第703号(2007.04.01)

市長交際費・政策会議内容をHPで公開  厚木市

 厚木市は公正で開かれた市政を推進するため、新年度から年間約200万円の市長交際費の使途や月2回開かれる政策会議の結果を情報公開する。小林市長が示した選挙公約の一環で、市長交際費については個人情報の保護を配慮した上で、件名、金額などの当該支出分を翌月の15日までに市ホームページで公開するほか、市政情報コーナーでも閲覧できる。
 政策会議の内容と結果報告、会議資料については、原則として会議終了後2週間以内にホームページへ掲載するほか、市政情報コーナーでも閲覧できるようにする。ただし市情報公開条例の規定により、個人に関する情報や公にすることで市民の間に混乱が生ずる恐れのある情報は除く。また、市議会全員協議会、記者会見提出議題にかかわる事項については、全員協議会および記者会見終了後に公開する。

 総合計画担当・にぎわい担当課長など新設 厚木市人事異動

 厚木市は4月1日付けで部長職を含む144人の人事異動を発令した。小林市長が初登庁後間もないため、退職者の補充など必要最小限の異動にとどめたもので、組織全体の異動については7月の人事で行う予定。
 今回は早急に取り組む必要がある新たなポストとして、新たな総合計画策定のため「総合計画担当課長」を配置したほか、市税の収納率の向上と管理を強化する「収納管理担当部長」、地域経済活性化をバックアップするため産業振興部に「市街地にぎわい担当課長」、地方自治法の改正に伴い収入役が廃止されたため、部長職の「会計管理者」を新設した。

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エコ野菜ブランド化 厚木なかちょう大通り商店街のキッチンリサイクル事業

「エコマネーを利用したキッチン・リサイクル事業」に取り組んでいる厚木なかちょう大通り商店街振興組合(木村嘉宏理事長)では、このほど、商店街が集めた生ゴミをたい肥化し、それを使って栽培した地元農家の有機野菜を「なかちょう野菜」としてブランド化し、本格販売に乗り出すことにした。
 同組合では平成17年7月から環境省が推進する循環型社会形成モデル事業の一環として、生ゴミリサイクル事業に取り組んでいる。会員が同商店街の一角にあるエコステーションに生ごみを持ち込むと、100グラムにつき1円のポイントがエコマネーとしてカードに加算される仕組み。現在会員は167人。1日平均300キロの生ごみが持ち込まれ、処理機で乾燥させた後、同市恩名の東京農大厚木農場に持ち込まれ、学生が不純物のより分けを行った後、畜糞などを混ぜてたい肥化し3か月間発酵させる。
 完熟したたい肥は同市愛甲の牧田農園と関口の角田農園が引き取り、有機野菜の栽培に活用している。昨年1月牧田農園が試験的にトマトを栽培、以後品目を増やし、12月には角田農園もたい肥を活用して有機野菜の栽培に乗り出した。
 同組合では市場販売に向けてインターネットでブランド名を公募したところ、全国から61の応募作品が寄せられ、お客さんの投票により「なかちょう野菜」と決定した。商品名とイラストを描いたロゴマークはプロのイラストレーターに依頼して作成した。
 3月17日に行われたお披露目では、大根、ホーレンソウ、ネギ、ブロッコリー、レタスなどの野菜が持ち込まれ1袋100円で即売された。今後は毎月27日に同商店街の地下街で開かれる「二七の市」で販売される。木村理事長は「商店街の活性化と地産地消の循環システムを定着させたい」と意気込んでいる。

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友情の花壇  厚木小(厚木市)→富士見小(相模原市)

