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西山を守る会(花上義晴代表)では、平成16年から荻野の里山に生息するオオタカの観察を行っているが、今年も、荻野川近くの里山でオオタカの営巣地を発見、2羽のヒナが成長している姿を確認した=写真・内木良氏撮影。 |
厚木市が西山の尾根沿いにあった7市道を廃止して、砂利採石業者の土地と等価交換処分をしたのは違法であるとして、「西山を守る会」(花上義晴代表・原告団21人)が、厚木市長を相手取って起こした住民訴訟の判決が5月30日、横浜地裁であった。 |
西山を守る会(花上義晴代表)では、昨年から荻野の里山に生息するオオタカの観察を行っているが、今年も、荻野川近くの里山でオオタカの営巣地を発見、巣立ちを確認した。 |
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西山を守る会が住民訴訟 「採石は尾根道残してなされるべき」と声明文発表 厚木市が行政財産である市道(I−705上荻野字用野華厳線ほか6市道)を廃止して普通財産にしたうえで、その道路敷き部分の土地を採石業者の土地と交換契約して引き渡した行為は違法である―として西山を守る会(花上義晴代表)は3月4日、厚木市長を相手取り横浜地裁に住民訴訟(通称・東丹沢西山尾根道裁判)を起こした。 |
厚木市が行政財産である同市中荻野高取山の市道I-705号線(通称尾根道)を廃止して付け替えた行為は、公益性がなく道路法第8条と地方自治法第2条などに違反するとして、市民団体「西山を守る会」(花上義晴代表)と市民約100人)が昨年12月、住民監査請求を行い、市と採石業者が締結した等価交換による財産の処分は、違法な財産の処分管理に当たるので、契約を解除するなどして契約締結前の現状に戻し、市が蒙った損害を回復するよう求めていた問題で、同市監査委員(3人)はこのほど「本請求には理由がない」として棄却する決定を下し、2月4日付けで請求人に通知した。 |
「公益性ない」と市長に契約解除と現状回復求める
市は今年7月13日、採石業者と土地の交換契約を締結、普通財産となった市道は廃止され、高取山ふもとにある業者所有の山林(5905.39平方メートル)に付け替えられた。 道路法第10条1項によると、「市長は市道について、一般の交通の用に供する必要がなくなったと認める場合、廃止することができる」とある。請求では、「西山の市道は尾根道として八菅修験の歴史的コースであり、発句石など郷土学習資料の宝庫として昔も今も好学の士の足跡が絶えず、ハイキングコースとしても市域はもちろん広く首都圏から登山者が訪れている。市が交通の用に供する必要がなくなったとして廃道にしたのは大きな事実誤認であり、道路法に違反した違法な処分である」と主張している。 また、一企業の利益のために普通財産を処分した行為は、「厚木市財産の交換等に関する条例」第2条1項「本市において公用又は公共用に供するため、他人の所有する財産を必要とするとき」とする規定に違反するほか、普通財産の処分はその財産の市場価値によってなされるべきで、採石業務を30年にもわたって行うという商品価値があるにもかかわらず、等価交換とするのは経済価値を無視したやり方で、地方自治法第2条14項と地方財政法第8条にも違反するとしている。 守る会では、廃止・付け替えされた市道は、市の日常管理の怠慢を示すものでもあり、「地方公共団体の財産は常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて最も効率的に運用しなければならない」とする地方財政法第8条にも違反するとしている。 採石業者は、現在採掘している飯山側の事業区域が完了するため、新たに荻野側29・3ヘクタールのエリアを30年間にわたって採石する増設事業を計画している。採石量は1日当たり10トンダンプ500台分に相当するもので、海抜600メートルある高取山の稜線が、約200メートル削られる大規模開発だ。 監査請求の審査結果は、60日以内に請求人に通知されることになっており、花上代表は、「行政訴訟も視野に入れており、結果を見守りたい」と話している。写真は監査請求の中身について写真を示しながら説明する「西山を守る会」の花上義晴代表(左)(2004年12月15日) 参考:風見鶏「西山と住民福祉」(2005.01.15)参照 |
同弁護士は、厚木市が行った行政財産の処分(市道の廃止付け替え)が適正であったか? 処分に関する議会の議決には強制力はないとして、市が行政財産の適正な管理を怠った場合は、住民監査請求でその違法性を問うという方法があり、棄却された場合は、行政訴訟に持ち込むのが一般的だと述べた。 また、行政上適法であっても、周辺住民が著しい被害を被る場合、民事上は違法になるという「人格権訴訟」があり、近年こうした民事裁判が大きくクローズアップされていると説明した 。 講演終了後、参加者から法律的な解釈や訴訟手続きなどについて多くの質問が出された。同会の花上代表は「議会で議決されたからとか、アセス手続き上問題はないからという理由で、西山問題を終わったことと片づけるのは間違い。今後、法的な手段をよく検討して、西山を守る運動を進めていきたい」と話している。同会では10月17日に13回目の西山登山を行う。(2004年9月25日) |
