前列左から救う会の土屋代表と逸郎さんの両親 |
入院中の白石悦郎さん |
特発性拡張型心筋症と診断され、心臓移植をしないと助からない厚木市妻田西在住の大学生・白石逸郎さん(22)を救おうと、同級生らが「逸郎君を救う会」(土屋義行代表)を立ち上げ、7月31日から小田急線本厚木駅や海老名駅など県内各地で募金活動を始めたが、8月29日現在、目標の半分を越える金額に到達した。救う会では、今後も本厚木駅や大和駅、海老名駅での街頭募金活動のほか、チャリティコンサートや夏祭り会場でも支援を呼びかけていく。
白石さんは今年の3月中旬に体調を崩して海老名市にある東日本循環器病院に入院、心臓が次第に拡張し、機能が低下して心不全となる「特発性拡張型心筋症」と診断された。4月下旬に埼玉医科大学病院に緊急搬送され、補助人工心臓を装着する手術を受け一命を取り留めた。しかし、補助人工心臓は長期間の使用目的で作られているものではなく、血栓が出来る恐怖や細菌感染などさまざまな生命の危険にさらされる。この先心臓移植しか助かる道がなく、本人と家族は苦悩の末、海外での移植を決断した。
海外での移植は1年間に10人ほどで、日本で移植を待つ患者は43人いる。幸いにもオレゴン州立大学病院での受け入れが決まり、60日ほどの待機で移植が受けられることがわかった。
海外で移植を受ける場合、保険などは適用されず、補助人工心臓を装着した状態での渡航費、心臓移植手術費、滞在費用など約7000万円が必要だ。このため、同級生や白石さんが住む地元の人々が集まって「救う会」を設立、募金活動を行うことにした。救う会の呼びかけに厚木市や社会福祉協議会、民間企業などが協力して公共機関や店舗に募金箱を設置するなど支援の輪が広がっており、北九州にも支援グループが出来た。8月29日現在、目標額の半分を超える3千874万円が集まった。
白石さんは補助人工心臓装着後、個室から2人部屋に移動、体重も徐々に増えて、現在はリハビリの自転車こぎを行っている。夏バテで一時は食欲不振が続いたが、現在、体調は好調だという。
募金活動は今後も本厚木駅や海老名駅、大和駅で継続して行われるほか、東京吉祥寺や地元でのチャリティーコンサート、北九州市でのライブなどにも支援を呼びかけていく。同会事務局は厚木市妻田西1−8−30ニコニコ製作所内。TEL:295・0007番。
■募金の振込先は、平塚信用金庫妻田支店(普通預金口座0809909)三井住友銀行厚木支店(普通8394672)厚木市農業協同組合本所(普通0000412)いずれも口座名義は「逸郎君を救う会代表土屋義行」、郵便局は郵便振替口座00240−4−114310、口座は逸郎君を救う会。 |
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