 昨年12月、相模原市立富士見小学校(矢野英明校長・児童数878人)で、児童が植えたパンジー約100株が盗難被害に遭ったことから、厚木市立厚木小学校(神崎良一校長・児童数746人)が「元気を出して」と同校の校庭で育てたサクラソウとノースポールの苗を贈呈したが、3月9日、富士見小の児童と教員が、贈られた花の成長の報告に厚木小を訪れた。
 富士見小では昨年12月、5年生の児童が学校前の市道沿いに植えたパンジーや葉ボタンなど約1500株のうち、パンジー100株が何者かに盗まれた。これを報道で知った厚木小は、「わたしたちの花を贈ろう」と校庭の花壇で育てていたサクラソウとノースポールの苗200株を贈った。富士見小は厚木小学校ほか、善意で贈られた花を育てるため、校庭の花壇の一角に30平方メートルほどの「友好の花壇」を設置し、5年生の児童たちが丹精込めて育ててきた。
 この日、富士見小の5年生を代表して厚木小を訪問した4人の児童は、花の成長を記録した写真や、お礼を書いた寄せ書きなどを手渡しながら「花が盗まれたときはショックだったけど、花をもらってうれしかった。どうもありがとう」「いただいた花のおかげで学校がとても明るくなりました」と感謝の気持を伝えた。厚木小の児童たちは「大切に育ててくれてありがとう。立派に育ててくれてわたしたちもうれしいです」と少し照れた様子で答えていた。神崎校長は「この学校に咲いているサクラソウは、3年前に清川村の宮ヶ瀬小学校からいただいたもの。これからも友好の輪を広げながら、花と共に友情を大切に育てていきましょう」と話していた。

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地場産野菜を使った給食スタート 南毛利小学校

 昨年5月から自校式の給食を実施している市立南毛利小学校(粟野進校長)で3月13日から、地場産の野菜を使った学校給食が始まった=写真。 
 初日となったこの日は、学区内の生産者が栽培したホウレンソウを使ったあえ物が出され、児童からは「甘くておいしい」と好評だった。
 地場産野菜を使った給食は、食育を進める上での効果を期待して導入された。昨年12月、学校側が地域の農協に相談したところ、5人ほどの生産者の協力が得られることになったため実現した。同校栄養士の菊地紳予(のぶよ)さん(29)は「通学路沿いにある野菜が給食で出てくるので、野菜をもっと身近に感じてもらえるのでは」と、その効果を期待している。
  この日は、温水の伊藤洋文さん(49)が生産したホウレンソウを使った菜の花とのあえ物が出された。各クラスにはホウレンソウの栄養価や地場産であることを説明するプリントが配られ、担任が給食の前に紹介した。「いただきます」の号令とともに、児童たちはホウレンソウをうれしそうに口に運んでいた。5年生の男児は「地元でできた野菜が給食に出てくるのはうれしく、気持ちの面でもおいしさが違う。いつもは嫌いな野菜でも食べられそうな気がする」と喜んでいた。坂井由理香教諭(26)は「みんなの皿を見ると、ホウレンソウが全然残っていない。生産者の方が直接運んでくれた食材なので、子どもたちの意識も違うようです」と驚いた様子だった。
 地場産野菜の利用は当面、月1回から3回のペースを予定している。

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一刀流中西派の中村英幸さん 4月から道場開設

一刀流中西派で修行を続けてきた厚木市水引の剣道家・中村英幸さん(59・教士7段)が、このほど市内に道場「修誠館」を開設、3月18日、創立記念大会が市立林中学校明林館で開かれ、素読や中西派の組太刀稽古、演武、試し斬り、立合い、五行之形=写真=などの演武が披露された。
 一刀流は戦国時代末期、伊藤一刀斎影久が起こした流派で、江戸時代に数多くの流派を生みだした。中西派もその1つで、初代中西忠太子定が伊藤一刀齋の流れを汲む小野派4代次郎右衛門忠一の門から出て江戸に町道場を開設した。近代になってからは高野佐三郎豊正に脈流が伝わり、現在は高野友枝慧正が伝統を守り、鎌倉の「修道学院」で、流儀の研鑽と子弟の養成に当たっている。
 「修誠館」は高野友枝慧正師の指導を受けた中村さんが道場として開設するもので、一刀流中西派の免許皆伝は異例。宗家・高野友枝慧正師になってからは初めて。開設にあたり宗家より「修道学院」の「修」をたまわり、「修誠館」と命名されたという。
 道場は4月1日より毎週日曜日、依知神社神楽殿に開設される。形稽古を骨格に、正しい剣の理合と技術を学び、竹刀稽古によって体の運用と自在の太刀捌きを修練する。現在、門弟は17人。中村館長以下4人の師範と助教で指導にあたる。中村さんは「温故知新の精神で、子弟が礼節を重んじ、日本古来の良き文化を次世代に伝える修練の場にしていきたい」と話している。問い合わせは修誠館事務局1291・0263番(渡部恭子)へ。

