第770号(2010.03.01)

清水小がISS(インターナショナルセーフスクール)認証取得へ

登下校時の子どもの安全を守る「愛の目運動」と自転車用ヘルメット着用推進運動

 

国内2校目めざし「安全力」育成!

 厚木市は市立清水小学校(志佐光正校長・児童数916人)が、安全な教育環境づくりを目指す学校に与えられる国際認証であるWHO(世界保健機関)の「インターナショナルセーフスクール(ISS)」の取得を申請すると発表した。SC(セーフコミュニティ)の学校版で、市とともに11月の認証を目指すという。認証の条件として安全計画の設定や行政と市民などの関係機関が連携した組織の設置、効果を測定する評価基準を設けるなどが求められる。
 清水小学校では平成21年4月から、セーフコミュニティモデル地区の指定を受け、「学校を軸」とした児童の安心・安全を守る活動を積極的に展開している。これまでの取り組みはすでにその基準をおおむね満たしていることから、多くの期間を費やすことなく認証取得が可能と見られている。
 同小が認証を取得すれば、国内では、平成22年3月に認証取得予定の大阪教育大学附属池田小学校に次いで2校目、市町村立小学校では初めてとなる。
 認証取得すると、児童や教員などのケガや事故などの減少につながるほか、安全という同じ目標にみんなで取り組むことにより、学校生活における安全の質の向上と活動の活性化の推進、子どもが「守られる」だけでなく、自ら危険を把握し、安全な環境を構築する「安全力」を育成することができる。また、学校が中心となることで、児童や教員、保護者のつながりが強化され、地域との連携による安全なコミュニティづくりに貢献できるなどの効果が得られる。
 同小は昨年4月からPTAや学校、青少年関係団体、交通安全関係団体、自治会、老人会などで組織された「しみずっ子すこやかネットワーク会議」を立ち上げ、地域の子どもの生活安全、交通安全、生活指導などを地域ぐるみで取り組んでいる。また、学校内外で発生したけがのデータ化に取り組み、けがをした場所や時間、原因、種類などの情報を集計するほか、自転車用ヘルメット着用推進運動=写真左上、自転車安全教室、自治会や老人会、交通安全指導員、交通安全母の会、PTAなどの各種団体が、登下校時の子どもの安全を守る「愛の目運動」の実施=写真右上、セーフティベスト着用運動、850件におよぶかけこみポイント、校内危険箇所の修繕などに取り組んでいる。
 昨年12月1日には、「しみずっ子すこやかネットワーク会議」が、同校のフェンスに横断幕を設置、今年の2月6日に市文化会館で開かれた第31回厚木市立小・中学校PTA活動研究大会では、同小がセーフコミュニティの取り組みを発表=写真下=するなど、認証取得に向けた積極的な活動を展開している。 

  雪国のロマン・厚木の横手市雪まつり訪問団記   横手市友好親善大使 榊原勇城

   かまくらとぼんでんで市民と交流


 厚木市の「横手雪まつり訪問団」(杉田則夫団長・24人)が、雪まつり開会中の2月15日から17日まで横手市を訪問し、かまくらやぼんでんコンクール、絵画展などを通して横手市民と友好を深めました。
 今年の横手は例年になく積雪が多く、雪祭りも晴天に恵まれ、会場には約100基のかまくらが出現しました。かまくら広場となった横手地域局前の広場には、たくさんのかまくらがつくられ、全国から訪れる観光客を待っていました。
 訪問団は始めに五十嵐横手市長を表敬訪問、同市長から昨年9月に同市で開かれた「B1グランプリ」に厚木シロコロホルモンを出品したことへのお礼と、今年の9月、厚木で開かれる同大会に横手市は昨年グランプリを獲得した「横手やきそば」を出品するというお話があり、横手市は今年も強力なライバルとなりそうです。
 厚木のかまくらは広場入口に2基用意され、私たちは、かまくらづくりの最後の仕上げとなる入口部分をつくる作業を体験しました。夜には厚木のかまくら2基で、訪問団による接待が行われ、杉田団長も「はいってたんせ」と声をかけ、横手市民や全国から訪れた観光客に、厚木名産のイチゴや鮎せんべい、地酒などを振る舞ったほか、9月に開かれるB1グランプリのチラシを配って大会をPRしました。
 翌日はぼんでんコンクールが行われ、永建会チームのぼんでんが厚木市長賞を受賞、杉田団長から賞状が渡されました。また、私・榊原勇城の水彩画個展「厚木・横手の季節を描く」も、かまくら館で開かれ、大勢のお客様にご高覧いただき、友好の橋渡しを担うことができました。
 この日は横手城を見学して記念撮影=写真上=した後、漆蔵資料館や阿桜酒造を見学、懇親会には同市の小野タヅ子副市長も出席され、訪問団が秋田の民謡を披露するなど、みんなで輪になって踊り友好を深めました。 
 両市は今年5月、友好都市締結25周年を迎えます。五十嵐市長には「厚木市でかまくらを作ってください」とお願いしてきました。横手の雪祭りが終わると、ゆっくりと遅い春が、梅と桃と桜の花を連れてきます。

