第713号(2007.09.15)

市全域で2万人が参加  障害者団体と連携した訓練も実施 

 厚木市の防災総合訓練が9月2日、同市寿町の厚木中央公園などで行われ、市内全域で約2万人が参加して防災意識を高めた。
 自治会単位で組織する自主防災隊(217隊)では、東海地震を想定した予知対応型の訓練や、南関東地域における大地震を想定した発災対応型の訓練を実施。午前8時半、防災行政無線のサイレンを合図に、高齢者宅などを訪問して実態把握する災害時要救護者対策訓練や、バケツをリレー方式で運ぶ初期消火訓練などが市内141会場で繰り広げられた。
 市職員を対象とした訓練は、災害対策本部が設置されたルリエ本厚木や厚木中央公園で実施。職員は交通機能がまひしたことを想定し、自宅から徒歩や自転車で登庁、各職場での行動マニュアルを検
証したほか、厚木中央公園で防災資機材の取り扱い訓練などを行った。今回は新たに障害者団体と連携し、障害者と職員のコミュニケーション能力を高めるための訓練を実施した。会場となった厚木中央公園では、障害者が市職員から消化器などの防災資機材取り扱いの手ほどきを受けた。
 小林常良市長を本部長とする災害対策本部では、本部機能の強化に向けた図上訓練を実施。実際の被災地で浮かび上がった63の問題点について議論、「厚木インターチェンジの一般車誘導に職員10人の応援が欲しい」という想定に対し「道路部は各地域のパトロールが任務。市内の現状把握が第一で、応援は他部で対応してほしい」「消防は対応可能。専門的な車両を使うことも有効な手段」などの意見が出された。「駅からの帰宅困難者が、避難所開設前の地区に押し掛けてきた」という想定では、厚木中央公園へ誘導することを確認。「雨天時などは公園の地下駐車場へ誘導したらどうか」という案も出されたが、「地下駐車場は電力を使って酸素を確保している。電気が使えない状況での誘導は危険」という意見なども出た。
 訓練会場を巡回した小林市長は、訓練終了に当たり「各地区の自主防災隊では、特徴のある訓練が展開された。実際に体育館での避難生活を体験していた地区もあり、市民の意識の高まりを感じた。災害対策本部での訓練では、1本部員(部長)の代行制導入2状況に応じた近隣自治体への応援要請リストの作成3本部設置前の情報収集の受け皿の在り方―などを確認した。災害が来たとき、具体的にどのように動けるのかを分かりやすくし、市民の生命・財産を職員一丸で守ってほしい」と話していた。

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証明書発行10月より本人確認  厚木市
 厚木市は本人なりすましによる不正な住民票、戸籍、印鑑証明などの取得を未然に防止し、個人情報を保護するため、10月1日から証明発行にかかわる本人確認を実施する。
 住民票写しなどの交付を受ける場合、窓口で運転免許証や健康保険証の提示を求めるもので、対象となるのは、住民票の写し、戸籍謄・抄本、印鑑登録証明書、外国人登録原票記載事項証明書など。印鑑、登録カードのほか、本人確認書類が必要となる。詳しくは市民課へ。tel225・2110番

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中学生が小学生に理科の魅力教える  藤塚中の生徒が公民館で実験教室

