第705号(2007.05.01)

産婦人科医師引き揚げへ  慈恵医大が市に通告
 厚木市立病院(田代和也院長)に医師派遣などの協力を行っている東京慈恵会医科大学は、4月11日、7月末日までに産婦人科の常勤医師4人全員を引き揚げる方針を固め、市と市立病院に伝えた。このため、同科は8月以降、分娩が行えなくなり存続が窮地に追い込まれている。
 2月1日開かれた厚木市産婦人科医会において、同大の産婦人科教授が、医師引き揚げの発言を行ったことから新聞報道などで事態が明るみに出たもので、市では2月20日と3月12日、市長をはじめ、院長、病院事業局長などが同大学を訪れ、存続と産婦人科の現体制の堅持を要請してきたが、4月11日、病院側が再度報道内容を確認したところ、産婦人科の医師不足を理由に、医師引き揚げの理由を示したという。
 大学側は医師派遣存続の条件として、市に指導的立場の医師確保を求めたが合意に至らなかった。
 同産婦人科の分娩取り扱い件数は平成17年度587件。現在、常勤医師4人のほか非常勤医師4人、助産婦26人(非常勤1人含む)が勤務している。市内で分娩可能な医療機関は同市立病院を含めて4か所。同病院では希望者に他病院へ紹介するなどの対応措置をとっており、8月以降、産婦人科を停止、縮小に追い込まれる可能性が強まっている。
 今後は産婦人科医師の待遇面の改善や東京慈恵会医科大学ばかりでなく、他大学や民間病院との医師派遣を含めた協力関係をどこまで模索できるかが、存続のカギとなりそうだ。

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「ハートシティあつぎ」の案内役  07市民リポーター

 ケーブルテレビの厚木市提供番組「ハートシティあつぎ」で案内役をつとめる市民リポーターの委嘱式が4月20日、厚木市役所で行われた。
 「ハートシティあつぎ」は、同市岡田の厚木伊勢原ケーブルネットワークが放映している同市提供の広報番組で、地域の行事や市からのお知らせ、厚木の歴史や風土など多彩な番組を紹介している。
 市民リポーターは公募で集まった21人で、19歳から62歳までの学生や会社員、主婦など、年齢、職業はさまざま。 
 同市では「バラエティに富んだメンバー構成で、より市民に身近な番組制作ができるのでは」と期待している。
 委嘱式では、小林常良厚木市長が、「みなさんの個性を生かして、いろいろな角度から市の情報を伝えてほしい。『元気な厚木』の姿をさわやかにリポートしてください」と激励した。
 市民リポーターたちは、「厚木のさまざまな魅力を伝えていきたい」「リポートを通じて多くの市民とふれあいたい」「市民の皆様が、ふるさと厚木をより好きになるよう案内役をつとめたい」と抱負を語っていた。
 任期は来年3月31日まで。1人当たり年間6〜7回のリポートを予定している。ハートシティあつぎは15分間の番組で、1日に3回放送され。内容を毎週月曜日に更新している。

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刀根麻理子さん招いてチャリティディナーコンサート  厚木もみじライオンズクラブ

 厚木もみじライオンズクラブ(依田好司会長)では、5月12日18時から同市中町のロワジールホテル厚木で、第14回目の「骨髄バンク・臍帯血バンク支援」事業を行う。同クラブが取り組んでいる社会貢献事業の一環で、今回は「刀根麻理子」さん=写真=を招いてチャリティ・ーディナーコンサート開く。
 刀根さんは84年テレビアニメ「キャッツアイPART2」でデビュー。97年、自らのいじめ体験をもとに、「いつも心にヤジロベエ」を出版、心の育成、バランス感覚、社会的おせっかいの勧めなどをテーマに講演活動を行っている。
 芸能活動の一方で、引きこもりや不登校児との交流、障害者と健常者とのコミュニケーションの場づくり、障害者バンドのプロデュースなども手がける。 
 また、17年にわたる骨髄バンクボランティアの集大成ともいえる「IMAGINE9・11」の出演&プロデューサーとして、1昨年より全国公演を行っている。厚木市と市教育委員会、県骨髄移植を考える会厚木支部が後援する。
 チケットは1万円(ディナー込み)。同クラブでは「骨髄バンクに対する一般市民の協力をお願いしたい」と呼びかけている。申し込みは事務局へ。電話223・6671番。

