厚木市長選アンケート調査

 2010年12月23日実施

立候補予定者(小林常良氏・石射正英氏)に21項目の公開質問状

  任期満了にともなう厚木市長選挙が1月30日告示・2月6日投開票で行われます。同市長選には、再選を目指す現職の小林常良氏(61)と、前市議会議長の石射正英氏(56)が出馬を表明、両氏による一騎打ちになる公算が強まっています。市民かわら版では昨年12月23日までに出馬を予定している両氏に、21項目にわたる公開質問を実施・回答を得ました。調査は立候補予定者の地方行政に対する基本的な考えを聞くのがねらいで、有権者の投票行動の参考にしていただくものです。質問内容は現市政の評価から行政課題、出馬理由、まちづくりのビジョン、マニフェスト、雇用問題、中心市街地の活性化策、公務員改革、地域内分権、環境問題など多岐におよびました。質問内容と回答の全文を掲載します。(2011年1月元旦号の市民かわら版に掲載)

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 小林 常良氏
 
昭和24年4月28日生れ。県立中央農高、日本大学卒業後厚木市役所奉職。平成3年厚木市議会議員当選(3期)。同15年4月神奈川県議会議員当選。同19年1月厚木市長当選(現在1期目)。
 石射 正英氏
 
昭和29年1月17日生れ。県立厚木高校、東京薬科大学卒業。北里大学薬学部助教授などを経て、平成15年8月厚木市議会議員当選(現在2期目)平成21年8月〜22年8月厚木市議会議長。

行政課題やまちづくりについて問う


 ■あなたは現在の厚木市政に対して何点をおつけになりますか ? 点数とその理由をお書き下さい。(小林市長はマニフェストに対しての自己採点とその理由をお書き下さい)
 
小林氏 80点です。昨年、有識者6人で構成する外部評価委員会において、私の就任後3年間のマニフェスト達成状況を評価していただいた結果が76・1点であり、4年目を加えると、現在は80点を越えていると考えています。
 
石射氏  点数については客観的に評価しずらく、主観的になってしまうことから控えさせて頂きます。前回の市長選挙において、現小林市長は「多選を問う」を主な争点として戦われました。一方で「相次ぐ大型店閉鎖による産業の空洞化、観光業の停滞、企業や大学の移転による人材の流失などにより、活気が失われつつある」として11のまちづくり政策理念をかかげられました。これまでの市長の実績の中で情報公開が進んだとされていますが、例えば経営会議の会議録の公開にしても実質的な議論の場である事前の経営協議会については公開されず、中途半端と言わざるをえません。また、活気が失われていることに対する改善は全くみられず、むしろ後退しています。


 
■現在、厚木市が抱えている大きな行政課題(実現が困難なもの)は何だと思いますか? 3つ上げてください。 
 
小林氏 1扶助費の増加(生活保護費などの社会保障費)2少子・高齢化3経済不況。
 
石射氏 1中心市街地の活性化(再開発)2人口減少とともに急激な人口構成の変化による税収減3交通政策、縦軸や環状系の道路整備。


 
■その行政課題を阻んでいる障害は何だとお考えですか? 
 
小林氏 リーマンショックやデフレスパイラルなど100年に1度と言われる経済不況が行政運営にも大きく影響しています。
 
石射氏 1投資額、地権者の合意、リーダーシップの欠如2非労働者の増加と雇用の拡大が見込めないこと3投資額、地権者の合意、リーダーシップの欠如。


 
■市長選への出馬理由をお書き下さい。
 
小林氏 この4年間、市民の皆様との「協働」によるまちづくりを積極的に推進してまいりました。安心・安全の世界基準であるWHOセーフコミュニティの認証取得や市立病院の早期建替えの決定、多選自粛条例の制定、新たなごみ減量化・資源化システムの構築、市民自治確立に向けた自治基本条例の制定、B\1グランプリの開催など、市民の皆様の絶大なるご理解とご協力により「元気な厚木」の礎を築くことができました。しかしながら、私の目指す「元気な厚木」は、まだ途半ばであります。これまで築いてまいりました「市民協働」を原動力として、更に厚木を元気に進化させていくため、市民の皆様と共に進めてまいりました「改革」を継続していくことが私の使命であると確信し、出馬を決意しました。
 
