第771号(2010.03.15)

厚木市が電気自動車を導入・充電器は一般に無料開放

 地球環境に優しいクリーンエネルギーの普及を促進していこうと、厚木市は3月4日、公用車輌に電気自動車(EV)を導入し、市役所駐車場に電気自動車用の急速充電器も設置した。
 導入されたEVは、三菱自動車工業が製造した4人乗りの軽自動車「iMiEV(アイミーブ)」。5年契約月額5万4千円のリースで、8日から職員の共用車輌として活用 されている。
急速充電器は来庁者用の駐車場内に整備された。設置費用は約560万円で、国と県が298万円5千円を補助した。365日24時間の利用出来る。充電時間は15分〜30分で、1回の使用でかかる電気代は約308円(充電率80%)だが、一般利用者も無料で利用できる。市内ではほかに民間企業が急速充電器を2基、普通電源コンセントを6基設置している。
 4日には来庁者駐車場で、オープニングセレモニーが行われ、担当職員がEVや充電器の概要、導入効果、使用方法などを説明、小林市長が市内の保育園児とともに充電作業を体験した=写真。
 駐車場で試乗を行った市長は「エンジン音がまったくしなかった。排気ガスが出ておらず、これなら空気が汚れない。来年度はあと2台増やしたい」と述べた。
 市では環境負荷の少ない低炭素社会の実現を目指し、住宅用太陽光発電システムや高効率給湯器の購入助成などを積極的に進めている。来年度、各種の環境施策を展開していく考えで、個人用EV購入奨励金制度も用意、4月からEV一般販売の開始に備える。
(2010年3月15日)

土門拳文化賞に三栖幸生さん

 厚木市の元職員・三栖幸生さん(64・妻田西)=写真上=が3月5日、プロ写真家への登竜門といわれる「第16回酒田市土門拳文化賞」を受賞した。全国136人154テーマの中から頂点を射止めた。
 受賞作は、昨年5月に発行した写真集「時景\ときけい」の中から選んだ30枚。1990年から2008年までの厚木、海老名、相模原、大和など の各市を撮影した作品で、県央地区の時代の流れをモノクロ写真で表現している=写真下。
 選考委員から「時景ではモノクロフィルムを中判カメラで撮影し、忠実な記録を試みている。人物はほとんど写っていない。写っていても自然の中の一部の点景に過ぎない。何故か写真1枚1枚に生活している人間の臭いがする。組写真を見るとドキュメンタリー小説を読んでいるような錯覚に陥る」と評価された。
 三栖さんは日本写真協会や写真サークル「厚木写友会」の会員として活躍。「日常風景の中で変化する瞬間を写真に収めた。時間の流れの中で見つめてきたものを忘れないために、記録と記憶にとどめるために地域を見つめた。撮影を積み重ねて記憶の自分史となった。今回の受賞は大変名誉なこと」と話している。
(2010年3月15日)

「あつぎ映像フォーラム」コンテスト

グランプリは小野寺昭憲さんの「日本の夏」

 「あつぎ映像フォーラム」が2月27日、厚木市文化会館で開かれ、「笑顔・笑い」をテーマに募集した映像コンテストに寄せられた作品の放映やデザイナー兼プロデューサーである山本寛斎さんの講演が行われ、約250人が訪れた会場を笑いに包んだ=写真。
 フォーラムは映像による新たなまちづくりを進め、あつぎビジョンの映像コンテンツの充実や映像制作者の育成を目的に厚木市が開催したもので、今回で3回目。
 昨年11月から今年の1月にかけて募集した「あつぎ映像コンテスト2010」では、あつぎビジョンと一般の2部門に、厚木市内や大阪、愛知、長野県から64作品が寄せられた。事前の審査を経て優秀作品12点を選出、夫婦の心のつながりを描いた架空の携帯電話会社のCMや、産業・研究施設から未来や夢があふれ出す姿をおもちゃ箱のようなテーマパークで表現したアニメ作品などが上演された。グランプリには、夏の昼下がりに笑顔でスイカを食べる父と子を撮影した小野寺昭憲さん(川崎市在住)の「日本の夏」が選ばれた。
 また、この日行われた山本寛斎さんの講演は、「人間讃歌 映像で綴る迫力のステージ」と題され、自身が手がけたベトナムやインドの催しを映像で披露。「自分の目標は、音楽・映像・演劇などすべての分野が組み込まれたスーパーショーをすること。何歳になっても夢を持って生きることが大切」と語った。映像コンテストの受賞者は次の通り。
▽グランプリ=「日本の夏」小野寺昭憲(川崎市)▽準グランプリ=「笑顔の旅」大野祐輝(愛川町)「PHOTO」だんご(東京都)▽優秀賞・ブルーウェーブあつぎ賞=「蜂の巣ハンター田村健吉」鈴木三枝子(厚木市)▽優秀賞=「ぼくとがおーと」加藤オズワルド(東京都)、「眠らせ先生!」野中晶史(横浜市)、「かわらないもの」吉田清彦(座間市)▽ブルーウェーブあつぎ賞=「Singin,s on the street」ONST(厚木市)「白龍・雨乞いの舞で本当に雨が」榊原勇城(厚木市)。

