第686号(2006.07.01)

後藤(民主)・亀井(自民)両氏が出馬表明  衆院16区補選

後藤裕一氏(民主新)

 

亀井善太郎氏(自民新)
 自民党の亀井善之元農相の死去にともなう衆院神奈川16区補選(10月22日投開票)で、民主党は5月23日、早々と元経済産業省キャリア官僚でコンサルティング会社に勤める後藤祐一氏(37)を公認候補とすることを決めたが、自民党神奈川県連も6月20日、県連総務会で元農相の秘書で長男の善太郎氏(35)を擁立することに決め、その後党本部が正式に公認候補 に決定した。
 後藤氏は横浜市生まれ。県立厚木高校、東大法学部卒業後、旧通産省入り。スタンフォード大学客員研究員、流通政策課課長補佐などを経て、平成17年同省を退職した。現在、コンサルティング会社に勤務している。経済産業省時代は「構造改革特区」「まちづくり3法(中心市街地活性化法など)」見直しの企画立案に携わった。インターネット上のブログ(日記)で「実現男」を名乗り、「ごみを千個拾う」「公園のトイレを掃除する」など身の回りの小さなことを毎週実現し、動画で紹介している。
 後藤氏は「国民の代わりに義を述べる士(さむらい)=真の代議士を目指し、日本人の誇りを取り戻し、心の格差ゼロ社会の実現に取り組みたい」と抱負を語った。
 亀井氏は伊勢原市生まれ。慶応義塾高校、慶応大学経済学部卒業後、日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)入社。同銀行調査役を経て平成14年退社した。その後、ボストン・コンサルティング・グループ入社、経営コンサルタントとして事業会社における戦略の立案と実行を支援。あわせて神戸大学経済学部非常勤講師をつとめる。平成17年同社を退社し、昨年の衆院選以降、亀井善之氏の秘書となる。
 亀井氏は「公職における世襲は好ましくないとは思うが、小さいころから父の姿を見て育ったので、父のような政治家になりたいと思っていた。小泉構造改革には影の部分が否定しがたい事実としてある。拝金主義は是正していかなければならないし、額に汗して働く人が報われる社会、生活者政治に目を向けていきたい。16区における厚木市の課題としては交通渋滞の解消に取り組み、産業競争力を高めていきたい」と出馬の抱負を語った。
 補選には社民党県連や共産党県委員会も、候補者擁立を進めているが、選挙結果は特に厚木の市長選や県議選にも大きな影響を及ぼすものと見られている。

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レベル2など減少 市立病院が医療事故の件数を公表

 厚木市立病院(岡部武史院長)は、6月27日、平成17年度に発生したインシデント・アクシデントの報告件数を公表した。
 医療事故につながる可能性のある潜在的なリスクを把握し、医療事故の発生を未然に防止するため毎年公表しているもので、インシデント・アクシデント合わせた昨年度の報告総件数は1011件。平成16年度に比べ369件減少した。
 医療事故は患者への影響の大きさに応じてレベル0からレベル5までの6段階に分けられ、0から1はインシデント(ヒヤリ・ハット)、レベル2以上はアクシデント(医療事故)として扱っている。
 報告によると、アクシデントでは、高度の後遺症が生じるレベル4や死因となるレベル5はなかったが、患者に何らかの変化が生じ、治療・処置の必要性が生じたレベル3が15件(16年度19件)、レベル2が31件(同203)。またインシデントはレベル1が819件(同1045件)、レベル0が146件(同113件)あった。レベル3の事例としては、造影剤によるアレルギーの発生、室内のトイレに移動した際の転倒、気管カニューレを患者自身が抜いたなどで、再発防止策も合わせて示している。市立病院では、昨年6月稼働したパソコンネットワークによる医療業務システムが、ミスの提言につながったと分析している。

