当選後、だるまに目を入れる小林常良氏(2月6日夜・厚木市水引の選挙事務所)
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実績と継続で保守対決を制す
任期満了に伴う厚木市長選は2月6日投開票され、無所属で現職の小林常良氏(61)=自民・公明・みんな・連合神奈川推薦=が、新人で前市議会議長の石射正英氏(57)を破り再選を果たした。
前回同様保守一騎打ちの闘いとなったが、これといった大きな争点がなく、投票率は前回の市長選より4.9ポイント下回る40・44%だった(前回45・34%)。
現職で再選を目指す小林氏は、自民党神奈川県連、みんなの党、公明党県本部、連合神奈川のほか1,000を越える団体の推薦を受けたほか、市議会保守系会派の改革あつぎ、公明党市議団、市政クラブ、神奈川ネットワーク運動など19人の支援を受けて組織選挙を展開、盤石の体制を整えた。
小林氏は市民協働による自治基本条例の制定、セーフコミュニティの認証所得、借金172億円の削減、小学校6年まで小児医療費の無料化、B1グランプリの成功など「マニフェスト達成率80%以上」を前面に打ち出して実績を強調、経済の活性化と企業誘致、子育て・教育日本一、行財政改革などを公約に「改革を止めるな」と市政の継続を訴えた。
一方、石射氏は政党などの推薦を受けずに「完全無党派」を宣言、山口前市長の応援を受けたことから「因縁の対決」の再来といわれ、現市政に批判的な勢力、有識者の団体、市役所OBらを巻き込んで4年前と同様保守対決の選挙戦にのぞんだ。
石射氏は「失われた4年間」をスローガンに、中心市街地の衰退、人口減少など厚木の現状に危機感を抱き、「このままでは厚木は駄目になる」と小林市政を批判、市民税や固定資産税の減税、中心市街地の再開発、健康都市厚木などの推進を掲げ、政権交代による「厚木復活」を訴えた。出馬表明が昨年11月と遅かったことから、出遅れを挽回するため政策ビラを数回にわたって新聞折込、290回を越える街頭演説を中心に草の根選挙を展開したが、支援態勢が十分でなく支持を拡大出来なかった。
2期目の当選を決めた小林氏は「約束したマニフェストを誠実に実行していく。議会とも話し合いながら夢と希望のあるまちをつくっていきたい」と抱負を述べた。敗れた石井氏は「私の力不足だった。支持してくださった皆さんには感謝している。このご恩は忘れない」と語った。(2011年2月6日)
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