第701号(2007.03.01)

小林市長 初登庁

初登庁し職員から花束を受け取る小林市長

職員にあいさつする小林市長
 1月28日に行われた厚木市長選で初当選した小林常良氏(57)が、2月23日初登庁した。午前8時半、小林市長が公用車で市役所前に到着すると、選挙違反事件の余波で政治団体の街宣車が繰り出すという事前情報が流れたため、大勢の警察官が警戒に当たるという異常な雰囲気でのスタートとなった。市役所玄関前には支援者や市職員約350人が出迎え花束を渡すと、小林市長は笑顔で手を振り、決意を新たにしていた。
 この後、職員や正副議長へのあいさつを済ませ、記者会見にのぞんだ。同市長は選挙違反事件にふれ、「(逮捕者が出たことは)誠に遺憾で、市民の皆さまに深くお詫びする」と謝罪、「全身全霊を傾けて市政に取り組むことが信頼に応える道」と決意を述べた。
 この日は平成19年度予算案の発表も行われ、市長が交代したこともあり、人件費や扶助費などの義務的経費を中心とした骨格予算となった。総額は1221億819万円(前年度比5・3%減)。一般会計は679億5千700万円(同10・6%減)、特別会計541億5千119万円(同2・3%増)の規模。歳入では企業収益などの回復などにともない、個人および法人市民税の増が見込まれ、市税総額では485億8千953万円となり、前年度比較で24億4千363万円の増収となった(同5・3%増)。
 目的別歳出では土木費が骨格予算であることと、温水恩名連絡道路改良事業費、厚木環状2号線街路整備事業費などが皆減などになったため、前年度より58億2千534万円少ない77億8千378万円(同42・8%減)となったのが特徴。性質別では退職手当の増額などにより人件費が前年度比較で9億2千265万円多い175億3千991万円(同5・6%増)となった。小林市長は、新しい政策については「各部と調整しながら6月定例会に補正予算として提出したい」と述べた。
 また、この日の夕方、選挙で小林市長を応援した小沢金男元県会議長ら8人が、公職選挙法違反(供応買収・受供応)の罪で略式起訴され、全員に罰金(20万円〜50万円)と公民権停止(3年・5年)の略式命令が出されたことから、同市長は「誠に遺憾で市民の皆さまに深くお詫びします」というコメントを出した。選挙違反事件では、小沢金男氏が選対総本部長の立場にあったことから「連座制」の適用が注目されたが、罰金刑の確定で適用されないことになった。

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6年生から5年生に鼓笛隊を引き継ぎ 厚木市立南毛利小学校

 厚木市長谷の市立南毛利小学校(粟野進校長・児童数1025人)で、2月16日、同校で35年以上の伝統を誇る「鼓笛隊」の委譲式が行われた。全校児童や保護者が見守る中、6年生が愛用した指揮杖や楽器、バトンなどが5年生に引き渡された。
 この委譲式は、1年間鼓笛隊を担ってきた6年生にはその責任を全うした喜びを味わってもらい、5年生には4月から最高学年となる自覚を高めてもらおうと毎年この時期に行っている。5年生は昨年12月に、太鼓や鍵盤ハーモニカ、アコーディオン、バトンなど13種類の担当を決め、昼休みを利用してそれぞれのパートごとに6年生から指導を受け、式に臨んだ。
 同小学校では音楽の演奏を通じて児童相互の連帯意識と協調の心をはぐくもうと、35年前から6年生全員で鼓笛隊を編成。総合的な学習の時間や昼休みなどを利用して練習し、運動会や毎月の朝会、集会などの学校行事で演奏するほか、地域の運動会にも参加している。
 市内では昭和50年ごろまで、ほとんどの小学校で鼓笛隊が編成されていたが、教育課程編成の問題などで廃止する学校が相次ぎ、現在、鼓笛隊があるのは市内23小学校のうち同校と森の里小学校の2校のみ。
 式典では、6年生代表の藤倉千聡さんが「運動会などの学校行事で演奏できて、素晴らしい思い出になりました。5年生の皆さんは、練習は大変ですが、頑張ってください」と委譲の思いを伝えた。指揮杖や楽器を受け取った5年生代表の柴田晴香さんは、「6年生が昼休みに一緒に練習してくれたので嬉しかった。6年生に負けない鼓笛隊にしたい」と力強く決意を語った。
 粟野校長は児童たちに「長い伝統にはたくさんの人の努力があったことを忘れないでください。一人ひとりが自分の役割をしっかりと果たし、伝統を守ってほしい」と話していた。 

