第604号(2003.01.01)

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生きる意味・命の大切さ学ぶ―横井庄一さんのグアム島28年「生路抄」

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        サバイバル体験をイラスト本に 
         厚木市愛名の整体師 岡田裕子さん
           
『長寿萬福』を出版 
 厚木市愛名に住む整体師・岡田裕子さん(39)=
写真左=が、72年グアム島から奇跡の生還を果たした旧日本兵・横井庄一さんの28年におよぶサバイバル体験をイラストに描き、自費出版した。
 グアム島のジャングルの様子や食生活を支えた木の実や食物、火起こしや衣服縫い、食生活の道具、地面を掘って住処にした穴の住居などをていねいに描き、横井さんのサバイバル生活を絵本にした。
 岡田さんが横井さんに興味を持つようになったのは今から20年前の大学2年の時。日本テレビが放映した水曜スペシャル「ザ・サバイバル」に参加したのがきっかけだった。番組は7人の女性が横井さんと一緒にグアム島で2週間のサバイバルを体験する=
写真下=というもので、ナイフと水筒、鍋1個以外は何も持たずに、ジャングルで火の起こし方、魚の捕り方、食料になる植物の見分け方、寝ぐらの作り方などを教わった。      
 短期間とはいえ、人間が文明の力のまったく及ばないところで生きていく体験は、やることなすことすべてが驚きの連続だった。その時の横井さんは、町では物静かな人なのに、ひとたびジャングルに入ると、足も身体の動きも早くなり、岡田さんはその時「この人はただ者じゃない」と感じたという。
 これがきっかけで、その後も横井さんとの交際が続いた。ところが95年、岡田さんは欧州旅行先のドイツで交通事故に遭い、数ヶ月間死の世界をさまよった後、帰国してから意識が戻るというサバイバルを体験をしてしまった。岡田さんはリハビリを続けながら、少しづつ治っていく身体と、いつまでもくじけたままの心を抱え、日々「生きることの意味」をボンヤリと考えていた。そして世の中の喧噪に心をかき消されながら「何でこの騒々しい社会に戻ってきたんだろう」と日々自問自答していたという。
 そんな時、横井さんから力強い「長寿萬福」という一幅の書が送られてきた。人が生きていけば楽しいこともあるが、それと同じくらい辛く悲しいこともある。想像も及ばない苛酷な運命に翻弄された横井さんからのこの言葉には、照れ屋で無口だった横井さんの深いメッセージがずっしりと込められていて、生きることの幸せさ、命の大切さ、生きることの意味をしみじみ感じ取ったという。
 その後、奇跡的に回復した岡田さんは、退院してからボランティアやアルバイトを続けながら、命や身体のことをもう一度勉強しようと健康専門学校に通い、2年間で整体師の資格を取得、自宅で整体院を開業した。      
 横井さんは97年に心筋梗塞で亡くなったが、岡田さんは命の大切さを教えてくれた横井さんの記録を残しておきたいと、仕事の合間を見ながら、グアム島での横井さんの28年間に及ぶサバイバル体験をイラストにして描き始めた。
 イラストにはグアム島のジャングル、生活を支えたバナナやパパイアなどの木の実や植物、火の起こし方、ヤシ油のとり方、野ネズミなどの野生動物の捕り方と血抜き、カエルの肝臓を干して使った胃薬、パゴの繊維で織った衣服、28年間の間に6回も掘った穴の住居などを水彩絵の具を使って描き、コメントをつけた。
 本のタイトルは横井さんからもらった書をそのまま生かして「長寿萬福」=
写真中=と名付けた。
 岡田さんは、「横井さんのグアム島での生活を想う時、動物である人間横井さんが、動物の気配を消して限りなく植物に近づいていったような気がしてなりません。常に五感をとぎ澄ましていた横井さんの真似はできるはずもありませんが、便利なコンピュータ社会の中で、ほんの少しだけ自分のアンテナを磨いて鋭くすることなら、私たちにもできるかもしれません。横井さんを通して子どもたちに生きることの大切さを学んで欲しい」と話している。
 B5判45頁。1部1.500円。有隣堂厚木店、ブックス・ウチチダヤ厚木ビブレ店で発売中。