   あつぎTシャツデザインコンテスト

   最優秀賞は飯塚美織さん


 「あつぎ」をテーマにしたTシャツ のデザインを募集する「あつぎTシャツデザインコンテスト2010」の入賞作品が決定した。最優秀賞には、厚木市内にある関東歯科衛生士専門学校1年の飯塚美織さんの作品=写真左=が選ばれ、3月7日イトーヨーカ堂厚木店で開かれた「あつぎにぎわいコレクション」会場で、表彰式が行われた=写真右。
 コンテストは「あつぎ」をテーマに、身近なファッションアイテムであるTシャツのデザイン制作を通して、あらためて厚木をみつめ、新たな厚木を発見してもらおうと、市と同市市街地にぎわい懇話会が、今回初めて企画した。
 1月から2月中旬まで作品を募集し、相模川や鮎、 シロコロ、花火など、それぞれが思い描く厚木をモチーフにした個性あふれるデザイン130点が90人から寄せられた。2月下旬に専門家による審査会が開かれ、最優秀賞1点、優秀賞6点を決定し、贈呈・展示用として実物のTシャツにプリントした。
 飯塚さんの作品は左側に描いた相模川の鮎と、緑のうねりで豊かな自然を表現し、手前に風船を持つ大道芸人を配した手描きの作品。審査員からは「丸いタッチがかわいらしく、色使いが良い。手描きならではの温かみが感じられる」などと高い評価を受けた。優秀賞は石井日出男さん、高坂美恵子さん、後藤直宏さん、斎藤絵里香さん、鈴木綾乃さん、橋本
強さんの6人。

ロボットづくりや電池づくりなど体験 三田小6年生

大学の科学技術にびっくり

 子どもたちに大学が研究する科学技術に触れてもらおうと、2月26日、科学体験教室が厚木市下荻野の神奈川工科大学(小宮一三学長)で開かれ、市立三田小学校(新井啓司校長・児童数958人)の6年生174人が、ロボットのプログラミングやゲームサウンドの制作などを体験した=写真。三田小学校の依頼を受けた同大学が、子ども向けのプログラムを用意して開催したもので、5年前から毎年1回開いている。
 この日、子どもたちはロボット作りや身近な食品を原料とした電池づくり、小型LEDライトの制作など8講義から、好きな内容を選んで体験。ロボット作りでは、同大学の創造工学部ホームエレクトロニクス開発学科の金井特兼教授(47)の解説を受け、ロボットの基本的な仕組みを学習した。その後、子どもたちは3、4人のグループに分かれてロボット制作に挑戦、ブロックを組み合わせたり、コンピュータに動きを記憶させたりしながら、真剣な眼差しで取り組んだ。子どもたちは「よし成功」「惜しいな、もう1回」と声を出しながら、設定を変えては何回も挑戦していた。
 参加した子どもたちは、「プログラミングの設定の仕方が難しかった」「みんなで協力しながら作って楽しかった」などと感想を話していた。金井教授は「今回の経験から、ぜひものづくりの楽しさを感じてほしい。子どもたちには企業や大学の専門的な知識を学んでもらいたい。将来は科学分野などで活躍してほしい」と期待を寄せていた。

あつぎにぎわいコレクション・学生が自ら制作した作品を披露

フアッションショーで賑わいを

 手作りのファッションショーで街ににぎわいを生み出そうと、厚木市内の大学や専門学校、商店会などが協力して3月7日、イトーヨーカ堂本厚木店6階の催事場で「あつぎにぎわいコレクション」が開かれ、オリジナルの作品や春の一押しコーディネートなど68点を披露して、会場を訪れた約300人の目を楽しませた=写真。
 ファッションショーは、市内にキャンパスを置く湘北短期大学と服飾専門学校の鈴木学園の学生が制作した31点を、制作者自らがステージを歩いて披露した。バンクーバー五輪を意識したという派手な衣裳や華やかなドレス、和服の要素を取り入れた洋服など、若者らしい斬新なデザインが多く、会場から盛んな拍手が送られ、「かわいい」「きれい」などという声が上がっていた。
 このあと、大手スーパーや地元商店会に加盟する洋品店など11店舗が「春のおでかけファッション」をテーマに、独自のコーディネートを披露、プロのモデルを使って大人や子どもも楽しめる流行のスタイルを提案した。
 子どもと一緒にショーを見ていた富永美津子さん(34)と土屋潤子さん(37)は、「学生の作品は素材の切り返しなどさまざまな点に工夫があって良かった」「お店で見るよりもモデルさんが着てくれた方が、商品の特徴がわかって購買意欲が増す」と感想を話していた。
 催しの運営に当たった「厚木市市街地にぎわい懇話会」の六ヶ村健三会長は「雨天のため、公園でできなかったのが残念だが、たくさんの人に集まってもらえて良かった。今後もさまざまな催しを企画して、街の活性化につなげていきたい」と話していた。 

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