第772号(2010.04.01)

厚木のOEC(おいしい)に28品目

「あつぎ食ブランド」に認定

 食で市の知名度アップにつなげようと厚木市は3月19日、市内で作られている優れた食品を「あつぎ食ブランド」∧愛称=あつぎOEC(おいしい)フード∨として認定した。コンテストなどに入賞している和菓子やせんべい、酒類などのほか、昔から市民に親しまれている鮎料理、とん漬けなど28品目が選ばれた=写真左。
 市役所で行われた認証式では、小林常良市長が「ブランド品で厚木の名を広めてもらい、厚木を訪れるたくさんの方々に喜んでもらいたい。共に手を取り合って厚木の魅力をアピールしていきましょう」とあいさつ、事業者に認定証を手渡した=写真下。和菓子3品が認定された山形屋(山際)の梶沼直人さん(42)は「とても光栄なこと。厚木ブランドに恥じぬよう、今後も質の高い商品を提供していきたい」と述べた。また、鮎料理が認められた相模川第二漁業協同組合(三田)の栗原梅吉さん(82)は「うれしい半面、責任の重さを感じる。鮎は厚木の名物、厚木に来ればおいしい鮎が食べられるという環境づくりに取り組みたい」と今後の意気込みを語った。
 ブランドの認定は市が取り組むシティセールスの一環で、近年の「食」に対する関心の高まりを受け、市が誇る食資源を内外に情報発信することで、市の知名度やイメージアップにつなげていくのが目的。認定商品はあらかじめ全国規模以上のコンテストで入賞した条件で公募。応募のあった商品を市内の商工業者や学識経験者で組織する選定委員会が、市民の意見などを参考に審査・選定した。
 認定された商品は今後、市の広報やケーブルテレビ、屋外大型ビジョンなどのメディアを通じて宣伝するほか、対外的なイベントに出品するなど幅広い周知をはかっていく。
 あつぎ食ブランド
 認定商品28品目
 ▼菓子=からすの卵、石臼胡桃、楓香(御菓子司山形屋)鮎の塩焼きせんべい(合資会社三河屋)三豆一穀(有限会社小野塚商店)▼ウィンナー=ポークウィンナー、粗挽きウィンナー、ヴァイスヴルスト、ニュールンベルガー、チョリソー、レバーペースト(農事組合法人厚木ハム)▼地ビール=ゴールデンエール、アンバーエール、ブラウンポーター、ペールエール、YOKOHAMA・XPA、スィートバニラスタウト、黒糖スィートスタウト、湘南ゴールド(サンクトガーレン有限会社)丹沢のしずく(厚木ビール株式会社)▼地酒=大吟醸盛升、吟の舞盛升、本醸造盛升(黄金井酒造株式会社)▼焼酎=本格米焼酎弥太郎、本格焼酎旗頭(黄金井酒造株式会社)▼ホルモン=厚木シロコロ・ホルモン(厚木シロコロ・ホルモン探検隊)▼豚肉=厚木のとん漬け(厚木食肉商業協同組合)▼鮎料理=塩焼き、フライ、甘露煮(相模川第二漁業協同組合)

渋滞緩和に向け2幹線道路が開通

座間荻野線と中津川左岸堤防道路開通

 厚木市内を通る県道42号線(藤沢座間厚木線=厚木市都市計画道路・座間荻野線)の一部(関口・三田間、総事業費約150億円)と市道・中津川左岸堤防道路(下川入・関口間、総事業費約27億円)の工事が完成、3月28日、両路線が交差する「長坂交差点」で合同開通式が行われた=写真。
 座間荻野線は、座架依橋から国道129号線と交差し国道412号線(下荻野)までを結ぶ延長約3・2キロの4車線道路。このほど関口交差点から国道246号線から延びる厚木バイパス線(三田)までの1・1キロが暫定的に2車線で開通し、国道129号と246号が新たなルートで結ばれる形となった。
 中津川左岸堤防道路は、中津川に架かる才戸橋の南側から座間荻野線までを結ぶ2・2キロの道路で、国道129・246号線から愛川方面への往来が可能となった。2つの道路の開通で交通が分散され、これまで中津川を通過するために利用していた国道129・246号線の金田交差点と県道63号線(相模原大磯線)才戸橋の慢性的な混雑漢和が期待される。
 式典には小野義博神奈川県副知事、小林常良厚木市長、地元県議、市議、自治会長、地域住民など約200人が出席した。小林市長は「市民の悲願だった道路が開通した。これも地権者や自治会など地元の皆様の理解と協力があってこそ。これからも行政として住み良いまちづくりを積極的に進めていきたい」とあいさつした。
 その後、参加者によるテープカットやくす玉開き、内覧会が行われ、一般車両の通行が開始された。式典に参加していた渋谷秀和さん(61・山際)は、「ようやく完成してうれしい。中津川を渡るのが早くなるだけでなく、市街地に出るのも厚木バイパス線が利用できるためとても便利になった」。また、同市三田に住む臼居こず恵さん(35)は「2つの道路を利用すれば、毎日の通勤がとても楽になります」と喜んでいた。