厚木グラウンドゴルフ協会が発足

愛好者ら 270人が参加 若年層にも競技の魅力発信

 子どもから大人までが楽しめるグラウンドゴルフの魅力を広めていこうと2月21日、愛好者270人が「厚木市グラウンドゴルフ協会」を設立した。厚木商工会議所で行われた発足式には、小林常良市長をはじめ関係者ら約100人が参加し、役員の選任や事業計画などを承認。競技の普及や住民相互の親交・健康増進を目指していくことを誓い合った=写真。
 グラウンドゴルフは、専用クラブとボールを使い、ゴルフのカップに相当するホールポストにボールが入るまでの打数を競うニュースポーツ。昭和57年に鳥取県で考案され、県内でもほとんどの市町村に協会が置かれている。市内でも老人会などで盛んに行われ、本年度から市の市民体育祭でも正式種目に採用されるなど競技人口が増加している。
 協会は、健康増進につながる生涯スポーツとして、グラウンドゴルフを市民に定着させていこうと発足したもので、誰でも簡単に楽しめる競技の魅力を、若年層にまで幅広く伝えていく考えだ。協会が発足したことで、同市民が県大会や全国大会へ出場できるようにもなった。
 発足式では、会長に同市戸室の横沢義雄さん(72)を選出。横沢会長は「グラウンドゴルフをやっていると、成功しても失敗しても笑いが絶えない。市民一人ひとりの健康を増進していく意味でも、皆さんと共に活動の輪を広げていきたい」と話した。顧問に就任した小林市長は「鳥取県の小さな村で生まれたこのスポーツは、人々の健康やつながりをはぐくんでくれるもの。わたしは皆さんと一緒に元気なまちをつくることを目指している。協会の発足で、皆さんの活動がいっそう発展することを期待している」と述べた。
 同協会では今月21日、神奈川工科大学グラウンドを会場に設立記念大会を行うほか、年4回ほどの市民大会を開く予定。会員相互の親交を深めながら競技レベルを高めるほか、子ども向けの講習会などを通じてさまざまな年齢層へ競技の魅力を発信していく。

森の里小学校で大使館員が児童と交流

サウジアラビアってどんな国?