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「夕焼け市」がスタート・毎週水曜日開催

 厚木市内で収穫された新鮮な農産物や畜産物、食料品などを毎週水曜の夕方に販売する「夕焼け市」が4月18日から荻野運動公園で始まった=写真。
 地産地消の推進や地場消費の拡大を目的に開催しているもので、今年で9年目。4月から11月までの期間、30回ほどの開催が予定されており、月1回程度、季節の野菜や新米などを配布する「特別市」も開かれる。
 開催初日は、24店舗が出店した。1店3平方メートルに区画された店先には、トマト、キャベツなどの新鮮な野菜や出来たての豆腐、漬物、ハムなどが並んだ。この日は約1000人の買い物客でにぎわい、開店1時間で品薄になる店舗も出た。また、500人限定の赤飯やまんじゅう、せんべいなどの無料配布も行われ、開店前から長い行列ができた。
 夕焼け市が始まった時から出店している豆腐店の主人(68・小野在住)は、「地域の人たちと食品の調理法などの話で盛り上がりコミュニケーションも取れる。これから毎週出店するのが楽しみ」と話していた。

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レンゲ畑にちょっとお出かけ 厚木北小の児童

 厚木市立北小学校(滝本かな子校長・児童数484人)の1、2、5年生218人が、4月20日、地域のレンゲ畑を訪問して自然を体験する郊外学習を行った=写真。
 生活科と総合的な学習の一環として行われたもので、子どもたちはレンゲの花摘みや生物の観察など春の自然を楽しんだ。
 このレンゲ畑は、猿ヶ島スポーツセンターの南側にある、汚泥処理用地の上部を利用してつくられたもので、広さは3,300平方メートル。相模川汚泥処理用地公害対策委員会(嶋崎成義委員長)のメンバー4人が、3年前からレンゲや菜の花、ポピーなどの花を育てている。4人はこのほど育てた花を子どもたちに楽しんでもらいたいと学校に花畑を開放した。
 郊外学習は、地域の環境を学習するほか、5年生が1、2年生にレンゲを使った遊びを教えるなどの「異学年交流」も目的として行われた。
 子どもたちは「いっぱい咲いていてすごい」とレンゲ畑にびっくり。「きれいな花飾りが作れた」「初めて花を摘めて楽しかった」「カエルやテントウムシも見つけた」と話しながら、春の自然を満喫していた。
 嶋崎成義委員長は「子どものころ、よく学校帰りに田んぼで道草をして遊んだ。そんな体験を子どもたちにも伝えたかった。買った花とは違って自然の中で咲く花にふれ、いろんなことを感じてほしい」と話していた。。

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銀行の地域文化財団から助成受ける   伝統芸能の「垣澤社中」が小林市長に報告

 厚木市の無形民俗文化財に指定されている相模里神楽垣澤社中(垣澤勉代表)に4月18日、三菱UFJ信託地域文化財団から、伝統芸能公演に対する助成金30万円(道具整備費)が贈られた。市教育委員会が助成を推薦していたことから同日、垣澤さんが厚木市役所に小林常良市長を訪問、助成の報告を行った。
 同財団は平成2年から、伝統芸能の伝承など地域の芸術文化振興に貢献する団体を助成しており、全国で各都道府県を窓口に、音楽、美術、演劇、伝統芸能の4部門でアマチュア団体を公募、本年度226件の中から52団体を選出した。県内では県合唱連盟など6団体が選ばれ、伝統芸能部門では、ほかに相模人形芝居足柄座(南足柄市)が助成を受けた。
 垣澤さんは「(市教委に)推薦していただいたお陰で、貴重な助成を受けることができました」と報告。小林市長は「これからも良い後継者を育て、しっかりと伝統を守っていってほしい」と激励した=写真。
 垣澤社中は、本年度から市立相川小学校のクラブ活動でも指導を始める。助成金については、衣装や屋外公演用のピンマイクの購入などに活用したいとしている。
 相模里神楽は、古事記や日本書紀などに描かれている古代日本の神話を題材に面を着けて行う仮面黙劇で、神代神楽とも呼ばれている。同社中は、この里神楽とともに面芝居という歌舞伎などから題材を得、面を着けたせりふのある芸能を伝承している。昭和46年7月、市無形民俗文化財に指定された。