石射氏 行政課題を解決するための具体的な政策が示されておらず、実際に変化の兆しもありません。厚木の地理的価値が下がり、このままでは「ふるさと厚木」がダメになってしまうのではないか、という強い危機感持ったことです。地方自治は市長と議会という2元代表制をとっていますが、現実には議員の立場での政策実行は難しい状況であり、市長となって市民の皆様のために政策を実行していきたいと強く思ったことなどが主な理由です。


 
■市長選に立候補するに当たってのスローガンをお書き下さい。
 
小林氏 「改革を止めるな。〜挑め、新たなる厚木へ〜
 
石射氏  厚木復活!このままでは厚木がダメになる


 
■あなたが描く街づくりのビジョンをお書きください。
 
小林氏 「元気あふれる創造性豊かな協働・交流都市あつぎ」が私ビジョンです。具体的には新たな産業拠点の創出による活力あるまち、市民が健康で安心して安全に暮らせるまち、子育て・教育・スポーツの充実したまちを目指します。
 
石射氏 「健康・文化都市あつぎ」を確立します。お年寄りから子どもまで、障がいをお持ちの方々が安心して暮らせるまちにしていきます。そして厚木の歴史・伝統・文化を大切にしながら、生涯学習の充実、スポーツの振興、学校教育の充実したまちにしていきます。健康をキーワードにした様々な施策を講じて健康な都市を目指します。今後患者が増えると予測されている糖尿病や心筋梗塞、脳卒中、がんに対する厚木市立病院の医療機能を高めていきます。一方、民間病院や医院との連携を強化していきます。厚木医師会など医療関係団体との連携を強化し、健診事業を集団から施設へ、また、休日でも受けられる体制にするなど予防医療や予防介護の対策を充実していきます。厚生労働白書によれば、高齢者の就業率が高いほど医療費が低くなっています。「健康・文化都市あつぎ」では、医療の環境を整えるとともに、高齢者の就業率の向上や自殺予防対策、禁(2面に続く)
煙運動、人間ドックの助成などを実施します。厚木市の教育文化に係る施設を再整備し、誰もが学べるまちとして生涯学習の充実や文化活動の振興、さらにはスポーツの振興やこれらの活動による事故に備えた保険の開設などを実施します。


 
■あなたのマニフェストの中で目玉となる施策を3つだけ上げてください。
 
小林氏 1まちの活性化を図るため、インターチェンジ周辺に夢のある商業施設を誘致します。2中心市街地の活性化を図るため、旧パルコビルに子どもから高齢者まであらゆる世代の交流拠点となる(仮称)あつぎ元気館を整備します。3日本一の子育て・教育環境を目指し、小児医療費無料化を中学校卒業までに拡大するとともに、児童生徒が快適な学校生活を送れるように、小中学校に冷房設備を整備します。
 
石射氏 1思い切った市独自の経済対策を実施します。4年間で100億円規模の投資や期間を限定した市民税、固定資産税の減税を実施します。2厚木市立病院の建替え計画を見直し新病院を早期に建設します。厚木市立病院の機能強化と民間病院との連携による地域完結型医療を目指します。3旧パルコビルを借り上げ、本厚木駅前に(仮称)子ども総合センターを設置します。子ども総合センターでは待機児童対策として保育所、学童クラブ、さらには中央児童館、絵本を中心とした子ども図書館などを設置するほか、小児医療や病児保育、病後児保育も検討していきます。


 ■当選後、あなたが最初に取り組むことを1つだけお書き下さい。
 
小林氏 新たなる改革として、10の条例制定と1つの都市宣言を実行します。条例:1全国初のセーフコミュニティ推進条例2暴力団排除条例3こども育成条例4観光振興条例5公契約条例6自転車安全促進条例7里地里山保全条例8住民投票条例9市民協働条例0文化振興条例。都市宣言:人がふれあい、心が通いあう家庭づくり、地域づくり、まちづくりを目標とした「地域ふれあい都市宣言」。
 
石射氏 (仮称)子ども総合センターの設置。


 
■失業者や非正規労働者の増大、学卒者の就職率の低下などが指摘される中で、安定した雇用確保のため地方行政がなすべきことは何でしょうか?
 