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 「歌ごよみ百年」を出版  「物語夕焼け小焼け」の依田信夫さん
 99年1月から2年間にわたり「市民かわら版」に中村雨紅と草川信の評伝『物語夕焼け小焼け』を連載した依田信夫さん(70・大和市福田)が、このほど『歌ごよみ百年』=写真=を自費出版した。
 明治、大正、昭和の時代にヒットした童謡、民謡、軍歌、歌謡曲のジャンルから80曲を選び出し、その時代背景と作詞・作曲などのエピソードをからめて随筆風にまとめた。
 童謡では高野辰之作詞、岡野貞一が作曲した「故郷」、清水かつらの「靴が鳴る」、野口雨情作詞、本居長世の作曲で大ヒットした「十五夜お月さん」、厚木にもゆかりの深い中村雨紅の「夕焼け小焼け」など17曲をおさめた。
 民謡では、官軍鼓舞の第一号で品川弥二郎、大村益次郎作曲といわれている「トコトンヤレ節」、長崎抜天が好んで歌った「ストトン節」、叙情詩人の神様北原白秋作で茶処のご当地ソング「ちゃっきり節」、盲目の女芸人達の行脚で全国へ伝播した「じょんがら節」、米山愛紫が作詞した「武田節」など8曲をおさめた。
 また、軍歌では海軍軍楽隊の瀬戸口藤吉が鳥山啓の作詞に感動して一気に作曲した「軍艦行進曲」、作詞・作曲者とも不明の「広瀬中佐」、哀調あふれる軍歌の代表作「戦友」、笈田敏夫の「海ゆかば」、火野葦平のベストセラー小説をヒントに東海林太郎が歌い大ヒットした「麦と兵隊」、幾多の紅顔の少年たちを散華させた「若鷲の歌」など17曲を収録したほか、歌謡曲では北原白秋作詞の「城ヶ島の雨」、フランク永井が歌って大ヒットした流行歌詞に輝く名曲「君恋し」、古賀政男作詞作曲の名曲「影を慕いて」、吹き込み中休憩中にマイクが生きていて挙式の打ち合わせが表に出て大騒ぎになった松原操と霧島昇の「旅の夜風」、美空ひばりの「東京キッド」、伝説的映画の主題曲「君の名は」、松竹映画寅さんシリーズの主題歌「男はつらいよ」など38曲を収録している。1部2,000円(送料別)。希望者は依田信夫さんへ(〒242-0024大和市福田1912-4・TEL:268・0200番)。
 10冊を読者プレゼント 
 市民かわら版では依田信夫さんの『歌ごよみ百年』を抽選で読者10名にプレゼントします。ハガキに〒住所、氏名、性別、年齢、電話番号、市民かわら版の感想を明記の上、1月15日までに申し込む。当選者には発送をもって通知します。

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 災害時用車椅子簡易トイレを設置―厚木市が利用実態に合わせた改良型
 厚木市は地震などの大規模災害時に、避難所で生活する障害者や要介護のお年寄り、車椅子利用者が安心して避難生活が送れるよう、「災害時用車椅子対応簡易トイレ」=写真左=を整備することにした。
 同市では小中学校など48カ所を災害避難場所に指定している。学校には児童の車椅子用トイレがあるものの、狭くて大人の利用ができないトイレが14カ所あり、今年度一括購入して整備することにした。
 トイレは既存の製品を身障者の利用実態に合わせて工夫した改良型。材質はアルミ押出し形材のフレームで、側板と屋根はポリプロピレンでできており、焼却処理してもダイオキシンなどの有害物質が発生しない。 
 間口を広くして介護者なども一緒に入れるように大きくした(間口120センチ×高さ1900×奥行き1650)ほか、出入口をスロープ式にし、ドアは車椅子でも開けやすいよう左開きにした。また、車椅子で中に入った後でも簡単にドアを閉められるようドアにロープを設置したほか、車椅子から便座へ移動する時に、体重をかけられるよう手摺りも装備した。汚物は凝固剤で固め、1回ごとに汚物パックを交換する仕組み。小中学校ほか防災公園など17カ所に設置する。費用は810万円。
 地震防災対策強化地域に指定されている県下8市11町の自治体で、すべての避難所に車椅子用簡易型トイレを設置するのは厚木市が初めて。

