第712号(2007.09.01)

東京事務所は不要  外部評価者招き一般公開で役所の仕事再点検 厚木市

 厚木市は8月18日、外部評価者を招き一般公開で、事務事業の必要性などを再点検する「事業の仕分け」を行った。事前に選ばれた35事業を対象に、同市内外の職員が4グループに分かれて議論。傍聴する市民を前に「本当に市民のためになるか」「もっと違うやり方があるのでは」などと論戦を展開、事業の要否を評価した。
 事業の仕分けは、事務事業のあり方を再考し、多様化する行政需要への対応と効率的な自治体経営を実現するのが目的。今回が初の試みとなった。予算化されている約800事業のうち、1受益者負担を考えるべき、2運営改善の余地がある―などの理由で35事業を事前に選定。テーブルごとに事業の担当職員が概要を説明し、市職員や他市の職員6人(評価者5人、コーディネーター1人)と30分意見を交換、「そんなサービスは不要」「民間に任せるべき」「現行通り継続すべき」などの評価を下した。
 東京事務所のあり方をテーマとしたテーブルでは、事業担当者が「中央省庁の情報収集のために必要」「高規格道路など道路交通網の整備が進む中、市の特色あるまちづくりや企業誘致策を積極的に発信するために有効」などと強調したが、評価者からは「情報収集は厚木にいてもできる。1時間で行ける東京に事務所を置いておく理由が不明確」「事務所の賃借料で3千回以上の出張が可能。情報収集の必要性は否定しないが、中央省庁とのパイプ役としては人員も少なく中途半端な存在」などの意見が出され、不要3人、要改善2人という厳しい結果が示された。
 事業の仕分けは、民間シンクタンクが中心となり全国的な広がりを見せている評価手法。県内でも平成14年度の三浦市を皮切りに、横浜市や逗子市で実施、県も今年度から導入している。仕分け対象となった事業の担当者は「他市職員の考え方などは新鮮で、自分のこれまでの仕事を振り返るいい機会になった。しかし、与えられた時間が短く、不十分な議論の中で結論付けられてしまうことに課題も感じた」と感想を漏らしていた。
 仕分けを所管する市政企画部の宮台功部長は「一般公開で行ったため、緊張感のある議論が展開された。今回頂いた忌憚のない意見の数々は、今後の効果的で効率的な行政サービスの実現に向けて参考にさせてもらう」と話している。
 評価の結果は、副市長を中心に組織する行政評価委員会などで議論され、来年度の予算編成やアウトソーシング(外部調達)の推進などに活かされる。

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産婦人科医師確保に特殊勤務手当支給 厚木市
 厚木市は東京慈恵会医科大学から派遣されていた産婦人科の常勤医師の引き上げで、8月から休止状態になっている市立病院の産婦人科医師を確保するため、新たな人材確保として産婦人科医を対象に「病院業務手当」と、産婦人科医と助産師、看護師を対象とした「分べん介助手当」の特殊勤務手当を創設することを決めた。
 病院業務手当は市立病院に産婦人科医として採用された月から36カ月支給するもので、これによって同病院の産婦人科医の給与は県内でも最高水準にまで引き上げられるという。
 このほか、同市では休日や夜間などの時間外に緊急手術や入院を伴う診療、救急車輌で搬送された患者の受け入れなどに従事した医師に対しても「救急医療等従事手当」を支給することを決めた。いずれも9月定例議会で条例案が可決されれば、11月1日から施行される。

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新総合計画 協働検討会委員に市民・職員70人を委嘱

 8月10日、厚木市役所で「第1回新総合計画 市民・職員協働検討会」が開催され、小林常良厚木市長から委員に選ばれた70人に委嘱状が交付された。
検討会は、平成21年4月からスタートする「新総合計画」について、市民と職員とが同一の組織で協働して総合計画の検討を行うもので、委員の半数以上が公募によるもの。
 委員は、年齢が18歳から71歳までと幅広く、職業も市職員(31人)、学生、会社員、医師、大学教授、自治会長、商店会連合会役員など多彩。任期は、平成20年の3月まで。 委嘱状を交付=写真=した小林市長は、「総合計画は市の中でも最高位に位置付けられた計画。明るく楽しく、一人一人が元気な街であるために、積極的な議論を期待しています」とあいさつした。
 委員は、明るいまちづくり班(市民生活、治安、災害対策、環境、河川)、楽しいまちづくり班(保健、医療、福祉、教育、生涯学習等)、元気なまちづくり班(交通、道路、都市、産業、労働)、ひらかれたまちづくり班(行政経営)の4分科会に分かれ、施策目標や施策内容を検討し、来年3月末に分科会ごとに市長に提言書を提出する。また、検討の成果を「フォーラム」という形で広く市民に発表する。市民と職員が同一の組織で協働して総合計画の検討を行うのは全国的にも珍しい。
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世界の大舞台でゴールド賞を受賞 絵里香バレエスタジオの瀬河さん、山花さん