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青年海外協力隊の出発隊員が市長を表敬訪問

 国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊として、3月下旬に日本を出発した厚木市出身の隊員2人が3月19日、厚木市役所に小林常良市長を表敬訪問、出発のあいさつをした=写真。
 表敬訪問したのは、モンゴルに派遣される中野正昭さん(37・愛甲)とボリビアに派遣される本庄孝史さん(32・三田)。中野さんは28日、本庄さんは29日に、それぞれ現地へ向けて出発した。派遣期間はいずれも2年間。
 中野さんは建材メーカーの工事部に勤務。「もともと開発途上地域の建築物に興味があり、自分の建築工事技術を海外で生かしたかった」という中野さんは、学校校舎の老朽化が進んでいるモンゴル・ボルガン県に派遣され学校の改修工事に当たる。具体的な業務は、工事計画の策定や資材購入の指導、工事の技術指導・監督などを予定している。
 「10年近くの会社勤務で感じていたマンネリを打破したい」と協力隊に応募した本庄さんは、ボリビアの首都ラパス(法律上の首都はスクレ)に派遣される。旅行会社での勤務経験を生かし、観光プロモーション活動などを担当する。具体的には、市役所の観光課で外国人旅行者向けガイドの作成や観光サービス業者に対するホスピタリティー(もてなし方)の研修などを予定している。
 現地の様子や帰国後の仕事などについて歓談した小林市長は「2年後に再び、笑顔で会えることを期待しています」と2人を見送った。
 青年海外協力隊は昨年12月現在、77カ国に2170人が派遣されている。厚木市からはこれまでに57人が派遣されており、現在は10人の隊員が派遣国で活躍している。

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消防協力者の佐藤さんを表彰 

 厚木市消防本部は3月13日、火災現場で迅速な消化活動や救出活動で被害を最小限に食い止めた海老名市在住の佐藤登さん(42)を表彰した。佐藤さんは、2月19日午前2時頃、同市下川入地内で新聞配達中に店舗と住居をつなぐ木造小屋の排煙口付近から、煙と火の粉が出ているのを発見、家人に知らせるとともに、水消化器やバケツを使って火を消し止めた。
 鈴木太平消防長は「1時間遅れていたら、間違いなく大きな火災になっていた。深くお礼申し上げます」と感謝の言葉を述べた。
 佐藤さんは「最初、小屋の奥から、火の粉らしきものが上がっているのが見えたが、火事だと判断するのが難しかった。まもなく扉が吹き飛んだので、あわてて家の人をおこし、夢中で消化に当たった」と当時の様子を振り返っていた。

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昭和音大でさよならコンサート

 厚木市関口の昭和音楽大学(五十嵐喜芳学長)で3月27日、4月1日の校舎移転を前に、「厚木校舎さよならコンサート」が開かれ、会場となった同大学ホールは、近隣住民や音楽愛好家など多くの来場者で埋め尽くされ、地域との別れを惜しんだ=写真。
 同大学は昭和44年に開学、これまで市内の幼稚園や小・中学校、老人福祉施設などでコンサートを開くなど、地域に根ざした音楽活動を展開してきた。今回のコンサートは、厚木校舎から川崎の新百合ヶ丘校舎への移転を前に、38年間におよぶ地域の協力や交流に感謝の気持を込めて行われたもの。
 第1部の学生によるコンサートでは、クラリネット二重奏、サックス四重奏、木管五重奏でクラシック音楽やポピュラーソング、アニメソングなど9曲を披露した。会場には美しい音色が響き渡り、曲が終わるたびに観客から惜しみない拍手が送られた。
 第2部では、五十嵐喜芳学長と娘である麻利江助教授のトークを交えたオペラコンサートが開かれた。五十嵐学長は「38年間、地域の皆さんには大変お世話になりました。心から感謝を申し上げます。私は別れ話が嫌いです。またどこかでお会いしましょう」とあいさつ、厚木での思い出を「まちぼうけ」「故郷」などの歌で振り返った。山際から訪れた佐々木かつ子さん(77)は「今まで学生さんたちで賑わっていたこの辺りも、これから寂しくなりますね。とても残念に思います」と名残惜しそうに話していた。