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厚木市が1月から公用車に搭載する救急セット
 厚木市が公用車に救急セット搭載 
 厚木市は災害時に多くの負傷者が見込まれるため、災害現場などでのケガに対して、医療行為以外の応急処置や手当ができるよう、公用車すべてに消毒薬や滅菌ガーゼ、包帯などを入れた救急セット=写真左=を搭載する。
 救急セットの内容は外傷殺菌消毒薬、皮膚消毒清浄綿、滅菌ガーゼ、救急絆創膏、三角巾包帯など主に外傷性の応急薬品で、平常時の救急でも利用される。
 常備するのはバス6台のほか、乗用車26台、貨物車85台、軽自動車64台、ごみ収集・消防などの特殊車両149台の合わせて330台。1月から各課に2人づつ任命している防災リーダー146名と現業および消防分団員を対象に応急手当の研修会を開き、終了次第救急セットを配布する。
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 不法投棄に監視カメラ 厚木市 多発箇所に12台設置
 厚木市は家電リサイクル料金逃れなど心ない者による不法投棄が後を絶たないため、このほど市内の不法投棄多発箇所に監視カメラと警戒システム12台を設置、不法投棄防止の強化に乗り出すことにした。
 監視カメラ=写真=はセンサーで人や車を感知すると、自動的に画像を撮影し、送信することができるもので24時間体制で監視できる。また、警戒システムもセンサーが人や車を感知すると、自動音声などにより警告を発する。
 市では撮影した映像を厚木署に提供し、車のナンバーから不法投棄者を特定するが、不法投棄者に警戒感を持たせることにより、不法投棄の防止をはかるのがねらい。

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人のため、社会のために奉仕する心大事 
2003年はどんな年になるだろうか? 山口鶴扇のコンピュータ占い

  暦の上では「癸未 六白金星」です。この六白金星という星は、信仰、活動、剛健、投棄、戦う、収蔵、懐胎などのさまざまな現象を表す意味をもっています。今年の1年間は、この六白金星という星がはたらき、私たちの生活や社会情勢、天候などにいろいろと影響をあたえてくれるのです。
 六白金星の年は、飾り気がなく、悩みが多い一方、聡明で配慮が細かいといった年です。当然ながら心労で気の休まらない年であるともいえます。したがって、努めて気軽に交際も広く持ち、冗句、ユーモアをまじえて、あまり物事を深く考えないようにしないと身がもちません。
 
不良債権問題解決へ 
 経済面では、内外ともに前年の影響を受けますが、徐々に伸張し、明るい材料が見えてきそうな年になりそうです。不良債権問題は金融機関と企業一体の努力が実りを見せ始め、徐々に解決への道をたどるでしょう。もちろん、良いことばかりではなく、たとえば預金運用については、現状の運用先が少ないため、新たに預金管理料を課そうという動きもあるようです。
 国内政治は、求心力が薄れて混迷を深める政局は、与野党を問わず新たな秩序を模索する動きが見られ、政界再編成へ向けた活動が再び活発化しそうです。六白の年は「戦う」という象意もあり、次世代のリーダーシップをめぐる争いは激化が予想されます。しかし、国際社会の一員としては、時代を担うのにふさわしい人物や政党が現れるよう期待したいものです。
 
人為的な大事故に警戒
 今年は1月から2月にかけて、変動の多い要注意の時期です。地震などの自然災害のほか、人為事故にも十分な警戒が必要でしょう。梅雨の始まる前までは、遅霜や雹(ひょう)の被害が予想され、梅雨に入るとかなりの雨量がありそうです。
 7月から9月にかけては、台風の接近による豪雨、落雷、竜巻の被害が考えられます。10月になっても遅い台風が発生したり、急激な気温の低下がありそうです。 年末は冷え込みが厳しく要注意です。また、人為的な大事故が起こりそうなときでもあり、警戒が必要です。
 今年流行するものは、色としてはオフ・ホワイトやベージュなどを基調としたものが多くなり、また、紺や黒などのシックな色も多く使用されそうです。丸い感じのソフトな物、白い物、また金色でもより渋めの金というように、しっとりと淡く落ち着いた色や形のものが流行しそうです。
 