小林氏 企業が立地するための産業用地を確保し、企業誘致を積極的に進めることが雇用確保につながると考えています。私は今までの企業等誘致条例を全面的にリニューアルし、今まで大企業を対象にしていた優遇策を中小企業にまで拡大するとともに、市民を雇用した場合には奨励金を交付するなどの施策を実施しています。また、求職者を対象とした相談事業やセミナー事業の実施、企業合同就職説明会の開催、緊急雇用対策基金を活用した失業者に対する雇用確保なども重要と考えています。
 
石射氏  雇用を拡大するための企業誘致、公共投資を積極的に行うことです。さらには雇用の確保のための中小企業への支援、雇用奨励金の支出なども必要です。女性が働きやすい職場環境の整備として、企業内保育所への支援なども必要です。


 
■厚木市の中心市街地の活性化についてどのように取り組まれますか?
 
小林氏 私が描く中心市街地の活性化策は、他市と同様な商業や業務機能の誘致ではなく、個性豊かで永続的な都市機能をつくり上げることです。喫緊の取り組みとして、これまで粘り強く交渉を続けてきた旧パルコビルを活用し、子どもから高齢者まであらゆる世代の交流拠点となる(仮称)あつぎ元気館を整備し、中心市街地の活性化の起爆剤としてまいります。さらに当面の計画としては、本厚木駅南口・東口のリニューアルや西口の開設に取り組むとともに、一番街や中町2ー2地区の再開発計画を促進し、魅力ある駅周辺の顔づくりに取り組んでまいります。
 
石射氏 中心市街地の再開発を促進するための取り組みとして、市役所の組織、予算を充実させます。旧パルコビルを借り上げて「(仮称)子ども総合センター」を設置します。この施設によって、人が中心市街地に流れるようにしていきます。


 
■平成20年度の市民意識調査によると、市民が描く市の将来イメージは、「自然環境の豊かな都市」が6割を超えています。ふるさとの山や川などの自然環境を保全し、緑や水辺空間を再生するため、あなたはどんなことに取り組まれますか? 
 
小林氏 「自然環境の豊かな都市」のためには、里地里山の再生が重要であり、森林整備をはじめ、生態系を脅かす原因となっている鳥獣被害対策を更に進めてまいります。また、河川は心豊かな子どもたちを育てる宝でもあり、湧水を活用した水辺の公園として広町公園を再整備したほか、善明川や恩曽川に親水広場を設置するなど多くの水辺の環境整備を行ってまいりました。今後は三川合流点周辺を水辺の拠点として整備するとともに、樹林化している河川を本来の美しい状態に戻し、次代を担う子どもたちに引き継いでまいります。
 
石射氏 山の保全のため、山林緑地保全の規制条例を検討します。七沢地区など自然環境に恵まれた地域は、人口減少や高齢化など里山を整備し、自然環境を守っていく人材確保が困難になりつつあります。該当地域の定住促進対策やボランティアの活動支援などを行っていきます。また、滞在型市民農園(クラインガルテン)の設置も検討します。一方、玉川をはじめ「カワセミ」が見られるようになるなど、河川の環境がよくなってきています。地域ボランティアによる川の清掃作業なども行われ、今後とも支援を強化していきます。


 
■デフレ不況が進行する中で、公務員と民間の格差が指摘されています。あなたは現在の公務員の定数を削減し待遇(給与・賞与・退職金)を民間並にカットすべきだと思いますか? また、特別職の待遇についてはどう思われますか?
 
小林氏 就任以来、徹底した行財政改革を断行、国に先駆けて3年前から事業仕分けを行うとともに、職員を103人削減、時間外手当の大幅カットなどにより人件費11億円以上を削減しました。特別職については任期中の自らの給料を20%減額するとともに、副市長、教育長についても、それぞれ15%、10%を自主返納いただいているところです。公務員の定数削減については時代の要請であり、職員とも話し合いながらしっかりと実行してまいります。
 
石射氏 無駄な事業の徹底的な見直しや業務に従事している職員の意識改革等を行った上で、定数の削減、待遇の見直しを実施します。特別職については市長給与を30%カットします。


 
■地域主権、地域内分権を進めていくことは、行政サービスを市民(地域委員会などの行政協力団体・NPO・企業・民間の公益法人など)にゆだねて小さな政府(行政組織)をつくることにありますが、あなたは地域内分権にはどう取り組まれますか?
 