減災効果に期待 早期地震警報システム導入 湘北短期大学

 厚木市温水の湘北短期大学(米澤健一郎学長)では、気象庁が発信する「緊急地震速報」の受信システムを導入して、地震による大きな揺れが起こる直前に、キャンパス内の学生に危険を知らせる「インターネット利用・緊急地震速報を用いた学内地震減災システムの実証実験」を6月20日からスタートさせた。
 地震が発生すると、P波(初期微動)、S波(主要動・大きな揺れ)と呼ばれる2つの波が地中を伝番する。この波の伝番速度はP波の方がS波より早いため、その時間差(数秒〜数10秒)を利用して、身の安全を図るなど何らかの対策を講じることができれば、一時的な待避や防火など被害の軽減が期待できる。マグニチュード8クラスで海溝型といわれる東海地震などに有効だが、直下型地震の場合は震源からの距離が近いため、対応は困難とされている。
 気象庁では地震発生直後に「緊急地震速報」を流すが、同大学ではこの速報を事務室内のパソコンで受信した後、「震度4」以上の場合に、校内放送で警告音を鳴らすとともに、「これから地震が来ます」「あと○秒で震度○の揺れが到達します」「間もなく揺れます」と一斉放送、学生らに避難など危険回避の呼びかけを行うほか、食堂や実験室での火気を素早く消せるようにする。同大学では危険回避行動の訓練を毎月1回程度の頻度で行うほか、10月に例年実施する避難訓練にもこの警報システムを利用するという。実証実験期間は平成19年3月31日までで、大学が研究目的ではなくシステムのオープンな実証実験を行うのは全国でも初めて。

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トリアージで治療優先患者を選別  厚木市立病院で防災訓練

 6月26日、厚木市立病院(岡部武史院長)で、大規模災害に備えた防災訓練が行われた。同病院は県内31病院が指定を受けている災害拠点病院の1つ。この日は大規模災害時、短時間に多くの患者が押し寄せることを想定し、効率的な治療を行うためのトリアージ(負傷者を重傷度に応じて選別する手法)を使った実践的な訓練を行った。
 第1部の訓練では、消防署員や防災設備会社員立ち会いのもと、職員が院内の防火・防災設備や使用方法の確認を行ったほか、職員、患者合わせて287人が避難誘導訓練を体験、職員による簡易ベッドの組立や模擬消化訓練も行われた。 第2部のトリアージ訓練は、40人の医師、看護師から専属スタッフを任命し、3カ月間の準備期間を経て行われた。県西部で発生した震度6強の地震を想定、病院職員50人が模擬患者となって正面玄関に詰めかける中、軽症患者と重症
患者に選別、さらに緊急治療を必要とする重症患者を外来ホールで2次トリアージを実施、優先順位をつけて治療を施す訓練を行った=写真。また、外来棟に待合用として設置してある椅子をベッドに転用できる訓練も行った。
 今年は訓練を見学する病院関係者に向けて、トリアージを行う様子を実況で解説した。岡部院長は「非常時は慣れない状況が想定される。訓練を重ねることで対応できるレベルを上げていきたい」と話していた。

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地域に合った防犯活動を強化  市内23地区を防犯モデル地区に指定

 6月20日、厚木市中町のヤングコミュニティセンターで、「平成18年度防犯モデル地区指定式」が行われ、本年度指定を受けた23地区(61自治会)の地区代表者に対し、市と厚木警察署から指定書と防犯看板が交付された=写真。
 防犯モデル地区は、「自分たちのまちは、自分たちで守る」という自主防犯の気運を高め、地域に合った取り組みで防犯活動を充実・強化してもらうのが狙い。市からセーフティーベストの配布や啓発看板の設置、防犯灯照度アップなどの支援が受けられるほか、市の防犯パトロール隊や厚木警察署により重点的にパトロールが行われる。平成16年度から、犯罪の多発や諸問題を抱える地域が指定され、本年度は、12地区が昨年度から引き続き指定、11地区が新たに指定された。指定期間は平成19年3月31日まで。
 指定式では、西仲地区の山本正美さんが、モデル地区代表として決意表明。「防犯モデル地区として、路地パトロールやセーフティーベスト着用運動など、身近な防犯対策に取り組み、安心して安全に暮らせるまちづくりを目指します」と力強く宣言した。
 指定地区では、今後、地域の安全点検をはじめ、防犯危険箇所マップや地域安全だよりの作成、パトロール活動、啓発看板の設置、防犯監視所の設置、防犯灯照度アップ、防犯教室など、それぞれの地域に合った防犯活動を自主的に実施。地区防犯運動の活性化と「犯罪の発生しにくい環境づくり」を進める。
 市内の刑法犯認知件数は、平成13年まで増加を続けていたが、市、警察、地域住民によるこうした取り組みにより、同年の7163件をピークに年々減少し、平成17年は5165件だった。

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7月16日 津軽三味線の岩間哲也さんが地元でライブ!

