第769号(2010.02.15)

健康と暮らしに重点  厚木市新年度予算案 一般会計751億8千万円

市立病院の整備に着手

 厚木市の小林常良市長は2月9日記者会見し、総額1千251億115万円(前年度比1・8%増)の平成22年度当初予算案を発表した。一般会計は751億8千万円(同0・4%減。)、国民健康保険事業など9特別会計は499億2千115万円(同5・4%増)。一般会計は 就任後2年続いてマイナス予算の後、昨年初めてプラスに転じたが、厳しい経済状況を背景に今期は再びマイナス予算となった。人件費・物件費などの経費削減と市債発行の減額などで健全財政への取り組みを行ったのが特徴で、同市長は「限られた財源を市民要望や社会的ニーズの高い健康と暮らしを基本にした事業に集中配分した」と述べ、同予算を「あつぎの元気発揮予算」と位置づけた。

 経費削減全体で16億円 
 同市長は予算編成にあたって徹底した経費の削減に取り組み、人件費12億4千732万円、物件費1億8千814万円、維持補修費2億872万円をそれぞれ減額して16億4千419万円の経費削減を図ったほか、健全財政への取り組みとして市債の発行を前年度より9億960万円減らして14・8%減額、一般会計の市債残高を前年度比4億7千597万円減の514億1千921万円とした。市民人当たり22万7千723円の借金となる。また、土地開発公社への26億915万円の債務を買い戻して債務負担行為を解消、県下の市では初となる同公社を解散する。この結果、全会計を合わせた市全体の債務総額は前年度末より49億8千463万円減って842億9千409万円となった。
 
市税23億円の減
 一般会計歳入の根幹をなす市税は、対前年度比較で23億1千749万円の減で427億5千35万円(5・1%減)。このうち個人市民税は景気低迷による給与所得の減少で11億7千929万円減の142億1千960万円(7・7%減)、法人市民税も企業業績の不振により15意6千351万円の大幅減収で39億4千842万円(28・4%減)となった。このため、財政調整基金21億円を取り崩して一般会計に繰り入れたほか、市債52億1千870万円(14・8%減)を発行した。
 
民生費・衛生費増加
 歳出面では民生費が子ども手当支給経費や生活保護費などの増加で16・9%増えて258億6千369万円、衛生費が斎場施設整備事業費(継続)と病院整備基金の積立金などの増加で7・2%増え87億6千862万円となったが、土木費は中津川左岸堤防道路整備事業費(継続)や準用河川恩曽川改修事業費の減額などにより14・4%減の94億7千835万円、教育費も小中学校校舎補強事業費、荻野公民館新築移転事業費(継続)などの減額で22・4%減の79億2千231万円、総務費も9・7%減の79億8千248万円となった。
 
市民1人当たり33万円
 歳出に占める人件費(構成比で20・7%)、扶助費(同20・3%)、公債費(同9・1%)などの義務的経費は50・1%で、投資的経費は小林市長になってから一番低い8・2%。歳入に占める市税の割合は56・9%で、自主財源率は70・1%を維持している。歳入歳出予算額を市民1人あたり(平成22年1月1日現在の人口22万5千797人)に換算すると、33万2千954円で、前年度とほぼ同額。
 同市長は「元気発揮予算」の重点項目として、健康・福祉、子育て支援、教育の充実、安心安全、環境対策を掲げ、「自治基本条例の制定」「セーフコミュニティの認証」「市立病院の整備着手」 「B\1グランプリの開催」などを最重点施策として取り組むと述べた。
 