小林氏 市民ニーズへの迅速かつ的確な意思決定と取組を進めるために、現在も地区市民センターに課長職や地域力サポーターを配置し、地域の独自性を発揮した運営を行っていますが、今後、市民自治を真に進めるためには、地域のことを一番よく分かっている地域の皆様に地域の課題に自ら取り組んでいただくことが大切です。今後は昨年制定した「自治基本条例」に基づく市民の自主自立を礎とした地域自治組織の設立を促進するなど、市民協働の到達点である地域内分権の実現に取り組んでまいります。
 
石射氏 高齢・単身世帯の増加と孤立・無縁社会への対応をすることなど、「互助」機能の強化が重要となってきています。そのため、地域支援をするNPO法人などの団体設立や運営を支援していきます。こういった活動が発展して、地域委員会などの設立につながり、地域内分権が進むことを期待しています。


 
■デフレ不況が地方自治体の財政を圧迫しています。税収安定を確保するためにあなたはどのような施策をお考えですか?
 
小林氏 税収を安定的に確保するためには中小企業を始め、企業の業績向上が雇用の確保や個人所得の増加につながるため、公共事業の受注機会の拡大や、企業活動の支援を引き続き行うことが大切です。また、企業の立地等の促進を積極的に行っていくことが必要であり、税の軽減や立地奨励金など各種支援策を実施するとともに、産業用地の創出を引き続き行うことで、新たな雇用の創出や市内での消費拡大などを図っていきたいと考えています。
 
石射氏 企業立地や商業施設を誘致していくことや雇用の確保、拡大のための経済対策を実施していきます。また、財政調整基金を確保することによる財源の安定を図っていきます。


 ■地域活性化の方策として「食によるまちおこし」が注目されていますが、その成功の秘訣と行政がなすべきことは何でしょうか?
 
小林氏 シロコロを中心とした「食」によるまちおこしは、昨年のB\1グランプリ開催につながり、大きな経済波及効果をもたらした成功例として、マスコミ等で大きく報じられています。成功の秘訣はまさしく市民協働力であり、市民全体が気持ちをひとつにしてまちおこしを進めたことです、行政にはこうした機運を高められるよう環境整備を図っていくことが求められています。
 
石射氏 成功するためには、日常的に昼夜を問わず、お年よりから子どもまでが食することのできる地域ブランドとすることが必要です。厚木は鮎のまちでありながら鮎を食することのできる飲食店はほとんどありません。日常的に昼夜を問わず食することのできるよう支援していく必要があります。行政の役割としては、新たな地域ブランドとなる「食」を研究開発していくことや農産物の生産から加工、販売までを行う、いわゆる都市農業の6次産業化を支援していくことがあげられます。また、市外からも訪れる飲食店(例えばラーメン店)を地域内で連携して、食のまちとしてアピールしていき、リピーターを増やしていく取り組みなども行政が支援すべきです。


 
■イベントは街の活性化に有効な手法の1つですが、他面では一過性との指摘もあります。この指摘に対してどうお考えですか?
 
小林氏 昨年9月に開催したB\1グランプリでは、全国から約43万5千人の方々が来場され、厚木市から全国に熱気と元気なまちの姿を発信でき、36億円の経済効果はもちろん、シティセールスの面でも効果があったものと確信しています。今後も波及する経済効果はもちろんのこと、運営を支えていただいた2600人の市民ボランティアの方々は、今後の厚木の推進力になっていただけることは間違いありません。このように人づくりの面からもイベントは一過性のものではなく、街の活性化の有効な手法であると考えます。
 
石射氏 大きなイベントを市が主導で実施しても一過性となってしまう可能性が高く、市民や行政への負担が大きい割には経済効果は限定的と言えます。まちの活性化につなげるためには、例えば大きなイベントではなくても商店街等が主体となって継続して行うイベントが考えられますが、こういったイベントに市が協力していく方法がよいと考えます。


 
■交通渋滞対策について、あなたが取り組む有効な施策を1つだけ上げてください。
 
小林氏 国土交通省の調査によると、国道246号線文化会館前の交通量は45%が厚木市に用事のない通過交通で、この通過交通量の多さが渋滞の原因です。従ってさがみ縦貫道路や新東名高速道路、厚木秦野道路といった高規格幹線道路等の早期整備促進とアクセス道路の的確な整備、国道、県道と一体となった街路整備により、市内に用事がない通過交通を分散・排除することが渋滞解消に最も有効な方策であると考えています。
 
