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厚木市の防災総合訓練が9月2日、同市寿町の厚木中央公園などで行われ、市内全域で約2万人が参加して防災意識を高めた。
自治会単位で組織する自主防災隊(217隊)では、東海地震を想定した予知対応型の訓練や、南関東地域における大地震を想定した発災対応型の訓練を実施。午前8時半、防災行政無線のサイレンを合図に、高齢者宅などを訪問して実態把握する災害時要救護者対策訓練や、バケツをリレー方式で運ぶ初期消火訓練などが市内141会場で繰り広げられた。
市職員を対象とした訓練は、災害対策本部が設置されたルリエ本厚木や厚木中央公園で実施。職員は交通機能がまひしたことを想定し、自宅から徒歩や自転車で登庁、各職場での行動マニュアルを検 |
証したほか、厚木中央公園で防災資機材の取り扱い訓練などを行った。今回は新たに障害者団体と連携し、障害者と職員のコミュニケーション能力を高めるための訓練を実施した。会場となった厚木中央公園では、障害者が市職員から消化器などの防災資機材取り扱いの手ほどきを受けた。
小林常良市長を本部長とする災害対策本部では、本部機能の強化に向けた図上訓練を実施。実際の被災地で浮かび上がった63の問題点について議論、「厚木インターチェンジの一般車誘導に職員10人の応援が欲しい」という想定に対し「道路部は各地域のパトロールが任務。市内の現状把握が第一で、応援は他部で対応してほしい」「消防は対応可能。専門的な車両を使うことも有効な手段」などの意見が出された。「駅からの帰宅困難者が、避難所開設前の地区に押し掛けてきた」という想定では、厚木中央公園へ誘導することを確認。「雨天時などは公園の地下駐車場へ誘導したらどうか」という案も出されたが、「地下駐車場は電力を使って酸素を確保している。電気が使えない状況での誘導は危険」という意見なども出た。
訓練会場を巡回した小林市長は、訓練終了に当たり「各地区の自主防災隊では、特徴のある訓練が展開された。実際に体育館での避難生活を体験していた地区もあり、市民の意識の高まりを感じた。災害対策本部での訓練では、1本部員(部長)の代行制導入2状況に応じた近隣自治体への応援要請リストの作成3本部設置前の情報収集の受け皿の在り方―などを確認した。災害が来たとき、具体的にどのように動けるのかを分かりやすくし、市民の生命・財産を職員一丸で守ってほしい」と話していた。 |
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