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新入社員防災体験研修会開かれる

 厚木市三田の市消防訓練場で4月19日、市内事業所の新入社員を対象とした防災体験研修会が開かれた。研修は新入社員たちに防火管理や災害に備えての心構え、対処法などを身につけてもらおうと、同市消防本部が毎年開催している。
 この日は市内37事業所の新入社員117人が参加、消火器や屋内消火栓の取り扱い方、119番通報の仕方、煙の恐ろしさを体験する訓練などを行ったほか、心肺蘇生法=写真=や大量出血時の止血法、AED(自動体外式除細動器)の使い方などを学習した。参加者は初めて握る消火ホースや消火器にやや緊張しながらも、消防隊員から熱心に操作の仕方などを学んでいた。
 熱処理工場に勤務する女性(18)は「実際に消火機器の取り扱いを体験し、少し自信がついた。火を使う職場なので、もしもの時には率先して火を消せるようにしたい」。また、高齢者の介護施設で働く女性(24)は「心肺蘇生法を学び勉強になった。いざというときにはこの知識を活かしたい」と話していた。

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市内で3番目のユニット棟完成 玉川グリーンホーム

 厚木市小野の特別養護老人ホーム「玉川グリーンホーム」(原田茂施設長)のユニット棟(小規模生活単位型特養)=写真=が完成し、4月12日竣工式が行われた。竣工式には地元選出議員や関係者など130人が出席して、新施設の門出を祝った。
 ユニット棟は高齢者を在宅の居住環境に近い生活の中で介護するのを目的に建設されたもので、従来の集団介護ではなく、個室で個々の生活習慣などに合わせた介護を提供するのが特徴。市内では特別養護老人ホーム敬和荘、森の里老人ホームに次いで3番目。
 建物は鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約1430平方メートル。ベッド、トイレ、洗面所が完備した約15平方メートルの個室30床の他、キッチンやテレビ、ソファのある4つの談話室、浴室などからなっている。総工費は約3億7千万円。入所資格は比較的軽度である要介護1から3までの方が対象だ。
 竣工式であいさつした原田施設長は「市や近隣の人々の協力で完成できました。この施設は高齢者の皆さんが在宅でしていた生活のままケアしていくのが特徴です。職員、役員が一体となって高齢者に潤いと安らぎを提供していきたい」と述べた。
 正式入所は5月1日からになるが、30室すべての入所者はすでに決まっている。利用者負担は月7万円+介護費用で、平均月額12万円程度になる見込み。

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揚州市政治協商会議の友好代表団が来厚

 日本の議会に当たる中国・揚州市「政治協商会議」の友好代表団が厚木市を訪れ、4月16日市役所に小林常良市長、沼田幸一議長を表敬訪問した=写真。
 訪問団は王宗元政治協商会議副主席をはじめとする同会議社会和法制委員会、弁公室の職員ら5人。一行は王燕文揚州市長から小林市長に宛てた市長就任を祝うメッセージを持参したほか、厚木市議会との友好交流を深める目的で来日した。
 小林市長は「ことしは日中国交正常化35周年の記念すべき年です。また、日中文化・スポーツ交流年でもあり、揚州鑑真マラソンに3人の選手団を派遣する予定です」と歓迎のことばを述べた。
 