 中学生が同じ地区に住む小学生に理科の楽しさを教える実験教室が、9月8日、厚木市上依知の依知北公民館で開かれた。同市立藤塚中学校(小野澤英雄校長・生徒数513人)の生徒11人が、近隣の北小学校や上依知小学校の児童と保護者30人に、実験や工作を通じて理科の魅力を伝えた。
 実験教室は積極的な地域連携を中学生から働きかけてもらおうと、同公民館が主催したもので、今年で5回目を迎えた。 
全国的に問題視されている子どもの理科離れ解消にもつなげていこうと、毎年趣向を凝らした実験と工作を行っている。
 この日は「光で遊ぼう」をテーマに、万華鏡とピンホールカメラを作製した。夏休みを使って実験の準備や作品の試作などをくり返して
きた生徒たちが、グループに分かれた児童に作り方や原理などをていねいに説明した。万華鏡作りでは、児童がハサミで切った鑑を思い思いの形に重ね合わせるなど、工作しながら光の反射の仕組みを学んだ=写真。
 友人とともに参加した北小4年の男子児童は「中学生に優しく教えてもらいながら鏡を切ったり、飾りのビーズを入れたりするのが楽しかった。光の反射のことも少しわかった気がする」と目を輝かせながら話していた。講師をつとめた同中3年の伊野さづきさんは「実は理科は好きじゃなかったけれど、教えるための勉強をしていくうちに意外な発見がたくさんあり理科の楽しさを感じた。小学生と接するのも楽しく、もっとこういう機会があればいいなと思った」と感想を話していた。
 生徒たちのサポートに当たった日野原博教諭(56)は、「年々参加者も増え、小中学生の交流の場として地域への浸透を感じます。地域のつながりを強めるだけではなく、生徒や児童が理科の魅力や人とのコミュニケーションを深めることの大切さを知ることができる貴重な機会となった」と話していた。
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熊野神社の石灯籠を文化財指定 関東地方では最古の作例

 厚木市教育委員会は、9月1日、同市愛甲の熊野神社所有の石灯籠2基を市の指定文化財に指定した。1基は康暦2年(1380)建立の石灯籠=写真手前=で、高さ132・6センチ。石材は伊豆半島産の安山岩で出来ている。もう1基は延宝8年(1680)の石灯籠=写真奥=で、市内七沢産の凝灰岩で出来ており、高さ121・5センチの大きさ。
 関東地方で最も古い年号を有する中世期の在銘石灯籠は、東京都大田区新井宿の佐野家所在の暦応3年(1340)のものがあるが、同家所在のものについては他から移設されたものと見られており、熊野神社所在の石灯籠は、建立当初から同地に所在したもので、在銘、移設なしという条件を限定すれば関東における最古の作例といわれている。
 この康暦銘石灯籠は南北朝時代の厚木地方の標準的な資料であると同時に、関東地方における在銘最古級の石灯籠と認められ、中世熊野山領および荘園の成立を考える上でも重要とされることから、同市文化財保護審議会の答申を受けて今回指定することに決定した。また、延宝銘石灯籠については康暦銘石灯籠を補完する資料であるため、「附(つけたり)」として一括指定された。

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厚木市広報 組み写真の部で1席 全国広報広聴研究大会で過去最高の成績

 9月6日、山形市で開かれた「第44回全国広報広聴研究大会」で、全国広報コンクールの表彰式が行われ、厚木市の広報が組み写真の部で1席に入賞した。大会は社団法人日本広報協会、山形県、山形市の3団体が主催したもので、内閣府、総務省が後援した。
 コンクールには各都道府県の最優秀賞がノミネート、審査されたもので、神奈川県内では4部門で厚木市など5自治体に賞状が授与された。厚木市の1席入賞は過去最高の成績。審査の対象となった「広報あつぎ」は、平成18年7月1日号の特集「中学校補助教員の活動」などを紹介した写真11枚。平成17年度から導入した民間人登用の制度を、現場写真を豊富に使ってわかりやすく説明している=写真。
 市広報課では「コンクール目的などで広報紙掲載写真の撮影を、業者に委託する自治体が増えているが、本市の写真はすべて職員による自前。そういう中で専門家から高い評価を受けたことは大変うれしい。この2年間は課員全員で成果品に対する反省に十分時間をかけてきた。この結果に慢心することなくこれからもいい写真を撮り、市民に読んでもらえる広報紙づくりに努めたい」と話している。

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市民が14種目のスポーツで汗流す 荻野運動公園

 年代に応じた、さまざまなスポーツの楽しさを知ってもらおうと9月9日、「スポレクあつぎ2007」のイベントが荻野運動公園で開かれ、家族連れなど大勢の市民がスポーツの秋を楽しんだ。
 スポレクあつぎ2007は「あつぎスポーツレクリエーションフェスティバル」を改称したものでことしで5回目。会場では体育館でのフォークダンスやバドミントン、陸上競技場での体力測定、多目的広場でのペタンク、プールでのアクアエクササイズなど、14種目の体験コーナーが設けられ、参加者は思い思いの種目に挑戦、心地良い汗を流していた。
 ペタンクに初めて挑戦した小倉欣一郎さん(65)は、「簡単そうに見えて奥が深く、コミュニケーションが大切なスポーツ。これから本
格的に始めてみたいと思います」と、額の汗をぬぐいながら競技を楽しんでいた。また、同市をホームタウンの一つとするプロサッカーチーム「湘南ベルマーレ」コーチによるサッカー教室も開かれ。子どもたちはボールを奪い合ったり、パスを出し合ったりして、基本的な技術指導を受けていた=写真。

