第683号(2006.05.15)

モンゴルの子どもたちに絵本1万冊を送ろう  里子の支援者も求む・NOP法人アジアの会

 モンゴルの子どもたちに絵本を送る運動や、子どもたちが安心して学校に行ける里親制度「スーホの白い馬」に取り組んでいるNPO法人「国際交流は子どもの時から・アジアの会」(高岡良助代表)では、今年、第2回目の「絵本1万冊を送る運動」に取り組む。
 同会では00年7月、茨城県守谷市立松前第小学校で、総合学習の時間を利用した「モンゴルの子どもたちに絵本1万冊を送る運動」を成功させている。 同校で25名の実行委員会を発足させ、テレビや新聞を通じて全国に呼びかけたところ、2万6千冊が集まった。送られた絵本は、モンゴルで日本語を勉強している大学生にアルバイトで翻訳してもらい、アジアの会が直営する子ども移動図書館で貸し出すほか、地方の学校にも数百冊単位で貸し出している。これまで翻訳にたずさわった大学生は400人を超え、6万人の子どもたちが、この支援事業の恩恵を受けた。

 同会では今年、2回目の教育支援事業を成功させるため、「共働作業」の出来る小学校を募集している。5年生を中心に実行委員会を組織して全国に呼びかけるもので、窓口、会計、依頼、マスコミへの対応などすべての業務を子どもたちが取り仕切る。PTAや教職員はあくまでも児童をサポートするのが役目だ。 
 会では共働作業のできる学校が見つかり次第、絵本の協力を全国に呼びかける。集めた1万冊の絵本は段ボール箱300個に詰め替え、来年2月、コンテナでモンゴルに送る予定。
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 アジアの会では3年前から、モンゴルの母子家庭と極貧家庭の子どもたちが安心して学校に行ける里親制度「スーホの白い馬」にも取り組んでいる。
 このプログラムは、日本人が毎月2,000円を送金して里子が学校に入学する7歳から卒業する18歳までの期間援助するというもの。里子と里親は自由に文通できるほか、里親が里子を訪問することも出来る。手紙は現地の事務所が、日本語の分かる大学生などを雇用して翻訳に当たる。毎月送金される2,000円の1割が会のプログラム運営費に自動的に組み込まれる仕組みだ。里親はこのほか年間1,000円の通信費を負担する。里親は1人でもグループでもよく、支援期間は数ヶ月から自由に選択できる。4月現在、里子は86名に達した。
 今年の3月31日から4月6日まで、高岡代表がウランバートルを訪問して10人の里子の家族を視察して歩いた。高岡代表によると、「ウランバートルの人口は約110万人だが、そのうちの60万人が貧しいゲル地域で生活している。マンホールに寝ている子や穴の中の段ボール箱に寝ている子もおり、一日も早く子どもたちが学校に行けるよう支援したい」と話している。
 同会では里子を本年度100名を目標に支援者を増やしていきたいとしている。連絡はTEL:242・0093番。090・6107・7124番(高岡)へ。

