第695号(2006.12.01)

小林県議が出馬表明 「多選の是非」市民に問いたい

 来年1月28日に投開票される厚木市長選挙に、自民党県議会議員の小林常良氏(57)が、11月24日、無所属で出馬することを表明した。
 小林県議は、出馬の理由として多選の弊害を上げ、「自民党や他の政党においても首長の多選問題が取り上げられている。長期政権は政治の独裁化を招くと同時に腐敗し癒着の温床となる。市長の個人的なつながりが市役所内外に扶植され、人事が偏向、行政が側近政治化し私物化されやすい」と指摘し、「過去の厚木市政を振り返ると、初代市長以外長期政権が続き、多選の是非を問う機会があまりにも少なかったと言わざるを得ない。よって今回の選挙を通じて多選を市民に問いたい」と述べ、(当選したら)「市長多選禁止条例」の制定をめざすと出馬の抱負を述べた。
 同県議は「厚木市には多くの課題があり、市街地中心部では体感治安の悪化が見られ、女性や子どもたちが、夜間安心して歩くことが出来ない環境になっている。相次ぐ大型店の移転や閉鎖などで商業基盤の空洞化も目立っており、先日は厚木パルコの撤退も発表された。市内各地の慢性的な交通渋滞は、厚木市の発展を妨げる長年の課題となっている」と述べ、「元気な厚木、ふるさと厚木市の再生のため、責任ある改革の決意を胸に、出来る限りの力を発揮したい」と決意を述べた。
 「具体的な政策(マニフェスト)については、今後機会を見て発表したい」と述べ、政策決定の情報公開や市街地の活性化、商店街の振興、中小企業支援、命の大切さを認識してもらう教育改革などを盛り込む考えを示した。
 多選禁止条例の制定については、「国が一括してやるのは自治体の事情もあり無理がある。自分自身を縛るというよりは恒久的なものを前提として考えているが、職業選択の自由もあるので検討の余地はあるだろう。分権の精神にもとづいて考えたい」と述べた。
 同県議は日本大学農獣医学部卒。昭和47年4月厚木市役所入所、平成3年8月厚木市議に当選(3期)、同15年4月、神奈川県議会議員に当選した(1期)。厚木市サッカー協会、市野球協会、市少年野球協会会長などをつとめる。自民党厚木市連合支部副支部長。同市上依知在住。
 同市長選には現職の山口巌雄氏(64)が4選をめざして出馬を表明しており、多選阻止が最大の争点になりそうだ。両氏とも、自民党に推薦申請をしており、厚木支部(支部長=堀江則之県議)は12月6日、役員会を開いて対応を決める。

.

耳を澄ませば聞こえて来る太古の森「屋久島」 日高米光さんが個展

 屋久島を描く洋画家として知られる厚木市愛名に澄む日高米光(ひだかよねみつ)さん(59)=写真=が、12月1日から7日まで、本厚木駅南口のギャラリー悠で第4回目の個展を開く。
 日高さんは屋久島の生まれで、中学を卒業するまで屋久島で育った。20歳のころから油絵を始めたが、本格的に取り組んだのは厚木に来て5〜6年が経過した10年ほど前から。誰にも師事せず、デッサンから構成、絵の具の使い方まですべてを独学で学んだ。5年ほど前から写実の殿堂といわれる大潮会に出品、4年前会友に推挙された。
 本業は自動車の板金塗装業。仕事の合間をぬっての画業生活で、夏休みと冬休みに1週間ほどスケッチ旅行に出かけるが、屋久島は自分が生まれ育ったふるさとでもあるため、人一倍入れ込みが強い。
 「世界遺産に指定されている屋久島は、森のコケが素晴らしく、いつも圧倒される。その雰囲気を出すのが難しい」という日高さん。森は日の当たらない暗いイメージがあるが、日高さんは絵の具の濃淡を巧みに使って朝の森を描くのが得意だ。
 今回の個展も日高さんの持ち味を生かした「苔むす山河朝」「霧の屋久杉」「屋久島の障子岳」など屋久島シリーズをはじめ、「佐多岬」「秋の山河」など30号の風景画5点のほか、屋久島の桜、山ツツジ、室戸岬、屋久島の朝焼け、宮城県の松島、小淵沢など6号から8号クラスの作品20点あまりが出展される。
 日高さんは「耳を澄ませば聞こえてくるような心に響く森、屋久島のゆっくり流れる神秘的な森、万年の苔、古木の砂など、四季折々の島、癒しの島の風情を感じ取っていただければ」と話している。1229・5322番。

.

