第687号(2006.07.15)

市が税の延滞金を免除 厚木テレコム 破産回避で完全民営化へ

厚木テレコムパークが1階〜9階を所有する「厚木アクストメインタワービル」

 

 民事再生手続き中の第三セクター「厚木テレコムパーク」(落合直文社長)の経営再建問題で、筆頭株主である厚木市は7月5日、固定資産税・償却資産税などの延滞金約2億5千万円を免除する方針を固め、同社に伝えた。同社が横浜地裁に提出した再建計画案には、全株主に100%の減資も要請しており、完全民営化されると市の損失は出資金7億円と合わせて9億5千万円あまりになる。
 山口市長は「延滞金の免除については市民の利益を最大限に確保するということを前提に決断した。再生計画が決議された場合、出資金が失効する事については誠に残念で、市民の皆様に改めてお詫びする」というコメントを発表した。
 同社は平成4年9月、旧郵政省が提唱する「テレコムタウン構想」にもとづき、東京一極集中の是正と地域振興を目的に、東名厚木インターチェンジ周辺地区50ヘクタールに情報通信基盤の整備された新しいまちづくりを進める官民共同出資の中核企業として設立された。厚木市が7億円、神奈川県5億円、政府系金融機関の日本政策投資銀行が6億円を出資、民間企業を含む株主117社の出資金総額は53億9千900万円。
 しかし、バブル崩壊後の景気低迷が続く中、テナント不足による収益減などで、平成17年には4期連続の債務超過に陥り、負債総額は77億円に達した。同年5月から導入の減損会計を適用すると累積損失は120億円を超える。現在の入居テナント数は27社。

 同社は平成15年2月に経営改善計画骨子案をまとめて関係機関と再三協議してきたが、厚木市との間で金融機関の債権カット後の残債に対する損失補償問題で折り合いがつかず、これ以上自力再建するのは困難とみて、平成17年11月、横浜地裁に民事再生法の適用を申請した。
 日本政策投資銀行は市との間で妥協点が見い出せないことから、今年の2月、米国系の投資会社に全債権を譲渡したことが分かった。同投資会社から、支援は100%減資による完全民営化、延滞金免除が絶対的条件とされたため、市は「民事再生法による再生」か、「破産法による破産か」の選択に迫られていた。
 市は6月20、23の両日、議会全会派に、これまでの状況を説明、市として選択できる事項などを示して意見を聞いたところ、ほとんどの会派から理解が得られたとして、正式に延滞金の免除を決めた。延滞金を免除した理由として、1租税債権の回収額が免除しない場合よりも免除した場合の方が多額である。2経営再建による事業継続で産業集積が維持できる。3延滞金を免除しない場合、民事再生計画が成立せず破産となり、経済的な混乱が生じ、地権者や入居テナントに大きな影響が出るなどを上げている。
 厚木テレコム社は、今後、横浜地裁の裁定にもとづいて債権者集会を開き、再生計画が可決されると完全民営化される。風見鶏2006.7.15「不作為の罪」

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厚木市長選1月21日告示・28日投票

 厚木市選挙管理委員会(小林正義委員長)は7月10日定例委員会を開き、来年2月22日に任期満了を迎える厚木市長選挙の選挙日程を決めた。告示は1月21日、投票は28日市内43カ所で午前7時から午後8時まで。開票は同日午後8時50分から荻野運動公園体育館で行う。選挙公報の新聞折込は1月24日の朝刊で7大新聞に折り込む。同選管は事前説明会を12月22日に行い、期日前投票は1月22日から投票日前の27日までとすることも決めた。6月2日現在の選挙人名簿登録者数は17万5千585人(男9万・1千366人・女8万4千219人)。