 津軽三味線とジャズ、レゲエ、アフロリズムなどのワールドミュージックを融合させることで、新たな音楽シーンを創造している厚木在住の岩間哲也さん=写真=が、7月16日15時より、厚木一番街のライブハウス「キャビン」で「津軽三味線-今昔物語ライブ」を行う。
 岩間さんとそのグループ「ジパング」は、5月25日から6月4日、ルーマニアのシヴウで開かれた「国際舞台芸術フェスティバル」に招待された。フェスティバルは、世界10数カ国から演劇、ダンス、音楽分野の各国代表が集まって技を競う芸術の祭典で、今年で13回目。岩間さんらはオリジナル曲と独自に編曲した民謡、古典の伝統曲を披露して拍手喝采を浴びた。
 今回の公演は帰国後初のライブで、 津軽三味線とピアノ、ギター、民謡とのセッション。チケットは3000円。揩Q21・0785番(キャビンフジ子)。

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第10回防災まちづくり大賞 寿町1丁目周辺防災まちづくり協議会が優良事例に

 地域住民でつくる「厚木市寿町1丁目周辺防災まちづくり協議会」(大津光悠紀会長・18人)の活動が、消防庁主催の「第10回防災まちづくり大賞」の優良事例として紹介された。
 「大賞」は、平成8年度に創設。防災について地方公共団体や自主防災組織などが取り組む優れた活動、工夫、アイディアなどを幅広い視点から紹介するため、毎年事例集を発行している。今回は全国から136事例が寄せられ、選定委員会において優良事例の1つとして「寿町1丁目防災まちづくり提言書」=写真=が選ばれた。
 同協議会は、寿町1丁目周辺の4自治会(元町・東町・大手北・弁天自治会)の住民代表で構成。老朽化した木造家屋が密集する地域で円滑な消化活動に向けた道路整備や耐震性貯水槽の設置、倒壊が危ぶまれるブロック塀の解消などにつ
いて協議・検討を進め、平成16年10月、厚木市に「防災まちづくりの提言書」を提出している。これを受けて厚木市は昨年度、提言内容の1つである老朽化した危険なブロック塀を生垣などに変更する費用を補助する「生垣設置等奨励金交付制度」を制度化した。同協議会では「引き続き提言内容を分析し、実施可能な事業について検討を重ねていきたい」と話している。

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美しいあつぎを次世代に!  全国ごみ不法投棄監視ウイークに清掃活動

 6月12日から展開されていた「全国ごみ不法投棄監視ウイーク」に合わせ、18日、環境保全指導員や市職員などにより中津川・玉川河川敷の不法投棄物の撤去活動が行われた。また、市内全域では、自治会や老人会など市民団体による清掃活動も行われた。
 市では期間中、市民と協力して「美しいあつぎを子どもたちに伝えよう」をキャッチフレーズに活動を展開。市内の環境保全に取り組んでいる環境保全指導員などとともに、昼夜の不法投棄監視パトロールやポスターでの啓発活動などを集中的に行ってきた。
 ウイークの最終日となった同日、撤去活動には、環境保全指導員や市職員など約30人が参加。2班に分かれ、玉川と中津川の川岸に散乱した不法投棄物を撤去した=写真。
 参加者たちは、草の生い茂った場所から、テレビや冷蔵庫などの電化製品、古タイヤ、ソファーなどを次々と引っ張り出し、トラックに積み込んでいた。2時間ほどの作業で、5台の収集車とトラックの荷台はいっぱいになり、収集されたごみは、3・9トンに上った。
 参加した環境保全指導員は、「昔はもっとひどかったが、みんなの努力で良くなってきた。それでも、ごみの多さや、種類には驚きます。一つ捨ててあると、そこに次々と捨てられてしまうので、いつもきれいにしておくことが大切です」と話していた。
 また、この日は、環境美化活動「美しいあつぎキャンペーン」も市内全域で実施され、各地区の自治会や老人会、婦人会などの市民団体が、道路や公園、自宅周辺など身近な場所の清掃を行った。

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地域の力で繁華街を安心安全に  本厚木駅周辺環境浄化対策協議会

