第674号(2006.01.01)

新春インタビュー「山口市長に聞く」 2006年山口鶴扇のコンピュータ占い

シーバス釣りの名人 厚木市飯山のルアーアングラー吉川雄介さん

シーバス・フィッシングに魅せられ、仕事が終わると毎晩、相模川や湘南海岸に釣行し、2時間ほどの実釣で2ケタという釣果を重ねるルアーアングラーの吉川雄介さん(40)。年間釣行回数は260日を越える。これまでにも80センチ以上のスズキを何本も釣り上げたことのある名人だ。湘南から東京湾まで、関東のあらゆるフィールドを知り尽くした吉川さんに「ルアーフィッシング」の魅力を聞いてみた。
 吉川さんの本業は、厚木市飯山の旅館「アツギミュージアム」で調理に従事する若旦那だ。「3度の飯よりルアー・フィッシングが好き」と釣りを始めたのは小学校3年生のとき。近所の荻野川でフナやコイ、ハヤなどのエサ釣りを楽しんだあと、高校生になると湘南海岸の防波堤や磯、砂浜などに足を運んだ。
 外国から疑似エサと呼ばれる「ルアー」が入ってきたのがちょうどそのころ。
 このルアーフィッシングは、魚をいかにだまして釣るかというゲーム性を楽しむのが醍醐味で、釣り上げる対象魚も絞られ、型も大きくなる。吉川さんも大学を卒業した頃からこのルアーフィッシングに魅せられ、河口湖にブラックバスを追う日が続いた。
 「夢中になってバス釣りをやっていました。子どもから大人、初心者からテクニシャンまでいろいろな仲間がやってきます。湖に放流しているので、誰でも50センチ級のものが釣れます。ところがオフシーズンもあり、釣り師のレベルもさまざま。大会があって腕試しもできますが、土曜、日曜に限られるので毎回は参加できない。そのうち飽きてくるんですね。もっと上級で別の世界に行ってみたいなと……」
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  海のシーバスと呼ばれるスズキ釣りに飛び込んだのが30歳を過ぎてから。このシーバスフィッシングは、身近な釣り場で1年中狙える、そして80センチから1メートル級の大物を釣るという世界だ。いわば釣り師が最後に到着する上級者クラスで、初心者がいきなりシーバス釣りに挑戦しても釣れることはない。
 スズキは顔がブラックバスに似ていることからシーバスと呼ばれる。出世魚で30センチ級がセイゴ、30〜60センチ級がフッコ、60センチ以上がスズキだ。
 吉川さんがルアーフィッシングに出かけるのは、毎晩仕事が終わった8時から10時ごろ。春から夏が横浜、川崎、東京湾の港湾部、夏場は相模川、酒匂川、境川、多摩川、花水川の河口付近、秋から冬にかけては東京湾の港湾部、産卵期の冬は三浦半島沖や小田原と真鶴半島の中間に位置する江ノ浦港付近がフィールド。
 毎回、2時間程度の実釣で2ケタという釣果に恵まれるが、いつでもどこでも釣れるというわけではない。潮回りや潮位、風向きなどのタイミングやエサの回遊と溜まり、橋脚や橋下の明暗部、テトラ際、台船、排水口、岸壁などストラクチャーの存在もキーポイントになる。ちなみに、シーバスの行動パターンは、干潮に近づくにつれて沖の深場へ移動し、上げ潮とともに運河内や港内へと回遊してくる。
 「9月から12月にかけてはシーバスのベストシーズン。冬の産卵を意識した70センチ前後の大型が、荒食い(たくさん食べること)を目的として、河川内に遡上してくるため、相模川の神川橋付近は絶好のポイントになります」 
 毎回、水面をにらみながらリールをゆっくり巻き上げるという孤独な作業の繰り返しだ。
 「自分が選んだルアーを泳がせながら、想定したポイントで思惑通りにヒットした時は何ともいえない喜びがあります。しかも魚体が大きければ最高ですね。もし釣れなかったら魚をだますことができなかったわけで、これはもう完全に自分の負け」 
 釣ったスズキは全部、その場で逃がしてやるのが鉄則だ。食べるために釣るのではなく、ゲームを楽しむのが目的だからである。
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 ポイントや攻略法を身につけ、ルアーアングラーとしての自信も出てきた7年ほど前、釣り新聞に原稿を書いて投稿したところ、「表現力が豊かで面白い。専門的に書いてみないか」と誘いを受け、「週刊釣りニュース」関東版のAPC(アングラーズ・ペン・クラブ)会員になった。
 始めた当初は感想文的な内容だったが、「それでは誰も読んでくれない」と、読者が綴じて保存しておく記事を書くよう心がけた。フィールドはもちろん、ポイントの紹介や略図、攻略法、当日のタックル、ルアーの操作の仕方、ヒットの条件まで細かく紹介する。写真は釣果の証拠になるからデジカメで3脚を使いセルフタイマーで撮影する。
 こうした実績が認められ、3年前からタブロイド版の新聞1ページを、任されるようになった。
 「毎週書くため、行くところは毎日違う。いつも締切に追われている感じで落ち着かないが、今では記事を書くために出かけるのが日課になってしまった」
  記事には毎回、独特の表現を入れる。たとえばヒットすると、スズキはルアーを外すため、水面に出てきてバシャバシャと体を揺らしながらルアーを外そうとする。これを「エラ洗い」といって、こうした表現を随所にちりばめていくのだという。 読ませるためのリードをつけるのも吉川流の書き方だ。 APCになってからは、スポンサーにも事欠かなくなった。竿や糸、ルアーなどは、メーカーからいつも箱単位で送ってくる。このため、使用したスポンサーの商品名を入れることも忘れない。
 吉川さんが書いた記事はいつも釣り具店の店頭に貼られるため、湘南で「キッカワ」と聞けば、知らない人がいないほど有名になった。現場で声をかけられることもしばしばだ。
 「顔を知られているのでインチキができないんです。ネタ探しも大変。毎日釣行してもボウズ(釣れない)に終わる時もあります。そんな時はごまかしをしないでポイントの詳しい紹介やフィールド、今後の釣り方の条件などを細かく書くことにしています」
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 この10年間に釣った大物は境川で釣り上げた87センチが最高。昨年の最高は神川橋で釣った82・5センチだった。ルアーアングラーの中でも 昨年秋は90センチ級は2本しか上がらなかった。80センチ級は吉川さんのを含めて5本である。大物をヒットさせるのはそれだけに難しい。近年はテロ対策のため立ち入り禁止区域が随所に見られるようになったため、釣り場が狭まった。吉川さんはそれでもあのヒットの手応えを求めて毎晩出かけて行く。
 冬場はスズキが産卵と越冬で深場に入るため、釣り場は三浦半島の剣崎や三崎港、千葉県の富津岬が主なフィールドとなる。「初釣り」は穴場となっている小田原の江ノ浦港だ。
  「今年こそ90センチから1メートル級の大物をしとめたい」という吉川さん。名人技が新聞紙上を飾る日も間近い。