  サウジアラビアの風土や文化を学んでいこうと厚木市立森の里小学校(蓮見優子校長・児童数377人)で2月17日、サウジアラビア大使館の職員を招いた交流会が開かれた。6年生の児童75人が参加して、大使館の職員から日本との関係や人々の暮らしなどを学び、国や文化の違いなどについて理解を深めた=写真。
 。同校の6年生は7月にもオーストラリア大使館の職員を招き、12月にはペルー大使館へと出向いて交流会を実施。外国人との触れ合いを通じて、各国の文化などを理解している。
 この日、4校時目にサウジアラビア大使館の広報担当官ファハド・アルグネイルさん(30)らを招いた交流会では、児童が日本とサウジアラビアの両国旗の手旗を作って歓迎した。ファハドさんはスライドを用いて、約30分にわたって母国を紹介。地図で国の位置を示して面積や人口などを説明したほか、石油貿易で密接な両国の関係やイスラム教の習慣などについて 話した。
 質疑応答では、児童たちが食べ物や小学校で習う教科、国旗の文字の意味などついて次々と質問。「メッカとはどんな存在なの」という質問では、ファハドさんが「日本の神社のような存在だが、イスラム教徒は1日に5回もメッカに向かって礼拝する。毎日、時間は変わるが、時間になるといつもアナウンスが流れるので忘れたことはない」と説明した。
 また、赤や黒のドレス、女性が外出する際に肌を隠すために着る黒服、男性用の白服とターバンなどの民族衣装も披露された。民族衣装を体験した山口季恵さんは「服に独特のにおいがして気分が高まった。アラブのお姫様になったような気分で、とても楽しかった」と満足した様子。ファハドさんの講義に熱心に聴き入っていた小林晋さんは「カブサという料理に丸焼きの子羊が乗っていたのが印象的だった。人口の8割が39歳以下と聞き、日本との違いに驚いた」と話した。
 ファハドさんは「子どもらしい質問をたくさんしてくれた。サウジアラビアに興味を持っていてくれているのが分かり、とてもうれしかった。自分自身も日本を知るいい経験となった」とうれしそうな笑顔を浮かべていた。
 蓮見校長は「本物の外国人との触れ合いは、子どもたちにとってとても貴重な経験。外国文化を理解することで、あらためて日本のことも好きになってくれれば。このような経験が、子どもたちが夢を持った国際人として羽ばたくきっかけになると期待している」と話していた。

メイドinあつぎ

サテライトショップで体験&即売会

 厚木市内にある中小企業の優れた製品の購入や技術の体験ができる「サテライトショップわくわく体験&即売会」が2月20、21の両日、厚木サテイ8階の特設会場で開かれた。ガラス小物・ミニ畳作り体験や健康大豆食品のクッキーなどが並び、買い物帰りの主婦や家族連れなどでにぎわった=写真。
 サテライトショップは、自社製品の展示が困難な市内の中小企業の製品を紹介しようと、市が厚木サテイ5階にスペースを設けて製品の展示をしている。イベントは、販売をしない同ショップで「製品を購入したい」という来場者の声に応えて実施したもので、今回で3回目。
 市内企業12社がブースを設けた会場では、段ボールを材料にした動物・昆虫の工作体験や指先にある自律神経の刺激体験などが行われたほか、糖質が少ない国産大豆全粒粉を使ったクッキーやドーナッツ、防水布で作った介護用の食事エプロンなどが展示された。
 ミニ畳作りを体験した山田征子さんは(65・旭町)「手作業が好きで体験してみたら楽しかった。帰ったらひな祭りのおひなさまを置いてみたい」と満足した様子だった。また段ボールの分別用ダストボックスに興味を持ったという小沢淳子さんは(33・長谷)「昨年からごみの分別方法が変わり、スペースに困っていた。このゴミ箱は、上に重ねて置けるので場所をとらず良いと思った」と感想を話していた。

玉川小学校

卒業記念に「せんみだこ」揚げ

 地域に伝わる「せんみだこ」を卒業記念に制作した厚木市立玉川小学校(虻川敬校長・児童数228人)の6年生38人が、2月9日、同校の校庭でたこ揚げを行った=写真。児童たちは楽しそうにグラウンドを駆け回り、赤や紫で色づけされたセミの形をしたたこを大空に舞い上がらせた。
 せんみだこは、セミをかたどった横60センチ、縦30センチほどのたこで、昭和30年ごろまで、県央・県西地域で5月の節句時期に揚げられていた。
 児童たちは昨年10月、「玉川せんみだこ保存会」(前場政行会長・20人)の指導でたこ作りに着手。材料となる竹の切り出しや組立て、色づけなどを行い、今年1月に完成させた。
 当日、小林常良市長は「それぞれの思いや夢を持って揚げてもらいたい。たこのようなバランス感覚を持ってこれからも頑張ってください」と子どもたちに語りかけた。 
 たこ揚げは当初、児童たちは初めての経験に悪銭苦闘したが、保存会のメンバーの指導もあって次第に上達。たこをうまく風に乗せると、「うわあ、飛んだ」「面白い」などと歓声を上げながら、校庭を所狭しと走り回っていた。前場会長は「この経験を忘れずに、地域の伝統文化として受け継いでいってくれたらうれしい」と話していた。

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