江戸時代の文化や風俗再現 まちおこしの基盤づくりへ 第2回小江戸あつぎまつり開催

 江戸時代に「小江戸」と呼ばれた厚木の文化や風俗を再現して、まちの活性化につなげようと、5月21日、同市寿町の弁財天周辺市道と中央通り名店街で、「第2回小江戸あつぎまつり」(厚木市、厚木青年会議所、中央通り名店街など6団体の主催)が開かれる。
 会場には江戸風屋台村10店舗が立ち並び、がまの油売りや南京玉すだれ、風鈴演奏、猿まわしなどの大道芸がお目見えするほか、長福寺を会場に江戸時代の学び舎「寺子屋」の再現、伝統芸能相模人形芝居や街頭寸劇、150個の灯ろうに子どもたちが家族の絵を描いた子ども夢灯ろう、また、竹とんぼ、竹鉄砲、風車体験など子ども向けのイベントも用意される。このほか、江戸時代の庶民の乗り物であった駕籠かきも登場、人力車とともに見物客を乗せて走る。
 10時30分からは総勢500人による子どもみこし10数基のパレードのほか、16時30分、19時の2回に分けて行われる市民参加型の小江戸風仮装行列「たまてばこ」は、和のイルミネーションの中で、甲冑隊、鉄砲隊、白龍、芸者衆なども参加して幻想的な時代絵巻が繰り広げられる。特別出演の歌手橋幸夫さん=写真中=も特設舞台で歌うほか夜のパレードに参加する。また、江戸時代の循環型社会を復活すべく「ごみゼロのまつり」を提唱、廃棄物の抑制や再利用などにも取り組む。昨年同様2万人の見物客を見込んでおり、寿町界隈で終日江戸時代へのタイムスリップが楽しめる。
 小江戸あつぎまつりは04年、厚木青年会議所が創立35周年を機に、新たなまちづくりビジョンとして「小江戸あつぎ構想」を提言して実現したもので、第1回の昨年は「小江戸といわれた風流で賑やかな厚木の文化、経済、歴史の再現」をテーマに、歴史と現代が融合する新たなまち起こし運動(人のつながりや温もり=人情の再発見)の序章となった。今回は構想をより多くの市民の輪へと広げていくことがテーマで、井上武厚木青年会議所理事長は「小江戸をキーワードとして、さまざまな形で厚木のまちを市民の皆さんとともに盛り上げていきたい」と話している。 

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職員が歩いて道路パトロール 総勢111名が損傷箇所など点検

 厚木市職員が徒歩で道路を点検し、細部にわたって損傷箇所などを発見する道路パトロールが5月8日から始まった。19日までの10日間、道路部全職員111人が市内全域の市道6031路線を一斉点検する。
 パトロールは昨年11月に初めて実施し、今回が2回目。市道路部8課で市内全域を分担し、1日当たり40人から50人の職員が数人1組となり、舗装や道路面の状況、カーブミラー、ガードレール、街路灯の設置状況など10項目にわたって点検を行っている。市では「徒歩で歩く点検を通して生活者・利用者の視点に立った道づくりの発想が期待できる」と話している。
 初日のパトロールで市街地を点検した職員は、街路灯などがなく夜間危険と思われる道路の段差、側溝の損傷、一抱えもある大きな自然石などを発見、写真に収めるとともに、位置図や内容を報告書に記入した。
 職員の一人は「路面の状況など下方を見るだけでなく、道路に突き出ている民有地の樹木や看板など、上空の点検も必要」と話して いた。市では報告書にもとづき緊急性の高いものから順次改修を行うことにしている。

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森の里鯉のぼり祭り 大小180匹の鯉が群泳

 5月3日、厚木市森の里の若宮公園で、「森の里鯉のぼりまつり」が開かれた。子どもたちの健やかな成長を願い住民同士のコミュニケーションを図ろうと平成元年から行われているもので、今年で18回目。自治会を中心に森の里鯉のぼりまつり実行委員会が主催した。
 公園の屋上に貼ったワイヤロープには、市民から寄付された色とりどりの大小約180匹の鯉のぼりが取り付けられ、訪れた家族連れは「きれいだね」「本当に空を泳いでいるみたい」と、大空を悠然と泳ぐ鯉のぼりに見入っていた=写真。
 まつりでは地元の小・中学生の吹奏楽部の演奏のほか、ハーモニカの演奏、和太鼓演奏などが披露されたほか、訪れた人たちは模擬店の買い物を楽しんだり、輪投げやストラックアウトなどのゲームを楽しんでいた。