 厚木少年少女合唱団 花とライオン児童合唱 音楽賞に輝く

 厚木市内の小中高校生で編成する「厚木少年少女合唱団」(富田欣市常任指揮者・25人)が、「第11回花とライオン児童合唱音楽賞」を受賞、7月25日東京千代田区の銀行倶楽部で行われる贈呈式で、助成金100万円が贈られる。
 同賞は児童合唱音楽の振興と発展をはかるため、童謡作家の小黒恵子さんが私財を投入して公益信託基金を創設、文部科学大臣の認可のもと、毎年全国の優秀な児童合唱団1団体を選出し表彰している。
 厚木少年少女合唱団は昭和52年3月、当時、中学教師だった富田欣市さん(69)の呼びかけで発足。毎年定期演奏会を行うほか、地域の合唱祭や文化祭にも参加、マレーシア、アメリカ、ドイツ、イタリアへの海外演奏旅行にも出かけ、ヴァチカンでは「法王謁見の間」で歌い、故ローマ法王
ヨハネ・パウロ2世から祝福の言葉を受けた。団発足以来、「美しい日本語の発語」をモットーに、日本の児童合唱団には馴染まないとされてきた「アカペラ」(無伴奏合唱)に挑戦、草分け的存在として注目されてきた。そのレパートリーは「音楽の友社」から「少年少女のためのアカペラ曲集」として3冊が出版されている。
 近年は少子化のため入団が少なくなり、現在の団員は25人。「受賞を機に団員が一人でも増えてほしい」と期待を寄せている。発足から常任指揮者として指導している富田欣市さんは「これからも美しい日本語を大切に、長く歌い継がれてきた歌、新しく生まれたきらめく珠玉のような歌、子どもの心を優しく包み育ててくれる歌を歌い続けていきたい」と話している。

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「厚木小唄」が復活発表会

 明治時代、旧厚木町で親しまれていた「厚木小唄」が、このほど復活、7月9日、厚木市中町会館で制作実行委員会(大津光悠紀委員長)による発表会が行われた=写真。
 「厚木小唄」は、日清戦争後不景気に陥った時期、旧厚木町の料亭などが、アユ漁遊船の中で、乗船客に歌や踊りを振る舞っていた曲。後に旧厚木町の花柳界で、「厚木音頭」として親しまれてきた。昭和9年、現在の「厚木音頭」が発表されると、旧来の厚木音頭は「厚木小唄」と改称され、厚木町の花柳界で生き続けることになった。
 現在、この歌を歌える人は数えるほどで、カセットテープに録音された歌詞と曲がが残っていたことから、厚木北地区の有志で「厚木小唄制作実行委員会」が発足、曲をよみがえらせることにしたもの。
 
 発表会では、津軽三味線の小山昇扇さんの歌声に合わせ、花柳千寿丸さんが踊りを披露。会場を訪れた関係者は「厚木の古きよき時代の情景が浮かんできます。とても心地よい曲」と拍手を送っていた。

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軍浦市の大学生が湘北短大生と交流

 6月28日、厚木市と友好都市である韓国・軍浦市の大学で、日本語を学んでいる学生12人が同市温水の湘北短期大学を訪問、学友会の国際交流委員会に所属する50人の学生と交流を行った=写真。
 一行は午前中、大学のキャンパスを見学後、学生同士でそれぞれの文化を紹介し合い、韓国の正月で遊ぶ蹴鞠に似た遊び「チェギチャギ」や「ユ」と呼ばれるサイコロを使ったすごろく、日本のけん玉、羽子板など伝統的な遊びを楽しんだ。
 国際交流委員会の南野加奈絵委員長(19)は「日本の伝統的な遊びをたくさん用意した。遊びながらの交流のほうが仲良くなれる」と楽しんでいた。日本語であいさつや文化を紹介した成昌玄さ
ん(22)は「練習通りにはうまくできなかったが、伝わったと思う。みんな優しくてすぐに打ち解けた」と話していた。ファッションや芸能などの話題で盛り上がった鯉沼彩さんは(20)は「これからも交流を続け今度は韓国に遊びに行ってみたい」 とメールアドレスを交換していた。

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18日から虹の会が17回目の展覧会

 ヌードのデッサン会で知られる「厚木虹の会」(押手清会長)の第17回作品展が、7月18日から24日まで厚木市中町の市民ギャラリーで開かれる。
 同会は今から30年ほど前、プロの画家やアマチュアが集まってヌードのデッサン会をやろうと発足したのが始まり。当初は学校の美術室や個人の家のアトリエを会場に開いていたが、その後、厚木南公民館を会場に毎月第1金曜日と土曜日に開くほか、年に2回写生会を行っている。現在、会員は26人。30代から70代までと幅広く、一水会、大潮会、旺玄会、元陽会など中央画壇で活躍する人もいる。
 
 デッサン会は1人の会員が代表して、モデルにポーズをつける以外は指導する人はいない。以前は飲みながら合評会を行ったこともあるが、今は批評もいっさいなし。17年ほど前から勉強会の成果を一般にも見てもらおうと展覧会を始めた。 
 18日から開かれる展覧会では1人3点を出品する。また、これに合わせて同じ会期で本厚木駅東口のアートルームはみちでも小品展を開く。