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言葉や文化の壁を乗り越え友好深める 外国籍市民300人がスピーチと文化交流

 厚木市に住む外国人と市民が交流する「あつぎ国際平和フェスタ2007」が2月10日、厚木市文化会館で開かれた。同市には68カ国5448人の外国籍市民が在住しており、フェスタは国籍や民族などの異なる市民が互いの文化を認め合う多文化共生と、平和な地域社会を実現させようと、厚木市が開催した。
 当日はブラジル、ペルー、韓国、ドイツなどの外国籍市民と関係者約300人が参加、日本語によるスピーチや各国の料理を通じて友好を深め合った。
 スピーチの発表では、ボランティアから日本語を学ぶ6人が「日本に住んで体験したこと」「私の目から見た日本の国民性」「日本と自分の国の違い」などをテーマに熱弁をふるい、たどたどしくも懸命に話す姿に集まった参加者から拍手が寄せられた。
 
 日本とインドについての感想をスピーチしたジョン・ポールさん(27)は「いつも自分が考えていたことを多くの人に伝えることができて嬉しかった」と話していた。
 第2部で行われた交流会では、ベトナムやインド、韓国、中国など各国の料理を食べながら交流を楽しんだほか、外国籍市民による太鼓の演奏や着物ショー、ブラジルのサンバショー=写真=なども行われ、交流会を盛り上げた。ポーランド国籍の男性は「多くの国の人と交流できて楽しかった」と話していた。

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薬物乱用の恐ろしさを知って 厚木ライオンズクラブが中学生に薬物乱用防止教室

 高校入試や卒業を目前に控えた中学3年生に覚せい剤や大麻など薬物の恐ろしさを知ってもらおうと、厚木市立依知中学校(平井広校長・生徒数334人)で2月14日、厚木ライオンズクラブ(又村和夫会長・会員数58人)の会員による薬物乱用防止教室が行われた。
 卒業後の新たな生活の中でも自分を見失うことなく健全に過ごしてほしいと、同校が生徒113人を対象に健康教育の一環として実施。青少年の薬物の乱用防止に積極的に取り組んでいる同クラブの会員14人がビデオ上映や講演などを行った。
 地域でさまざまな奉仕活動を行っている同クラブでは、3年前から市内の中学校に出向いて教室を開催している。会員らは、ビデオの上映や講演、薬物常習者の臓器のパネル展示などを通して、日常生活にしのび寄る覚せい剤の恐ろしさを訴えた。
 上映されたビデオでは、事例を挙げながら薬物の恐ろしさを解説。薬物に安易に手を出した少女が、またたく間に中毒になり、妄想や幻覚などで、自分だけでなく家族などまわりの人も苦しめ、悲惨な人生を送る内容に、生徒たちは真剣な表情でスクリーンに見入っていた。
 講演では、講師を務めた坂本英夫さんが、身近な例を挙げた上で、「中学を卒業すると、これから皆さんは段々と大人として扱われてくる。甘い言葉で勧められたり、誘われたりしても勇気を持ってはっきりと断ってください」と呼び掛けていた=写真。
 講義を聴いた生徒たちは「一度手を出したらやめられない、薬物の恐ろしさを知った」「夜の街など誘惑がある場所には近寄らないよう心掛けたい」などと話していた。又村会長は、「今後は、子どもの最も身近にいる保護者を対象にした教室も行い、啓発していきたい」と話していた。