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トップアスリートらが指導 小鮎中学校でスポーツ体験学習

 トップアスリートらの指導で、中学生が野球やサッカーなどさまざまなスポーツに触れる体験学習が4月25日、厚木市飯山の市立小鮎中学校(山口隆生校長)で行われた。
 同校が進める総合的な学習の時間を使って「スポーツバイキング」と題して行った授業で、2年生145人、3年生150人の計295人が体験した。
 講師の派遣には特定非営利活動法人伊丹アスリートクラブ湘南支部が協力、国内大会やオリンピックで活躍した選手やサッカーJリーグの選手、スポーツトレーナーなど8人が、バレーボール、バスケットボール、野球、サッカーにトレーナーを加えた5種目を指導した=写真。生徒らは1種目につき1時間10分の指導に、バイキング方式で
2種目を選択、サッカーや野球では女子生徒が男子生徒に混じり「一流の指導」に目を輝かせながら、初めて体験するスポーツを楽しんでいた。
 同校の井上徳道教頭は「講師の皆さんのスポーツにかけるひたむきな気持ちを肌で感じた。生徒たちは今後の学習面に生かしてほしい」と話していた。

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野草園入口の菜の花が満開 荻野運動公園

 厚木市中荻野の荻野運動公園の菜の花が満開になった=写真。菜の花は季節の訪れを告げる色とりどりの花を来園者に楽しんでもらおうと、公園内の野草園入口にある8,700平方メートルの花畑で丹精込めて育てられたもので、昨年10月下旬に種をまき、陽気が暖かくなった4月に入って一斉に咲き出した。ゴールデンウィークはこの菜の花を見る家族連れやカップルが来園し、黄色いじゅうたんのあでやかさを堪能した。
 同公園事務所によると、今年は例年に比べて2週間ほど開花時期が遅かったそうで、背丈は30〜40センチとやや小ぶり。5月中旬まで、満開に咲き誇る花を楽しむことができるという。
 野草園には200種類8万株の野草が植生されており、春はキバナやホウチャクソウ、クマガイソウなど、穏やかな陽気のもとで森林浴をしながら楽しむことができる。交通は本厚木駅北口から荻野運動公園経由宮の里行きバスで「荻野運動公園」下車(休日のみ運行)、宮の里行き「宮の里東」下車歩5分。

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科学と身近に触れ合おう 子ども科学館

 5月5日、厚木市中町の子ども科学館で、子どもの日恒例の「子ども科学館まつり」が開かれ、会場には1,000人を超える親子連れや子どもたちが来館した=写真。
 イベントは「プラネタリウム上映」「ミニ工作教室」「サイエンスショー」などで、直径12メートルのドームに映しだされる45分間のプラネタリウム上映は、子どもたちの一番の人気。5回の上映とも予約待ちが殺到した。
 ミニ工作教室の「骨人間」づくりでは、ストローや釣り糸などの身近な材料で、ヒョコヒョコ面白い動きをする仕掛けの人形作りなど、興味深いおもちゃ作りが行われた。参加した親子や子どもたちは思い思いに自分だけのおもちゃ作りに取り組み、完成品を手に笑顔を浮か 
べていた。また、サイエンスショーでは身近な物を使ったマジックが披露され、科学に対する関心が深まるように演出した手品が行われ、子どもたちの注目を集めていた。

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揚州市から教育視察団来厚

 厚木市の友好都市中国・揚州市から教育代表団が来厚し、4月26日、山口巖雄市長を表敬訪問した。メンバーは孫永如(そんえいじょ)揚州市人民政府副市長をはじめ、揚州環境資源学院の蒋壽建(しょうじゅうけん)院長、揚州教育学院の徐惟清(じょいせい)院長など行政、教育関係者8人。今回は教育施設や大学関係者との意見交換を目的に来日した。
 山口市長は「市内には世界最先端の大学や企業の研究開発拠点が集中、学園研究都市を標榜しています。ご覧いただき揚州市発展の一助にしてください」と歓迎、孫団長は「揚州のこれからの発展には専門教育、職業教育が不可欠です。厚木市には優れた大学や企業の研究所があり、技術者教育や育成の分野で交流を深めたい」と話していた。