正しい生活指針を
 今年は伸びる芽は急速に伸び大躍進しますが、崩れるものは坂をころげ落ちるように衰退していきます。チャンスをつかみ、一気に前進することが大事ですが、不安やかげりが見えたら即後退することも必要です。  また、今年はいつにも増して神仏を敬うことが大切です。春、秋にはお墓参りをしてご先祖の供養をするとか、ご両親を大切にし、目上の人を常に敬う心がけが日々の感謝の生活となり、それによって家庭生活が平和で円満な年になるでしょう。
 しかし、今年も経済状況の急激な好転はあまり期待できません。明るい話題に乏しく、閉塞感の続く社会状況を象徴するかのように、今年はさまざまなところで争い事の多く発生する暗示もあります。争い事はあまり歓迎できませんが、それが何かを生み出すためのもの、閉塞感を打破するためのものであることを期待したいところです。
 いつの年も同じでしょうが、とくに今年は人のため、社会のために奉仕する心が大事です.。自ら明るく振るまえば、自然と人も幸せな気持になります。
 明るい家庭生活のもと、一年という貴い時間が、あなたにとって悔いないものでありますように奮闘努力されることを、この占いを参考にして活躍して下さることをお祈り申し上げます。  
 山口和泉改め鶴扇・日本易学協会認定師範一級鑑定士(四柱推命診断・気学占い、密教宿曜星占術・相性診断)厚木市松枝在住。

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 今年のスギ花粉はやや多い 過去6年間の平均上回る
 厚木市七沢の自然環境保全センターでは、スギ花粉症対策の試みとして、平成9年度より県内スギ林の雄花の着花量調査を実施しているが、今年春の花粉量は各地域とも昨年より多く、かつ過去6年間の平均値を上回る花粉飛散が予想されると発表した。
 調査は県北部から西部の森林地帯を中心に、見通しの良いスギ林30カ所を選び、双眼鏡で各箇所40本の着花状況を調べた。
 スギは2月から4月にかけて花粉を飛散するが、花粉飛散前年の7月ごろから雄花の形成を始め、10月ごろにはつぼみを形成する。このため、そのつぼみの着花状況を調査することで、来年春の花粉の飛散量の推定が可能となる。
 調査方法は双眼鏡で各箇所のスギ40本の着花状況=写真=を1本ごとに3(木全体に着花が多い)2(全体に多いか部分的に多い)1(着花が認められるところが少ない)0(着花が認められない)の4ランクに区分して、それぞれ100点、50点、10点、0点に点数化して集計する。
 同センターが昨年11月から12月に行った調査では60・6点と前年より増加し、大豊作であった平成11年12月の調査(平成12年度飛散)と比較すると少ないものの、過去6年間の平均値を上回ったことから、やや豊作と推定した。
 県内の地域的な差は少なく、どの地域でも昨年の値および過去6年間の平均値を上回っており、比較的多い花粉飛散が予想されるという。
 同センターでは花粉症の根本的対策として、花粉の少ないスギ・ヒノキ品種の選抜などを進めている。

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 厚木の観光いちご狩り―今年も1月上旬から
 厚木市内のいちご栽培農家で、今年も1月上旬から食べ放題の「いちご狩り」が始まる。同市内のいちご栽培農家は26戸で、栽培面積は2.5ヘクタール。このうちの9戸が平成元年に「厚木観光いちご狩り組合」(清田正組合長)を組織、毎年シーズンになると、いちご狩りを行っている。
 いちご狩りの栽培面積は約1.2ヘクタール。今年はやや早く順調で、甘くて味の良いいちごが成育しているという。 厚木のいちごは直売やいちご狩りが主で、12月から1月の贈答シーズン、1月から3月のいちご狩りが最も忙しい季節だ。今年も市内のいちご農家で、5月上旬までいちご狩りが楽しめる。品種は「章姫(あきひめ)」「鬼怒甘(きぬあま)」「女峰(にょほう)」などが中心で、もぎたてのいちごがその場で楽しめるほか、お土産用も販売している。
 入園料は30分食べ放題・ミルク付きで、1月が大人1,500円、5歳未満700円、2月が大人1,300円、5歳未満600円、3月が大人1,200円。5歳未満600円。開園時間は9時から15時。TEL(223)0111番。

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