 アメリカのハリウッドで開かれた「第11回アニュアル・ワールドチャンピオンシップ・オブ・パフォーミング・アーツ」に参加した、厚木市寿町の絵里香バレエスタジオ(亜甲絵里香主宰)所属の瀬河華織さん(25)と山花玲美さん(11)が8月17日、厚木市役所に小林常良市長を訪問、コンテストでの受賞を報告した。
 コンテストは7月28日から8月4日まで、ハリウッドのユニバーサルスタジオで開かれ、ダンスや歌、楽器演奏、演技など6つの分野に、世界52か国から約5000人が参加した。
 瀬河さん=写真左=はシニアの部に出場。バレエ部門で最高の賞となるゴールド賞、オープン部門でシルバー賞を受賞。山花さん=同右=はジュニアの部に出場し、バレエ部門でゴールド賞、オープン部門でブロンズ賞に輝いた。
 瀬河さんは「ハリウッドのコンテストに出場できただけでもうれしいのに、最高の賞まで頂けてとても嬉しい」、山花さんも「踊る前は周りの雰囲気で緊張したが、先生に励まされ、最後まで踊り切ることができた」と喜びを話していた。

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玉川中の生徒が車づくりを体験 日産自動車が「おもしろ理科実験教室」

 子どもたちにものづくりの楽しさを伝え、理科に興味を持ってもらおうと、8月24日、中学生を対象とした車づくりの体験教室が、厚木市森の里青山の日産自動車テクニカルセンター・セミナーハウスで行われた=写真。
 厚木市教育委員会が進める「おもしろ理科実験教室」の一環で、玉川中学校(市川美紀子校長)の受講希望者10人が参加、車の模型作りを通じてものづくりの楽しさを体験した。
 教室では、同社の社員向け研修プログラムの一部を実践。車の開発プロセスを学び、設計図に基づいた車両模型の組み立てや車体検査、性能実験を行った。5人ずつのチームに分かれ、ボディーパネルやタイヤ、モーターなどを取り付けて模型を完成。その後、品質保証基準に照らして車体を検査、「タイヤの向きが反対」「パネルのすき間が不適正」などの問題点を発見、ものづくりの奥深さを学んだ。
 実験に参加した1年生の成井良平さん(13)は「車が好きで、学校でもハイブリッドカーについて研究している。設計図を見ながらの作業は難しかったが、ものづくりの面白さを学ぶことができた。今度は、科学技術の分野についても学んでみたい」と満足そうに話していた。講師を務めた同センターの持田孝さんは「ものづくりには理科の要素がたくさん詰まっている。最近の子どもはものづくりの機会が減っていて、それが理科離れの一因にもなっている。ものづくりを楽しむことで、理科にもっと興味を持ってくれたら」と話していた。
 おもしろ理科実験教室は、子どもの理科離れを解消しようと、同市教委が進める「理科教育推進事業」の一環で、昨年度から小中学校の実験や観察をサポートする理科補助教員とともに導入した。市内の全小中学校(36校)の授業や行事などで行われ、企業や大学の技術者、教授らが子どもたちに理科の楽しさを伝えている。

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県予選で優勝し関東大会に出場 学童軟式野球 ペガサス

 第30回関東学童軟式野球大会の県予選大会で優勝し、本戦進出を決めた市内の小学生野球チーム「ペガサス」(黒石正幸監督・部員36人)の選手、指導者22人が8月17日、厚木市役所に小林常良市長を訪れ、関東大会への出場報告を行った。
 同大会は、予選会となる県学童軟式野球大会の上位2チームが出場。24チームがトーナメントで戦った結果、ペガサスが4試合を勝ち抜いて優勝。初めての出場権を獲得した。黒石監督は「初出場なので気負わず、自分たちの野球ができるよう心掛けたい。プレーを一つ一つつないで、チームの特色である走り回る野球を生かしたい」と抱負を述べた。小林市長は、「厚木市や神奈川県の代表として、自信と誇りを持ち伸び伸びとプレーしてください。」と激励した。

