|
自治会と行政との関係を「風見鶏」(2002年10月1日号)で取り上げましたところ、コラムを読んだ多くの読者から投書、メールをいただきました。コラムのねらいは自治会と行政との関係にありましたが、投書の内容は自治会活動そのものに対する疑問や意見もあって、自治会連絡協議会をも巻き込んだ論争になりました。これを機に自治会と行政との関係、自治会活動そのものを考え直してみるのも必要かと思います。論議の火付け役となった「風見鶏」と投稿を掲載いたします。なお、投稿は本人の希望により紙面では匿名にされた方もおります。 |
風見鶏(2002.10.01) 厚木市は「市民が主役の市政」を推進するため、「自治会長と市長との集い」を毎年実施している。今年度も9月18日から11月12日まで14地区すべての自治会長と対話が行われる。こうした集いは、市民の声を市政に生かす「広報広聴活動」の一環として、どこの市町村でも行われている▼集いや対話の相手がなぜ自治会長になるのかというと、自治会が住民の多様な要求の伝達手段であり、行政施策の受け皿として最も手短で効率的な組織であるからだ。しかも行政は、自治会長に「地域代表機能」「統合・調整機能」「地域管理機能」の3つ(「新住民と旧住民の反発と融合」津村修・『ハイテク化と東京圏』北川隆吉編・青木書店1989年)を期待しているから、「自治会長との集い」は行政にとって最も重要な広聴活動となるのである▼特に行政は住民要求の自治会長一本化をはかることによって、要求を選別調整できるため、自治会は行政にとって誠に都合のいい機関となっている。現に自治会長を通した要求は市への通りがいいし、自治会との合意は行政施策の受け皿となるから、行政もいかにして自治会長との合意を得るかが大きなカギとなるのである▼ところが、最近は自治会の加入率も低下し(平成14年8月現在で73.2%)、加入していても会費を払うだけで無関心、自治会活動への参加意欲も驚くほど低くなってきた。それにもともと自治会長に地域代表機能や調整機能、管理機能があるわけではない。そうした自治会活動に疑問を抱いている市民も多い▼IT、少子高齢社会の到来で、住民要求も個性化し多用化する社会である。市民が主役の市政を推進するためには、自治会長だけを重視した「ご用聞き」のような市長対話を進めるのではなく、市政の重要事項や地域の課題についてテーマを決め、情報開示と説明責任を果たしながら市民と市長との対話を進めていくという新しい手法が求められているのである。米国の地方自治体では何年も前からこうした手法が当たり前になっている。 |
山田 修一さん 私は67歳の年金生活者です。退職後、地域に世話になったのでせめて自治会活動で恩返しでもと役員に立候補(こんな馬鹿はわが地区では初めてだそうです)、現在副会長として2期4年目を迎えました。 |
津金 幹彦さん(厚木市妻田西) 貴紙の「風見鶏」で自治会への疑問が取り上げられ、それについての現役の役員と自称する人の投書が大きく取り上げられました。そのすべてを否定できませんし、当然ながら肯定もできません。 |
石原 和子さん(厚木市上古沢) 第599号、「厚木市の自治会」の記事を読んで、よくぞ載せてくれたという感想です。ずばり、この記事のとおりだと思います。私の知り合いも同じ思いで読みました。 |
川井 英雄さん(厚木市鳶尾) 山田氏の投書に対してFAXいたします。“消防団のお兄さんたちは酒ばかり飲んで周辺の人々から評判が悪い…”S自治会がどこで、評判の悪い消防団が何分団の何部なのか、そして消防後援会費の是が非…etcはともかく、地区の消防団に10年来所属し、幼い子どもや家族との時間を犠牲にして地道に活動してきた自分(もちろん我が部の仲間)としては、非常に腹立たしく、また悲しい記述としかいいようがありません。スクラップしていた新聞記事がまさしく現在の自分の心境ですのでひとつの意見として送ります。 |
町田 和男さん(厚木市中町) 拝啓、秋冷の候となりましたが、貴社ますますご清栄のことと存じます。貴紙の記事を毎回楽しみに読んでいます。時には胸のすくような思わず快哉を叫ぶ記事に接し、他紙にない特色に共感しています。 |
中野 正義さん(厚木市睦合南地区自治会連絡協議会会長) 私は自治会運営に携わるものとして、山田修一さんの投書の表現や認識に疑問を抱きました。この文章が自治会副会長の要職にある方の文章としては、それぞれの記述の職務関係者に与えた不快感は大きく、誤った解釈に対しても誠に遺憾であります。この投書=自治会に対する誹謗・中傷は市民の皆様に誤解を招きますので、正しい認識を持っていただくために反論します。 |
鈴木 俊和さん(厚木市中町) 自治会を考える投書を拝見しました。論旨は2つあります。1つは自治会活動そのもの。2つめは自治会と行政との関係です。自治会活動は会員の総意にもとづいて行いますので、基本的にはそこの自治会が何をやろうと自由です。地域団体に対する支援金や援助金の支出も、その自治会が決めればよいことで、全部の自治会が右へ習え式で同じである必要はありません。 |
清野 敏廣さん(厚木市山際) 10月1日付市民かわら版の「風見鶏」を読み、まったく同感と感じた一読者です。 厚木市の自治会加入率は平成14年8月現在で73.2%です(編集部) |
高田 浩さん(厚木市鳶尾) 「行政協力費」。これが厚木市の自治会長への意識を端的に表しています。この意識により、自治会長個人に負担を強いることもあるようです。また、自治会長に政策伝達を頼るため、情報が伝わりきらないこともあります。 |
「厚木市政情報掲示板」に田原総次朗さんという方が「市と自治会は対等か」というタイトルで、投稿を寄せています(1998年12月3日)。この投稿文は行政と自治会の関係を考える上で、大変興味深い内容です。参考のために掲載いたします。以下はその内容です 市と自治会が対等である方が良いというのは、その通りだと思います。かつて厚木市では足立原市長の時代に「市民と行政の共同化」が提唱され、自治会長との対話などを主とした市民参加の手法がとられたことがあります。 |
. |