厚木市農業まつり「収穫祭」

  厚木産の農産物を集めて市内の農業を紹介する「第37回厚木市農業まつり収穫祭」が11月23日、同市水引の農協本所で開かれた。収穫祭ではキャベツやハクサイなどの品評会、野菜や農畜産加工品、花などの即売が行われたほか、600本限定のダイコン無料配布では長蛇の列ができるなど、多くの家族連れが訪れ、収穫の秋を楽しんだ=写真。
 市と農協の主催で、地域農業の発展を図り、農業を通じた心の触れ合いや連帯あるふるさとづくりを進めることが目的。ナシやブドウを紹介する味覚祭、畜産物を紹介する畜産祭とともに、農業まつりの一環として開催されている。
 会場では品評会や即売のほか、厚木産米のつかみ取りやもちつき体験、大道芸人によるパフォーマンスなどが繰り広げられた。妻田在住の小笠原あずみさん(37)は「同じマンションの仲間と一緒に、子どもたちを連れて遊びに来ました。子どもたちは米のつかみ取りで一生懸命に米をかき集めるなど、楽しそうでとても良かった」と満足げに話していた。

.

本物の楽器に親しんで 昭和音大生が小学生に音楽指導

 

 小学生にさまざまな楽器に慣れ親しんでもらおうと、11月14日、21日の2日間、厚木市立依知南小学校(井上正博校長・児童数535人)で、昭和音楽大学の学生による音楽指導が行われた。大学生11人が、木管や金管、弦楽器など11種類を手に同校を訪問、全学年の教室を回ったり、音楽の授業に参加したりして、児童に楽器の説明や演奏を行った。
 音楽指導は小学校の教師をめざす、同大学4年の鈴木愛さんが「音楽鑑賞などで授業を充実させるため、自分たちにできることはないか」と、同小学校へ話を持ちかけて実現した。学内の友人を通じ、さまざまな楽器を学ぶ1年生から4年生の10人が賛同して集まった。

 11人の大学生は各教室を回りながら、フルート、オーボエ、クラリネットで「ちょうちょ」や「ぶんぶんぶん」などを披露したり、実際に児童にトランペットやホルン、トロンボーンを吹く体験をしてもらったりして、楽器に慣れ親しむ授業を展開した=写真。
 4年生の授業では、木管と弦楽器を合わせて8種類を紹介、それぞれの楽器の歴史や特徴を説明しながら、音色を聞き比べてもらったほか、児童がリコーダで練習している「オーラ リー」を合奏し、演奏を楽しんだ。
 初めてトロンボーンを吹いたという3年生の男子は「唇がぶるぶる震えて、音が出るのが分かった」と感激。4年生の女子も「1つひとつの音色もきれいだけれど、楽器を3つ、4つ一緒に演奏すると、もっと美しい音になった」と話していた。

.

第4回郷土芸能まつり開催

 厚木市内の郷土芸能を広く市民に公開し、郷土芸能に触れる機会を提供する第4回厚木郷土芸能まつり「郷土芸能発表会」が11月12日、厚木市文化会館で開かれ、約250人が市の無形民俗文化財に指定されている伝統芸能を楽しんだ。
 この日は、厚木市古式消防保存会のまとい振り込みなどの妙技が披露された後、愛甲ささら踊り盆唄保存会、長谷ささら踊り盆唄保存会が、竹製のささらを鳴らしながら太鼓や盆唄に合わせて踊る盆踊りを披露した。また、法運寺の酒井双盤講=写真=、横浜市認定無形民俗文化財の三佛寺双盤講による双盤念仏が行われたほか、明治43年から受け継がれている元町太鼓保存会、江戸時代の雨乞いの太鼓を受け継ぐ、相模国飯山白龍太鼓保存会が迫力ある太鼓演奏を行った。さらに全国的にも稀少な面芝居を伝承している相模里神楽垣澤社中の演目「国土奉還評状の場」が披露された。
 来場した市民の女性は「市内にこのような伝統芸能が受け継がれているのを初めて知った。大迫力で見応えがあった。また機会があれば見たい」と話していた。

.

高齢者宅の安全度をチェック

 高齢者を火災の危険から守ろうと、11月11日と12日の2日間、厚木市の女性消防団員が一人暮らしの高齢者宅を訪問し、住宅の防火診断を行った、
 昨年の住宅火災による死者数が全国で過去最高を記録し、うち6割が65歳以上の高齢者であったことを受け、市に登録している65歳以上の一人暮らしの世帯を対象に行った。希望世帯を消防職員が個別訪問し、喫煙の有無やストーブ周辺の状況などの聞き取りと暖房や調理器具などの目視調査を実施、改善できる点を指導したほか、後日安全度を判定して結果を送付した。
 11日の診断では女性消防団の竹内町子さん(55)と長澤由美子さん(50)の二人が、同市元町の山田清さん(76)宅=写真=など4世帯を訪問、ガスコンロの周辺に燃えやすいものがあることやたこ足配線に気をつけるよう指導した。山田さんが「最近、火災警報器が誤作動してしまう」と質問すると、警報器を調べ、電池切れを知らせる警報だと分かり、交換を勧めた。

.

