第709号(2007.07.01)

レベル1〜3減少 ヒヤリ事例は増加 厚木市立病院医療事故

 厚木市立病院(田代和也院長)は、6月15日、平成18年度に発生したインシデント・アクシデントの報告件数を公表した。医療事故につながる可能性のある潜在的なリスクを把握し、医療事故の発生を未然に防止するため毎年公表しているもので、インシデント・アクシデント合わせた昨年度の報告総件数は1,112件。平成17年度に比べ101件増加したが、レベル1〜3は大幅に減少した。
 医療事故は患者への影響の大きさに応じてレベル0からレベル5までの6段階に分けられ、0から1はインシデント(ヒヤリ・ハット)、レベル2以上はアクシデント(医療事故)として扱っている。
 昨年度件数が増えたのは、患者には実施されず、影響のないレベル0の報告が増加したもので、平成17年度に医療機能評価を受審したことから、医療安全に対する意識、知識が向

上し、各職場からの報告が積極的に提出されるようになったことによるもの。アクシデントでは、高度の後遺症が生じるレベル4や死因となるレベル5はなかったが、患者に何らかの変化が生じ、治療・処置の必要性が生じたレベル3が5件(17年度15件)、レベル2が8件(同31)。またインシデントはレベル1が634件(同819)、レベル0が465件(同146)あった。
 レベル3(アクシデント)の事例としては、リハビリで介助歩行が1〜2歩歩けるようになった患者が病棟内を1人で歩いてしまい転倒骨折した、認知症意識障害のある患者がベッド柵を越えて転び、骨折した、手術後ベッドへ移動する際、挿入されていたチューブが抜けてしまい再度挿入したなどで、再発防止策も合わせて示している。

大規模災害に備え訓練も 実践さながらにトリアージを強化

 同病院は、災害医療拠点病院の指定を受けており、6月7日、大規模災害に備えた防災訓練が行われた。医師や看護師、職員、患者ら約300人が参加。消火栓や消化器の確認、避難誘導訓練などが行われたほか、災害時の医療現場を想定したトリアージ(負傷者を傷病の緊急度や重傷度に応じて選別する手法)訓練も行われた。
 訓練は2部構成で行われ、第1部では病院内の火災発生を想定して、患者の雛誘導訓練や病院職員による簡易ベッドの組み立て、模擬消火訓練などが行われた。
 第2部では神奈川県西部で震度6強の地震が発生したとの想定で、トリアージ訓練を実施した=
写真。病院職員50人を正面玄関詰めかけた患者に見立て、医師や看護師ら医療スタッフ約20人が、軽症患者と重症患者に選別し、その後、1階外来ホールで緊急治療が必要な重症患者について、優先順位をつけて治療を行うなど、一連の流れを訓練で確認しあった。訓練の様子は100人の病院関係者らが見学する中、院内で統一した認識が持てるようにと、実況で解説された。このほか、ベンチベッドの組み立てや報道関係者に向けた情報伝達、他院で処理が必要な患者の搬送など訓練内容も強化された。
 今回初めて訓練に参加した星野美巳看護師は(27)は「実際の災害現場を想定すると。使用する医療器具や薬品が複雑多岐にわたるため、訓練のし過ぎということはない。完璧な処置に向け、これからも訓練を重ねたい」と話していた。

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ラジオ体操で健康づくりを 長野信一さん 地域指導者らにコツを伝授

 ラジオ体操を市民の体力向上や生活習慣病の予防に役立ててもらおうと6月17日、厚木市荻野運動公園体育館でスポーツ指導者研修会が行われた。NHKのテレビ・ラジオ体操でおなじみの長野信一さんを講師に迎え、参加者約80人が体操のポイントなどを学んだ=写真。
 研修会は毎年2回、地域のスポーツ指導者の資質向上と市民の健康増進を目的に、同市教育委員会がさまざまな内容で開催している。この日は、市の体育指導員をはじめレクリエーション協会、体育協会の会員など地域のスポーツ指導者のほか、日頃の運動不足を解消したいと一般の市民も参加した。
 長野さんは、ラジオ体操の効用や歴史などに触れながら、みんなの体操やラジオ体操第一、第二をていねいに解説した。「一つ一つの動
きにそれぞれ狙いがあるので、よく理解し意識しながら体操するとより効果が上がります。仲間と一緒にやるのも長続きのコツです。楽しみながら体操を続けて、いつまでも元気な生活を送ってください」と参加者に呼びかけた。
 研修に参加した体育指導員の長島輝男さん(59)は「みんなの体操が楽しかった。誰でも無理なくでき、けがの予防にもなるので、地域のスポーツ教室や大会の準備体操に取り入れたら面白そう」と汗をぬぐっていた。また、民謡協会の吉岡光子さん(77)は、「普段は使わない筋肉まで体全体を動かせるので、とても気持ちが良かった。仲間に紹介しながら、みんなでやってみたい」と意欲を見せていた。

