気の中にも、熱のこもった試合が繰り広げられ、参加者たちはソフトバレーボールを通じて相互の交流を楽しんでいた=写真。
 試合後は交流パーティーが行われ、それぞれのお国事情を語り合うなどして交流を深めた。また楽器の演奏やダンスも披露され、会場はすっかり打ち解けた雰囲気になった。コロンビア国籍の男性は「毎年参加しているが、いろいろな人と交流できて楽しい」と笑顔で話していた。

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総務省の消防団地域活動表彰を受賞   

 2月24日、厚木市消防団(森久保純生団長)が、総務省消防庁長官より「消防団地域活動表彰」を受け、このほど山口市長に受賞の報告を行った=写真。地域防災力の向上や消防団活動に深い理解や協力を示している事業所や他の模範となる活動を行っている消防団、団員の確保に特に力を入れている消防団、自治体、事業所などを表彰して全国に紹介し、消防団活動の推進・活性化に役立てようというもので、全国から推薦された34消防団、15事業所、1自治体が表彰された。
 厚木市消防団は平成17年4月1日に条例定数を改正して、7月1日には市内初めての女性消防団員を登用するなど、市内消防活動の推進に積極的に寄与している功績が認められた。
 森久保団長は「全国3500余りの消防団の中から選ばれたことを誇りに思う。皆さんの助言をいただき実演した女性消防団員の任用や昨年11月の消防フェスティバルで市民と消防団の連携ができたことが評価されたことを嬉しく思う。これを契機により一層安全で安心して暮らせる災害の少ない地域を目指したい」と話していた。

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シリーズ4「寺院」を刊行   厚木市文化財協会

 厚木市文化財協会が発行する厚木の歴史探訪シリーズ4『寺院』=写真=がこのほど刊行された。市内にある寺院70寺のうち、67寺を解説紹介したもので、写真のほか地図や交通案内なども掲載した。
 厚木市域における寺院の歴史は古くは古代にまでさかのぼる。市内七沢の鐘ヶ嶽・小野若宮遺跡・恩名片岸遺跡・飯山弘徳寺境内・上依知城山遺跡などでは布目痕を持つ古代瓦が出土し、屋根に瓦を用いた寺院の存在を推測させる。
 鎌倉時代に入ると『吾妻鏡』に登場する飯山金剛寺をはじめ、寺院名が具体的に明らかとなり、開山・開基から判断すると創建を鎌倉時代とする寺院が各地に存在する。江戸時代になると、本末制度や檀家制度が成立し、今日の戸籍にあたる「人別帳」には寺院の証明が義務づけられるなど、寺院は人々の生活と深く結びついていった。市域では曹洞宗三田の清源院が最も多い末寺を擁している。
 幕府は寺院支配制度を確立する一方、将軍の朱印状によって寺院の年貢・課役の徴税権を認めた。厚木市内では浄土真宗飯山弘徳寺の29石3斗が最大で、35ヶ寺が朱印状を受けている。
 近世期以前に遡る歴史をもつ現存の市域寺院を宗派別に見ると、真言宗6寺、時宗2寺、浄土宗9寺、浄土真宗6寺、曹洞宗24寺、天台宗2寺、日蓮宗10寺、臨済宗9寺である。
 同協会ではこれまでに道祖神、文学碑、古墳を刊行している。『寺院』は800冊を印刷、1部500円。

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県内最大のアウトレット家具店21日オープン

 インテリア計画(本社・千葉県柏市)は、家具の在庫処分専門のアウトレットショップ「MEGAMAX」を3月21日、厚木市内にオープンさせる。国内外の家具約8万点を取り扱うほか、雑貨・アパレル系などの関連商品も販売する。  同市戸室のショッピングセンター「厚木トレリス『at』」1階に出店=写真=するもので、売り場面積は神奈川県内最大の6千690平方メートル。飛騨高山をはじめ、北海道や静岡など日本を代表する産地のほか、イタリア、デンマーク、タイ、中国など海外工場からも直輸入、低価格で販売する。
 展示品そのものを販売する現品販売方式のため、購入と同時に持ち帰ることができるのが特徴だ。配送も請け負うが、マイカーに積載できない大型の家具購入者には、搬送用の貸し出しトラック(2時間無料)も用意している。また、子ども連れや家族連れの買い物客のために、キッズプレイコーナーやフリードリンクカフェも併設した。年間20万人の集客で10億円の売り上げを見込んでいる。

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