率が高ければ小林氏有利、低ければ山口氏有利といわれていた。山口氏は「多選阻止」という呪縛に捕らわれてしまったほか、本音と建前を使い分ける山口支援の保守層に「山口離れ」起きていることに気づかず、公明党の支持母体である創価学会の十分な支援が得られなかったことも敗因につながった。
厚木市長選得票=確定
当 小林常良(57・無新)
44、307票
山口巌雄(64・無現=自・公推薦)
33、427票
情報公開・体感治安対策・市街地の活性化など 小林氏当面の抱負語る
厚木市長選に当選した小林常良氏は1月29日、市役所で行われた当選証書授与式に出席、小林正義選挙管理委員長から「当選証書」を受け取った=写真上。
その後、記者会見にのぞんだ小林氏は、記者団から一夜明けた感想を聞かれ、「(市長としての)責任の重さを痛感している。市民の皆さんと一緒に市政運営に取り組んでいく思いでいっぱい」と述べ、今後、取り組む抱負として「選挙で市民の皆さまにお約束した3本の柱、11本の中柱、83本の小柱の具現化に向け努力したい」と語った。記者団との一問一答は次の通り。
―今後、取り組むべき重要課題は 1つは情報公開で、風通しのいい組織体制と意識改革を進める。2つ目は体感治安対策。昨年県の迷惑行為防止条例が改正され4月から施行される。県議会でその実現に努力したこともあり、市として計画の強化を図っていきたい。3つ目は地盤沈下している中心市街地と飯山・七沢の活性化対策に早急に取り組みたい。選挙の時に言ってきた仮称「にぎわい課」の設置なども念頭におき、関係者にも入っていただくなどスタッフを揃えて対策に取り組む。総合福祉センターの活用についても、活性化の材料になるためその充実策を考えたい。
―1万1千票弱の差について 多選阻止を含め、厚木を変えたい、変えて欲しいという市民の声の現れだと思う。また、草の根の手作り選挙を、有権者の皆さんと一緒にやることができたという結果だと思っている。投票率が2ポイント上がったことについては、年齢や性別などの投票行動がどうなっているのかまだ詳しい分析はしていないが、現状を何とかしてほしいという意識が底上げにつながったと思う。
―多選の弊害について 市民の皆さまは多選の弊害を良く認識されていたと思う。3期12年までが私の考えで、多選禁止条例の制定については、議会の協力も必要なので、時期や中味について検討していきたい。私自身の任期については長くても3期までだ。
―当初予算について 通常予算が組まれており、内容の精査をして継続するものは継続、見直すものは見直す形になると思う。議会開会までには時間がないため、2月議会は骨格予算にならざるを得ないと思う。(2月23日初登庁・3月2日議会開会)
―特別職の人事について 考えたいと思うが、助役の気持ちも聴かせていただき、いずれにしても行政に停滞がないよう考えていきたい。マイナスにするのだけは避けたい。
―保守が分裂した中での議会対策について 共に市政を運営するという点では同じで、心を広くして市民の気持ちを受け止め、(野党の)皆さんにも相談させていただくという関係を構築していきたい。
―産業政策について 企業誘致は大事で、受け皿の確保が必要になってくるため、新規に受け入れるスペースの確保も考えていきたい。調整区域や高規格道路のインターチェンジとの兼ね合いなどを考慮し、交通の便のいいところを考えたい。また、誘致するための優遇策をとっているが、大手はいいが中小企業はなかなか難しい面もあるので、中小企業が進出しやすい方策も考えていかなければならないと思っている。
―広域行政について 市町村合併については道州制の議論の中で、愛川、清川を含めた中で考えて行く必要がある。財政的な面もあって損得の考えになりがちだが、行き着くところはそうした方向だと思う。
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