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厚木市は8月18日、外部評価者を招き一般公開で、事務事業の必要性などを再点検する「事業の仕分け」を行った。事前に選ばれた35事業を対象に、同市内外の職員が4グループに分かれて議論。傍聴する市民を前に「本当に市民のためになるか」「もっと違うやり方があるのでは」などと論戦を展開、事業の要否を評価した。
事業の仕分けは、事務事業のあり方を再考し、多様化する行政需要への対応と効率的な自治体経営を実現するのが目的。今回が初の試みとなった。予算化されている約800事業のうち、1受益者負担を考えるべき、2運営改善の余地がある―などの理由で35事業を事前に選定。テーブルごとに事業の担当職員が概要を説明し、市職員や他市の職員6人(評価者5人、コーディネーター1人)と30分意見を交換、「そんなサービスは不要」「民間に任せるべき」「現行通り継続すべき」などの評価を下した。 |
東京事務所のあり方をテーマとしたテーブルでは、事業担当者が「中央省庁の情報収集のために必要」「高規格道路など道路交通網の整備が進む中、市の特色あるまちづくりや企業誘致策を積極的に発信するために有効」などと強調したが、評価者からは「情報収集は厚木にいてもできる。1時間で行ける東京に事務所を置いておく理由が不明確」「事務所の賃借料で3千回以上の出張が可能。情報収集の必要性は否定しないが、中央省庁とのパイプ役としては人員も少なく中途半端な存在」などの意見が出され、不要3人、要改善2人という厳しい結果が示された。
事業の仕分けは、民間シンクタンクが中心となり全国的な広がりを見せている評価手法。県内でも平成14年度の三浦市を皮切りに、横浜市や逗子市で実施、県も今年度から導入している。仕分け対象となった事業の担当者は「他市職員の考え方などは新鮮で、自分のこれまでの仕事を振り返るいい機会になった。しかし、与えられた時間が短く、不十分な議論の中で結論付けられてしまうことに課題も感じた」と感想を漏らしていた。
仕分けを所管する市政企画部の宮台功部長は「一般公開で行ったため、緊張感のある議論が展開された。今回頂いた忌憚のない意見の数々は、今後の効果的で効率的な行政サービスの実現に向けて参考にさせてもらう」と話している。
評価の結果は、副市長を中心に組織する行政評価委員会などで議論され、来年度の予算編成やアウトソーシング(外部調達)の推進などに活かされる。 |
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