昭和シェル石油

固定資産税・都市計画税などの軽減措置に

 次世代型太陽電池の研究施設を厚木市下川入に新設した昭和シェル石油(東京都港区・新井純社長)に対し、厚木市はこのほど「企業等立地促進等に関する条例」にもとづき、固定資産税などの軽減措置を決めた。3月17日、小林常良市長が同施設を訪れ、条例適応の決定通知書を昭和シェルソーラの亀田繁明社長に手渡した=写真。
 同研究施設は次世代型CIS太陽電池(シリコンを使わない薄膜系太陽電池)の量産化に向けた研究開発拠点「厚木リサーチセンター」で、平成22年度から26年度までの5年間、固定資産税と都市計画税8割が軽減される。同社は県の企業誘致制度「インベスト神奈川」からも、約9億円の助成を受けた。
 同センターは、同社が所有していた約2万5千平方メートルの敷地内に、60億円を投資して新設、同社の太陽電池事業を引き継いだ100%子会社「昭和シェルソーラー」(4月からソーラーフロンティアに社名変更・東京都港区・亀田繁明社長)が、高い真空技術を持つアルバック(神奈川県茅ヶ崎市・諏訪秀則社長)と合同で研究・開発したもので、宮崎工場も増設して世界最大規模となる約1ギガワットのCIS太陽電池年産能力の確立を目指す。
 亀田社長は「この場所でつい先日、エネルギー交換効率の世界記録を更新する技術が生まれました。4月からは世界を視野に入れた事業を展開します。ここを拠点に新しい技術をどんどん発信していきたい」と今後の抱負を話していた。

手探りで始めた桃栽培 今年100本が開花・

金田の井上敏夫さんが本格生産  夏には収穫期待

 厚木で本格的な桃の生産に取り組もう\同市金田の井上敏夫さん(58)=写真=が畑に植えた100本の桃の木が、3月中旬から花を咲かせ、訪れる人を和ませている。
 井上さんは元市の職員で、役所勤めが長かったため農業を始めたのは4年ほど前。「郷土愛を桃の栽培で表現しよう」と平成19年秋、山形県産の幼木54本を購入して庭や畑に植えた。休耕田の田は盛り土をして資源リサイクル型肥料を投入、草取りや病害虫予防の袋かけなど、すべてが手探りの作業だ。その後も栽培面積を増やし、現在、自宅周辺の畑4カ所(1100坪)に、100本の桃の木を植えている。昨年は700個の桃がとれた。大きさは350グラムほどで、普通サイズよりやや大きめ。甘味が濃くて親戚や知人に配ったところ好評だったという。
 同市では戦前、荻野新宿界隈で桃の生産が行われたことがあったが、その後本格生産に取り組むのは井上さんが初めて。畑で手入れをしていると、山形や秋田、福島出身の方から「桃を見て故郷を思い出した」と声をかけられることもある。 
 桃は満開期から収穫まで120日間と比較的短い期間で成熟する。今年で栽培4年目を迎えることから、4カ所に「井上としお農園」の看板を立て、地域に根ざした地場産の桃を本格生産することにした。
 とれた桃は直売とインターネットで販売する。今年は5千個の収穫が目標だ。井上さんは「花は10日頃まで見れます。案内図も作ったので、皆様の散歩コースの1つに加えていただき、成長を観察していただければ」と話している。問い合わせ1296・0104番。