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初めての水彩画展58の力作ズラリ グループ「マルガリータ」

 厚木北公民館で月2回水彩画を学び、花などの静物画や屋外写生を通して風景画などを描いている水彩画サークル「マルガリータ」の作品展が9月4日から10日まで同市中町の市民ギャラリーで開かれた。
 同サークルは北公民館で開かれた絵手紙教室をきっかけに、平成14年に結成された。会の名称は「縁」を意味する「マルガリータ」という言葉をスペイン語で表したもの。講師である川口そのえさんが、スペインに約9年間滞在したことがあり、会員の末永い縁を願って付けた。
 川口さんは「5年近く活動して初めての作品展で感慨深いものがあります。初歩から学んだ会員もいる中で、自分のセンスに努力を重ねて描きためた素晴らしい作品が並びました。ボカシの技法を使い、透明感を表現した水彩画ならではの作品です」と話していた。会場には風
景や花などを描いた作品58点が並び、訪れた市民の目を楽しませていた=写真。

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 納涼ゆかたまつりで芸妓衆が「おさらい会」

 8月30日、厚木市飯山の元湯旅館で、飯山芸妓置屋組合(松原美枝子組合長)主催による「平成19年納涼ゆかたまつり」が開かれ、約200人の見物客で賑わった=写真。
 ゆかたまつりは飯山地区で10年以上続く毎年恒例の行事で、芸妓さんが一般の人たちに日頃の踊りの成果を披露するもの。踊りの練習をおさらいすることから始まったといわれ、「おさらい会」ともいわれている。
 この日は、25人の芸妓さんが「風林火山」や「祝い船」など13曲を踊り、客席から大きな拍手を受けた。厚木芸妓衆の踊りを初めて見たという45歳の男性は、「こんなに上手に踊られるとは思いませんでした。京都祇園に負けないくらいの踊りだった」と感激していた。舞台で踊ったベテランの芸妓さんは「今年は例年になくお客さんがいっぱ
いで緊張しました。多くの人から声がかかるようこれからも稽古に精進していきたい」と話していた。

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 児童が「花笠踊り」に挑戦 妻田小学校

 子どもたちが山形県の代表的な民謡踊り「花笠踊り」を学ぶ授業が、9月6日、厚木市立妻田小学校(阿部朋子校長)で行われた。市民謡協会、厚木市、同校の3団体が協力して開いたもので、協会の石井福三会長ら13人が、4年生の児童約110人と一緒に花笠踊りを練習した。
 授業は市が取り組んでいる文化事業の一つで、芸術家や文化関係者を地域へ派遣するアウトリーチ活動の一環として実施された。体育館に集まった子どもたちを前に、民謡協会会員で元校長の前田金也氏が花笠踊りについて説明した後、尺八や三味線に合わせて踊りを実演、最後は児童たちも一緒にナマ演奏に合わせて練習した=写真。
 初めは緊張気味だった児童も、実際に踊り始めると、民謡協会会員と一緒に「ハーヤッショ、マカショ」のかけ声を出しながら、元気いっぱい踊りを楽しんでいた。
 伝統的な日本文化である民謡は、後継者不足に悩まされており、石井会長は「こうした取り組みを通じて、子どもたちが伝統文化へ興味を持つきっかけになれば」と話していた。 