■主な重点・新規事業
 厚木市病院整備基金積立金6億円(市立病院の建て替え整備資金を確保するため基金創設)、病院事業会計出資金1億565万円(設計)、こんにちは赤ちゃん訪問事業699万円(生後4ヵ月頃までの乳児のいる家庭を保健師、助産師などが訪問して育児相談に当たる)、小児医療費助成経費7億円(対象年齢を9歳から小学校修了までに拡大)、高等学校等修学旅行費支援金1千100万円(経済的理由で修学旅行参加が困難な家庭に5万円を限度に支給)、中心市街地LED防犯灯省エネ促進事業1千113万円、児童用自転車ヘルメット購入助成事業520万円(ヘルメット1個につき1000円補助)、幼児2人同乗用自転車購入助成事業205万円、あつぎ健康相談ダイヤル24事業1千280万円(専門のヘルスカウンセラーが24時間365日電話で対応)、自殺予防対策事業321万円、相模川水辺ふれあい拠点創出事業500万円、元気な森づくり事業100万円、温暖化防止推進事業6千800万円(太陽光発電等補助金、)あつぎ食ブランド活用事業122万円、B\1グランプリ等開催補助金2千400万円。

B級グルメでまちを元気に・シロコロスナック菓子

売上の一部を市に寄付  厚木シロコロ・ホルモン探検隊

 厚木シロコロ・ホルモンをB級グルメとして一躍有名にした「厚木シロコロ・ホルモン探検隊」の中村昭夫隊長と小野塚徳博副隊長が2月5日、厚木市役所に小林常良市長を訪れ、1日から販売を開始したシロコロ味のスナック菓子を寄付、同探検隊の法人化について報告した=写真。
 スナック菓子は商品名を「B\1グランプリ 厚木シロコロ・ホルモン味 コーンスナック」と名づけられ、同探検隊と製菓会社であるジャパンフリトレー株式会社が共同企画した。同社が製造・販売するもので、今年で2回目。定価は1個124円(税込み)。4月までの3か月間、全国のコンビニエンスストアや大手百貨店などで限定販売する。
 今回は味付けを濃くするなど、70万個を売り上げた昨年の商品をさらに改良。パッケージも炎をイメージしたものに一新した。探検隊によるスナック菓子を通じてまちづくりにつなげるのが目的で、売り上げの一部を市に寄付する。
 中村隊長は「あつぎ元気大使として、少しでもお役に立てればと売り上げの一部を寄付することにした。どれだけ売れるかはわからないが、有効に使っていただきたい」と話していた。小林市長は「大切にシティセールスなどに使っていきたい」と感謝を述べた。
 また、厚木市の市制記念日である2月1日に合わせ、事業団体として「一般社団法人あつぎ街おこし応援団」も設立した。今後も厚木シロコロ・ホルモン探検隊は存続するが、シロコロ関連事業は法人事業の一部として行われる。中村隊長は「今まではみなし法人として活動してきたが、より責任を持った活動をしていくため法人化した」と話している。

市長と高校生18人が対話・厚木西高校で移動談話室

通学路の歩道整備や防犯灯設置を要望

若者たちの声に耳を傾けようと小林常良厚木市長は2月3日、県立厚木西高校(同市森の里青山・柏木隆良校長・生徒数708人)を訪れ、同校の生徒18人と90分にわたって意見交換を行った。
 意見交換は、市長が多くの市民から直接意見を聴こうと地域に出向いて対話する「市長の移動談話室」の一環として行われたもので、これまで市内の公民館や企業、大学で開いてきたが、今回初めて高校を訪れた。
 この日の参加者は、新たに生徒会役員となった1、2年生が中心。高校周辺の道路環境や本厚木駅周辺の整備などで、日頃から疑問に思っていることを市長に投げ掛けた。また、市のイメージキャラクター「あつぎん」くんの作成や市内を結ぶモノレールの開発など若者の視点からユニークな提案もあり、対話は終始和やかな雰囲気で行われた=写真。
 通学路の歩道整備や防犯灯設置などを訴えた山本愛理さん(16)は「最初は緊張したけど、自分の思いが伝えられて良かった。安心・安全な厚木になってほしい」と感想を話していた。
 小林市長は「高校生から話を聴くのは今回が初めてで、世代によって、全く違う観点を持っていると感じた。大人と子ども両方の感性を持っている高校生から話を聴けたことは、とても貴重な体験となった」と語っていた。
 対話終了後には、市長が同校の部活動を見学し生徒を激励した。高校での「移動談話室」は今後、学校を変えて開催を予定している。