農園に300本の桃を植えた井上さん

園児たちと心の交流・96歳の岩崎シゲさん

すてきな絵をありがとう  おばあちゃんからいっぱい元気もらったよ

 96歳になるおばあちゃんからリハビリのために描いた水彩画をプレゼントされた幼稚園児たちが、「元気をもらってありがとう」とお礼の絵や手紙を出す心の交流が続いている。
 おばあちゃんは厚木市寿町に住む岩崎シゲさんで、現在病気加療のため平塚市にあるケアセンターに入院している。昨年12月、同センターに入院している岩崎さんを、昔からの近所付き合いで懇意にしている同市寿町の学校法人陽光学園「えいすう幼稚園」(藤野心園長・園児数296人)の名誉園長・藤野美恵さん(75)が見舞った時、たくさんの絵が部屋いっぱいに飾ってあったので、誰の絵か尋ねたところ、「私が描いたのよ。リハビリのつもりで毎日描いているの。もしよかったら園児さんに見せてあげてよ。96歳になっても頑張っているおばあちゃんがいるってね」という返事が返ってきた。藤野さんは、せっかく飾ってある絵がなくなると淋しくなると思い、「後日あらためて何枚かお借りしにきます」といって帰宅した。
 ところが翌日早々に、車椅子に乗った岩崎さんが娘さんと一緒に来園、部屋に飾ってあった絵を全部はがして園に届けてくれた。折しもクリスマス会の準備や冬休みの指導などに追われていたため、年内は展示する機会がなかったが、2月17日、園児たちの作品展に岩崎さんの絵も飾ることにした。岩崎さんの絵は、バラやユリ、アヤメなどの花や鳥などを描いた水彩画17枚で、ほのぼのとした温かさが伝わってくる。園児たちは96歳のおばあちゃんが描いた絵に感激、さっそく年長4クラスで、お礼の絵と手紙を描いて贈ることにした。画用紙に春夏秋冬の行事を描いてサクラの花びらに感想や思いを書き込んだ。「上手な絵をありがとう」「いつまでもお元気で」「これからもすてきな絵を描いてください」という手紙も添えた。岩崎さんは病室に園児たちの絵や手紙を飾って眺めているが、また絵を描いて贈りたいとリハビリに精を出している。
 園では3月3日に開かれた「ひなまつり音楽会」にも岩崎さんの絵を展示、園児の祖父母にも絵を見てもらい、おばあちゃんと園児たちの交流が大きな話題をよんだ。
 藤野心園長(46)は「幼い子ども達のことですから誠にささやかな交流ですが、こうしたふれあいは本園の建学の精神『心』を育てる保育のひとこまとして大切にしていきたい。岩崎さんには大変感謝しております」と話している。4月7日に行われる入園式にも絵を展示して、新園児たちに岩崎さんの絵を見てもらうという。

広町公園

3月28日・全面リニューアルオープン

 厚木市中荻野の広町公園が全面リニューアルオープンし、3月28日地元住民や関係者を集めて開園式が行われた。
 同公園は荻野川沿いにある公園で、平成19年から改修が行われ、木を切り倒さずに移植するなど、動植物の環境に配慮しながら3年間の月日をかけて整備された。多目的、親水、保全、湧水、自然観察の5つのエリアに分かれて利用できるほか、豊かな湧き水を生かしたつくりが特徴で、約1ヘクタールの敷地には大小3つの池や小川などが設けられ、園内の至るところで水とふれあえる設計が施されている=写真。
 
 開園式には市の関係者のほか地元自治会などから約120人が出席、小林市長が「皆さんの協力のおかげで素晴らしい公園ができた。すぐ横には荻野川の健康・交流の道もある。子どもたちからお年寄りまで憩いの場として楽しんでもらえれば」とあいさつ。このあと、テープカットやくす玉開き、ヤマザクラとイロハモミジの記念植樹が行われた。
 式典に集まった地元住民は新しくなった公園で、水や自然とのふれあいを楽しんでいた。開園式に参加した石井利香さん(41)は「広々として見晴らしがいい。家からも近いし、ここなら子どもを安心して遊ばせられる」と話していた。

第1回ティボール大会開催


愛甲小ソフトクラブが優勝

  「第1回あつぎ小学生・親子ティーボール大会」が、3月20日、厚木市の及川球技場で開かれ、約100人の子供たちがティーボールを楽しんだ=写真。ティーボールは投手のいない球技として注目されており、文科省の「学習指導要領」の改訂により、今年度から小学3、4年生だけでなく、5、6年生も受業で実施できることになった。厚木市では昨年8月、「日本ティーボール協会厚木市連盟」が発足、普及に向けて研修会や大会開催に取り組んでいる。
 この日の大会は市内外から小学生低学年の部6チームと小学生の部3チームが参加。野球のようなアウト制ではなく、全員が打ち終わると攻守が交代するルールで、選手たちはティベースと呼ばれるポールの上に置かれたボールを打ち、全力で走り回っていた。小学生の部では愛甲小ソフトクラブ(厚木市)、小学生低学年の部は宮上ファイターズ(相模原市)がそれぞれ優勝した。

上荻野小学校

元Jリーガー3人がサッカークリニック開催

  サッカーのJリーグ選手OB会(柱谷哲二会長)が主催する「サッカークリニック」が3月27日、厚木市立上荻野小学校で開かれた。講師は横浜F・マリノスで2003、04年の連覇に貢献した沿道彰弘さん、ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)でプレーした山口貴之さん、U\17世界選手権で初のベスト8に入ったときのS・C相模原所属の船越優蔵さんの3人。
 同市内で活動する荻野サッカー少年団、林サッカークラブ、ブラックジャガーズ、H81サッカー少年団の4チームに所属する小学生50人が参加して、ドリブルやシュートなど一流の技と心構えを教わった=写真。
 同会は昨年10月、サッカーの普及や子どもたちの育成などを目的に、Jリーグ理事会の承認を受けて設立。同会関係者が厚木のチームのコーチと親交があり、クリニックの開催が実現した。
 参加した林サッカークラブの村山由也さん(南毛利小4年)は「サッカーを楽しみながら教えてもらえた。今日、学んだことを自分なりに工夫しながら練習し、もっと上手になりたい」、また、荻野サッカー少年団の永利涼さん(飯山小4年)は「Jリーグで活躍した選手と試合できてうれしかった。とても勉強になった」と話していた。

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