石射氏 新交通体系を検討します。道路整備だけではなく、新しい観点からLRTの導入などに取り組む必要があります。また、自転車の利用促進をすすめます。駐輪場の整備、電動アシスト自転車の購入助成、自転車専用レーンの設置、サイクル&バスライドの推進などを実施します。


 
■子育ては女性ばかりでなく、男性が果たす役割も重要です。男性が積極的に子育てに従事するためには行政は何を支援すべきでしょうか?
 
小林氏 男性の育児参加を促進するには、まず、ワーク・ライフ・バランスが図られることが重要です。市が実施した調査では、「父親が子育てにかかわりづらい理由」として「残業などが多く仕事を優先せざるをえないこと」と回答した割合が8割近くを占めるなど、仕事と生活の両立が図られていないことが父親の育児参加に大きな影響を及ぼしていることから、事業主に対するワーク・ライフ・バランスの啓発をより積極的に行うとともに、事業所内保育施設の設置促進など、父親と子どもが近くにいられる子育て環境の整備が必要と考えています。
 
石射氏 男女共同参画社会の実現をすすめ、子育てに対する男性への啓発、企業への啓発が必要です。また、男性が子育てをする環境を整える必要があります。例えば男性用トイレにはベビーチェアがほとんど設置されていないのが現状で、男性用トイレにもベビーチェアの設置を促進していく必要があります。


 
■行政評価は歳出削減、事業の見直しなどに視点が置かれていますが、事業を実施した結果、住民にどのような成果がもたらされたかという住民満足度評価も重要です。あなたがお考えになっている行政評価の手だてをお聞かせください。
 
小林氏 行政評価の最大の目的は、市民サービスの向上です。評価することによって、いわゆるPDCAサイクルを実践させ、振り返り、精査し、市民サービスの向上につなげていきます。市の総合計画はどれだけ仕事をしたのかではなく、そのことによってどれだけ市民の満足度が向上したかを成果の指標に設定しています。事業仕分けの実施や新たな外部評価の徹底、その結果を市民に分かりやすく公開していくことが重要です。
 
石射氏 行政評価による歳出削減、事業の見直しは大きな柱と考えており、外部評価の積極的な導入を図り、事業仕分けの手法を取り入れていきます。


 
■厚生労働省の調査によると、在宅での看取りを希望する人が6割を超えるといわれていますが、安心できる在宅介護(ホスピス)を行うために行政は何を支援すべきでしょうか?
 
小林氏 医療機関や地域包括支援センターなどが連携・協力して、医療保険や介護保険による支援事業を中心に、患者をケアできる態勢づくりが必要です。特に訪問診療や訪問看護の充実が、患者の生活の質の向上につながっていくものと考えます。また、在宅介護の場合、介護に当たるご家族の精神的、肉体的な負担が大きいという課題がありますので、患者ご本人だけでなく、ご家族の負担を軽減することも重要です。
 
石射氏 在宅医療、在宅介護の推進は家族の負担が大きく希望されてはいても現実的には困難な場合が少なくないのが現状です。行政としては在宅介護支援センターの活動を支援していくことが必要です。


 
■議会解散の直接請求など、住民投票制度が注目を集めています。住民投票制度についてどうお考えですか?
 
小林氏 市長と議会といった二元代表制を補完し、重要な案件について市民の皆様の意思を確認するという意味で、住民投票制度は必要です。昨年末に制定させていただいた自治基本条例では、市民参加の手段の1つとして住民投票を明確に位置づけ、今年から住民投票制度の在り方について、市民の皆様のご意見をお聴きし ながら検討を進めていきたいと考えています。
 
石射氏 法律に基づく住民投票だけではなく、厚木市としての住民投票制度は必要と考えています。住民投票の結果は尊重していきます。厚木市自治基本条例が平成22年12月定例会で可決されましたが、この中に住民投票制度が規定されています。具体的には今後別の条例で策定することとなっており、住民投票の対象となる重要事項の内容、投票資格など市民の皆様の意見も拝聴しながら決めていく必要があります。

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