沿川自治体首長が相模川サミット

河川利用や広域交通テーマに意見交換

  神奈川の母なる川として地域の歴史や文化を育んできた、相模川の周辺自治体が有する様々な共通課題の解決を目的として、相互に連携・協議を行うため「県央相模川サミット」が2月1日午前、厚木市役所で開かれた=写真。
 同サミットは平成20年10月に行われた県主催の地域別首長懇談会で、小林市長が相模川周辺自治体によるサミットを提案、これに松沢知事や沿線自治体の首長が賛同し、開催に至ったもの。サミットには趣旨に賛同した相模原市、海老名市、厚木市、座間市(今回は欠席)愛川町、清川村の各首長と、県副知事がオブザーバーとして出席した。開催にあたり発起人である小林市長は、サミット開催による自治体連携の意義を強調、その後、共通課題である「河川利用」と「広域交通」をテーマに幅広く意見を交換した。
 意見交換では「相模川の環境保全活動にかかわる関係市町村の連携の必要性」(加山相模原市長)「河川敷の樹木繁茂対策」(小林厚木市長)「相模川広域クリーンアップ大作戦の提案」(内野海老名市長)「小田急多摩線の延伸」(山田愛川町長)「宮ヶ瀬周辺の観光」(大矢清川村長)をはじめ、「さがみ縦貫道路の開通にともなうまちづくり」など活発な意見が相次ぎ、出席者は今後もさらなる交流のため、サミットを継続的に開催していくことで合意した。

厚木市立病院

外来ホールにひな飾り

  厚木市水引の厚木市立病院(田代和也院長)の外来ホールに、15人ぞろい7段のひな飾りがお目見えし、来院者に季節感と癒しを与えている。
 このひな飾りは、約10年前、県立厚木病院時代(平成15年4月から厚木市立病院)の従事者から、子育ても終わり家に眠っているということで、一式で寄付を受けたもの。飾り付けたのは、病院内で活動しているボランティア団体「病院ボランティア21」(根岸美穂代表・会員15人)の会員5人。約1時間ほどで飾り付けた。
 毎年、この時期に飾り付けをしている根岸美穂代表は「年に1度のことなので、組み立てには少し時間がかかっていますが、見て喜んでもらえる患者さんの顔を思い浮かべながら飾り付けをしました。少しでも季節感を感じていただき、心の安らぎになれば」と話している。
 病院を訪れた患者たちの中には、立ち止まってしばし眺める人たちもいて、一足早い桃の節句の訪れを楽しんでいる。このひな飾りは、3月4日ごろまで展示される予定。

交通安全ファミリー作文コンクールで「内閣府特命担当大臣賞」

緑ヶ丘小1年の望月和輝さん

   平成21年度交通安全ファミリー作文コンクールで優秀作「内閣府特命担当大臣賞」を授賞した厚木市立緑ヶ丘小学校1年生の望月和輝さんが1月28日、小林常良市長に受賞を報告した=写真。
 内閣府、全日本交通安全協会などが主催したもので、昭和54年度から行われている。望月さんは、「お父さんと歩いているときに一時停止の標識に気づかずに渡っため、お父さんから標識の意味と危険を教えられ、標識の大切さと安全に過ごすための心構え」を書いた。応募総数は2万747編で、望月さんは「お父さんがほめてくれた」と答えていた。

玉川小学校

カードゲームで学ぶ環境問題

 現在直面している地球の環境問題を学んでもらおうと2月2日、厚木市立玉川小学校(虻川敬校長・児童数228人)で子どもたちに身近なカードゲームを通じて地球の環境問題を学習する取り組みが行われた=写真。
 授業は富士通株式会社が行っている環境社会貢献活動の一環である出前授業。ゲームを開始するに当たり、子どもたちは地球環境問題についての基礎を学習。その後、「地球環境カードゲーム My Earth」というゲームを行った。このカードゲームは、児童たちに絶大な人気のトレーディングカードを通じて、地球の環境問題を学んでもらおうと合同会社マイアース・プロジェクトにより企画・開発されたもの。
 児童たちは、地球守護プレイヤー(青い地球)と環境破壊プレイヤー(赤い地球)の二手に分かれ対戦。1ゲームが終わると立場を交代。環境を守る側と破壊する側、それぞれの立場からゲームをし、地球温暖化や資源の枯渇、種の絶滅といった環境問題と人とのかかわりについて考えた。
 ゲームに参加した児童は「カードにいろいろ勉強になることが書いてあるので、遊びながら環境問題を知ることができた」と満面の笑みで話していた。ゲームの後、児童たちはそれぞれオリジナルのカードを作成。地球が抱える環境問題を解決するために自分たちができることを考え、自然環境に与える良い行動、悪い行動をカードに書き、お互いに発表し合った。