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市長にフラワーアレンジメント贈呈

 3月16日、厚木市園芸協会花き温室部会の清田徳治部会長と、大村太一・佐々木和男両副部会長が、市役所に小林常良市長を訪れ、市内産の花を使ったフラワーアレンジメントをプレゼントした。これは花き消費拡大に向けた取り組みの一環で、バラやカーネーション、クリスマスローズなど赤、黄、オレンジ、ピンクといった色とりどりの花を使った鉢花や切り花のアレンジメントが手渡された。
 清田部会長は「日ごろから、市内の花き栽培に対し、さまざまな協力をいただきありがたく思います。今後も市民の皆さんに花の素晴らしさを伝えていきたい」とあいさつ。小林市長は、「人の気持ちを豊かにする花を丹精込めて育てられている皆さんに敬意を表します。市民の皆さんにもきれいな花を見ていただき、潤いのあるまちづくりをしていきたい」と感謝の言葉を述べた。現在、同部会20戸では、市内の畑やハウスで花きを栽培。バラやカーネーションは年間372万本、シクラメンなどの鉢物は53万鉢を出荷している。

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関東中学校選抜大会で2連覇 玉川中学校ソフトボール部(男子)

 3月17、18の両日、栃木県毛呂山町で行われた「第17回関東中学校選抜ソフトボール大会」で優勝した厚木市立玉川中学校(本杉長生校長・生徒数391人)ソフトボール部の生徒が厚木市役所を訪れ、優勝報告を行った。
 同ソフトボール部は、昨年10月に行われた「平成18年度神奈川県中学校男子・女子新人ソフトボール大会」での優勝を経て、神奈川県代表として本大会へ出場、2年連続7度目の優勝を果たした=写真。
 この日、田口佳祐主将(2年)ら4人の代表が優勝カップを手に 長谷川美雪教育長を訪れ、「チーム一丸となって強敵を退け、優勝することが出来ました」と報告、「皆さんの声援のおかげで、市、県の代表として恥ずかしくない結果が出せました」と大会を振り返った。
 
 長谷川教育長は「日頃の練習の成果が十分に発揮され、すばらしい結果でした」と生徒たちを讃えた。

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久保橋南側のあやめの壁画を修復 飯山小・小鮎小の児童

 厚木市の小鮎川久保橋南側に広がる「あやめの里」の壁画の修復・化粧直しが行われ、3月18日、地元の小鮎と飯山両小学校5〜6年生の児童21名が、水性ペンキを使ってアヤメやアユ、タニシなどの絵に色を付けた=写真。
 壁画は8年前、「あつぎ飯山あやめの会」(加川芳美会長)が、小鮎川を横断する市道の擁壁に「アヤメ」を描いて地域のシンボルをPRしようと取り組んだもので、地元の水彩画家榊原勇城さんに協力を依頼、小学生も参加して高さ3メートル、長さ60メートルの擁壁にアヤメやアユの絵を描いた。
 その後、壁画が汚れて絵も薄くなってきたため、今年に入ってから塗り直すことに決めた。会員が足場を組んで壁面のキャンバスを白く塗った後、榊原さんに下絵を依頼、榊原さんは1週間ほどかけて地元の自然を代表するアヤメ、タニシ、ザリガニ、アユなどの線画を下描きし、その上に子どもたちが水性ペンキを使って色塗りをした。
 同会事務局の小島正美さんは「子どもたちが手伝ってくれて立派な壁画が戻ってきた。6月には新たな気持であやめ祭りができる。落書きも減るでしょう」と話していた。

