迷惑施設を市が取得して公園用地に

 廃墟と化していた山際の「旧恵心病院」跡地を市が1,263万円で取得

 厚木市は管理者が不在で廃墟と化していた同市北部の病院跡地が公売にかかったのを受けて、このほど入札に参加、公園用地として取得することを決めた。
 取得した土地は、同市山際の旧「厚木恵心病院」跡地(前身は河野病院・山際病院)で、平成9年頃から管理者が不在となり、建物への落書きや窓ガラスの破壊、廃棄物の不法投棄、火災、高校生の飛び降り自殺などの事件や事故が続発する一方で、心霊スポットとしてテレビや週刊誌に取り上げられたため、若者の肝試し会場になるなど、地元では迷惑施設として頭を悩ませていた。このため地元自治会では再三にわたって迷惑施設の解消を市に要望していた。
 市では同物件が大阪府堺市から公売にかけられたのを受けて、入札に参加することを決め、このほど1,263万円で落札した。敷地面積は2,605.74平方メートル、建物は鉄筋コンクリート5階〜8階建ての5,102.93平方メートル。4月30日、小林市長が臨時記者会見をして明らかにした。
 市では北部地域の防災機能を有した公園の計画を進めるため、将来を見据え公園用地として取得したとしており、整備費として取得費を含め3,214万円の予算を計上する。
 地元では「かねてからの迷惑施設の解消という市民の強い願いがかなった。公園として整備するのも歓迎」と受け止めており、同市企画政策課では「市の大きな課題が一つ解決する運びとなり、市民生活の安心・安全がさらに前進する」と話している。(2010年4月30日)