西山を守る会(花上義晴代表)では、荻野高取山周辺の環境破壊をくいとめるため、9月20日16時から荻野公民館でシンポジウムを開く。当日は環境問題に取り組み数多くの実績をあげている梶山正三弁護士が「自然破壊を許さない―市民活動の進め方」と題して基調講演を行う。 |
今年の3月から絶滅の恐れのある野生動物オオタカの生息状況を観察している「西山を守る会」(花上義晴代表)では、7月6日荻野川近くの里山林に巣をかけているオオタカの営巣地を確認した。 |
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「西山を守る会」は、1月25日、西山登山を行い、42名の参加者が高取山の尾根道を三ッ沢まで歩いた。2月8日にも第2回目の西山登山を行う。午前10時20分松石寺集合。午後4時解散。参加者は弁当持参。また、3月6日11時30分〜14時まで、国道412号線沿い・すえひろ鳶尾店前で活動資金捻出のためのバザーを行う。問い合わせは同会の荻田さんへ。TEL:241・8990番。(2004年2月1日)登山」は、愛川町議の熊坂徹さんがレポートしていま |
厚木市議会が昨年12月に開いた定例議会で、市が9月議会に提案して継続審査となっていた議案第89号「(西山の)市道路線の廃止及び認定」について、都市経済常任委員会および本会議で審議の結果、賛成多数で可決したほか、同市中荻野の花上義晴さんら111人が同議案を否決するよう求めていた陳情第30号をみなし不採択とした問題で、この採決の結果に納得しない反対派住民は、1月10日、荻野公民館で集会を開き、今後の対応について話し合いを行った。 |
厚木市議会都市経済常任委員会(石井恒雄委員長)は、12月15日委員会を開き、継続審査となっていた「市道I-705号線ほか6路線の廃止及び4路線を認定する議案89号」を、賛成多数で可決した。また、同市中荻野の花上義晴さんら111人が議案を否決するよう求めていた陳情第30号をみなし不採択とした。(2003年12月15日) 厚木市議会は12月15日、都市経済常任委員会(石井恒雄委員長)を開き、市が9月議会に提案して継続審査となっていた議案第89号「(西山の)市道路線の廃止及び認定」を賛成多数で可決した。また、同市中荻野の花上義晴さんら111人が議案を否決するよう求めていた陳情第30号をみなし不採択とした。 |
厚木市議会で、西山の市道廃止付け替え議案が継続審査になっている問題=本紙12月1日号で既報=で、市は12月10日、荻野地区で地元自治会長や住民を集めた説明会を開いたが、参加した住民は市側の説明に納得せず、議案の取り下げを求める意見が相次いだ。 |
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厚木市が9月議会に提出して継続審査になっている「市道I-705号線ほか6路線の廃止及び4路線を認定する議案89号」に関して、11月21日、同市中荻野の花上義晴さんほか111名が、「市道は近隣のハイキングコースを結ぶ重要な位置にあり、文化財が存在するなど市民の貴重な観光・レクリエーション資源になっている」として、議案の否決を求める陳情書を市議会に提出した。 廃止が予定されている市道は、中荻野地区の通称西山(経ヶ岳、華厳山、高取山)の尾根道で、6つのハイキングコースを結ぶ位置にあり、晴れた日には新宿副都心の高層ビルや相模湾を一望に眺めることができる。尾根道には荻野の俳人小林芹江の俳句が刻まれている発句石があり、近くには経石、松石寺88カ所の石仏など貴重な文化財も散在している。また西山は、荻野音頭や荻野中学校の校歌にも歌われるなど、ふる里の山として荻野地区住民の精神形成にも大きな影響を及ぼしてきた。 西山を所有している採石業者が、現在採掘している飯山側の事業区域が完了するため、新たに荻野側29.3ヘクタールのエリアを30年間にわたって採石する増設事業を計画した。総採取量は1,677万6,000立方メートルで、海抜600メートルある西山の稜線が、約200メートル削られるという大規模開発だ。 昨年12月「環境影響予測評価書案」の住民説明会が荻野運動公園など3カ所で開かれたほか、今年の1月中旬まで地元公民館でも縦覧が行われ、環境アセスの手続きが最終局面を迎えている。 採石業者は岩石採取の事業拡大にともない、市に対して市道路線の払い下げと付け替えを申請、市は9月議会に7路線の廃止と新たに付け替える4路線を認定する議案を提出した。都市経済常任委員会で審議されたが、地元への十分な説明がなく、廃止の理由も明確でないとして現在継続審査になっている。 この市道は昭和49年7月11日、当時議員だった花上さんが、採石事業によって市道の一部が損壊され、文化財の発句石も掘削移動されてその価値が失われているとして、市長に対して損壊した市道と発句石の現状回復の措置をとらせる監査査求を行った。当時の監査委員は花上さんの請求を認め市長に対して、昭和50年2月末日までに採石業者に現状回復の措置をとらせる決断を下している。 花上さんは、「今回、市が道路の廃止と付け替えの認定を行おうとするのは、こうした経緯をまったく無視したやり方だ。岩石採取という何ら公益性のない一企業の経済活動に、市が便宜を図るのはおかしい」と話している。 陳情は12月15日に開かれる都市経済常任委員会に付託審査されるが、市の議案とともに、議会がどういう判断を下すか注目される。<風見鶏12月1日参照> (2003年12月1日 |
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