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高くあがれ「せんみだこ」

  昨年12月に卒業作品として地域に伝わる「せんみだこ」を製作した厚木市立玉川小学校(田中伸一校長・児童数242人)の6年生40人が、2月15日卒業を前に完成したせんみだこの「たこあげ大会」を行った=写真。
 せんみだこは、セミをかたどった横60センチ、縦30センチほどの大きさのたこで、昭和30年ごろまで県央、県西で5月の節句の時期に盛んに上げられた。
 大会には製作を指導してきた「玉川せんみだこ保存会」(前場政行会長)の会員らも参加、児童とともにたこ糸を握り、風向きに合わせて時には強く、時には軽く糸を引きたこを操っていた。
 児童たちは時折吹く風に合わせ「高く上がって」「ダッシュ、ダッシュ」などと大声を出しながら、校庭内を走り自作のたこあげを楽しんでいた。保存会の前場会長は「地域に伝わる歴史あるせんみだこを、子どもたちを通じて後世に残していきたい。子どもたちが元気に羽ばたいて成長していくことを祈っています」と話していた。

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中国揚州市で日本語を教える日本人教師4人が中間報告

 中国揚州市と友好都市を締結している厚木市で、2月18日、「中国の教育に学ぶ」と題して、揚州市の大学で日本語を教える日本人教師4人が、あつぎパートナーセンターで報告会を行った。主催したのは厚木市揚州市人材交流協会(徳間和男会長)で、市内の教師など約40人が参加した。
 報告したのは元小学校教諭の小俣基行さん、成井繁さん、寺尾壽夫さん、元会社員の松田秀俊さん。4人は平成17年4月と18年9月から日本語教師をしており、このほど中国の正月休みを利用して帰国、中国の教育から学んだことについて感想を交えながらそれぞれ約30分報告した。
 中国に行くまで厚木市で小学校の教諭をしながらサッカーを教えていた小俣さんは、中国でサッカーの指導もしており、ワールドカップや五輪での日中教え子対決が夢だという。中国の教育について「全体的に個性が重視されているのがよく分かる。テストの平均点で最下位のクラスの担任は、間違いなく翌年は解雇される。国旗掲揚から始まる小学校の朝礼や学校ごとのラジオ体操のコンテストなど、数千人が1つのことに集中する情景はまさに圧巻。日本人が忘れているものを思い出させてくれる」と複雑な心境になることを話した。また「中国の小学校では音楽は音楽の教師、体育は体育の教師が教えるという専科教師による指導。日本も見習うべきだ」と話した。
 松田さんは、「揚州市は地下鉄もなく、バスとタクシーだけ、中国での生活を楽しみながら教師生活を楽しんでいる。中国の学生はみんな元気がいい。バースデーケーキを顔に塗りまくってお祝いしている、給料のことを考えてか日系企業で働くことを望んでいるのが、授業を通じて伝わってくる」と学生の様子を話していた=写真。
 成井さんは「中国の地図には距離が入っていない。バスで何分ぐらいという表現が日常的にされる。また、中国の学生はみんな記憶力がいいという印象を持っている。残念だったのは、日本語を教えている外国人教師が歯科医院のことをハカイインと読んでいた。日本人教師による日本語教育が大事だと思った」と感想を述べた。また、寺尾さんは「授業で使うプリントやテキストは、すべて教師と学生の負担。クラスの代表が人数分をコピーして、お金を学生から集めている。学生はヒヤリングを中心に授業をしているが、日本語が分かると、生活レベルが上がると思っているようで、反抗的な学生は1人もいない」と話した。

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県に鳥獣被害対策の要望書を提出  大山丹沢山系鳥獣等問題市町村議員連絡協議会

  2月22日、丹沢周辺の相模原市、秦野市、伊勢原市、厚木市、愛川町、清川村の議員で構成する「大山丹沢山系鳥獣等問題市町村議員連絡協議会」(和田美正会長・会員108人)の和田会長ら3人が、県環境農政部と県会議長を訪ね、「鳥獣等被害対策に係る要望書」を提出した=写真。
 要望書は県が主体となって鳥獣被害対策を実施するとともに、新年度に導入される水源環境保全税の一部を鳥獣被害対策にまわす、ニホンザル、ニホンジカの捕獲許可権限を市町村に委譲、農作物の鳥獣被害の補償、ヤマビル駆除対策など10項目。