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メキシコへ派遣の有馬さんが市長を表敬訪問

 JICA(独立行政法人国際協力機構)から、青年海外協力隊として今月下旬に日本を出発した、厚木市出身の有馬弥生(ありま・やよい)さん(26・長谷)が6月13日、厚木市役所に小林常良市長を表敬訪問した=写真。
 小林市長は「これまで厚木からもたくさんの人が隊員として派遣され活躍してきました。体に気を付けて頑張ってください」と激励した。
 有馬さんはアメリカ・ニューヨークの大学院でジャーナリズムを学び、帰国後翻訳や秘書業務などの仕事を経験した。「国際協力にかかわる仕事を」という希望がかない、村落開発普及員としてメキシコに派遣。現地のコマルティトラン市役所に勤務し、農村コミュニティーの中で農業支援や保健活動を行る。派遣期間は2年間。
 有馬さんは「自分の夢に向かって1歩を踏み出せた。現地でしか得ることのできない経験を多く積みたい」と話した。
 現地の様子などについて歓談した小林市長は「有馬さんのファイト
と大変前向きな姿勢に敬意を表します。2年後の土産話を楽しみにしています」と見送った。

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児童がお年寄りと世代間交流給食会

 地域の高齢者に子どもたちとの交流を楽しんでもらおうと、厚木南地区地域福祉推進委員会(大久保盛造委員長)は6月14日、同市立厚木第二小学校(島井潔校長・児童数852人)で「世代間交流給食会」を開き、高齢者53人が参加した。
 冒頭、大久保会長は「和やかに食事を取ることはとても体に良いことです。今日は孫と一緒だと思って、楽しい食事ができるように子どもたちを盛り上げてください」と参加者を和ませた。
 この日のメニューはご飯、サバのトーバンジャンソースかけ、五目スープ、牛乳、メロン。参加者は2年(5クラス)、4年(4クラス)、6年(4クラス)に分かれ、給食を共にしながら、厚木の昔の様子や学校での思い出話などを児童に話し掛けていた=写真。
 最高齢で参加した間宮芳子さん(87・幸町)は「元気な子どもたち
と一緒にいると若返った気持ちになります。大勢で食べる食事はとても楽しいですね」と笑顔で給食を楽しんでいた。

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農作業を通じて自然体験 玉川小学校で90人が小麦刈りと脱穀体験

 農作業を通じ子どもたちに地元・七沢の豊かな自然を体験してもらおうと6月12日、厚木市立玉川小学校(田中伸一校長・児童数239人)の1、2年生90人が小麦の刈り取りなどをする体験学習を行った。児童たちは同校付近の畑でかまを片手に、背丈ほどまでに伸びた小麦をうれしそうに刈り取り自然の中で汗を流した=写真上。
 体験学習は生活科の授業として、同校が無償で借り受けた農地約100平方メートルを利用して10年ほど前から実施しているもので、地域の老人会「七沢老友会」(能條誠一会長・会員数170人)の指導を受け、児童が1年を通じて種まきから脱穀までを体験している。
 この日、児童たちは数人ずつ順番で小麦の刈り取りを体験した。始めは慣れない作業に戸惑う姿も見られたが、老友会の指導で児童たちは鎌を片手に歓声をあげながら、背丈ほどまでに伸びた小麦を約30分ほどで刈り終えた。
昨年に続いて挑戦した2年生の男児は「かまの使い方を段々と思い出し、上手に刈れた」、1年生の女児は「おばあさんが優しく教えてくれた。小麦をたくさん刈ることができてうれしい」と話すと、能條会長も「みんな楽しく作業ができて良かった。この思い出が、農業が将来まで引き継がれていくきっかけになれば」と期待を寄せていた。
 刈り取られた小麦は1週間掛け干しされ、19日、足踏み式脱穀機や唐箕などの農機
具を使って脱穀作業を体験した=写真下。負を語った

