上し、各職場からの報告が積極的に提出されるようになったことによるもの。アクシデントでは、高度の後遺症が生じるレベル4や死因となるレベル5はなかったが、患者に何らかの変化が生じ、治療・処置の必要性が生じたレベル3が5件(17年度15件)、レベル2が8件(同31)。またインシデントはレベル1が634件(同819)、レベル0が465件(同146)あった。
レベル3(アクシデント)の事例としては、リハビリで介助歩行が1〜2歩歩けるようになった患者が病棟内を1人で歩いてしまい転倒骨折した、認知症意識障害のある患者がベッド柵を越えて転び、骨折した、手術後ベッドへ移動する際、挿入されていたチューブが抜けてしまい再度挿入したなどで、再発防止策も合わせて示している。
大規模災害に備え訓練も 実践さながらにトリアージを強化
同病院は、災害医療拠点病院の指定を受けており、6月7日、大規模災害に備えた防災訓練が行われた。医師や看護師、職員、患者ら約300人が参加。消火栓や消化器の確認、避難誘導訓練などが行われたほか、災害時の医療現場を想定したトリアージ(負傷者を傷病の緊急度や重傷度に応じて選別する手法)訓練も行われた。
訓練は2部構成で行われ、第1部では病院内の火災発生を想定して、患者の雛誘導訓練や病院職員による簡易ベッドの組み立て、模擬消火訓練などが行われた。
第2部では神奈川県西部で震度6強の地震が発生したとの想定で、トリアージ訓練を実施した=写真。病院職員50人を正面玄関詰めかけた患者に見立て、医師や看護師ら医療スタッフ約20人が、軽症患者と重症患者に選別し、その後、1階外来ホールで緊急治療が必要な重症患者について、優先順位をつけて治療を行うなど、一連の流れを訓練で確認しあった。訓練の様子は100人の病院関係者らが見学する中、院内で統一した認識が持てるようにと、実況で解説された。このほか、ベンチベッドの組み立てや報道関係者に向けた情報伝達、他院で処理が必要な患者の搬送など訓練内容も強化された。
今回初めて訓練に参加した星野美巳看護師は(27)は「実際の災害現場を想定すると。使用する医療器具や薬品が複雑多岐にわたるため、訓練のし過ぎということはない。完璧な処置に向け、これからも訓練を重ねたい」と話していた。
|