地域での防犯活動に理解深める  日本市民安全学会厚木大会開かれる

 市民自らが取り組む防犯活動について考える「日本市民安全学会第3回厚木大会」が、11月11日厚木市文化会館で開かれ、全国から市民や企業、自治体の担当者など約700人が参加、地域の防犯活動や子どもの安全について、講演や討論会などを行った=写真。
 日本市民安全学会(石附弘会長)と厚木市の共同主催で、大会前の分科会では、子どもの安全を守る地域での取り組みについて、12のテーマで事例発表が行われた。大会では俳優の金田賢一さんが「ふれあい」をテーマに基調講演を行い、「防犯対策は物ではなく、あくまでも人が頼り」と、市民による防犯威活動の大切さを訴えた。
 「子どもの安全確保\子どもの目、大人の目」をテーマに行われたパネルディスカッションでは、県女性防犯連絡協議会の清水靖枝会長や日本ガーディアン・エンジェルスの小田啓二理事長ら6人が、地域に必要な意識や活動について意見交換した。
 パネリストたちは「誰かがやるのではなく、一人ひとりがやることが大切」「自分で出来ることは自分で動き、できないことは人に頼む」「あいさつをすることで地域のコミュニティづくりが強化され、犯罪の防止につながる」など、それぞれが経験をもとに話し、一歩踏み込んだ防犯活動を会場の参加者に呼びかけた。
 日本市民安全学会は、住民の目線で市民の安全について研究し、地域での防犯活動に役立ててもらおうと、平成16年に設立。会員は地方自治体や警察、民間団体など全国の防犯活動実践者と大学の研究機関で構成されている。大会は年1回行われるが、今回の厚木市での開催は、同市が全国の自治体に先駆けて市民や警察とともに防犯活動に取り組んできたことや、犯罪件数の減少など、着実に成果を上げていることが評価され、実現した。

.

上荻野小学校で「秋まつり」

 学校での日頃の学習成果を発表し、生徒たちと地域の交流を深めようと、11月18日、厚木市立上荻野小学校(中村隆幸校長・児童数309人)で、「秋まつり」が開かれ、保護者や地域住民も参加して約700人が催しを楽しんだ。
 秋祭りは、児童会を中心に例年行われる学校行事。数年前からPTAも参加し、学校と一体となってイベントを盛り上げている。校内ではクラスごとにお店やゲームなどテーマを決めて、教室内で催しを展開。各教室ではお化け屋敷やクイズなど児童の発想による、ユニークな催しが行われた。
 まつりでは市内各学校との連携にも力を入れており、荻野中学校吹奏楽部の演奏や、同校美術部の作品展も行われた。東京農業大学のよさこいソーラ節の同好会24人による踊りが体育館で披露され、また地域の大人がバルーンアート=写真=や絵手紙、折紙などを子どもたちに教えるコーナーも用意された。祭りの目玉は地元から提供された地場産の野菜を使い、PTAや地域ボランティアたちで作る豚汁で、参加者たちに好評だった。
 4年生の男子児童は「来場者が多く大繁盛で楽しかった。みんなが喜んで参加してくれて嬉しい」、また、来年度から学区の再編成で上荻野小学校に通学することになった荻野小学校4年生の女子児童は「来年ここに通うようになって友達が増えるのが楽しみ。お化け屋敷が恐くて楽しかった」と笑顔で話していた。

.

最先端の科学技術が結集  あつぎ未来オールテクノフェスタ開催

 厚木市内外の企業や大学などの先端技術や優秀な製品を展示する「あつぎ未来 オールテクノフェスタ2006」が、11月17日から19日まで、同市文化会館で開かれた。フェスタは「輝く明日へこの技術! 発見・交流・夢技術」をテーマに、昨年まで開催していた「あつぎテクニカルフェア」、「あつぎ商工観光まつり工業展」、「サイエンスカーニバル」の3つの事業を統合して開催する初のイベントで、屋内外に53団体が出展した。
 屋内では、市内外の企業・大学など、最先端の技術を駆使したロボットや高性能機器などが出展。海外友好都市の韓国・軍浦市からも電子、IT関連など5社が出展した。
 
 ホールなどのイベント会場では、テレビなどにも出演中のサイエンスプロデューサー・米村でんじろう氏によるサイエンスショーや、二足歩行ロボットの格闘競技大会「ROBO ONE(ロボワン)グランプリ」、親子で楽しめる工作教室などが開かれた。
 また、屋外では産学共同で開発された電気自動車「エリーカ」=写真=や、日産自動車が開発した未来カー「エフィス」などが人気を集めた。ほかにも起業家などによる「ビジネスプランコンテスト」のプレゼンテーションなど、先端科学技術に触れることのできるイベントが開催され、家族連れなど多くの来場者でにぎわった。
 同フェスタの築井晃実行委員長は「ビジネスチャンスの拡大・創出に生かしていただくとともに、青少年にものづくりに対する興味・関心を持ってもらい、将来技術者として地域の企業で活躍することを期待しています」と話していた。

.