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死力尽くして戦うことを決議  「ごみ中間処理施設建設計画」白紙撤回を求める会

 厚木市の棚沢地区「ごみ中間処理施設建設計画」白紙撤回を求める会(和田吉二会長・関原康夫委員長」では、12月18日、神奈川工科大学棚沢運動場北側空き地で、「建設反対の決起集会」を開き、地元住民ら251人が参加、計画が無条件・白紙撤回されるまで、死力を尽くして断固戦うことを決議した=写真。
 集会では関原康夫委員長がこれまでの経過を説明、、厚木市議会と愛川町議会に提出した陳情が、継続審査になったことなどを基調報告した。
 この後、同地区の反対派住民が壇上に立ち、「候補地の選定は住民に一言も説明がなかった」「中間処理施設が出来ると環境が汚染される」「これは棚沢だけの問題ではなく、子や孫の代にも影響をおよぼす問題。頑張って阻止しないといけない」「東京杉並では半径6キロメートルまで健康被害が出た。棚沢を起点に広範囲に悪影響が出ることが考えられる」と次々と反対の意見を述べた。
 また、奈良握市議、森屋騏義市議、熊坂徹町議のほか、上三田、下川入第1、同第2自治会長らも壇上に立ち、連帯のあいさつを述べた。
 この後、柏木久雄事務局長が「決起集会決議文」を読み上げ、ごみ中間処理施設の建設は環境破壊と健康被害、交通渋滞を招き、住民の日常生活に多大な悪影響を及ぼす。近辺にはし尿処理場や火葬場があり、ごみ中間処理施設が建設されると、一地域に不快施設が集中することになり、周辺住民のストレスと不安をさらに広げることになる。愛川町が棚沢地区と取り交わした協定書には「今後、隣接地に迷惑施設は作らない」と誓約されており、町は当事者としてこれを遵守しなければならない。このような計画が、地元及び周辺住民に何の連絡もなく、一方的に決定される行政手法は健全な市民が納得できるものではない。「無条件白紙撤回されるまで、死力を尽くして戦おう」と気勢を上げた。