厚木市消防本部

心肺停止の患者を応急処置

 厚木市消防本部は2月4日、本厚木ミロードの食品売り場で、心肺停止した男性(47)に応急処置をした2人の男性を、消防協力者として表彰した。消防本部で行われた表彰式では、小瀬村恒男消防長が感謝の言葉を述べ、表彰状を手渡した。
 表彰を受けたのは、小田急ビルサービスの警備事業部に所属し、本厚木ミロードに警備員として勤務する岩本貴宏さん(42・座間市在住)と千葉茂さん(54・秦野市在住)=写真。2人は平成21年12月13日の午前9時10分ごろ、「男性が倒れている」との連絡を受けて地下の食品売り場に駆け付けたところ、男性が意識呼吸がなかったため、救急車が到着するまで人工呼吸や心臓マッサージの応急処置を施した。男性は到着した救急隊によって病院へ搬送され、一命を取り留めた。
 表彰式では、小瀬村消防長が「2人の機敏な行動で1人の男性の生命を守ることができた。とてもありがたい感謝している。消防本部としても市民の財産と生命を守るため、市民と協力した救命活動が広がることを期待している」とお礼の言葉を述べ、表彰状を手渡した。
 表彰状を受け取った千葉さんは「声を掛けても返事がなかったのでびっくりした。救急隊がすぐに駆け付けてくれて、本当によかった」。心臓マッサージを行ったた岩本さんは「男性を助けようと必死だった。何とか助けることができてよかった」と話していた。

第56回あつぎ駅伝競争大会

地区対抗の部で小鮎Aが優勝

 初春の厚木路を舞台に市民などがたすきをつなぐ「あつぎ駅伝競走大会」が1月31日、荻野運動公園競技場を発着点に開かれた。厚木市の市制施行を記念して始まり、ことしで56回目。前年比12チーム増の172チーム・1094人(補欠含む、選手は842人)が参加して健脚を競った=写真。
 大会は、地区対抗、女子、高校、大学、一般、小学生の6部門で行われた。さわやかな晴天に恵まれた同日の午前10時30分、小林常良市長の号砲とともに小学生を除く5部門・77チームの第1区走者が一斉にスタートした。中継所や沿道には多くの市民や関係者が応援に駆け付け、懸命にたすきをつなぐランナーたちに熱い声援を送っていた。
 大会結果は次の通り。
▽地区対抗の部=優勝:小鮎A(1時間9分54秒)準優勝:厚木南 (1時間10分22秒)第3位:厚木北(1時間10分59秒)
▽高校の部=優勝:柏日体高校(2時間10分28秒)準優勝:藤沢翔陵高校A(2時間10分29秒)第3位:多摩高校A(2時間13分4秒)
▽大学の部=優勝:駒沢大学(2時間6分18秒)準優勝:国学院大学A(2時間7分50秒)第3位:松蔭大学A(2時間10分28秒)
▽一般の部=優勝:厚木市役所(2時間13分51秒)準優勝:富士・富士宮アスリートクラブ(2時間14分28秒)第3位:御殿場RC(2時間19分12秒)
▽女子の部=優勝:秦野高校A(1時間14分28秒)準優勝:秦野高校B( 1時間15分5秒)第3位:多摩高校 (1時間15分21秒)
▽小学生の部=優勝:長谷スポーツ少年団 (17分23秒)準優勝:毛利台UFO,SA(17分34秒)第3位:戸室小ブルーオリオン6\A(17分57秒)。

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