厚木テレコムパークが1階〜9階を所有する「厚木アクストメインタワービル」
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民事再生手続き中の第三セクター「厚木テレコムパーク」(落合直文社長)の経営再建問題で、筆頭株主である厚木市は7月5日、固定資産税・償却資産税などの延滞金約2億5千万円を免除する方針を固め、同社に伝えた。同社が横浜地裁に提出した再建計画案には、全株主に100%の減資も要請しており、完全民営化されると市の損失は出資金7億円と合わせて9億5千万円あまりになる。
山口市長は「延滞金の免除については市民の利益を最大限に確保するということを前提に決断した。再生計画が決議された場合、出資金が失効する事については誠に残念で、市民の皆様に改めてお詫びする」というコメントを発表した。
同社は平成4年9月、旧郵政省が提唱する「テレコムタウン構想」にもとづき、東京一極集中の是正と地域振興を目的に、東名厚木インターチェンジ周辺地区50ヘクタールに情報通信基盤の整備された新しいまちづくりを進める官民共同出資の中核企業として設立された。厚木市が7億円、神奈川県5億円、政府系金融機関の日本政策投資銀行が6億円を出資、民間企業を含む株主117社の出資金総額は53億9千900万円。
しかし、バブル崩壊後の景気低迷が続く中、テナント不足による収益減などで、平成17年には4期連続の債務超過に陥り、負債総額は77億円に達した。同年5月から導入の減損会計を適用すると累積損失は120億円を超える。現在の入居テナント数は27社。
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