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これが地域の文化運動だ  愛川町の民家の茶会に120名

 

 日本ペンクラブ会員・作家 水上寛裕

 なんでこんなに荘厳で、微笑のあふるる世界が現出しているのかと私は驚いた。
 昨年の12月21日・愛川町中津三六二八の足立原三紀子(茶名・宗智)さん宅で「あわぜんざいと小さな茶会」が開かれた。いつも年の瀬で、今回で3度目。三紀子さんは、裏千家の茶道教授で、「小さな文化運動の一環として、暗い事件の多発している世相に、何か私としてできることはないか」と思い、実行したとのこと。
 この日の茶会は、形にこだわらず、気軽にを願い、昼の12時から夜の8時まで、八席を消化した。この日、日本海側は大雪であり、寒波の押し寄せる日々であった。だのに参加者は一二〇名を越えた。遠くは鎌倉、藤沢、町田、厚木、相模原からも。近くの老人会の方、学校の先生、教育委員会の方、会社帰りのサラリーマン、ご近所の主婦仲間、お孫さん連れの方など、お客様は茶人が1割で、他は一般人である。
 「ぎこちなくていい、こうしたやすらぎの場が必要なのだと思います」と主宰者の足立原さん。
 注目したのは、子どもたちの点前とお運びである。小学校1年の大野桃さん、2年の横田祐季君、3年の高橋美彩季さん、5年の高橋琴恵さん、、そして中学校2年の中村萌さん。この5人の「お茶をどうぞ。ごゆっくりお召し上がり下さい」「お下げします」と礼を尽くしての立居振る舞いに心が洗われる。
 まだ幼いが…、心を尽すひたむきな姿が、不思議な芸術の美の極をも感じさせた。三紀子さんは「子どもたちは、この会のはじまる前から大張りきりでした。一生懸命は美しいものです」という。
 参加者は最初に別室で、あわぜんざいをいただいた。なかなかに深い味。
 それから座っての茶室で薄茶をいっぷく。次に立礼席の部屋に。ここは子どもたち5人によって薄茶が運ばれてくる。可愛い仕草が自然な緊張の中に、その茶会が流れる。
 こぼれる笑顔がみんなの表情にあって、ほのぼのとした笑いにつつまれる。なんで、子どもたちだけで、こんなに見事に。私は感動のドラマの中にいる気分であった。
 これぞ、地域に密着した文化運動である。いま暗い事件の起こる社会で、「地域の防犯運動を」などと呼びかけたり、ともすると形だけの推進運動となっているものだ。
 あわぜんざいに添えて、同町の大野土建の会長夫妻が作ったという、コンニャクを一センチ角に切って黄粉(きなこ)をまぶしたお菓子を持ち込んでくれた。これがうまい。手作り。一二〇人分だ。このコンニャクは、大野さんの畠でとれたもの。「大変だったなあ」と嬉しそうに会長の豪快な笑いが印象に残る。
 同茶道会と、同町のレディスプラザの同茶道教室の生徒さんなど30名ほどが手伝いに入っての、そして地域の人たちの沢山の協力で進行した、これぞ生きた地域の文化運動。年の瀬の愛川町の民家に咲いた集いの花は、現代の暗さを含んだ時代に語り尽くせないほどの価値を投げかけ、ほのかだが、いまの時代に欠落した心の復活を願い、そのことに挑んだものといえるだろう。感激は消えない。   

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ユネスコの国際ダンス会議に参加 「気」の舞踊家・亜甲絵里香さん

 昨年11月9日から13日まで、地中海に浮かぶキプロス島のホテルを会場に、ユネスコの主催で開いた「第19回国際ダンス会議」に、厚木在住の舞踊家・亜甲絵里香さんが、長男の瀬河寛一さん、長女の華織さんと共に参加した。
 会議には、世界30数カ国から300名以上のダンス研究家や舞踊家が参加、レクチャー、ワークショップ、パフォーマンスなど多彩な催しが繰り広げられた。
 亜甲さんは今回で4度目の参加。その中で寛一さんと華織さんの2人が昔話の「かぐや姫」を、亜甲さんがギリシャ悲劇の「メディア」=写真=をソロで踊り、強烈な表現力と衣裳、音楽の美しさで会場の話題を集めた。亜甲さんの踊りはクラシックやモダン、民俗舞踊、コンテンポラリーにも属さない「気」を含んだ舞踊で、会議に参加した人たちに大きな衝撃を与えたという。
 イベントが終わると、毎晩全員がレストランに集まり、明け方の3時過ぎまで肩を組み、手をつなぎ、テーブルの間を縫ってグリークダンスを踊った。そこには人種の壁も言葉の壁もなく、参加者が一体となったユネスコが目指す平和な世界が見られた。
 亜甲さんはこれまでにも、国際ダンス会議に出席して、「原爆の図」や「山椒大夫」「安達原」など、生きることの大切さをテーマとした舞踊を表現してきた。その手法は「テアトル・ムーヴマン」(劇的躍動)と呼ばれ、静の動作と表情が舞台に黙示録的な緊張感を与え、観客と踊り手が一体となった、不思議な舞台空間をつくり上げることに成功している。 