 

 知事あての要望書は、県環境農政部の小野義博部長に手渡された。小野部長は「鳥獣等の対策費は平成19年度予算案に増額で計上した。要望項目の中には検討できるものもあるので、お互いに協議しながら有効な鳥獣の対策につとめていきたい」と「話した。
 また、中村省司議長は「各市町村の鳥獣などによる被害は、私もよく理解しています。県と市町村がよりよい連携の中で被害対策が進められるようにしたい」と話した。

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厚木市議選6月24日告示 7月1日投・開票
 厚木市選挙管理委員会は2月15日に開かれた定例会において、7月31日に任期満了を迎える市議会議員の選挙日程を決めた。告示は6月24日、投票は7月1日の7時から20時まで市内43か所、開票は同日20時50分から荻野運動公園体育館で行われる。事前説明会は6月2日13時30分から市役所大会議室で、選挙公報は6月27日朝刊折り込み。

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ゴミ収集車の構造学び事故防止に役立てよう

 厚木市消防本部は2月22日、同市金田の環境センターで、機械式ごみ収集車など特殊車両の構造を学び、挟み込みなどの事故から迅速な救出方法を習得しようと、救助隊員や消防隊員が実地研修を行った。
 研修ではプレス式強制排出車と回転式ダンプ排出車各1台を使って、車輌製造会社の専任講師から車輌の基本構造の説明を受け、各部のスイッチ操作や主要部の油圧配管の確認を行った後、運転席のスイッチを操作してごみ収集部を作動させたり、リアゲートからごみをかきいれる操作をしたりして、車輌の構造を学んでいた=写真。
 救急隊員は「注意力を欠いたり操作を誤ったりすると大きな事故につながるということが分かった。研修で普段見ることのできない構造が分かったので、万が一の時に役立てたい」と話していた。

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「看板」から小江戸厚木を垣間見る

 厚木市郷土資料館で2月11日から、第9回特別展「商家と看板」の展示が行われている=写真。江戸から明治にかけての看板類や浮世絵など約80点が展示され、当時「小江戸」と呼ばれるほど賑やかだった厚木の様子をうかがうことができる。
 展示会は同資料館が所蔵する商人関係資料の中から、庶民に親しまれてきた看板を中心に紹介、見事な彫刻が施された縦170センチ、横13センチの伽羅油屋の看板や、金箔が施された薬屋の看板など、さまざまな形の看板類をはじめ、江戸時代の街並みを描いた浮世絵やイタリア人カメラマンのフェリーチェ・ベアトが撮影した幕末の厚木宿が展示されている。
 ベアトの写真からは、江戸時代、相模川の水運による物資で賑わった厚木の様子を見ることができ、興味深い。同展を企画した学芸員は「江戸時代にはさまざまな形や種類の看板があり、小江戸と呼ばれた厚木でも店の軒先を飾っていた。展示を通して厚木の当時の様子を感じてもらいたい」と話している。3月25日まで。

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アツギミュージアムで吊し雛展

 厚木市飯山の郷土玩具の宿・アツギミュージアムで、地元のアーチストたちが作った吊し雛や、全国の郷土玩具雛を並べた「ひな人形展」が開かれ、訪れる人たちの目を楽しませている=写真
 吊し雛は、伊勢原市の手工芸サークル・エフティの会員が手毬や福俵、鯛、鯉、金魚、猪、鳥、いちごなどを縮緬細工で作ったもので、桃の節句や端午の節句、干支などをテーマに飾りつけた。このほか厚木市や愛川町内の主婦やアーチストが製作した和紙人形雛や陶器雛、古布雛、繭人形雛、樹脂粘土雛などが出品され、賑やかなな雰囲気を醸し出している。
 また、同旅館のコレクションの中から、コマや繭、蛤、あさり、和紙で作った雛人形や、鹿児島のさつま糸雛、鳥取の流し雛、和歌山の紀州雛、島根県の長浜人形、地元厚木の陶芸家・伊福部玲さん作の「ひな人形香合」など約100点が展示されている。14日まで。

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