記念講演を行う小森陽一東大教養学部教授 |
経過報告と今後の課題について説明する小池事務局長 |
日本と世界の平和な未来のために、憲法九条を守ろう-04年6月10日、作家の大江健三郎さんら9人が発表した「九条の会」アピールに呼応して、全国で4,000を越える「地域九条の会」が発足しているが、4月9日厚木市文化会館で「あつぎ・九条の会」発足記念講演と音楽の夕べが開かれ、厚木でも憲法九条を守る動きがスタートした。
同会は05年5月、市民有志による相談会を発足させ、「あつぎ・九条の会」の結成を目指して事務局をつくり、呼びかけ人、賛同者を募る運動を始めた。昨年8月から今年の3月までに計8回の準備会を開き、講演や経験談を聞く会などを通して準備を重ねてきた。3月31日現在、呼びかけ人は132人、弁護士や大学教授、市議、会社員、主婦などのほか、元市長の石井忠重さんらも名前を連ねている。
「講演と音楽の夕べ」には300人の市民が参加、シンガーソングライターで視覚障害者の斉藤あきらさんが、満州からの引き揚げ、集団就職など自身の体験を披露しながら平和の尊さについて語り、ギターを演奏した。
この後、事務局から会発足までの経過報告、申し合わせの説明が行われ、(1)運動の指針は「九条の会」のアピール、(2)思想・信条を問わず、アピールに賛同する人々を広く結集する。とりわけ若者や家庭女性に呼びかける、(3)日本国憲法を未来を切り開く憲法と理解し、その理念を広めていく、(4)厚木市民への地域分野での「九条の会」の結成と相互協力を呼びかける-など、憲法九条を守る国会請願に一人でも多くの市民の署名を集めることを確認した。
このあと、「九条の会」事務局長で東京大学教養学部教授の小森陽一さんが「憲法を守る運動の到達点と今後の課題」と題して記念講演を行った。小森さんは、現行憲法と自民党の新憲法草案の違いを比較しながら、自民党案のねらいと本質、特に9条2項の改悪はアメリカの押しつけで、集団的自衛権の行使と9条1項の関係、国連憲章第51条に基づく「自衛」権と9条の関係などについて解説、憲法を守る運動がなぜ重要か、9条には21世紀の世界で果たす重要な役割があると訴えた。
同会では運動の輪をさらに広げるため、5月13日「呼びかけ人会議を」を開き、今後の会の具体的な運営や活動方針などを話し合うことにしている。現在、厚木市には「あつぎ・九条の会」のほか、「九条依知の会」「厚木市民九条の会」が結成されており、5月には愛甲地区でも九条の会が発足する。「あつぎ・九条の会」への問い合わせは太田安紀さんへ。tel:221・0790番。 |
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