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まちの移り変わりを写真に記録  青年会議所が定点観測写真集を寄贈
 12月15日、厚木青年会議所広報委員会の落合秀人委員長ら5人が、山口市長を訪れ、定点観測写真集を贈呈した=写真。
 時代とともに移り変わる厚木市を記録に残そうと昭和47年から行っているもので、毎年市制記念日の2月1日に実施している。今回は市内40箇所を定点として観測し、このほど写真集にまとめられた。
 贈呈された写真は、本厚木駅周辺を中心に市内全域36地点の写真が収められている。定点は公共施設や民間の建物の屋上、陸橋や高台の公園など比較的高地から街並みが見渡せる場所。一つひとつの定点で多角的に写真が撮られ、位置図や撮影したアングルの説明もていねいに記録されている。
 落合委員長は「今回はプロのカメラマンの指導をいただきながら撮影した。例年に増して良いアルバムができたと思う。引き続き市の発展にともない、街が移り変わっていく姿を写真で残していきたい」と話していた。市では写真集を中央図書館にそなえ、市民への閲覧も行っている。

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北小で不審者対応の講話と集団下校

 

 通学路に出現する不審者や安全に対する意識を高めようと、12月22日、厚木市立北小学校(滝本かな子校長・児童数482人)で、不審者対応の講話と通学路の安全を確かめる集団下校が行われた=写真。
 この日は2学期最後の日で、神奈川県の暮らし安全指導員・川村慎一さんが子ども達に、不審者に声をかけられたとき、追いかけられたとき、連れて行かれそうになったときの対応を話した。

 川村さんは「外出するときは、行き先、帰りの時間を家の人に伝えておく」「知らない人にはついていかない」「無理やり連れて行かれそうになったら大きな声を出す」など、身近に起こりうる犯罪の防止策について具体的に説明、保護者や教職員に地域のコミュニケーションづくりの大切さを訴えた。子ども達はいざというときに勇気を持って大声が出せるよう、全員で「助けて」「警察を呼んで」と叫ぶ練習を行った。
 講話終了後、児童は登校班ごとに保護者や担当の教職員とともに集団下校、人の目や見通し、死角、植栽の剪定、路上駐車など通学路の危険箇所や状況を確認した。同校ではPTAや地域の方から、下校時に付き添いをしてもらうボランティアを募集、これまでに約100人の応募があった。また、自転車につける防犯ステッカーを保護者に配布するなどの対策を進めている。 

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バレンタインは義理チョコならぬ義理ビールで
  厚木市金田の地ビール製造会社・サンクトガーレン有限会社(岩本伸久社長)で、1月18日よりバレンタイン特別醸造ビール「インペリアルチョコレートスタウト」=写真=を限定発売する。
 このビールは「チョコレートモルト」をふんだんに使用した、ビタチョコレートのようなほろ苦さとまろやかな甘みが楽しめる黒ビールだ。
 通常のビールに使われるモルト(麦芽)は、85度前後で焙煎するのに対し、チョコレートモルトは160度前後の高温で焙煎する。丹念に焙煎されたモルトが醸し出すダークな色、甘い香り、まろやかでこくのある味わいはまさにチョコレートそのもの。寒い冬にピッタリの体を温めるビールで、冷えすぎていないほうがチョコレートの風味が強く感じられるという。
 また、通常のビールに比べてモルトを2倍以上使用することで、リッチで味わい深く、少し高めのアルコール分になるため、デザートビールとしても最適。アルコール分は約8%。330ml入りで450円(税込)。バレンタイン特別限定として、ホームページのほか、1月18日から市内旭町の寿屋酒店でも販売する。
 同社は93年に製造開始、ゴールデンエール、アンバーエール、ブラウンポーター、ペールエールの4種類が定番商品。

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