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子ども会をもっと楽しく魅力的に リーダー研修会

 会員の減少などで全国的に活動低迷が懸念されている子ども会を盛り上げようと、厚木市と市教育委員会は6月10日、各地域でリーダー役を担う児童と、保護者を対象とした研修会を荻野運動公園で行った。研修には約400人が参加し、中学・高校生や大学生ら子ども会OBから簡単にできるゲームなどの手ほどきを受けた=写真。
 同市では、小学5・6年生を対象とした「インリーダー研修」と、保護者でつくる育成会の役員を対象とした「育成者研修」を、毎年同時に開催している。今回は、ことし5月に発足した大学生によるシニアリーダーが、企画の段階から参画、ジュニアリーダーであった中学・高校時代に培ったノウハウを生かし、例年よりも実践的な内容となった。
 研修は、2部構成で実施。合同研修ではレクリエーション大会の開催を想定し、子どもから大人までが参加者となって手遊びやアニメ主題歌に合わせたダンスなどで交流した。分散研修ではジュニアリーダーが、絡みあった数人の手を知恵の輪のようにほどいていくゲームなど12種を児童たちに指導。一方で保護者は、特色ある子ども会活動の事例発表や市子ども会育成連絡協議会の高橋豊会長の講話を通して、子ども会活動を活性化する具体策を学んだ
 研修に参加した戸田小6年の女子児童(11)は「ゲームの進め方などをとても楽しく研修できた。この楽しさを自分の子ども会のみんなにも教えてあげたい」また、関口松葉子ども会の藤山由美さん(41)は「多くの子どもたちと交流できるとても良い機会で、研修は日ごろの活動を盛り上げるための参考になった。これからもっと子ども会の魅力を高め、会員数の増加につなげていきたい」と意欲を見せていた。

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全国大会への出場権獲得 女子ソフトのあつぎマジックス,01

 川崎市で開かれた平成19年度全日本レディースソフトボール大会神奈川県予選で、厚木マジックス01(山口恵美子監督・19名)が優勝、全国大会に出場することが決まった=写真。
 県予算は5月20日から6月3日まで。川崎市民球場で行われ、県下から26チームが参加した。あつぎマジックスは1回戦4対0、2回戦3対2、準決勝7対2で決勝に進み、決勝戦では瀬谷アップシューズを2対1のサヨナラで下し、7年ぶりに全国大会出場権を獲得した。
 同チームは01年に結成した平均年齢23歳のチームで、高校時代からソフトボールの経験のある選手ばかり。勤め帰りの毎週水曜日、相川中学のグランドでナイター練習を行っているが、全国大会を前に現在は湘南ベルマーレの組島千登美監
 督の指導を受けている。
 守りが売りのチームで、県大会ではエラーなし。ピッチャーの佐野優美さんも県予選4試合で失点4の成績。市内にはレディース9チームがあるが、マジックスはレベルが高いから厚木のママさんチームでは試合になりませんといわれるほど。
 これまでに関東レディース大会で3位、全国青年大会で準優勝している。全国大会は8月30日から北海道の倶知安市で開かれる。山口監督は「守りのチームなので、失点を少なくして1試合でも多く勝ち抜きたい」と抱負を語った。

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被災施設の早期復旧に向け 市が電設協会・造園業協会と協定  

 公共施設の被災に備え、復旧体制を強化しようと、厚木市は6月19日、厚木市電設協会(柏倉清藏会長)、厚木市造園業協会(内田卓弘会長)と、それぞれ災害協力協定を締結した=写真。
 電設協会と締結した協定は、市が管理する公共建築物で電気設備が被災した際、応急復旧に必要な調査や応急措置について協会が協力するもの。造園業協会とは、市の公園や緑地などを対象に緊急巡回や倒木除去などの応急措置に関する内容が盛り込まれている。
 同日、両会長が市役所に小林常良市長を訪れ、協定書にサインした。昭和50年4月から進めている市内企業・団体との災害協力協定数は、今回の締結により57となった

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元オリンピック代表選手が体操を指導 相川小

  トップアスリートが全国の小学校を訪れ、子どもたちに運動の楽しさや技術を教える「スポーツ選手ふれあい指導事業」が6月12日、相川小学校で行われた。元オリンピック選手で体操インストラクターの信田美帆さん(35)が同事業の「体操教室」で訪問。5、6年生74人が、跳び箱の実技指導を受け、競技に親しんだ=写真。
 同事業は、文部科学省と(財)日本体育協会が「子どもの体力向上キャンペーン」の一環として実施しているもので、同校が教育委員会を通じて応募し、選ばれた。
 この日、ソウルオリンピックで活躍した信田さんは、学年ごとに1時間ずつ、体操競技についての講話や技術を指導。低い段の跳び箱での練習からスタートし、ロイター板を両足で蹴ることや、手を付くと
きには手のひら全体を使うことなど、跳び箱を上手に跳ぶコツについて丁寧に教えた。信田さんが途中、開脚跳びの手本を見せると、そのきれいなフォームに児童から歓声が上がった。児童たちは「おへそに力を入れてうまく跳べたと思う」「とても楽しかった。どう手を使えばよいか分かった」と話していた。

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