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親子で職人の技にふれる

 木工などの工作を通じて職人の技術にふれる「夏休み親子技能教室」が8月19日、厚木市勤労福祉センターで開かれ、木工・板金の2コースに29組52人の親子が参加した。
 厚木市技能職団体の職人12人が工作技術の指導を行って作品を完成させるもので、今年で2回目。木工のコースでは「キッチンぺーパーホルダー」の作製が行われ、子どもたちは父母と一緒に楽しそうに製作に取り組んでいた。職人たちは作業中の親子の間を回り、ネジを締めるドライバーの使い方やヤスリのかけ方などをアドバイス、自ら手本を見せるなどして指導していた=写真。 また、板金コースでは、銅板に絵を描く「銅刻」や「表札」作りを行った。
 子どもたちは銅板に思い思いにデザインしたイラストや文字を金づちと釘を使って打刻。汗だくになりながら夢中で取り組んでいた。木工コースに参加した岩崎諒さんは(小2)は、「少し難しかったけどうまく作れたのでよかった」と満足そうに話していた。 

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 夏休みの思い出に25メートルの太巻き寿司完成 厚木北公民館

 8月25日、厚木北地区の小中学生と保護者約60人が市立厚木小学校で、太巻き寿司作りに挑戦、約30分かけて25メートルの太巻きずしを完成させ、夏休みの楽しい思い出の1ページを刻んだ=写真。
 厚木北公民館が主催する事業で、ことしで4回目。内容のユニークさが地域住民に受けて、同公民館の名物行事として定着している。今回も20組40人の募集に対して、49組123人の応募があった。
 太巻きずしの太さは、直径5センチほどの通常サイズ。同日、同校体育館には14台の長机が並べられた。ラップの上に米粒でつなげたのりが敷かれ、用意した約12キロの酢飯やキュウリ、卵焼き、かんぴょう、桜でんぶなどをバランスよく並べ、全員が「一、二の三」の掛け声で、「太巻き」には見えない「ながーい太巻き」を完成させた。
 学校で配られたチラシを見て家族4人で参加したという上野多鶴子さん(39)は「子どもたちが、朝からわくわくしていました。上手に完成させることができて嬉しい。親子で楽しい時間が過ごせました」と笑顔で話すと、娘の花恋さん(7)も「太巻きずしを作ったことを、夏休みの宿題の絵日記に書きたい」と話しながら、おいしそうにほお張っていた。 

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 揚州へボランティア日本語教師2人を派遣 厚木市揚州市人材交流協会

 厚木市の友好都市である中国揚州市の大学で、ボランティア日本語教師として赴任する岩井純さん(59・下古沢=写真左)と土屋博孝さん(62・毛利台=写真右)の壮行会が8月25日午後、市内の中国料理店で拓かれた。2人は厚木市揚州市人材交流協会(徳間和男会長)の公募により選ばれた。契約は1年間。壮行会には小林市長もかけつけ、「健康に留意され元気で頑張ってください」と激励した。
 9月から揚州職業大学で日本語を教える元高校教師の土屋さんは、「中国には一度も行ったことがない。高校で漢文などを教えていた頃から中国の歴史や中国の女性が発する美しい中国語にあこがれを抱いていた。あの歴史上の人物、鑑真和尚のふるさとで自分の役割を果たしてきます」と抱負を語った。
 
 また、来年3月に高校教師を定年退職後、4月から江海学院で日本語を教える岩井さんは「中国はシルクロードなど旅行で見た程度だが、その歴史の深さには感動するものがあった。これまで地理で教えてきた中国の現状をしっかりと目に焼き付けてきたい。日本語や日本の文化を教えながら自分も中国語を学び、少しでも日中友好の一端を担うことができれば嬉しい」と抱負を語っていた。

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吸い殻のポイ捨て禁止 看板設置

 本厚木駅前の広場やバスセンターなど人が多く集まる公共スペースの環境美化を進めようと8月13日、たばこの吸い殻のポイ捨て防止を呼び掛ける啓発看板が設置された=写真。市民の提案や自治会から要望があった50カ所に看板を取り付け、モラルの向上を訴えた。
 看板は縦42センチ、横30センチのプラスチック製。黄色の地に黒と赤の文字やイラストで、「ポイ捨て禁止」「ポイ捨ては罰則が適用されます」などと書かれている。
  市では8月2日、たばこのポイ捨てや受動喫煙などによる苦情の多かった本厚木駅北口広場やタクシー乗り場、厚木バスセンター
など4カ所で9個の灰皿を撤去した。灰皿のあった周辺では「以前よりは吸い殻のごみが減った」という声も聞かれるが、ポイ捨てをさらに減らしていこうと、この4カ所に15枚の看板を取り付け重点的啓発活動に乗り出すことにした。また、バス停などにも看板を設置し、市内全域で環境美化を呼び掛けていく。
 同市では平成15年10月、「厚木市みんなで守る美しい環境のまちづくり条例」を施行。ポイ捨てや落書きなどに罰則規定(罰金)を設けている。生活環境課では「ポイ捨ては街の美観を損なう行為で、特に歩行喫煙でモラルのない様子を目にする。ポイ捨てだけでなく、周囲の歩行者に対する健康被害や小さな子どもとの接触によるやけどの危険性などもあるため、十分に配慮をしてほしい」と呼び掛けている。