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異世代が集いパラパラなど多彩なダンスを披露

 3月10日、厚木市文化会館で、あつぎダンスフェスティバル「サタデーナイト・フィバー・アゲイン」が上演された。公募で集まった3歳から50歳代のダンスファン57人が、昨年12月からプロの実技指導を受けながら練習を重ね、60分間のステージでその成果を披露した=写真。
 ステージの第1部ではツイスト、ヒップホップ、パラパラ、日舞などさまざまなジャンルのダンスが繰り広げられ、懐かしいダンスや今流行の躍動感あふれるダンスなどに約1000人の観客は大喜びだった。第2部ではパパイヤ鈴木とおやじダンサーズが登場、45分間のステージを華麗なダンスで飾った。
 最後は「君の瞳に恋してる」の曲に合わせて、出演者全員がダンス、客席を巻き込んで会場を盛り上げた。パラパラを踊った日比美思さん(8)は「テレビで見てかっこいいと思っていたダンスを、舞台の上で踊ることができとても嬉しかった」と話していた。

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春の温泉郷で豊かな自然や文化堪能   第2回健康づくり大学

 自然豊かな温泉地に滞在し、総合的な健康づくりを学ぶ「第2回健康作り大学・厚木キャンパス」が3月18日、飯山温泉郷で開かれた。市内外の31歳から82歳までの男女116人が参加、旅館や公共施設などで温浴や運動療法、食事療法などのプログラムを体験した。
 同大学は経済産業省の外郭団体「社団法人民間活力開発機構」が支援する事業で、群馬県の草津温泉など全国11の温泉地が選定されている。厚木市では地域関係者と連携して「温浴・温泉」「食事」「運動」「環境」をキーワードに、健康講座や体験型講座など「総合的な健康づくり」を展開、昨年11月の七沢温泉郷に続く開講となった。
この日は、荻野運動公園での講義でスタート、筑波大学講師の大城戸道生氏が「温泉と運動で健康づくり」をテーマに「飯山温泉はアルカリ性で、食塩を含み保湿効果がある」と紹介した。運動・環境療法のプログラムでは、スキーのストックを使って歩く「ノルディックウォーキング」=写真右=が取り入れられ、参加者は森林浴を楽しみながら2・8キロのコースで汗を流した。
 また、食事療法では地元の6旅館が地場産の食材を使って、低カロリーで統一した昼食を提供、名物のタニシ料理や猪鍋汁など7品目のヘルシーメニューに加え、新名物として考案した猪肉コロッケなどもお目見え、参加者は「カロリーが低くても、味付けがしっかりしていておいしい」と話していた。

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飯山の七不思議伝える護岸壁画修復

 飯山に伝わる七不思議を描いた小鮎川沿いの護岸壁画を4月1日から始まる「あつぎ飯山桜まつり」に合わせて修復していこうと3月17、24の両日、地域住民が壁画のある庫裡(くり)橋下で清掃やペンキ塗りなどの作業を行った=写真。
 壁画は平成7年、白龍伝説で知られる「白山池の霊水」、河童の生息を伝える「恩曽川の片葉の葦」など7つの伝説を次世代に引き継いでいこうと、地元の中飯山青少年健全育成会が中心となって制作した。当時、育成会会長だった清水小学校校長の小島富司さん(59)が縦2メートル、横3メートルのコンクリート8枚に7つの伝説と表題となる絵を下書きし、地元の子どもたち約40人がペンキで色づけして完成させた。しかし、完成後は手入れをしていなかったため、汚れや傷みが目立つようになっていた。
修復作業は、飯山観光協会や学識経験者らが地域の活性化を目指す「みどりと清流のふるさと創造委員会」(伊藤祐太郎会長、17人)が企画。河川を管理する県厚木土木事務所が、ペンキや清掃用具を無償提供した。
 作業は委員会のメンバー8人がデッキブラシを使って清掃。ポンプ車で駆け付けた地元消防団も対岸から放水して壁画の汚れを落とした。その後、ペンキを使った修復に着手、絵の周囲に新たに縁を描いたほか、劣化個所の修復も行った。
 制作に引き続き、修復でも中心的な役割を担った小島さんは「きれいな桜の花とともにたくさんの人に七不思議の絵を鑑賞してもらい、飯山の言い伝えを知ってもらいたい」と話していた。4月1日午後1時半、市長を迎えて除幕式が行われる。 

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