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厚木市は8月18日、事務事業の再編、整理、廃止、統合を進め、多様化する行政需要への対応と効率的な自治体経営を図るため、他市職員による外部評価者を招いて事務事業の必要性などを再点検する「事業の仕分け」を公開で行ったが、仕分けの結果をふまえて厚木市行政評価委員会(委員長・都高泉副市長、職員7人)が検討した「総合評価」が10月17日まとまった。
事業の仕分けは予算化されている800事業のうち、37事業を対象に意見を交換し、「そもそもこの事業が必要か」「民間に任せるべき」「改善を図るべき」「現行通り継続」などの視点で評価、その結果、不要8件、民間にまかせるべき3件、要改善24件、現行通り2件の仕分け評価を行った。その後、これを受けた行政評価委員会が総合評価を下した。 |
総合評価の結果は、不要7件、民間1件、要改善26件、現行通り3件となった。不要の評価が下された事業は、東京事務所運営事業、母子家庭等野外活動事業、七沢弁天の森キャンプ場維持管理・補修事業、チャイルドシート推進事業、交通災害共済事業特別会計繰出金、商業ベンチャー、経済講演会事業など。民間に任せるべきは、生きがいセンター維持管理事業。要改善は国際交流推進事業、庁内研修事業、出産祝品支給事業など。
不要の評価が下された東京事務所運営事業費は、平成19年度に2千8百95万円の予算を計上した。総合評価では企業誘致、厚木市の宣伝および各種情報収集活動についは、東京に事務所を設けなくても十分可能であることから、廃止の方向が打ち出された。また、母子家庭等野外活動事業で実施されている母子家庭・父子家庭の福祉向上を図るための旅行については有効性が低く、費用対効果の視点から廃止、チャイルドシート推進事業についても着用義務施行後7年が経過し、認知度も高まっていることから、当初の事業目的は達成されており利用率も高くない、交通災害共済事業特別会計繰出金については、事業が開催された昭和42年に比べると、現在は民間による保険が充実しており、加入者が減少傾向になっていることから、それぞれ廃止の方向性を打ち出した。
このほか、事業の開始から5年が経過したが、地域経済の活性化に結びつく商業起業家の発掘・育成に至っていない商業ベンチャー事業や企業の事業展開に対する判断材料の提供や経済に対する関心の醸成を図る目的で行われている経済講演会は、市が実施する必要性が認められないという理由で廃止という総合評価が下された。
市ではこの総合評価をもとに、今後、各担当課で事業の見直しなどを行い、平成20年度以降の予算編成やアウトソーシングの推進などに反映させたいとしている。これについて小林常良市長は「事業仕分けに対する行政評価委員会の総合評価については、真摯に受け止め、尊重してまいります」というコメントを発表した。。 |
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