厚木市の棚沢地区「ごみ中間処理施設建設」白紙撤回を求める会(和田吉二会長・関原康夫委員長)が5月30日、山口巖雄市長に候補地選定の経過について公開質問状を提出したが、市は6月9日付で回答を示した。質問の主な内容と回答は次の通り。
質問 検討委員会に諮問した8カ所はどのように選定し、諮問する前に当該地の自治会に連絡したか?
回答 厚木市全体の地図上から複数の候補地を抽出した。条件として1組合を構成する3市長村の位置関係から考慮して中心市街地から北部よりであること。2施設を建設する上で、広域化基本計画で定めている概ね3ヘクタール以上のまとまった用地が確保できること。3収集車が通行する上で、幹線道路など交通のアクセスが良いことなどを基本としたもので、その結果8カ所になった。選定はあくまでも行政内部での検討であり、自治会には連絡していない。
質問 検討委員会会議の中で、「中間処理施設は迷惑施設である」ことを共通認識し、同じような施設が集中するのを避けるため候補地から外すとの認識がありながら、愛川町の迷惑施設(し尿処理場・葬祭場)が棚沢の直近に隣接して集中して存在していることを承知の上で、候補地から外さなかったのはなぜか?
回答 会義録の中には「迷惑施設」という表現もあるが、先の3条件を基本に地図上から8カ所の候補地を抽出した。その後、検討委員会で収集運搬におけるアクセス、周辺環境、法的手続き、経済性など総合的な判断から4カ所を選定した。その後、政策会議へ付議し、棚沢地区を適地として選定した。
質問 検討委員会は平成17年3月「中間処理施設建設候補地に係わる報告書」を作成し、その中で4カ所に絞って報告書を作成したが、その時点で該当する自治会等に報告しなかったのはなぜか?
回答 検討委員会としては8カ所抽出した候補地の法的規制や将来の行政計画などを考慮して、結果として4カ所の候補地を選定した報告書を作成した。これはあくまでも行政内部での法的規制などを検討したもので、4カ所に係わる各地域への説明は行っていない。
質問 新聞発表前に当該地周辺住民の意見を聞くべきだったとは思わないか?
回答 公平、公正の立場から、広く市民の方々に市の考えをいち早く知っていただくため、議会の会派代表者会議で説明申し上げ、ご協議いただいた後、地元自治会の棚沢地区及び鳶尾地区の自治会長にご説明申し上げた後、臨時の記者会見を行った。当該地周辺の意見については、市の考えを公表した後、誠意をもってご説明申し上げ、ご理解をいただく所存でした。
質問 厚木愛甲環境施設組合とともに現計画の作業を中断して、候補地選定を白紙に戻す考えはないか?
回答 組合を平成16年4月に設置し、それぞれの構成市町村において役割分担しながら対応しているので、計画の中断は考えていない。候補地の選定について白紙に戻す考えはない。
.「地元無視で事は進めない」山口市長が議会で答弁
6月9日に開かれた厚木市議会で一般質問に立った太田洋議員は「陳情が出て1年が経つが結果が出ていない。スケジュール的にも無理だ。白紙に戻して候補地の選定を再検討する気はないか」と市側の考えを質したが、答弁に立った山口市長は「陳情が継続審査になっていることから、議会の判断を拝聴し組合と連携しながら対応していきたい。スケジュール的には厳しいものがあるが、地元無視で事を進める気はない。施設は市民にとってなくてはならないもので、斎場問題でも条件付きで地元のご理解をいただいた。棚沢の皆さんにも不安を払拭していただきご理解を得るよう最大限の努力をしていきたい」と答えた。
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