冬の夜を彩る幻想的な光の演出

 11月15日、厚木市中町の厚木公園(通称はとぽっぽ公園)でイルミネーションの点灯が始まった。市と商工会議所などが主催、中心市街地の5商店会で構成される「まち元気アップ委員会」が主体となって実施しているもので、冬の夜に美しい夢の舞台を演出し、中心市街地の集客を図ろうと設置したもの=写真。
 イルミネーションは、同公園の大きなケヤキの木に、1万2500個の青や白の電飾が施され、4分間で6つの点灯パターンが楽しめる。ケヤキの根元には星型をした電球が花壇を埋め尽くし、星のじゅうたんのように輝いた。また同公園には、厚木市商店会連合会の若手商業者で構成する「晨(あした)を創る会」が設置したオブジェも登場。バルセロナのサグラダファミリアをイメージ、4つの円錐を組み合わせ、計4千個の電球を使った光のオブジェが、華やかさを盛り上げている。点灯期間は、1月15日までの17時から23時まで。

.

地域で活動する消防団を理解して! あつぎ消防フェスティバル開催

  厚木市内各地で活動する地域消防団の重要性と、市民の消防や防災に対する意識を高めようと、ぼうさいの丘公園で11月19日、「第2回消防フェスティバル」が開かれた。小雨が降るあいにくの天気にもかかわらず、3500人の来場者でにぎわった。
 会場となった公園内の多目的広場では、消防操法や消火器の取り扱い指導、救急指導などを女性消防団員らによる実演指導が行われたほか、ミニSLやディーゼル車に乗車できるコーナー、サッカーやバスケットボールのシュートゲームコーナーなどが設けられ、子どもたちの人気を集めていた=写真。
 また、センター施設の周辺には消防車、はしご車、救急車などの展示・乗車や、地震の揺れを体験できる起震車などの体験コーナーなど、消防について子どもから大人まで学びながら楽しめる催しがあり、来場した多くの家族連れがフェスティバルを楽しんでいた。

.

高層建物火災を想定した消防救助訓練

 厚木市消防本部は11月16・17日の2日間、厚木アクストメインタワーで高層建物火災を想定した消防救助訓練を川崎市消防局と合同で実施した。
 訓練は26階建て建物の最上階からの出火を想定。延焼拡大により市消防隊が消火活動を行うとともに、屋上に避難した負傷者4人を消防相互応援協定に基づく航空機特別応援要請により、川崎市航空隊ヘリコプターで救出するなどの訓練を繰り広げた=写真。
 航空隊による救助訓練では、ビル上空にヘリコプターを誘導。負傷者を吊り上げてヘリに乗せ、2キロ先のぼうさいの丘公園へ搬送し、救急車に収容する訓練を行なった。消防隊による消火訓練では、非常用エレベーターを使用して、25階の連結送水管からホースを延長し、出火場所の26階で放水をするなどの訓練を行なった
 井上博史厚木消防署長は「実際の高層建物を使った訓練は初めて。エレベーターや電源、送水管など建物の非常用設備をどれだけ活用できるかも含めて訓練した。高層建物の内部での特徴が良く分かる訓練だったのでいざという時に、的確に対応できるよう生かしたい」と話していた。

.

県人会が全国各地のお国自慢披露

 厚木市全国県人会連合会(小野寺信郎会長・会員数800人)が、11月23日、同市文化会館で「06ふるさと芸能発表会」を開き、厚木を第二のふるさととして生活している会員や芸能活動団体200人が、お国自慢の歌や踊りを披露した=写真。
 同市には現在1都1道31県の県人会があり、それぞれ同じ出身地の者同士が、活動を通じてきずなを深めている。ふるさと芸能発表会は年に一度開催、全国の県人会が一堂に会して芸能などを発表し、新旧住民相互のふれあいと親睦を深めるコミニュケーションの場となっている。
 睦合地区の郷土芸能「清流睦太鼓」の威勢のいい演奏で幕を開けた発表会は、福島県人会の「会津節」、長野県人会の「上田ワッショイ」、大分県人会の「別府ばやし」など、その土地の情緒や趣のある華やかな芸能に、会場から盛んな拍手が送られていた。

.

.