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大学生に厚木での就職をPR 東京で「市と市内企業紹介フォーラム」

 就職活動をする大学生に厚木市内での就職をPRしていこうと7月6日、市と市内の企業9社による説明会「厚木市及び市内企業紹介フォーラム」=写真=が東京都千代田区平河町の全国土木建築国民健康保険組合厚生会館で開かれた。市と厚木商工会議所の主催で、自治体が企業と協働で、市内への就職を呼び掛けるフォーラムを開くのは県内でも初めて。
 フォーラムには、これから就職活動を始めようという大学3年生を中心に66人が参加。冒頭にあいさつした山口巖雄市長は「厚木は自然の宝庫で、元気のある企業がたくさん集積している。交通の利便性も良く、皆さんが充実した生活を過ごせる基盤が整っている。どうか、夢を持って厚木に来てほしい」と呼び掛けた。
 企業の紹介では、各社ともプレゼンテーションソフトなどを用いたスライドで、沿革や業務内容、採用状況などを約10分間にわたって説明。その後、各社の担当者のもとを学生が訪ねる形式で、個別に意見を交換した。参加企業の人材開発担当者は「さまざまな業種に興味を持った学生が参加している。普段はなかなか学生に自社をアピールするチャンスがないのでありがたい。これからもこうした機会を提供してほしい」と喜んでいた。
 学生の反応も上々で、伊勢原市から都内の大学に通う3年生・伊藤奈月さん(20)は「大学で偶然、このフォーラムのチラシを見つけて参加した。自動車や通信機器など、あまり仕事の内容を知らない企業の説明も聞くことができて参考になった。行き慣れた厚木の新たな一面も知ることができ、厚木で就職したいという気持ちが高まった」。町田市在住で平塚市内の大学に通う3年生・井上聡一郎さん(22)は「まだ働くことに実感を持つことはできないが、これから就職活動をするに当たって参考になった。自宅から近い厚木での就職にも意欲がわいた」と話していた。

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女子高生の井上美恵子さんが荻野中学校で授業 インドでの体験などを伝える

 厚木市立荻野中学校(青木文明校長、生徒数478人)で7月7日、日本ユネスコ協会からインドに派遣された女子高校生が講師をする道徳授業が行われた=写真。
 講師を務めたのは、法政大学女子高校2年生で、厚木ユネスコ協会青少年ボランティアグループに所属する井上美恵子さん(16)。井上さんは今年3月26日から4月8日まで、ユネスコ協会のスタディーツアーに参加。インド南部の貧しい農村ゴカックなどで、学校に行けない子どもたちに文字などを教えるためユネスコが建てた夜学施設「寺子屋」を視察してきた。
 道徳授業では、3年生にインドの現状や文化、生活様式などを写真を用いて説明。日中、重労働に追われる子どもたちが、夜になって寺
子屋で一生懸命に字を覚えようとしている姿に感動したエピソードや、人口の45%がいまだに文字を読み書きできない事実などを伝えた。文字を覚えることが社会全体の発展につながることを実感したという井上さんは、「インドの子どもたちは親からも国からも勉強する機会を与えられていない。私たちは自分自身や社会をより良くしていくためにも、今できることを一生懸命やっていくことが大切」と呼び掛けた。
 講義を受けた女子生徒(14)は「年齢が近いのに、国際経験があってすごいと思った。インドの子どもたちの話を聞いて、自分たちは恵まれていると感じた。これからは、もっと勉強を頑張りたい」と話していた。

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依知北地区で高齢者招いて茶話会

 高齢者の閉じこもりを防ぎ、互いに親睦を深めてもらおうと7月8日、厚木市立依知北公民館で地域の高齢者を招く茶話会が開かれた。依知北地区地域福祉推進委員会(梅澤勇委員長・57人)が主催したもの、で77歳以上の高齢者約100人が参加、文化筝サークルの演奏や小学生の合唱などを楽しんだ=写真。
 開会で梅澤委員長が「今日もとても蒸し暑いです。短い時間ですが、楽しいひとときをお過ごしください」とあいさつ。最初のアトラクション「文化筝コンサート」では、老人福祉施設などで慰問活動をしている「URARA」(内藤純枝リーダー)のメンバー6人が演奏を披露した。高齢者になじみのある演歌や思い出深い唱歌など6曲に、参加者は思い思いに歌ったり、手拍子を合わせたりしていた。
 アトラクションの合間には、食生活改善推進団体「厚味会依知」(山口美知子代表・25人)による手づくりの茶菓子が配られた。同会は「高齢者に食べやすいものを」と、グリーンゼリーとにんじん蒸しパンの2品を前日から調理。参加者らは茶菓子をつまみながら世間話に花を咲かせた。
 最後のアトラクションでは、同地区内の市立北小学校(滝本かな子校長・児童数501人)少年少女合唱団65人が、校歌やアニメソングなど3曲を披露。元気あふれるハーモニーが会場に響きわたり、参加者は「自分が小学生のころを思い出した」と、惜しみない拍手を送っていた。