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子どもたちがトップアスリートと体験キャンプ

  子どもたちが公共施設に宿泊しながらトップアスリートとさまざまなスポーツを楽しむ「キッズ・スポーツ体験キャンプ」が8月7日から10日まで、七沢自然ふれあいセンターで行われた。市内外から小学生50人が参加、寝食を共にしながら、有森裕子さんら各界の著名選手からゲームやソフトボール、サッカーなどの手ほどきを受けた=写真。
 有森さんや湘南ベルマーレなどでつくる実行委員会が主催、市と教育委員会が後援した。
 同キャンプは、子どもたちが親元を離れ一流選手との触れ合いを通じて、スポーツの楽しさや日常生活のルール、マナーを学んでもらおうと平成16年から、夏休みを利用して全国各地で開催されてい
る。講師には、ウオーキングのデューク更家さん、元サッカー日本代表の小倉隆史さん、湘南ベルマーレ女子ソフトボールチームの安藤美佐子さんらを迎えている。 有森さんは「子どもたちには、スポーツだけでなく、共同生活の中でルールを守ることの大切さや相手を思いやる精神を学んでほしい。しかったり、ほめたり、子どもたちの頑張っている姿をしっかりと見つめて、接していきたい」と期待を込めて話していた。 

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 最盛期のナシ・ブドウを紹介\厚木市農業まつり

  厚木産のナシとブドウを紹介する「第38回厚木市農業まつり味覚祭」が8月25・26の両日、厚木さつき公園で開かれた。品評会や特別価格での販売会、もぎ取りができる観光農園の紹介など、会場は大勢の家族連れでにぎわった=写真。
 会場を訪れた子ども連れの主婦・原小百合さん(44)は「歯医者へ行った帰りにふらりと立ち寄った。厚木産のナシはみずみずしくて甘いので大好き。家に帰って家族で食べたい」と購入したナシの袋を手に笑顔で話していた。
 市内には現在、約50戸のナシ栽培農家があり、栽培面積は約23ヘクタールで県内第4位、収穫量は約500トンで県内第5位。また、ブドウの栽培農家は約10戸ある。
 味覚祭運営委員会の高澤和雄さん(愛甲)は今年の出来について、「6月の長雨で当初は心配されたが、その後の好天で実は甘く大きく育った。ここ2、3年では一番の出来。売れ行きも上々です」と話していた。同市のナシのもぎ取りは9月10日、ブドウは15日までもぎ取りが楽しめる。

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いつまでもお元気で 小林市長が高齢者訪問

小林常良厚木市長が、高齢者宅を訪問し長寿を祝う「市長高齢者訪問」が8月23日から始まった。同日と24、29、30、31日の5日間で、90歳を迎えた高齢者や95歳以上の高齢者など51世帯・54人を訪問した。
 初日となった23日は、ことし2月に90歳になった松枝在住の山口直美さん=写真=をはじめ21世帯を訪問した。山口さん宅では、小林市長が「いつまでも今のように若々しく元気でいてください」と声を掛けると、山口さんは「家族から愛情を受け、元気でいられます」と話していた。
 今年の高齢者訪問では、90歳以上の方に枕、100歳の方に銀杯、白寿の方には茶釜などが贈られた。市内には現在、最高齢105歳
の女性を筆頭に100歳以上の高齢者が43人(男6人、女37人)在住。90歳以上は8月1日現在で、1108人(男272人、女836人)在住している。

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 厚木市が施設や事業所に救急マークを交付

 厚木市は11月9日から市内にある施設や事業所で傷病者が発生したとき、傷病者に対して適切な応急手当のできる従業員が勤務している施設や事業所に対して「救急マーク」=写真=を交付、応急手当の普及啓発をはかるとともに、市民が安心して暮らせるまちづくりを進める。対象となるのは旅館、ホテル、百貨店などの物品販売店、福祉施設、スポーツ施設、集会施設、公共施設などで、AED(自動体外式除細動器)の設置状況と従業員や職員が応急手当の講習を修了している割合に応じて交付する。有効期間は3年間。
 マークは赤地のハートにAED・救急と白文字で染め抜き、早い通報、早い応急手当、早い救急処置、早い救命医療を訴えている。

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