市立病院の整備に着手
厚木市の小林常良市長は2月9日記者会見し、総額1千251億115万円(前年度比1・8%増)の平成22年度当初予算案を発表した。一般会計は751億8千万円(同0・4%減。)、国民健康保険事業など9特別会計は499億2千115万円(同5・4%増)。一般会計は
就任後2年続いてマイナス予算の後、昨年初めてプラスに転じたが、厳しい経済状況を背景に今期は再びマイナス予算となった。人件費・物件費などの経費削減と市債発行の減額などで健全財政への取り組みを行ったのが特徴で、同市長は「限られた財源を市民要望や社会的ニーズの高い健康と暮らしを基本にした事業に集中配分した」と述べ、同予算を「あつぎの元気発揮予算」と位置づけた。
経費削減全体で16億円
同市長は予算編成にあたって徹底した経費の削減に取り組み、人件費12億4千732万円、物件費1億8千814万円、維持補修費2億872万円をそれぞれ減額して16億4千419万円の経費削減を図ったほか、健全財政への取り組みとして市債の発行を前年度より9億960万円減らして14・8%減額、一般会計の市債残高を前年度比4億7千597万円減の514億1千921万円とした。市民人当たり22万7千723円の借金となる。また、土地開発公社への26億915万円の債務を買い戻して債務負担行為を解消、県下の市では初となる同公社を解散する。この結果、全会計を合わせた市全体の債務総額は前年度末より49億8千463万円減って842億9千409万円となった。
市税23億円の減
一般会計歳入の根幹をなす市税は、対前年度比較で23億1千749万円の減で427億5千35万円(5・1%減)。このうち個人市民税は景気低迷による給与所得の減少で11億7千929万円減の142億1千960万円(7・7%減)、法人市民税も企業業績の不振により15意6千351万円の大幅減収で39億4千842万円(28・4%減)となった。このため、財政調整基金21億円を取り崩して一般会計に繰り入れたほか、市債52億1千870万円(14・8%減)を発行した。
民生費・衛生費増加
歳出面では民生費が子ども手当支給経費や生活保護費などの増加で16・9%増えて258億6千369万円、衛生費が斎場施設整備事業費(継続)と病院整備基金の積立金などの増加で7・2%増え87億6千862万円となったが、土木費は中津川左岸堤防道路整備事業費(継続)や準用河川恩曽川改修事業費の減額などにより14・4%減の94億7千835万円、教育費も小中学校校舎補強事業費、荻野公民館新築移転事業費(継続)などの減額で22・4%減の79億2千231万円、総務費も9・7%減の79億8千248万円となった。
市民1人当たり33万円
歳出に占める人件費(構成比で20・7%)、扶助費(同20・3%)、公債費(同9・1%)などの義務的経費は50・1%で、投資的経費は小林市長になってから一番低い8・2%。歳入に占める市税の割合は56・9%で、自主財源率は70・1%を維持している。歳入歳出予算額を市民1人あたり(平成22年1月1日現在の人口22万5千797人)に換算すると、33万2千954円で、前年度とほぼ同額。
同市長は「元気発揮予算」の重点項目として、健康・福祉、子育て支援、教育の充実、安心安全、環境対策を掲げ、「自治基本条例の制定」「セーフコミュニティの認証」「市立病院の整備着手」
「B\1グランプリの開催」などを最重点施策として取り組むと述べた。
■主な重点・新規事業
厚木市病院整備基金積立金6億円(市立病院の建て替え整備資金を確保するため基金創設)、病院事業会計出資金1億565万円(設計)、こんにちは赤ちゃん訪問事業699万円(生後4ヵ月頃までの乳児のいる家庭を保健師、助産師などが訪問して育児相談に当たる)、小児医療費助成経費7億円(対象年齢を9歳から小学校修了までに拡大)、高等学校等修学旅行費支援金1千100万円(経済的理由で修学旅行参加が困難な家庭に5万円を限度に支給)、中心市街地LED防犯灯省エネ促進事業1千113万円、児童用自転車ヘルメット購入助成事業520万円(ヘルメット1個につき1000円補助)、幼児2人同乗用自転車購入助成事業205万円、あつぎ健康相談ダイヤル24事業1千280万円(専門のヘルスカウンセラーが24時間365日電話で対応)、自殺予防対策事業321万円、相模川水辺ふれあい拠点創出事業500万円、元気な森づくり事業100万円、温暖化防止推進事業6千800万円(太陽光発電等補助金、)あつぎ食ブランド活用事業122万円、B\1グランプリ等開催補助金2千400万円。
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