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「福祉に役立てて」と車椅子を寄贈

 7月3日、社団法人全日本不動産協会神奈川県本部・県央支部の二村政毅支部長ら役員が厚木市役所を訪れ、都高泉助役に車椅子1台を寄贈した。
 同協会では平成14年から市の福祉事業に役立ててほしいと毎年市に対し車椅子の寄贈を行っている。同協会から市に寄贈された車椅子はこれで5台となった。
 都高助役は「現在、とても需要が高くなっている車椅子をいただけることは福祉にとって何よりのプレゼント」とお礼を述べた。二村支部長は「今後も車椅子だけでなく、障害者のニーズに応じた機器を提供し、福祉に貢献していきたい」と話していた。寄贈された車椅子について、福祉総務課では「総合福祉センターに設置し、社会福祉協議会を通じ、市民への貸し出し用に活用していきたい」と話している。

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亜甲絵里香さんが8月18日、バースデー・パフォーマンス

「原爆の図」の1場面
 厚木市寿町でモダンバレエスタジオを主宰している「気」の舞踊家・振付家の亜甲絵里香さんが、8月18日、厚木市文化会館で特別公演「バースデー・パフォーマンス」を開く。日ごろ支援していただいている人たちへの感謝と、亜甲さんの表現力豊かな踊りを踊るため、世界中から集まるダンサーによって結成されるグローバル・ダンス・シアターの活動について、一般の方にも理解を深めてもらうための企画で、亜甲さんをサポートする企業やスタジオの父母らが支援の募金活動をおこなう。
 亜甲さんは昨年、舞踊歴30周年を迎えたが、その間一貫して海外に目を向け、国際舞台で「気」の舞踊を表現してきた。これまでにパリ・サロン・ドウ・ラ・ダンス、ギリシヤの国際ダンス会議、ニューヨークのモダンダンススタジオ、ロシアの国立ノボシビルスク・オペラ・バレエ劇場などで作品を発表、その踊りは単なるテクニックではなく、ドラマティックで美しく、写実的な表現に満ちあふれている。「氣」の表出を重視するその手法は「テアトル・ムーヴマン」(劇的躍動)と呼ばれ、静の動作と表情が舞台に黙示録的な緊張感を与え、観客と踊り手が一体となった、不思議な舞台空間をつくり上げることに成功した。
  昨年、厚木市文化会館で30周年を記念して「インターナショナル・ダンス・コンサート」を開催、大成功をおさめたが、その後、夢と希望、愛を伝える踊りを地元の方にも引き続いて披露して欲しいという声が強く出てきたため、今回の特
別講演が決まった。
 当日は亜甲さんの誕生日でもあり、フランスでモダンダンス歴10年の長男寛一さん、ロシアのノボシビルスクバレエ団のプリンシパルとの共演で知られる長女華織さんのファミリーを中心に、フランスの女性ダンサー、エレオノール・アルヌールさん、カナダの音楽家ミッシェル・ドゥボーさんも応援にかけつけ、亜甲さんと共演する。
 プログラムは「気の舞踊家」として立つ出発点となった作品で、不条理と闘いながら、愛と希望を失わず生きる喜びを描いた「花の詩」のほか、寛一さんと華織さんの小作品を間に入れ、丸木位里・俊夫妻の15連作の名画を舞踊化した「原爆の図」の「水」と「少年少女」の場面を披露する。亜甲さんは「8月15日の終戦記念日を思い、戦争がないのに愛のない生活、感性のない生活を送ってきたに日本人に、愛とは何か、平和とは何かを改めて考えていただける舞踊を踊りたい」と話している。 
 受付では亜甲さんの舞踊活動を支援するため募金箱を置き、入場者へ寄付も呼びかける。
 入場は無料だが整理券が必要。希望者は直接スタジオに問い合わせること。TEL:221・3883番。

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