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毎週水曜日17時から「夕焼け市」開催

 厚木市の「夕焼け市」が今年も4月26日から荻野運動公園で始まった。夕焼け市は、市内の生産者が消費者に直接、新鮮で安全な生産物や食料品を少しでも安く提供しようと始めたもので、今年で7年目。この日は1500人が来場、開店1時間足らずで売り切れの店が続出するなど大盛況だった=写真。
 オープニングのこの日は26店舗が出店。1店3メートルに区画された店先には、新鮮な野菜や豆腐、漬け物、ハムなど生産者自慢の品が所狭しと並べられた。また、500人限定の赤飯やまんじゅう、せんべいなどの無料配布も行われ、「2時間前から待っている」という男性を先頭に、配布を待つ列は150メートルにも及んだ。
 夕焼け市が始まった時からのメンバーで豆腐店を営む三橋光男さんは「今年も夕焼け市の季節がきたかと気合いが入る。いつも店に来てくれるお客さんとは違った人たちとの交流が楽しみ」と話していた。11月8日までの半年間、同運動公園で毎週水曜日の17時から18時30分まで計29回開かれる。

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あやめ祭り写真コンクール作品展

 6月11日に行われる「第14回あやめまつり」を前に、同市飯山のアツギミュージアムで、「第13回あつぎ飯山あやめ祭り写真コンクール」の入選作品展が開かれている=写真。
 昨年、芸者衆をモデルにした写真撮影会には、関東一円から50名が参加、80作品の応募があった。祭り終了後に審査が行われ、応募作品の中から11名が入賞・入選した。入賞作品は8月から小鮎公民館ロビー特設会場と、11月17日から中町のあつぎロードギャラリーで約1ヵ月間展示された。今回は3回目の展示で、あやめ祭りの会場に近い同ミュージアムに写真を展示して、祭りの雰囲気を味わってもらおうと企画した。
 実行委員会会長大賞を受賞した露木護史さんの「あやめ姉妹」や厚木女性フォトクラブ賞に輝いた永井正治さんの「華と花」、日本報道写真連盟賞を受賞した青木静子さんの「リラックスタイム」など13点が展示されている。30日まで。

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6月11日住宅デー開催 先着30名に住宅の無料軽修理

 厚木建築職組合(佐藤桂次組合長)では6月11日10時からJAあつぎ南毛利支所で、「第12回住宅デー」を開催する。
 建築職人が技能集団としての社会的役割を発揮しながら、地域社会に貢献しようというもので、11年前から取り組んでいる奉仕活動。当日は市民から申し込みのあった住宅の軽修理をボランティアで行うほか、新築・増改築・リフォームなどの無料相談、包丁研ぎ=写真は昨年、竹とんぼ作りなどを無料で行う。
 住宅の軽修理は材料を必要としない軽微な修理(床のきしみ、雨漏りのコーキング、外部はめ板の落ち、建具の調節など)で、材料・部品代は有料になるが、手間賃は無料。2日以上かかる場合は1日目の手間賃のみ無料となる。対象はマンションを除く厚木市内の一戸建て住宅で、先着30名。問い合わせ申し込みは同組合へ。1224・7538番。

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文芸あつぎ第28号 小説・随筆など8人が投稿

 文芸あつぎの第28号が刊行された。今号は8人の同人が、小説、随筆などを投稿した。小島勝さんの長編小説「さすらい」は今回で完結。脱獄逃亡犯として生きる元陸上自衛隊の医務官が、妻を陵辱した暴力団の背後に大きな売春組織があることを知り、爆薬を携えて暴力団と決闘し壊滅に追い込む生き様を描いた。草柳十壱さんの「あんずの蕾がふくらむころ」は連載3回目。山口秀弘さんの「花と桜」は連載2回目、朝倉芳朗さんの「青春放浪記」は、戦前と終戦直後を学徒として過ごした名寄編。小野幸子さんの「私の戦後」、鈴木封山さんの「島雅彦君と永住町時代」は今号から連鎖がスタートした。岩井純さんは「広島」、原勉さんは「平家物語-その無常観と運命」を執筆した。1部600円。厚木一番街の内田屋書房で発売中。

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