 6月15日午後7時から本厚木駅周辺環境浄化対策協議会(山本正美会長)による夜間パトロールが同駅周辺で行われた=写真。
 同協議会は、駅周辺繁華街での違法な風俗営業や客引きなどの迷惑行為、犯罪行為に対し、自らの手で環境の浄化に取り組んでいこうと、駅周辺の自治会や商店会、事業者、ボランティアが集まって、今年4月に設立された。こうした目的で地域独自に立ち上げられた組織は県内初として注目されている。設立以来、毎月第3木曜の夜間にパトロールを行うことにしており、今回は2回目。
 この日は、同協議会メンバーのほか、厚木警察署の三島吉夫署長や警察官、市職員もパトロールに参加した。中町会館に集合した参加者約50人は、2つのクループに分かれ、駅周辺の繁華街をくまなく巡回、放置自転車や落書き、違反看板、ポイ捨てなどが多い場所なども細かく確認しながら歩いた。
 山本会長は、「継続することが最も大切。一人でも多くの人に参加してもらい、地道に続け、犯罪の抑止につなげたい」と話していた。協議会では28日に会議を開いて、これまでのパトロールの結果を基に意見交換なども行った。

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1〜2年生が小麦の刈り取りを体験 玉川小

 6月21日、厚木市七沢の市立玉川小学校(田中伸一校長、児童数239人)で、小麦を刈り取る体験学習が行われ、1〜2年生約80人が、農作業に汗を流した=写真。
 体験学習は、生活科の時間を使って行われ、地域の老人会「七沢老友会(古根村正夫会長)」が、「子どもたちにふれあいと農作業体験を」と10年ほど前から協力している。
70平方メートルほどの畑には、昨年12月にまいた小麦が実り、児童たちは、老友会12人のアドバイスを受けながら、カマを使って刈り取りを行った。刈り取った小麦は掛け干しされ、1週間後には児童たちが脱穀を行った。秋には製粉した小麦粉を使って、うどん作りを行う予定だ。
 刈り取りを終えた児童たちは、「なかなか切れなくて大変だった」「自分が種をまいた小麦が、大きく育ってうれしかった」「この小麦で、早くおいしいうどんを作ってみたい」と話していた。

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定点観測写真集を市に贈呈 厚木青年会議所

 6月14日、社団法人厚木青年会議所(井上武理事長・会員95人)広報委員会の原田忠洋委員長ら7人が山口巖雄厚木市長を訪れ、市内の定点観測写真集を贈呈した=写真。
 定点観測撮影は街の移り変わりを写真撮影して記録に残そうと昭和47年から、市制記念日である2月1日を基準に毎年実施しているもので、今年は市内36か所を定点として観測し、写真集としてまとめた。市街地編15か所、郊外編21か所の写真がそれぞれ1冊のアルバムに収められている。定点は、公共施設や民間の建物の屋上、陸橋や高台の公園など高地から街並みが見渡せる場所。一つ一つの定点から、数方向に向かって写真が撮影され、位置図やアングルの説明もていねいに記録されているため、市にとっても貴重な資料となる。
 

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ソフトなど6種目に1,117人が参加  厚木市民体育祭

 スポーツを通じて明るい社会づくりを目指そうと6月25日、第29回厚木市民体育祭が開かれた。荻野運動公園競技場など市内の5施設7会場で、地区を代表する市民1117人がソフトボールなど6種目の競技に熱戦を繰り広げた=写真。 大会は男女男女ソフトボール、卓球、バドミントン、ゲートボール、ソフトバレー、ターゲットバードゴルフの種目毎に、市内14地区のチームが対抗で競った。大会役員は、各種目の協会などから206人がボランティアで参加、審判や会場整理に当たった。
 荻野運動公園で開かれた開会式では、バドミントン競技に参加する相川地区の小塩恒夫さん(54)が、「スポーツの持つ魅力と感動を呼び起こし、互いの技の向上と交流を深めるために正々堂々と闘う」と力強く宣誓した。この後、選手たちは各競技場へ移動し、白熱したプレーを展開、住民の応援を受けながら、競技に汗を流した。 

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厚木の動物の自然の姿を写真で公開  7月23日まで カメラが捉えた森を歩く動物

 6月19日、厚木市寿町の郷土資料館で収蔵資料展「カメラが捉えた森を歩く動物の姿」が始まった=写真。七沢など市内の森5カ所に赤外線センサー付きの無人カメラを設置し、その地点を横切る動物たちをとらえた写真をパネルにして展示したもの。
 市ではこれまで市内に生息する約7千種の動植物を確認している。カメラは哺乳類や鳥類の種類や数を把握するのが目的で、約2年前から設置されている。センサーを横切り、撮影された動物はシカやサルが約半数を占めているが、資料展ではタヌキやアライグマ、シカ、ウサギ、クマなども含め、およそ10数種類の動物を写真パネルで公開した。会場ではこれらの動物たちの剥製や活動時間帯、生息地域の分布についても分かりやすく説明している。展示は7月23日まで。

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