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来年は若者が企画運営 成人式第1回実行委開かれる

 9月5日、厚木市中町のヤングコミュニティセンターで「平成20年厚木市成人式第1回実行委員会」が開催され、公募による委員6人のうち5人が出席して実行委員長の選出やテーマ、企画内容について意見交換を行った=写真。
 県内19市のうち、実行委員会を立ち上げて実施していないのは厚木市、逗子市、座間市の3市で、厚木市も来年度から実行委員会方式で行うことにしたもの。委員はいずれも来年の成人式に出席する新成人で、男女各3人。職業は大学生と専門学校生。
 この日の会議では「やるからには自分もみんなも楽しく思い出に残るようなイベントにしたい」「あいさつは短めがいい」「芸能人を招く必要があるのか」「テーマが大事」などさまざまな意見が出された。
 実行委員長になったのは西巻香里さん(20)で、「一生に一度の大イベントをみんなで協力しあってやることは、きっといい経験になるはず。これまでの型にはまったものではなく、大人の人たちが考えを広げてくれるようなきっかけになればいいと思う。これから徐々にテンションを上げて思い出深い成人式にするため頑張っていきたい」と抱負を語った。

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七沢森林公園などを視察  韓国から森林セラピーの公的視察団

 9月5日、韓国江原道癒しの森林セラピー基地練修団の一行15人が、今年3月に森林セラピー基地として認定された厚木市七沢地区を訪れ、現地の視察やセラピー基地の運営などについて学んだ。
 韓国江原道は7市11郡、人口150万人を越える行政区。視察団は「韓国でも近年、森林の癒し効果に関心が高まってきている。森林面積81%の江原道では、これから本格的な研究が始まる。厚木や日本の取り組みについてぜひ学ばせてほしい」と話し、県立七沢森林公園内にある森の民話館で行われた市職員の説明に熱心に耳を傾けていた。 
 天気は生憎の雨だったが、視察団は公園内を散策し、約2時間厚木市の森林浴を体感した=写真。

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 懐かしい「昭和」ズラリ くらしテーマに収蔵資料展

 昭和30年代を中心に衣・食・住にかかわる生活道具や当時の暮らしの様子を写真パネルで展示した第32回収蔵資料展「かわってきた私たちのくらし」が、9月8日から同市寿町の厚木市郷土資料館で始まった=写真。
 展示は同資料館が小学4年生の授業「変わってきた人々のくらし」に合わせて行う出前展示を、収蔵資料展として取り上げたもの。資料館講座「くらしの文化財探索会」の会員らを中心とする市民自らが 企画・運営した。出展資料は約110点で、木炭アイロン、洗濯板など、かつてのくらしをうかがうことができるる。
 展示初日は、体験講座「むかしのあそび」として竹とんぼ作り教室を開催。10日には「わらべうたと和楽器」と題して、琴3人の会によるミュージアムコンサートが行われたほか、10月7日には「博物館における市民との協働の可能性」と題し、県立歴史博物館普及
企画課の長田平課長による講演会が開かれた。

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応急手当の大切さ知って 本厚木駅前で救急の日フェア

 応急手当の大切さや市の救急活動を広く知ってもらおうと、厚木市消防本部は「救急の日」に当たる9月9日、本厚木駅北口広場で「救急の日フェア」を開催した。女性消防団職員が「1日救急隊長」として啓発チラシなどを配布したほか、救急隊による救命活動のシミュレーションも公開され、会場は駅利用者や家族連れなどでにぎわった。
 この日、会場には救急車や救急二輪車(通称赤バイ)、救急隊の活動写真、AED(自動体外式除細動器)などを展示。子どもたちは楽しそうに救急車の中を見学したり、赤バイにまたがったりしていた。また、同市消防団や厚木医師会の協力により女性消防団員7人と市内に勤務する看護師2人を1日救急隊長に任命。チラシを配布しながら応急手当の大切さを呼びかけた。
 訓練人形を使った心肺蘇生の体験コーナーでは、女性消防団員が模擬訓練を披露したほか、救急隊が心肺停止者の発生を想定した模擬訓練=写真=を行い、本番さながらの救急活動に見学者から大きな拍手が送られていた。
 会場で心肺蘇生法の説明を聞いていた24歳の女性は「警備関係の仕事をしているので、救命講習は修了していますが、絶えず応急手当の方法を確認しておかないと不安です。いざというときのために日ごろから練習をしておきたい」と話していた。

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