 王団長は「揚州市と厚木市の交流はとても深く、今後も末永い交流を確信しています。今日は王市長から小林市長へ就任のお祝いのメッセージを預かってきました。今度は皆さんが揚州市においでください」と述べた。 
 議会では沼田議長のほか副議長や3人の会派代表者も出席し、議会運営などの意見が交わされるなど、活発な議会交流を深めていた。

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みちのく会が依知北地区のお年寄り招いてお楽しみ歌謡ショー

  社会の先輩であるお年寄りに敬意を表し歌や踊りを楽しんでもらおうと、厚木市内で地域活動を行っている「みちのく会」(奥野博会長・15人)の「お楽しみ歌謡ショー」が4月22日、依知北公民館で開かれ、地元のお年寄り約50人が招待され、歌や踊りを楽しんだ=写真。
 同会は厚木在住の北海道・東北出身者が集まって10年前に発足、アユを食べる会やバーベキュー大会、カラオケ大会などを開いて交流を深めているが、自分たちばかりでなく地域の人たちにも楽しんでもらおうと、今回初めて依知北地区の老人会を招待した。
 歌謡ショーは、出演者が1曲1000円を出し合って運営費に当て、招待者のお弁当やお茶、カラオケ設備などを用意した。みちのく会や踊りの山吹会のメンバー31人のほか、同会のメンバーで、1昨年「雨の本厚木」を全国発売した演歌歌手・浪ちひろさんもゲスト出演、お得意のヒット曲を披露した。

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ナシ園農家が人工交配

 おいしく、きれいな実を付けて\4月中旬ナシの花が満開となり、厚木市内の栽培農家では、ナシの生育を手助けする人工交配の作業に追われた。
 ナシは同じ品種同士ではうまく結実しないため、人工的に他品種の花粉を受粉させることが欠かせない。受粉は棒の先に羽毛が付いた「凡(梵)天」という器具を用いて受粉させるのがオーソドックスなやり方だ。最近では機械で花粉をまいて交配させる農家も出てきた。 
 同市戸田でナシ園を経営する山崎健一さん(59)は、「手間は掛かるが、確実に受粉させるには手作業が一番」と、ナシの花一つ一つの雌しべに、丹念に花粉を付けていた=写真。
 交配に最も適しているのは、花が満開のうち。4月中旬がピークだと言う山崎さんは「出荷までには、摘果や実に袋を掛ける作業などがまだ続くが、味の良い、きれいな実を付けてもらうために頑張ります」と意気込んでいる。
 同園では、30アールの畑で「幸水」「豊水」など7品種を栽培しており、90本ある木で、1本当たり400〜450個の実が収穫できるという。
 ナシ栽培が盛んな厚木市内には53戸の栽培農家があり、そのうち半数を超える29戸が相川地区に集中している。市内の総栽培面積は約24ヘクタールで県内第4位。収穫量は509トンで県内第5位となっている。
 各農家での育ち具合は、例年通り順調。花の満開から120日後が目安とされるナシのもぎ取りの時期は、8月中旬から下旬になる模様。

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宮ヶ瀬ダム学習事例集』作成、県内の小学校に配布

県内のより多くの学校に訪れてもらい学習を深めてもらおうと、宮ヶ瀬ダムを管理する国土交通省相模川水系広域ダム管理事務所が、このほど平成17年度に宮ヶ瀬ダムを訪れて学習成果が上がったと考えられる県内の小学校20校を対象に取材を行い『宮ヶ瀬ダム学習事例集』=写真=を作成し、県内の小学校に配布した。
 同ダムには遠足や総合的な学習の時間、社会見学などで年間約320校の小学生、3万3000人が訪れている。「事例集」には、ダムを訪れた小学校の見学の動機から学習の流れ、活動のポイント、子どもたちの作文や絵などの感想、先生のコメントなどが学校別に収録されている。A4判43ページでカラー刷り。
 同ダムでは子どもたちを対象にダム事業の広報活動の一環として観光放流なども行っている。

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